
結論: 和歌山県の宿泊税は、2026年10月8日時点でまだ決まっていません。県の観光振興財源検討部会が2026年8月28日に示した制度素案は「2028年6月導入予定・1人1泊一律200円・免税点なし・課税免除は修学旅行その他学校行事のみ・特別徴収義務者への交付金は導入当初5年かつ電子申告で3.5%」で、今後は部会の報告書、パブリックコメント、県議会の審議、総務省との協議を経て確定します。一方、白浜町の宿泊税は確定しています。2026年6月の町議会で条例が可決され、9月30日に総務大臣が同意し、2027年3月1日から1人1泊200〜1,000円の4段階で課税が始まります。既存の宿泊事業者は2026年11月30日までに特別徴収義務者の申告書を町に出す必要があります。和歌山の宿が今やることは「県の案を待つ」ことではなく、「自社の所在地で開始日を確定する」「料金帯別の人泊数を数える」「徴収額と交付金を試算する」の3つです。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内(白浜町・田辺市・那智勝浦町・串本町・和歌山市・高野町・有田・日高・紀北)で旅館・ホテル・民宿・簡易宿所・民泊・一棟貸しを営む経営者と現場担当者。大阪府の宿泊税をすでに徴収している泉佐野・岸和田・堺など泉州の宿や、和歌山へ客を送る関西・三重の事業者も含みます 読了後にできること: 県の案と白浜町の確定内容を正しく言い分け、自社の料金帯別人泊数から年間の徴収額・交付金・事務負担を数字で出し、領収書の表示と予約システムの直し方を今日から着手できる状態になる
「県の宿泊税は2028年だと聞いたので、まだ何もしていません」
白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中で、こうした声を聞くことがあります。ただ、白浜町内の宿であれば、県より先に町の宿泊税が2027年3月1日に始まり、特別徴収義務者の申告書の提出期限は2026年11月30日です。県の案が確定するのを待っていると、町の登録期限を過ぎます。
インターネットで「和歌山 宿泊税 導入 検討 2026」と検索すると、県の検討部会のニュースや白浜町の条例可決の記事は見つかります。けれど、「自分の宿は県と町の両方を集めるのか」「子ども料金や2食付きプランの税額はどう計算するのか」「集めた税の何%が宿に戻るのか」「まだ決まっていない県の案に、いつ、どうやって意見を出せるのか」までは、1本の記事では出てきません。
判断できない原因は、税の知識が足りないからではありません。宿泊税で宿が困るのは税額そのものではなく、「自社の料金帯別の人泊数」「食事代を除いた宿泊料金の切り出し」「領収書と予約サイトの表示」という自社側の3つの数字と手順が決まっていないことです。数字を出し、ルールを決め、表示を直す。この順番で進めれば、県の案が200円でも300円でも、開始が2028年6月でもその先でも困りません。
この記事では、和歌山DX総合研究所が、和歌山県の検討部会の公表資料、白浜町の条例と特別徴収事務の手引き、観光庁と県の宿泊統計、大阪府・京都市・鳥羽市の公式ページだけを根拠に、和歌山の宿泊税の確定事実を整理したうえで、県内の宿が備える7ステップ、そのままコピペで使える8本のAIプロンプト、施設タイプ別の確認項目、宿泊税で起きる4つの失敗パターン、備えの8項目をまとめます。先月の予約台帳か、料金表を手元に置いて読み進めてください。
目次
まず結論:和歌山の宿泊税に備える7ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。7つを上から順に進めれば、県の案が変わっても同じ手順で備えが進みます。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 所在地と開始日を確定する | 白浜町内か町外かで、最初の開始日と登録期限を決める | 自社の旅館業許可証か民泊の届出番号の住所を見る |
| 2. 料金帯別の人泊数を数える | 1万円未満・1〜2万円・2〜5万円・5万円以上の4区分で年間人泊数を出す | 先月の予約台帳で「大人の人泊数」を数える |
| 3. 徴収額と交付金を試算する | 県案200円と町税を掛けて年間の徴収額と戻る交付金を出す | 年間人泊数に200円を掛ける |
| 4. 素泊まり相当額の切り出しを決める | 2食付きプランから食事代・消費税・入湯税を除く計算ルールを決める | 一番売れているプランの内訳を書き出す |
| 5. 表示と設定を棚卸しする | 領収書・予約システム・OTA・公式サイトの「宿泊税」表示欄を数える | 直近の領収書を1枚印刷する |
| 6. 宿泊者向け説明文を用意する | 県と町で違う免除ルールを和英で1枚にする | 「12歳未満」「修学旅行」の扱いを書き出す |
| 7. 県の案に数字で意見を出す | パブリックコメントと意見交換会に自社の試算を添えて出す | 県の検討部会のページをブックマークする |

ポイントは順番です。多くの宿は「税額が決まってから対応しよう」と考えますが、税額が決まる前にできることのほうが多く、しかも期限が先に来ます。白浜町内の宿はステップ1〜3を2026年11月30日の登録期限までに、ステップ4〜6を2027年3月1日の課税開始までに終え、町外の宿はステップ1〜3を今月中に、ステップ7を県のパブリックコメント期間中に終えるのが目安です。 どのステップも着手は30分〜2時間ででき、使うのは予約台帳といつものスマホ、無料のAIだけです。
和歌山県の宿泊税とは|「県の案」「白浜町の確定」「他府県の現行」の3つに分ける
宿泊税とは、ホテル・旅館・簡易宿所・民泊などへの宿泊に対し、自治体が条例で独自に課す地方税(法定外目的税)です。納税するのは宿泊者で、宿泊施設の経営者が特別徴収義務者として宿泊者から集め、自治体に申告・納入します。総務省の「法定外税の実施状況(令和6年度)」によると、令和7年1月時点で宿泊税を実施または施行予定だったのは東京都・大阪府・福岡県の3府県と、京都市・金沢市・倶知安町・福岡市・北九州市・長崎市・ニセコ町・常滑市・熱海市・赤井川村の10市町村でした。令和5年度の決算額は京都市が51億9,900万円、東京都が43億9,900万円、大阪府が25億1,000万円です。
「和歌山の宿泊税はいつからか」と聞かれたとき、答えは3つに分けないと正しく伝わりません。
- 県の案(未確定): 和歌山県の観光振興財源検討部会のページに掲載された2026年8月28日の第3回会議資料によると、制度素案は「税率は一律定額200円が最も適当」「免税点は設けないことが望ましい」「課税免除は修学旅行その他学校行事のみが適当で、12歳未満は年齢を問わず課税」「導入は2028年6月(予定)」「特別徴収義務者への交付金は基本2.5%に導入当初5年かつ電子申告で1.0%を加算した3.5%」。同じ資料のスケジュールでは、9月に第4回部会と報告書提出、10月にパブリックコメント、その後に市町村との調整・県議会での審議・総務省との協議を経て導入とあります。2026年10月8日時点で、県のページに第4回部会・報告書・パブリックコメントの掲載はありません
- 白浜町の確定: 白浜町の「令和9年3月1日から宿泊税の課税を開始します」ページによると、2026年6月の町議会定例会で白浜町宿泊税条例が議決され、総務省との協議を経て9月30日付で総務大臣の同意を得て、2027年3月1日から課税を始めます。税率は1人1泊の宿泊料金(税抜き・食事代を除く)が1万円未満200円、1万円以上2万円未満300円、2万円以上5万円未満500円、5万円以上1,000円。12歳未満、修学旅行その他学校行事で宿泊する者、災害時の被災者は課税免除です
- 他府県の現行: 大阪府の宿泊税ページによると、泉佐野・岸和田・堺など泉州を含む大阪府内の宿は2025年9月1日の改正で、1人1泊5,000円未満は課税なし、5,000円以上1万5,000円未満200円、1万5,000円以上2万円未満400円、2万円以上500円。京都市の宿泊税ページによると、京都市は2026年3月1日から6,000円未満200円、6,000円以上2万円未満400円、2万円以上5万円未満1,000円、5万円以上10万円未満4,000円、10万円以上1万円。鳥羽市の宿泊税案内によると、三重県鳥羽市は2026年4月1日から1人1泊一律200円です

そのうえで、和歌山の宿泊税について2026年10月8日時点で確定している事実は、次の6つです。
- 県の検討の経緯: 紀伊民報の2026年2月5日の記事によると、岸本周平前知事が2025年2月の記者会見で財政悪化対策の一つとして宿泊税に言及し、庁内のワーキンググループが先進事例を調査。紀伊民報の2026年3月25日の記事によると、県観光審議会の下に観光振興財源検討部会が設けられ、自治体首長・観光と宿泊施設の関係者・大学教員ら13人が委員で、部会長は赤井伸郎・大阪大学大学院教授。第1回は3月24日、第2回は6月3日、第3回は8月28日に開かれた
- 県の事業者アンケート: 紀伊民報の2026年6月5日の記事によると、県は5月に県内の宿泊施設や民泊事業者1,498業者に用紙を送り、253業者が回答(回答率約16.9%)。妥当な1人あたりの税額は「100円以上200円未満」が70%、「200円以上300円未満」が20%、「300円以上500円未満」が6%。「全ての宿泊者から徴収」が55%、「例外規定を設ける」が45%だった
- 県の意見交換会: 第3回会議資料によると、2026年6月10日から7月7日に県内7エリアで開き、62名(旅館ホテル33名、簡易宿所25名、民泊4名)が参加。「物価高や中国人旅行者の減少等のこのタイミングでの導入の必要性」や「未導入地域への観光客流出」への懸念が出たと資料に記されている
- 県の財政需要と負担軽減策: 同資料によると、宿泊税を活用する施策の財政規模(案)は総合計約12億円で、うち市町村が実施主体となる想定の事業が約5億円、徴税に関する経費が約1億円。宿泊事業者の負担軽減策として、特別徴収義務者交付金・システム改修補助金・電子手続き体制・広報ツール作成・DX化支援の5項目が挙げられている
- 県と町の併課: 同資料の参考資料によると、白浜町内では県案200円と町税が重なり、1人1泊の合計は1万円未満400円、1万円以上2万円未満500円、2万円以上5万円未満700円。県内で入湯税を徴収している宿泊施設は16.2%にとどまる一方、白浜町は40.6%と突出しており、県は12歳未満を免除しない理由として、すべての施設で年齢確認やシステム改修の負担が生じることを挙げている
- 白浜町の実務: 白浜町の「宿泊税 特別徴収事務の手引き」(令和8年7月)によると、既に営業している宿泊事業者は2026年11月30日までに「宿泊税特別徴収義務者申告書」を町税務課に提出し、新規は営業開始の前日まで。申告納入は原則として宿泊月の翌月末日まで、要件を満たせば3か月分をまとめた年4回の特例が使える。交付金は申告納入した宿泊税額の2.5%に導入から3年間は0.5%を加算した3%で、年度の6月末までに申請する。領収書には「宿泊税」「Accommodation Tax」と名称と額を表示し、表示がないと宿泊税額分も消費税の課税対象となる場合がある。紀伊民報の2026年10月7日の記事によると、町が周知対象とする宿泊事業者は民泊を含め267件で、年間約6億5,000万円の収入を見込み、町長が施設を訪問してポスターとチラシを配っている
和歌山の宿泊税の確定事実は「県は2028年6月・一律200円・免税点なし・学校行事のみ免除の案で、報告書とパブリックコメントはこれから」「白浜町は2027年3月1日から200〜1,000円で確定し、登録期限は2026年11月30日」「那智勝浦町は2026年6月29日に検討委員会を設置して町の宿泊税を検討中」の3点で、県内の他の市町村で宿泊税が決まった事実はありません。 以降の7ステップは、この6つの事実だけを前提に組み立てています。那智勝浦町の検討内容は、那智勝浦町の宿泊税は町案100〜500円|宿が今週やる6手順【2026年9月】で整理しています。
泉州・南大阪の読者向けに補足します。泉佐野・岸和田・堺・泉南・阪南・貝塚の宿は、すでに大阪府の宿泊税を2025年9月から改正後の税率で徴収しており、特別徴収の登録・申告・領収書表示の実務はこの記事で白浜町について書く内容とほぼ同じ構造です。関空に着いて泉州に1泊し、南海と阪和自動車道で白浜に1泊する旅行者は、泉州の宿泊が5,000円以上なら、2027年3月以降は大阪府と白浜町の両方の宿泊税を払い、2028年6月以降は白浜で県税も重なります。和歌山市から近い順に泉州の宿も、送客先の和歌山で税がどう変わるかを知っておく必要があるため、和歌山DX総合研究所では県と町の制度を事業者目線で整理しています。
和歌山の宿が備える7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。( )の中を自社の事実に書き換えて送信してください。AIが作れるのは試算表と説明文の下書きまでで、税率・開始日・免除の範囲は県と町の公表資料だけを使い、AIに推測させてはいけません。 その前提で使えば、人泊数の集計や説明文の作成時間は大きく減らせます。
ステップ1: 所在地と開始日を確定する(白浜町内か、それ以外か)
最初にやるのは、税額の予想ではなく、自社にいつ何が始まるかを住所で確定することです。白浜町内に旅館業の許可か住宅宿泊事業の届出がある施設は、2027年3月1日から町の宿泊税の特別徴収義務者になり、既存事業者の申告書の期限は2026年11月30日です。町外の施設は、県の案が確定すれば2028年6月から県税のみで、那智勝浦町は町の宿泊税を検討中です。白浜町内の宿は県の案を待たずに2026年11月30日までに町へ申告書を出し、町外の宿は「2028年6月に県税200円が始まる前提で、確定ではない」と社内で共有するのが、ステップ1の到達点です。 複数の施設を持つ場合は、原則として施設ごとに申告が必要です。
あなたは宿泊施設の税務手続きに詳しい事務担当者です。以下の材料から、私の施設に宿泊税がいつ・どの自治体から始まるかを整理し、期限つきのやることリストを作ってください。
【材料】
・施設の所在地と許可の種別: (例: 白浜町、旅館業の許可、客室8室)
・施設数: (例: 本館と離れの2施設、同一敷地内)
・白浜町の宿泊税: 2027年3月1日課税開始、既存事業者の特別徴収義務者申告書は2026年11月30日まで(白浜町の手引き・2026年10月8日確認)
・和歌山県の宿泊税: 2028年6月導入予定の案で未確定(県検討部会の第3回資料・2026年10月8日確認)
出力: ①自社に関係する税と開始日の一覧 ②期限順のやることリスト(提出書類名つき) ③確定・未確定の区別。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、県の案を「決定」と書かないことです。社内の会議資料や予約システムの設定依頼に「2028年6月から県税200円」と断定で書くと、変更があったときに直す場所が増えます。「案・未確定」と添えてください。
ステップ2: 料金帯別の人泊数を数える(4区分・大人と12歳未満を分ける)
税額の計算は、人泊数(延べ宿泊者数)が土台です。白浜町の税率は1人1泊の宿泊料金で4段階に分かれるので、年間の人泊数を「1万円未満」「1万円以上2万円未満」「2万円以上5万円未満」「5万円以上」に割り振る必要があります。県の案は一律200円なので区分は不要ですが、人泊数そのものは必要です。さらに白浜町は12歳未満が免除で、県の案は12歳未満も課税なので、大人と12歳未満を分けて数えます。料金帯別・年齢別の年間人泊数が1枚の表になっていれば、県の案が200円から変わっても、町の税率が見直されても、掛け算を1回やり直すだけで済みます。 予約台帳に人数と年齢区分が残っていない宿は、まず先月分だけで作ってください。
あなたは小さな宿の経営数字に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、宿泊税の試算に使う料金帯別・年齢別の年間人泊数の表を作ってください。
【材料】
・客室数と年間の延べ宿泊者数: (例: 8室・年間4,000人泊)
・1人1泊の素泊まり相当額の分布: (例: 1万円未満が25%、1〜2万円が60%、2〜5万円が13%、5万円以上が2%)
・12歳未満の割合: (例: 全体の8%)
・修学旅行など学校行事の受け入れ: (例: 年2回・計120人泊)
・繁忙期と閑散期の差: (例: 8月は月800人泊、2月は月150人泊)
出力: ①4区分×年齢別の年間人泊数の表 ②白浜町の免除(12歳未満・学校行事)と県案の免除(学校行事のみ)それぞれの課税対象人泊数 ③数字が足りない項目と集め方。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、1室単位や1棟単位の料金を人数で割ることです。白浜町の手引きでは、1人あたりの料金が不明な場合は1室1泊の総額を宿泊者数で割った額を1人あたりの宿泊料金とし、12歳未満に帰属する料金は計算から除きます。一棟貸しや民泊は、ここで区分が動きます。
ステップ3: 徴収額と交付金を試算する(年間でいくら集めて、いくら戻るか)
ここが記事の核心です。人泊数が出れば、年間の徴収額と宿に戻る交付金が計算できます。例えば白浜町の客室8室・年間4,000人泊の宿で、課税対象が1万円未満1,000人泊・1万円以上2万円未満2,500人泊・2万円以上5万円未満500人泊なら、町税は200円×1,000+300円×2,500+500円×500で年間120万円、交付金は3%で3万6,000円です。県の案が実現すれば、県税は200円×4,000人泊で年間80万円、交付金は3.5%で2万8,000円が加わります。この宿は年間200万円を宿泊者から預かり、6万4,000円が事務負担の対価として戻る計算です。交付金は徴収額の3〜3.5%なので、県案の200円なら1人泊あたり7円、町税の1万円未満の区分なら6円にしかならず、宿泊税の事務は「交付金で賄う」のではなく「徴収と申告の手順を最初から軽くする」ことで吸収するしかありません。 数字を出すと、手順の軽さがどれだけ大事かが見えます。
あなたは宿泊施設の収支計算に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、宿泊税の年間徴収額と交付金、月次の申告事務の見込みを試算してください。
【材料】
・所在地: (例: 白浜町)
・料金帯別の課税対象人泊数(ステップ2の表): (例: 1万円未満1,000・1〜2万円2,500・2〜5万円500・5万円以上0)
・白浜町の税率: 200円/300円/500円/1,000円、交付金は2.5%+導入3年間0.5%加算(白浜町の手引き)
・和歌山県の案: 一律200円、交付金は導入当初5年かつ電子申告で3.5%(県検討部会第3回資料・未確定)
・申告納入: 白浜町は宿泊月の翌月末、要件を満たせば年4回の特例
出力: ①町税・県税それぞれの年間徴収額と交付金 ②合計額と、1人泊あたりの宿の実質負担 ③月次申告と年4回特例のどちらが向くかの判断材料。県の案は「未確定」と明記し、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、徴収額を宿の売上と混ぜないことです。宿泊税は預かり金で、翌月末までに町へ納める現金です。月末の資金繰りに組み込んでください。年間の徴収額が大きい宿ほど、年4回特例(前12か月の納入額120万円以下などの要件)の対象から外れる点も先に確認してください。手取りの計算の型は、小さな宿のダイナミックプライシングのやり方|手動7ステップと料金表テンプレ【2026年9月】の経路別の手取り確認とあわせて使えます。
ステップ4: 素泊まり相当額の切り出しルールを決める(2食付き・ポイント割引・連泊)
白浜町の宿泊料金は「食事代や消費税等を除き、サービス料等を含んだ金額」です。2食付きプランの宿は、食事代に相当する額を除いた額で税率の区分を判定します。手引きには判定の例が複数載っていて、予約サイトのポイントやクーポンによる第三者割引は割引前の料金、宿が自ら行う割引は割引後の料金、連泊割引は割引率が明確なら日ごとに割引を計算、清掃料金を別に取る場合は加算、朝食無料サービスは食事料金がないものとして全額が宿泊料金、といった扱いです。2食付きプランの「食事代に相当する額」を宿がどう決めるかで税率の区分が変わるので、根拠(プラン設計時の原価や単品の食事料金)を書面にして帳簿と一緒に保存しておくことが、税務調査と宿泊者への説明の両方で効きます。 県の案は一律200円なので切り出しは不要ですが、町税がある白浜町の宿は避けて通れません。
あなたは宿泊施設の料金設計と税務に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、宿泊税の区分判定に使う「素泊まり相当額」の切り出しルール案を作ってください。
【材料】
・主なプランと料金: (例: 2食付き1泊1人1万8,000円・朝食付き1万2,000円・素泊まり9,000円、いずれも税込)
・食事の単品料金か原価: (例: 夕食単品6,000円、朝食単品1,500円)
・割引の種類: (例: 予約サイトのポイント、自社の早割10%、連泊割引3泊で5%)
・清掃料や追加寝具の料金: (例: 一棟貸しは清掃料5,000円/泊を別途)
・白浜町の手引きの扱い: 食事代・消費税・入湯税は除く、第三者割引は割引前、自社割引は割引後、連泊割引は割引率が明確なら日ごとに計算、清掃料は加算
出力: ①プランごとの素泊まり相当額と税率区分 ②割引・連泊・清掃料の扱いの一覧 ③社内で保存する根拠書類のリスト。税務上の最終判断は白浜町税務課に確認する前提で書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、ルールを決めたら白浜町税務課(0739-43-6584)に一度確認することです。手引きは町が作ったものなので、確認した日付と担当者名を記録しておけば、後から説明に使えます。
ステップ5: 領収書・予約システム・OTA・公式サイトの表示を棚卸しする
宿泊税は「集める」より「表示する」ほうが先に壊れます。白浜町の手引きは、領収書等に宿泊税の名称と額を表示し、表記は日本語「宿泊税」、英語「Accommodation Tax」で統一するよう求めています。名称と額が明確に表示されていない場合は、宿泊税額分も消費税の課税対象となる場合があります。直す場所は領収書だけではなく、予約システム(PMS)の内訳欄、OTAの料金表示とキャンセルポリシー、公式サイトの料金ページ、予約確認メール、館内掲示です。表示を直す場所を媒体ごとに数え、「宿泊税は宿泊料金と別に、名称と額を出す」という1つのルールで全部揃えると、消費税の二重課税も宿泊者からの「料金が上がった」という誤解も同時に防げます。 県の案が決まれば、同じ場所をもう一度直すので、今回の棚卸しの表はそのまま使い回せます。
あなたは宿泊施設の予約システムと会計の設定に詳しい担当者です。以下の材料から、宿泊税の表示と設定を直す場所の一覧表を作ってください。
【材料】
・使っている予約システムと会計ソフト: (例: PMS○○、会計は△△)
・掲載しているOTA: (例: じゃらん、楽天トラベル、Booking.com、Airbnb)
・公式サイトの予約方法: (例: 自社の予約フォーム、電話、LINE)
・決済の方法: (例: 現地現金、現地カード、OTA事前決済)
・表示ルール: 宿泊税は宿泊料金と別に「宿泊税」「Accommodation Tax」の名称と額を表示(白浜町の手引き)
出力: 「媒体/直す箇所/誰が直すか/ベンダーへの確認事項/期限」の表と、ベンダーに送る問い合わせ文(150字以内)。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは宿泊施設の事務担当者です。以下の材料から、宿泊税の開始後に使う領収書の記載例と、OTAの事前決済で宿泊税を現地で受け取る場合の宿泊者向け案内文を作ってください。
【材料】
・施設名と所在地: (例: 白浜町の旅館)
・税の内訳の例: (例: 客室料金1万円、消費税等1,000円、入湯税150円、宿泊税300円)
・OTA事前決済の扱い: (例: 宿泊税は現地でチェックイン時に申し受ける)
・表記ルール: 「宿泊税」「Accommodation Tax」で統一
出力: ①合計の内訳に宿泊税を計上する領収書の記載例 ②客室料金に含める場合の注記例 ③事前決済のお客様向け案内文(日本語100字以内と英語)。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、OTAの事前決済分です。OTAが宿泊税を代理徴収するか、宿が現地で受け取るかは媒体ごとに違います。開始日までにOTAごとに確認し、確認結果を表に残してください。白浜町内の宿で予約システムや精算システムの改修費がかかる場合は、白浜町の「宿泊税対応システム改修等事業補助金」が、特別徴収義務者の申告書を提出した(または提出予定の)宿泊事業者を対象に、システムの改修・構築、それに伴うハードウェア・ソフトウェアの購入、既存パンフレットの修正の経費を、50万円までは全額、50万円を超える部分は2分の1以内、上限100万円で補助します(2026年10月8日に町のページで確認。実績報告の期限は事業完了後30日以内か2027年2月26日のいずれか早い日)。申請期間や様式は町の観光課観光商工係(0739-43-6588)と最新の公募要領で確認してください。全国の宿泊税の広がりとOTA側の動きは、宿泊税の導入が全国に拡大|白浜町は2027年3月開始、宿が今週やる6ステップで整理しています。
ステップ6: 宿泊者向け説明文を和英で用意する(県と町で免除が違う)
フロントで一番時間を取られるのは、宿泊者への説明です。白浜町では12歳未満と修学旅行等が免除で、県の案では学校行事のみが免除で12歳未満も課税、という違いが2028年に同じ宿で同時に起きる可能性があります。さらに白浜町の修学旅行等の免除は、学校教育法第1条の学校(大学を除く)の行事が対象で、部活動の合宿や専門学校・海外の学校の生徒は対象外、免除には学校長の証明書が必要です。説明文は「税の名称と額」「誰が免除か」「何に使われるか」「問い合わせ先」の4項目を日本語と英語で1枚にまとめ、フロント・予約確認メール・公式サイトに同じ文を置くのが、現場の説明時間を最も減らす方法です。 県は多言語対応のリーフレットを作る方針を示していますが、宿の名前で出す1枚は宿が作るしかありません。
あなたは宿泊施設の接客文に慣れた編集者です。以下の材料から、宿泊者向けの宿泊税の説明文を日本語と英語で作ってください。
【材料】
・施設名と所在地: (例: 白浜町の民宿)
・適用される税: (例: 白浜町宿泊税、2027年3月1日宿泊分から、1人1泊200〜1,000円)
・免除: (例: 12歳未満、修学旅行その他学校行事で学校長の証明書がある場合、災害時の被災者)
・使い道: (例: 観光資源の魅力向上、受入環境の充実など白浜町の観光振興施策。白浜町の手引きより)
・問い合わせ先: (例: 白浜町税務課課税係 0739-43-6584)
出力: ①館内掲示用(日本語150字以内+英語) ②予約確認メール用(日本語100字以内+英語) ③フロントで聞かれたときの一言(日本語50字以内+英語)。税額と免除は【材料】のとおりに書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、宿泊者名簿の年齢欄です。12歳未満の免除を適用するには、年齢が名簿で分かる状態が要ります。名簿の電子化と記載項目は、宿泊者名簿の電子化7ステップ|無料テンプレと保健所への確認文例【2026年9月】で扱っています。
ステップ7: 県のパブリックコメントと意見交換会に数字で意見を出す
県の案は、まだ変えられます。第3回会議資料のスケジュールでは、報告書の提出後、10月にパブリックコメントを予定し、その後に市町村との調整、県議会での審議、総務省との協議があります。意見交換会で出た導入時期や観光客流出への懸念は第3回資料に記され、県は同じ資料で交付金・システム改修補助金・電子手続き体制・広報ツール作成・DX化支援の負担軽減策5項目を示しました。つまり、数字を添えた意見は制度に反映される余地があります。「自社の年間人泊数×200円=年間徴収額、交付金3.5%=○円、月次申告の作業時間○時間」という自社の試算を1枚にして出すことが、宿が県の制度に関われる最も具体的な方法です。 感想ではなく数字で出してください。
あなたは行政への意見書づくりに慣れた事務担当者です。以下の材料から、和歌山県の宿泊税の制度案に対するパブリックコメントの文案を作ってください。
【材料】
・施設の概要: (例: 田辺市の旅館、客室10室、年間5,000人泊)
・ステップ3の試算: (例: 県税の年間徴収額100万円、交付金3.5%で3万5,000円、月次申告は月3時間の見込み)
・県の案で困る点: (例: 12歳未満も課税で年齢確認が増える、OTA事前決済の扱いが未定)
・要望: (例: 年4回申告の特例、システム改修補助の対象と上限の明示、使途の公表方法)
・根拠にする県の資料: 観光振興財源検討部会第3回資料(2026年8月28日)
出力: ①意見の要旨(200字以内) ②理由と数字(400字以内) ③要望の箇条書き。県の案は「未確定」と明記し、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、県の募集ページに書かれた提出方法と期限を守ることです。パブリックコメントの開始は県のページで告知されます。月1回、県の検討部会のページを確認する日を決めてください。
施設タイプ別・和歌山の宿泊税で効く場所と今週の確認項目
同じ和歌山の宿でも、宿泊税で詰まる場所は施設タイプで違います。自社に近い列から着手してください。
| 施設タイプ | 効く場所 | 今週の確認項目 |
|---|---|---|
| 簡易宿所・ゲストハウス | 素泊まり4,000円に200円は5%の上乗せで、県の案が最も重い価格帯。無人チェックインの収受方法 | 事前決済と現地収受のどちらで税を受け取るか、無人時間帯に受け取れなかった税の扱い |
| 民宿・小規模旅館 | 2食付きからの素泊まり相当額の切り出し(白浜町)。家族経営で申告事務の人手がない | 食事代の根拠書類、年4回特例の要件(前12か月120万円以下)、入湯税との二重の表示 |
| ホテル・大型旅館 | PMSでの税区分の自動判定、OTA・団体・企画旅行の料金判定、月次申告の金額が大きく特例対象外 | PMSベンダーの対応予定と見積、企画旅行の契約単価の扱い、白浜町のシステム改修補助金(上限100万円)と県の補助金案の情報 |
| 民泊・一棟貸し | 1棟料金を人数で割ると区分が動く。人数変更で再計算。清掃料は加算 | 人数変更時の再計算の担当、清掃料の扱い、OTAの表示欄と代理徴収の有無 |

共通するのは、どのタイプでも「料金帯別・年齢別の人泊数(ステップ2)」を土台にすることです。県の案は一律200円なので素泊まり4,000円の簡易宿所では5%、2万円の旅館では1%の上乗せになり、同じ200円でも価格帯が低い宿ほど宿泊者の負担感と説明の手間が大きくなります。 県の第3回資料も、免税点は設けないとしつつ「制度導入後の状況を見ながら、想定以上の負担が生じる等、問題があるようであれば制度の見直し時期に改めて検討する必要がある」としています。

【要注意】和歌山の宿泊税で起きる4つの失敗パターン
7ステップを進めても、次の4つのどれかに当てはまると、開始日に現場が止まります。4つとも県や町の制度の話ではなく、「県を待って町の期限を逃す」「税を料金に埋めて消費税がかかる」「OTAの受け取り方を決めない」「県と町の免除を混ぜる」という宿側の手順で起きる失敗です。 順に確認してください。
失敗1: 「県税は2028年だから」と待ち、白浜町の2026年11月30日の登録期限を逃す
❌ よくある間違い: 県の宿泊税のニュースだけを見て、白浜町の宿泊税も同じ時期に始まると思い込み、町の申告書を出していない。
⭕ 正しいアプローチ: 白浜町内の宿は町税が先に始まると認め、2026年11月30日までに宿泊税特別徴収義務者申告書と添付書類(許可証の写し、宿泊約款、料金が分かる書類)を町税務課に出す。
なぜ重要か: 白浜町の課税開始は2027年3月1日で、県の案より1年3か月早く、しかも確定しています。県の案を待っている間に町の登録期限が過ぎ、2027年3月1日の宿泊分から徴収と申告の義務だけが先に始まるのが、この失敗の実害です。
失敗2: 宿泊税を料金に埋め込み、宿泊税額にまで消費税がかかる
❌ よくある間違い: 「料金が上がったと思われたくない」と、宿泊税を客室料金に含めて表示し、領収書に宿泊税の名称と額を書かない。
⭕ 正しいアプローチ: 領収書・予約システム・公式サイトで、宿泊税は「宿泊税」「Accommodation Tax」と名称と額を別に表示する。客室料金に含める場合でも「上記金額には宿泊税額○円が含まれております」と注記する。
なぜ重要か: 白浜町の手引きは、名称と額が明確に表示されていない場合は宿泊税額分も消費税の課税対象となる場合があると明記しています。表示を怠ると、300円の宿泊税に消費税がかかって宿の持ち出しが増えるうえ、宿泊者には「税ではなく値上げ」に見え、説明の手間まで増えます。
失敗3: OTAの事前決済で、宿泊税を誰がいつ受け取るかを決めないまま開始日を迎える
❌ よくある間違い: OTAが宿泊税も代理で徴収してくれると思い込み、チェックイン時に受け取る仕組みも案内もない。
⭕ 正しいアプローチ: 掲載しているOTAごとに、宿泊税の代理徴収の有無と表示方法を開始日の2か月前までに確認し、現地で受け取る媒体は予約確認メールと館内掲示に「宿泊税は現地で申し受けます」と和英で書く。
なぜ重要か: 白浜町の手引きでは、宿泊者から税を受け取れなかった場合でも、課税対象の宿泊があれば特別徴収義務者は申告納入の義務を負います。受け取り方を決めずに開始日を迎えると、受け取れなかった税を宿が自腹で納める月が出るのが、この失敗の実害です。
失敗4: 県と町の免除ルールを混ぜて、12歳未満と修学旅行の扱いを間違える
❌ よくある間違い: 「子どもは宿泊税がかからない」と一括りにし、県の案でも12歳未満が免除だと宿泊者に説明してしまう。部活動の合宿も修学旅行と同じ扱いにしてしまう。
⭕ 正しいアプローチ: 白浜町は12歳未満と学校行事(学校長の証明書が必要、部活動の合宿は対象外)が免除、県の案は学校行事のみ免除で12歳未満は課税、と2本立てで説明文を作り、県の案が確定したら差し替える。
なぜ重要か: 県の第3回資料は、すべての施設で年齢確認やシステム改修の負担が生じることを理由に、年齢を問わず課税する案を示しています。同じ資料では入湯税を徴収している施設は県内の16.2%にとどまり、年齢確認の経験がない宿のほうが多数です。白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、「入湯税の子ども免除と同じでしょう」という受け止めは珍しくありません。白浜町内の宿では2028年以降、同じ子どもに町税は免除で県税は課税という状態になり得るので、免除は税ごとに別の表で管理する以外に正しく説明する方法はありません。
ここまでの7ステップと4つの失敗パターンは、すべて県と町の公表資料と自社の予約台帳だけで進められます。それでも「料金帯別の人泊数を出す仕組みがない」「予約システムとOTAの設定を直す手が足りない」という宿もあるはずです。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、県内の宿や店舗の集客と業務効率化の支援に取り組んでいます。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは先月の予約の数字と料金表だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
宿泊税の備えができている宿・いない宿の違い(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。予約台帳と直近の領収書を手元に置き、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ 自社の所在地で最初に始まる宿泊税と開始日、登録期限を即答できる
- □ 年間の人泊数を4つの料金帯と「12歳未満・学校行事」に分けた表がある
- □ 県案200円と町税を掛けた年間徴収額と交付金を1枚にしている
- □ 2食付きプランの素泊まり相当額の切り出しルールと根拠書類を決めている
- □ 領収書・予約システム・OTA・公式サイトの「宿泊税」表示欄を媒体ごとに数えた
- □ OTAごとに宿泊税の代理徴収の有無を確認し、現地収受の案内文がある
- □ 県と町で違う免除ルールを別々の表にし、和英の説明文を用意している
- □ 県の検討部会のページを月1回確認し、パブリックコメントに出す試算がある

特に見落とされやすいのが「OTAごとの代理徴収の有無」で、ここが未確認だと表示も案内も試算も開始日に全部やり直しになります。 チェックが3つ未満でも心配はいりません。7ステップを上から順に進めれば、1つずつ埋まる構成にしています。
和歌山の客室稼働率は48.4%で全国平均を13ポイント下回る|宿泊税は「取られる話」ではなく「使い道に口を出す話」
「宿泊税が始まれば客が減るのでは」と感じるかもしれません。公表されている数字は、税額の議論より先に、県内の宿の稼働の低さと、税の使い道に宿の声を入れる余地を示しています。
まず県内の宿泊の数字です。観光庁の宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))によると、2025年の和歌山県の延べ宿泊者数は495万5,910人泊(前年比マイナス1.1%)、うち外国人は87万7,270人泊(同プラス11.3%)でした。客室稼働率は全体で48.4%と、全国平均61.6%を13ポイント下回り、旅館に限ると36.7%です。隣の大阪府は78.6%です。和歌山県の令和7年観光客動態調査報告書によると、県の集計では2025年の宿泊客数は547万2,043人泊(前年比108.1%)、外国人宿泊客は71万4,428人泊(同140.0%)で、市町村別では白浜町183万727人泊、和歌山市109万4,739人泊、串本町53万4,743人泊、那智勝浦町46万4,881人泊、田辺市44万332人泊、高野町19万8,211人泊でした。一律200円を県の547万人泊に単純に掛けると約10億9,000万円で、免除分を差し引く前の当研究所の試算ですが、県が示した財政需要約12億円と同じ桁です。
次に先行自治体の規模です。総務省の一覧では、京都市の宿泊税の令和5年度決算は51億9,900万円、大阪府は25億1,000万円、福岡県は17億3,300万円です。京都市は2026年3月に最高1万円の5段階へ、大阪府は2025年9月に免税点を5,000円へ下げて税率を引き上げました。県の第3回資料の比較表によると、2026年には宮城県(1月・300円)、広島県(4月・200円)、北海道(4月・100〜500円)、長野県(6月・300円)が県レベルで施行し、沖縄県は2027年2月に定率2%(上限2,000円)を予定しています。県は意見交換会で「未導入地域への観光客の流出といった懸念については、先行自治体では減少に転じた例がない」と説明しています。
そのうえで実例です。白浜町は年間約6億5,000万円の税収を見込み、使い道として観光資源の魅力向上、情報発信、受入環境の充実、誘客促進、まちなみ景観の整備などを手引きに挙げ、事業者向けにはシステム改修等の補助金を課税開始前に用意しました。県の案では約12億円のうち約5億円が市町村の事業で、負担軽減策としてシステム改修補助金やDX化支援が挙げられています。和歌山の宿の客室稼働率は48.4%で全国平均を13ポイント下回るので、宿泊税の議論で宿が本当に関わるべきなのは200円か300円かではなく、「集めた税が稼働率を上げる使い道に回るか」を数字で確かめ、パブリックコメントと意見交換会で言い続けることです。 税は全員に平等に課されますが、使い道は声を出した宿の側に寄ります。県全体と市町村の宿泊数の読み方は、和歌山県の観光客数 市町村別2025|30市町村の増減と明日の打ち手【2026年9月】で整理しています。
よくある質問
検索で多い疑問を8問にまとめました。先に結論を言うと、2026年10月8日時点で和歌山県の宿泊税は「2028年6月導入予定・一律200円」の案の段階で未確定、白浜町の宿泊税は2027年3月1日開始で確定、既存事業者の町への登録期限は2026年11月30日です。
Q. 和歌山県の宿泊税はいつからですか?
県の制度素案では2028年6月の導入予定ですが、2026年10月8日時点で条例はなく、確定していません。 県の観光振興財源検討部会が2026年8月28日の第3回会議で素案を示し、今後は部会の報告書、パブリックコメント、市町村との調整、県議会での審議、総務省との協議を経て決まります。確定の目安は県議会での条例可決と総務大臣の同意です。
Q. 和歌山県の宿泊税はいくらですか? 免税点はありますか?
素案は1人1泊一律200円で、免税点は設けず、課税免除は修学旅行その他学校行事のみ、12歳未満も課税する案です。 県の事業者アンケートでは「100円以上200円未満」が妥当とする回答が70%で、県は財政需要約12億円と先行自治体の事例を踏まえて200円を「最も適当」としています。制度導入後に想定以上の負担があれば、見直し時期に免税点を改めて検討するとしています。
Q. 白浜町の宿泊税はいつから、いくらですか?
2027年3月1日の宿泊分から、1人1泊の宿泊料金(税抜き・食事代を除く)が1万円未満200円、1万円以上2万円未満300円、2万円以上5万円未満500円、5万円以上1,000円です。 12歳未満、修学旅行その他学校行事の参加者と引率者、災害時の被災者は免除です。2027年3月1日より前に予約があっても、3月1日以降の宿泊分には課税されます。白浜町の表示と予約設定の手順は、宿泊税引き上げの影響と宿の対応|アムステルダム20%案と白浜町【2026年9月】で整理しています。
Q. 白浜町の宿は、県と町の両方の宿泊税を集めるのですか?
県の案が実現すれば、2028年6月以降は白浜町内の宿で町税と県税の両方を集め、1人1泊の合計は1万円未満で400円、1万円以上2万円未満で500円、2万円以上5万円未満で700円になります。 温泉付きの施設では入湯税150円も別にかかります。県の第3回資料は白浜町との併課時の税額を参考として示し、市町村との調整を今後の予定に入れていますが、2026年10月8日時点で一本化や調整の決定はありません。
Q. 民泊や簡易宿所、一棟貸しも対象ですか?
白浜町では旅館業法の旅館・ホテル営業と簡易宿所営業の施設、住宅宿泊事業法の届出住宅がすべて対象で、県の案も同じ考え方です。 1棟料金の施設は、1泊の総額を宿泊者数で割った額で1人あたりの料金を判定します。白浜町の手引きでは、許可や届出のない施設でも旅館業法の宿泊の定義に当たれば課税対象になるとしています。
Q. 宿泊税の事務に対して、宿に戻るお金はありますか?
白浜町は申告納入した宿泊税額の2.5%に導入から3年間は0.5%を加算した3%を、県の案は基本2.5%に導入当初5年かつ電子申告で1.0%を加算した3.5%を、特別徴収義務者に交付金として交付します。 白浜町では年度の6月末までに申請書を出す必要があります。白浜町にはこのほか、特別徴収義務者の申告書を出した宿泊事業者向けに、システム改修等の経費を50万円まで全額、超える部分は2分の1以内、上限100万円で補助する制度があります(ステップ5参照)。県は交付金のほかに、システム改修補助金・電子手続き体制・広報ツール作成・DX化支援を負担軽減策として示していますが、県の補助金の対象・上限・公募時期は2026年10月8日時点で公表されていません。最新の情報は県の検討部会のページと町の公募要領で確認してください。
Q. 宿泊税 和歌山 事業者として、今月やることは何ですか?
白浜町内の宿は2026年11月30日までの特別徴収義務者申告書の提出、町外の宿は料金帯別・年齢別の年間人泊数の表づくりと、県案200円を掛けた徴収額の試算です。 どちらも先月の予約台帳があれば2時間で着手できます。人泊数の表ができたら、領収書と予約システムの「宿泊税」表示欄を数えてください。
Q. 県の宿泊税の案に、宿として意見を出せますか?
出せます。県の第3回会議資料のスケジュールでは報告書提出後の10月にパブリックコメントが予定されており、意見交換会の意見はすでに負担軽減策5項目に反映されています。 感想ではなく、自社の年間人泊数、徴収額、交付金、申告の作業時間を数字にして出してください。パブリックコメントの開始と提出方法は県のページで告知されるので、月1回の確認日を決めておくと見逃しません。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 自社の許可証か届出の住所で「白浜町内か町外か」を確定し、先月の予約台帳から料金帯別・年齢別の人泊数を数え、ステップ3のプロンプトで年間の徴収額と交付金を出す
- 今週中にやること: 直近の領収書と予約システム・OTA・公式サイトの「宿泊税」表示欄を媒体ごとに数え、OTAごとに代理徴収の有無をベンダーに問い合わせる。白浜町内の宿は申告書と添付書類を揃える
- 今月中にやること: 2食付きプランの素泊まり相当額の切り出しルールを決めて町税務課に確認し、県と町で違う免除の説明文を和英で1枚にし、県の検討部会のページを月1回確認する日をカレンダーに入れる
和歌山県の宿泊税は未確定でも、白浜町の宿泊税は2027年3月1日に確定しており、料金帯別の人泊数と表示の棚卸しは県の案が何円になっても無駄になりません。 7つすべてを一度にやる必要はありません。1週間に1ステップでも、年内には試算と表示の形が変わっています。
次回予告: 那智勝浦町の町案と県案を合算した負担の考え方は、那智勝浦町の宿泊税は町案100〜500円|宿が今週やる6手順【2026年9月】とあわせてお読みください。
参考・出典
県の宿泊税の税額・導入時期・免除・交付金の記載は、すべて2026年10月8日に和歌山県の検討部会の公表資料と、県発表を報じた地元紙の記事で確認した「素案」であり、報告書・パブリックコメント・県議会の審議・総務省との協議で変わります。 白浜町の記載は条例と町の手引きで確認した確定内容ですが、交付金の要綱など詳細は町のページで再確認してください。
- 和歌山県「観光振興財源検討部会」(第1回2026年3月24日、第2回6月3日、第3回8月28日の次第・委員名簿・会議資料。参照日: 2026-10-08)
- 和歌山県 観光振興財源検討部会 第3回会議資料(2026年8月28日)(スケジュール、意見交換会7エリア62名の結果、財政規模案約12億円、制度素案「一律定額200円・免税点なし・課税免除は学校行事のみ・2028年6月予定・交付金3.5%」、県と白浜町の併課時の税額比較、入湯税徴収施設の割合16.2%、負担軽減策5項目。参照日: 2026-10-08)
- 和歌山県「新たな観光振興財源の検討状況」(観光審議会2026年2月20日、検討部会、アンケート調査、意見交換会への案内。参照日: 2026-10-08)
- 白浜町「令和9年3月1日から宿泊税の課税を開始します」(2026年6月議会で条例議決、9月30日付で総務大臣同意、2027年3月1日課税開始。参照日: 2026-10-08)
- 白浜町「宿泊税 特別徴収事務の手引き」(令和8年7月)(税率200〜1,000円の4段階、宿泊料金の定義と判定例、課税免除、既存事業者の申告書提出期限2026年11月30日、申告納入は翌月末、年4回の特例要件、交付金2.5%+3年間0.5%加算、領収書への「宿泊税」「Accommodation Tax」表示、eLTAXは2027年3月1日以降、帳簿5年・書類2年の保存。参照日: 2026-10-08)
- 白浜町「入湯税」(1人1日150円、12歳未満などは課税免除。参照日: 2026-10-08)
- 白浜町「宿泊施設を経営されている方へ」(申告書の様式と添付書類、提出期限2026年11月30日、税務課課税係0739-43-6584。参照日: 2026-10-08)
- 白浜町「宿泊税対応システム改修等事業補助金」(対象は特別徴収義務者の申告書を提出した・提出予定の宿泊事業者、対象経費はシステムの改修・構築とハード・ソフト購入、既存パンフレットの修正、50万円まで全額・超過分2分の1以内・上限100万円、実績報告は事業完了後30日以内か2027年2月26日の早い日、観光課観光商工係0739-43-6588。参照日: 2026-10-08)
- 紀伊民報「観光財源に『宿泊税』 28年度導入目指し、和歌山県が検討」(2026年2月5日。岸本周平前知事の2025年2月会見での言及、庁内ワーキンググループ、2028年度導入目標。参照日: 2026-10-08)
- 紀伊民報「観光振興の安定財源に 宿泊税で議論開始、和歌山県」(2026年3月25日。検討部会第1回、委員13人、部会長は赤井伸郎・大阪大学大学院教授。参照日: 2026-10-08)
- 紀伊民報「『100円以上200円未満』が70% 事業者アンケート、和歌山県宿泊税」(2026年6月5日。1,498業者に送付し253業者が回答、税額の回答割合、全宿泊者から徴収55%。参照日: 2026-10-08)
- 紀伊民報「宿泊税 周知活動を本格化 白浜町長が施設訪問、和歌山」(2026年10月7日。周知対象の宿泊事業者267件、年間約6億5,000万円の収入見込み、総務大臣が9月30日付で同意。参照日: 2026-10-08)
- 紀伊民報「宿泊税導入を検討/那智勝浦町が委員会設置」(2026年6月30日。6月29日に町宿泊税検討委員会を設置。参照日: 2026-10-08)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))」(2026年7月6日公表。和歌山県の延べ宿泊者数495万5,910人泊・前年比マイナス1.1%、外国人87万7,270人泊・プラス11.3%、客室稼働率48.4%・旅館36.7%、全国61.6%、大阪府78.6%。公表ページ: 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年年間値(確定値))」。参照日: 2026-10-08)
- 和歌山県「令和7年観光客動態調査報告書」(市町村別観光客推計総括表。宿泊客数547万2,043人泊・前年比108.1%、外国人宿泊客71万4,428人泊・140.0%、白浜町183万727人泊、和歌山市109万4,739人泊、串本町53万4,743人泊、那智勝浦町46万4,881人泊、田辺市44万332人泊、高野町19万8,211人泊。参照日: 2026-10-08)
- 総務省「法定外税の実施状況(令和6年度)」(令和7年1月現在。宿泊税は東京都・大阪府・福岡県と京都市・金沢市・倶知安町・福岡市・北九州市・長崎市・ニセコ町・常滑市・熱海市・赤井川村、令和5年度決算は京都市5,199百万円・東京都4,399百万円・大阪府2,510百万円・福岡県1,733百万円。参照日: 2026-10-08)
- 大阪府「宿泊税」(2025年9月1日改正。5,000円未満は課税なし、5,000円以上1万5,000円未満200円、1万5,000円以上2万円未満400円、2万円以上500円、特別徴収義務者は翌月末までに納入。参照日: 2026-10-08)
- 京都市「宿泊税について」(2026年3月1日から6,000円未満200円、6,000円以上2万円未満400円、2万円以上5万円未満1,000円、5万円以上10万円未満4,000円、10万円以上1万円。参照日: 2026-10-08)
- 鳥羽市「宿泊税のご案内」(2026年4月1日から1人1泊200円。参照日: 2026-10-08)
あわせて読みたい
- 宿泊税の導入が全国に拡大|白浜町は2027年3月開始、宿が今週やる6ステップ: 白浜町の登録と表示の実務を、全国の施行ラッシュの中で6ステップに絞って整理しています
- 那智勝浦町の宿泊税は町案100〜500円|宿が今週やる6手順【2026年9月】: 那智勝浦町の町案と県案200円を合算した負担を料金帯別に試算しています
※本記事の試算(年間人泊数×税率、交付金)は公表された税率と制度案に基づく一般的な計算例です。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。