
結論: 和歌山県の2025年(令和7年)の観光客数は3,392万7,940人(前年比103.7%)で、宿泊は547万2,043人泊(同108.1%)、うち外国人は71万4,428人泊(同140.0%)です。これが2026年9月時点で公表されている最新の年間値で、県の「令和7年観光客動態調査報告書」に30市町村すべての数字が載っています。ただし県全体の数字はあなたの商売にはほとんど関係ありません。宿泊の8割は白浜町・和歌山市・串本町・那智勝浦町・田辺市の5市町に集中し、発地も白浜町は大阪が4割、高野町は外国人が6割、串本町は大阪と県内で6割と、隣の町でも客層は別物です。自分の市町村の行を1行写し、宿泊率・発地・月別の3つを見れば、来月の打ち手は1つに絞れます。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内で宿・飲食店・土産物店・観光体験・交通や小売を営み、「うちの町に去年何人来て、どこから来て、いつ来たか」を一次資料で確かめたい方。商工会や金融機関に出す計画書、補助金の申請書、社内会議の資料に市町村別の数字を使いたい方 読了後にできること: 県の報告書から自分の市町村の観光客総数・宿泊客数・日帰り客数・発地・月別の数字を正しく引用し、宿泊型か日帰り型かを判断して、来月に試す打ち手を1つ決められる状態になる
「県は過去最高って言うけど、うちの店は去年より暇でした。」
観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場で県内の数字を見ていると、この種の声が出るのは当然だと感じます。県全体の3,393万人は、30市町村の合計です。2025年は白浜町が前年比102.3%だった一方で、有田市は92.6%、かつらぎ町は96.7%、紀美野町の宿泊は87.7%でした。同じ県で、同じ年に、増えた町と減った町が混ざっています。県の合計だけを見て「観光は好調」と判断すると、自分の町で起きていることを見落とします。
もう1つ、市町村別の数字を読むときに落とし穴があります。観光客総数の大きさと、宿泊の大きさは別物だということです。田辺市は総数337万人で県内2位ですが、宿泊は44万人泊で総数の13%にすぎません。高野町は総数146万人のうち宿泊が20万人泊(14%)で、その宿泊の6割が外国人です。総数で商圏を測ると、泊まる人がほとんどいない町で宿泊向けの打ち手を考えることになります。
この記事では、県の報告書から30市町村すべての総数・宿泊・日帰り・前年比を一覧にし、宿泊の偏り、発地の違い、月別の山と谷、外国人の国・地域を読み解いたうえで、自分の市町村の数字を来月の打ち手に落とす7ステップと、コピペで使える文面8本、計画書に使う前に確認する8項目を公開します。手元に自分の店の昨年の月別の売上か来客数を用意しながら、読み進めてください。
目次
まず結論|市町村別の観光客数を商売に落とす7ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。上から順に進めれば、県の合計に振り回されずに、自分の町の数字で判断できます。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 自分の行を写す | 報告書の市町村別総括表から自分の市町村の1行を書き写す | 本記事の一覧表で自分の町を探す |
| 2. 宿泊率を出す | 宿泊÷総数で宿泊型か日帰り型かを見る | 電卓で1回割る |
| 3. 発地の上位3つを見る | 宿泊客がどの都道府県・国から来たかを見る | 発地別推計表の自分の町の行を見る |
| 4. 月別の山と谷を見る | 宿泊客の最多月と最少月を見る | 月別推移表で最多と最少に丸をつける |
| 5. 外国人の内訳を見る | 主要市町村の国・地域別を見る | 中国と欧米豪のどちらが多いか確認する |
| 6. 隣の町と比べる | 同じ観光地区の隣接市町村と並べる | 隣の町の行も写す |
| 7. 打ち手を1つ決める | 谷の月×上位発地に向けた施策を1つ決める | 来月やることを1行で書く |

ポイントは、ステップ2の「宿泊率」を先に出すことです。宿泊率が20%を超える町と10%台の町では、打つべき手が最初から違います。前者は「泊まる人がすでにいる」ので発地と月別の谷を埋める設計になり、後者は「通り過ぎる人が多い」ので滞在時間と立ち寄り単価を上げる設計になります。
所要時間の目安は、ステップ1〜5が報告書を開いて30分、ステップ6が15分、ステップ7が翌日までです。使うのは県の報告書PDFと電卓と無料のAIだけで、費用はかかりません。
和歌山県の観光客動態調査とは|「速報値」「報告書」「観光庁の統計」の違い
本記事で言う観光客数とは、和歌山県が毎年まとめる「和歌山県観光客動態調査」の観光入込客数を指します。県の観光客動態のページによると、この調査は各市町村が調査した結果を県が集計したもので、2026年9月27日時点で令和7年(2025年分)の報告書が最新として掲載されています。同じ2025年の数字でも、3種類の資料があり、数字が少しずつ違います。
- 速報値: 令和8年4月23日に県が資料提供した令和7年観光客動態調査(速報値)。県全体の総数約3,392万6千人、外国人宿泊71万3,562人泊。主要観光地7か所の数字のみ
- 報告書: 県サイトに掲載された令和7年観光客動態調査報告書。県全体の総数3,392万7,940人、外国人宿泊71万4,428人泊。30市町村と旧市町村単位の総数・宿泊・日帰り・発地・月別・目的別・宿泊施設の収容力まで載る
- 観光庁の宿泊旅行統計調査: 国が宿泊施設から直接集める別の統計。県の調査とは対象施設も集め方も違うため、同じ「和歌山県の宿泊者数」でも数字は一致しない
市町村別の数字が欲しいなら、使うのは報告書だけです。速報値には市町村別の一覧がなく、観光庁の統計は都道府県までしか公表されません。本記事の数字は、特に断りがない限り報告書の値です。速報値と報告書の差(県全体で約2千人、外国人宿泊で866人泊)は集計の確定によるもので、引用するときはどちらの資料かを添えてください。3種類の資料の使い分けと県全体の読み方は、和歌山県の観光客数と統計|3,392万人の内訳と調べ方7ステップ【2026年9月】で扱っています。

県全体の構造は3層です。3,393万人のうち日帰りが2,846万人(83.9%)、宿泊が547万人泊(16.1%)、宿泊のうち外国人が71万人泊(13.1%)。和歌山県に来る人の6人に5人は泊まらずに帰り、泊まる人の8人に1人が外国人です。この比率は市町村によって大きく崩れます。次の一覧表で確かめてください。
宿泊客の発地を県全体で見ると、近畿(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・三重)が243万4千人泊で44.5%、関東が56万5千人泊で10.3%、県内が49万6千人泊で9.1%(前年比93.3%)、外国人が13.1%、発地不明が11.8%です。前年から増えたのは近畿・関東・外国人で、県内からの宿泊は減りました。県民の近場旅行が減り、県外と海外からの宿泊が増えた1年だったと、報告書の数字は示しています。
30市町村の観光客数一覧|2025年の総数・宿泊・前年比
報告書の「市町村別観光客推計総括表」から、30市町村の観光客総数と宿泊客数、それぞれの前年比を写しました。単位は人(宿泊は人泊)、前年比は令和6年に対する令和7年の比率です。
| 市町村 | 観光客総数 | 前年比 | うち宿泊客 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 和歌山市 | 6,523,627 | 106.1% | 1,094,739 | 108.1% |
| 海南市 | 1,387,690 | 102.8% | 19,714 | 109.5% |
| 紀美野町 | 436,521 | 97.8% | 24,136 | 87.7% |
| 紀の川市 | 1,564,278 | 100.6% | 64,458 | 98.0% |
| 岩出市 | 1,231,033 | 110.9% | 21,442 | 101.5% |
| 橋本市 | 1,224,403 | 97.2% | 73,014 | 109.9% |
| 九度山町 | 796,472 | 105.2% | 1,662 | 109.0% |
| 高野町 | 1,460,846 | 103.0% | 198,211 | 98.3% |
| かつらぎ町 | 1,429,314 | 96.7% | 38,010 | 96.9% |
| 有田市 | 798,672 | 92.6% | 16,523 | 104.1% |
| 湯浅町 | 334,574 | 101.0% | 15,244 | 74.6% |
| 広川町 | 252,203 | 99.4% | 5,592 | 97.9% |
| 有田川町 | 699,676 | 96.2% | 19,937 | 83.1% |
| 御坊市 | 233,764 | 103.8% | 60,344 | 87.6% |
| 美浜町 | 33,276 | 32.1% | 13,423 | 102.7% |
| 日高町 | 208,921 | 105.1% | 8,363 | 85.0% |
| 由良町 | 344,517 | 111.7% | 15,937 | 91.5% |
| 印南町 | 596,375 | 108.3% | 6,541 | 147.8% |
| みなべ町 | 665,176 | 110.8% | 177,521 | 129.4% |
| 日高川町 | 532,720 | 101.7% | 19,922 | 103.8% |
| 田辺市 | 3,377,948 | 105.3% | 440,332 | 107.6% |
| 上富田町 | 280,964 | 107.2% | 32,753 | 208.9% |
| 白浜町 | 3,257,693 | 102.3% | 1,830,727 | 105.6% |
| すさみ町 | 998,797 | 100.8% | 51,771 | 113.9% |
| 新宮市 | 1,293,447 | 106.9% | 187,788 | 116.7% |
| 那智勝浦町 | 1,361,710 | 108.6% | 464,881 | 106.9% |
| 太地町 | 344,197 | 106.1% | 24,082 | 116.5% |
| 古座川町 | 97,754 | 125.2% | 6,277 | 1034.1% |
| 北山村 | 65,789 | 118.4% | 3,956 | 120.5% |
| 串本町 | 2,095,583 | 107.5% | 534,743 | 118.9% |
| 合計 | 33,927,940 | 103.7% | 5,472,043 | 108.1% |
(出典: 和歌山県「令和7年観光客動態調査報告書」市町村別観光客推計総括表。日帰り客数は総数から宿泊客数を引いた値。2026年9月27日参照)
この表から読める事実を、順に挙げます。
- 宿泊の偏り: 白浜町183万人泊(県全体の33.5%)、和歌山市109万人泊(20.0%)、串本町53万人泊(9.8%)、那智勝浦町46万人泊(8.5%)、田辺市44万人泊(8.0%)。上位5市町で県の宿泊の79.8%を占め、残り25市町村で20%を分け合っています
- 総数と宿泊のずれ: 田辺市は総数2位でも宿泊率13.0%、高野町は総数146万人でも宿泊率13.6%。逆に白浜町は総数の56.2%が宿泊で、県内で唯一「泊まる人のほうが多い」町です
- 伸びた町: 串本町は宿泊が118.9%、新宮市116.7%、みなべ町129.4%、上富田町208.9%、太地町116.5%。紀南の宿泊は広く増えました
- 減った町: 有田市の総数92.6%、有田川町の宿泊83.1%、湯浅町の宿泊74.6%、御坊市の宿泊87.6%、紀美野町の宿泊87.7%。紀中と紀北の一部は宿泊が減っています
- 美浜町の総数32.1%: 前年の10万3,650人から3万3,276人へ減りました。要因は報告書に書かれておらず、集計方法の変更か施設側の事情かは町に確認が必要です。数字だけを見て「観光客が7割減った」と書かないでください
なお、那智勝浦町は速報値で135万9,653人、報告書で136万1,710人と資料によって差があります。那智勝浦町の数字の使い方は那智勝浦の宿泊・飲食店集客|港の食と那智山への移動を自店の予約につなぐ【2026年】で扱っています。
自分の市町村の数字を打ち手に落とす7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップの文面は、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。8本すべてを使う必要はなく、ステップ2の宿泊率とステップ4の月別の2本だけでも、来月の打ち手は変わります。初めての方も、始め方は次の3行だけです。
- スマホのアプリストアで「ChatGPT」の公式アプリを入れる(無料版で十分です)
- メールアドレスで登録する(3分ほどで終わります)
- この記事の文面をコピーして貼り付け、( )の中を自分の町と店のことに書き換えて送信する
ステップ1: 報告書から自分の市町村の1行を写す
最初にやることは、上の一覧表か報告書の総括表から、自分の市町村の総数・宿泊・日帰り・前年比を1行そのまま書き写すことです。旧市町村の単位(旧白浜町・旧日置川町、旧本宮町・旧中辺路町など)も報告書には載っているので、合併前の地区で商売をしている方はそちらも写してください。県の合計や「和歌山の観光は過去最高」という見出しは、この時点で一度忘れます。
あなたは地域の観光統計を読み解くアドバイザーです。以下の材料から、私の市町村の2025年の観光客数の要点を整理してください。
【材料】
・市町村名と、旧市町村名(該当する場合): (例: 白浜町・旧日置川町)
・観光客総数と前年比: (例: 3,257,693人・102.3%)
・宿泊客数と前年比: (例: 1,830,727人泊・105.6%)
・日帰り客数と前年比: (例: 1,426,966人・98.3%)
・私の業種と店の場所: (例: 日置川沿いの民宿6室)
出力: ①総数・宿泊・日帰りのうち、私の業種に直接関係する数字はどれか ②前年から増えたのは宿泊か日帰りか ③この1行だけでは分からないことを3つ。材料にない数値を補わず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、県の速報値と報告書を混ぜないことです。1つの資料に統一し、引用元を1行添えてください。
ステップ2: 宿泊率を出して、宿泊型か日帰り型かを決める
宿泊客数を観光客総数で割ります。白浜町は56.2%、那智勝浦町は34.1%、串本町は25.5%、和歌山市は16.8%、高野町は13.6%、田辺市は13.0%、みなべ町は26.7%です。20%を超えていれば「泊まる人がすでにいる宿泊型の町」、10%台なら「通り過ぎる人が多い日帰り型の町」として、打ち手の方向を決めます。

宿泊型の町の宿は、新しく人を呼ぶより「来ている人が少ない月」と「まだ少ない発地」を埋めるほうが早い。日帰り型の町の飲食店や土産物店は、泊まる人を増やすことは自店では難しいので、通り過ぎる人の滞在時間と1人あたりの単価を上げる打ち手に集中します。高野町のように総数は多いのに宿泊が少ない町で、飲食店が「宿泊客向け夕食」を狙うのは、いない客層を狙うことになります。
あなたは観光地の小規模事業者の戦略を整理するアドバイザーです。以下の材料から、私の店が「宿泊型」「日帰り型」のどちらの市町村にあるかを判定し、方向を決めてください。
【材料】
・市町村名、観光客総数、宿泊客数: (例: 高野町・1,460,846人・198,211人泊)
・私の業種と営業時間: (例: 参道沿いの食事処・10時〜16時)
・主なお客様の様子: (例: 昼のみ、団体と外国人が多い)
・増やしたいもの: (例: 客単価、平日の来店)
出力: ①宿泊率の計算と、宿泊型・日帰り型の判定 ②その型で私の業種が優先すべき方向を1つ ③やっても効きにくい方向を1つとその理由 ④材料から判断できない点。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、20%という線は本記事が読みやすさのために置いた目安で、県の定義ではないことです。境目の町は隣の町との比較(ステップ6)で判断してください。
ステップ3: 発地の上位3つを見る
報告書の「宿泊客の発地別推計表(市町村別)」には、宿泊客が和歌山・大阪・京都・兵庫・奈良・関東・外国人などどこから来たかが市町村ごとに載っています。同じ紀南でも、白浜町は大阪が39%、那智勝浦町は外国人が25%で首位、高野町は外国人が59%、串本町は大阪43%と県内20%で6割を超えます。隣の町の広告のまねをしても、届く相手が違えば効きません。
| 市町村 | 宿泊客数 | 発地1位 | 発地2位 | 発地3位 |
|---|---|---|---|---|
| 白浜町 | 1,830,727 | 大阪 714,912(39.0%) | 関東 207,807(11.4%) | 兵庫 158,006(8.6%) |
| 那智勝浦町 | 464,881 | 外国人 115,687(24.9%) | 大阪 76,625(16.5%) | 関東 58,556(12.6%) |
| 高野町 | 198,211 | 外国人 117,512(59.3%) | 関東 13,288(6.7%) | 大阪 11,886(6.0%) |
| 串本町 | 534,743 | 大阪 228,704(42.8%) | 和歌山県内 105,913(19.8%) | 京都 47,746(8.9%) |
| 田辺市 | 440,332 | 外国人 91,309(20.7%) | 大阪 84,240(19.1%) | 関東 56,084(12.7%) |
| 和歌山市 | 1,094,739 | 不明 323,844(29.6%) | 大阪 180,151(16.5%) | 外国人 144,106(13.2%) |
(出典: 同報告書 宿泊客の発地別推計表(市町村別)。構成比は宿泊客数に対する割合を本記事で計算。田辺市は「不明」68,248人泊を除いた順位)

和歌山市の「不明」が3割あるように、発地が分からない宿泊も多く含まれます。自分の宿の台帳で確かめられる方は、台帳の数字を優先してください。
あなたは観光地の宿の集客設計を支援するプランナーです。以下の材料から、発地別に打ち手の優先順位をつけてください。
【材料】
・市町村名と宿泊客数: (例: 串本町・534,743人泊)
・発地の上位3つと人泊数: (例: 大阪228,704/和歌山105,913/京都47,746)
・外国人の人泊数: (例: 12,501)
・私の宿の昨年の予約の内訳: (分かる範囲。不明なら「不明」)
・増やしたい時期: (例: 1〜2月の平日)
出力: ①町の発地と私の宿の内訳のずれ ②最初に狙う発地を1つとその理由 ③その発地に届く発信の場所(検索・SNS・OTA・地元の紹介)の仮説 ④材料から判断できない点。発地の人数を材料の範囲を超えて推定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、「外国人が多い町だから英語対応」と短絡しないことです。次のステップ5で国・地域を見てから決めてください。
ステップ4: 月別の山と谷を見る
報告書の「市町村別『宿泊客数』月別推移表」で、最多月と最少月に丸をつけます。白浜町は最多3月18万2,898人泊に対し最少2月12万9,039人泊で差は1.4倍ですが、高野町は最多10月2万6,571人泊に対し最少1月4,623人泊で5.7倍、串本町は最多12月5万8,911人泊に対し最少2月2万7,827人泊で2.1倍です。谷の深さが町ごとに違うので、閑散期対策の緊急度も違います。
- 白浜町: 3月・8月・5月が山、2月・9月が谷。年間を通じて13万人泊を下回る月がなく、谷が浅い
- 那智勝浦町: 8月5万2,257人泊が山、6月2万9,600人泊が谷。秋(10〜11月)も4万5千人泊台で高い
- 串本町: 12月と5月が山、2月が谷。冬に山がある珍しい町
- 高野町: 4〜5月と10〜11月が山、1〜2月が谷。冬は月5千人泊前後まで落ちる
- 田辺市: 8月5万742人泊が山、2月2万2,942人泊が谷。11月が4万6,787人泊と秋も高い
- 和歌山市: 8月10万9,703人泊が山、6月7万8,127人泊が谷。谷が浅く年間を通じて安定
あなたは観光地の小規模事業者の年間計画を支援するアドバイザーです。以下の材料から、閑散期の打ち手を決めてください。
【材料】
・市町村名と宿泊客の月別人泊数(12か月分): (報告書の行をそのまま貼る)
・私の店の昨年の月別の売上か来客数: (分かる範囲)
・町の谷と私の店の谷が一致しているか: (例: 町は2月、店は6月)
・閑散期に提供できるもの: (例: 冬のクエ、貸切、連泊)
出力: ①町の最多月と最少月、その倍率 ②私の店の谷が町の谷と同じか違うか、違う場合に考えられる理由の仮説 ③谷の月に試す打ち手を1つ ④材料から判断できない点。材料にない月の数値を推定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、町の谷と自店の谷がずれている場合です。町全体は2月が谷なのに自店は6月が谷なら、原因は町の来訪者数ではなく自店側(休業・雨天・メニュー)にある可能性が高く、閑散期対策より先に確かめることがあります。
ステップ5: 外国人の国・地域を見る
県全体の外国人宿泊71万4,428人泊の内訳は、中国24万3,635人泊(34.1%)、欧米豪22万2,723人泊(31.2%)、台湾5万5,899人泊(7.8%)、香港3万5,366人泊(5.0%、前年比72.1%)、韓国3万527人泊(4.3%)です。中国が前年の約2倍に増えて首位になった一方、香港は3割減っており、「アジア」とひとくくりにすると方向を誤ります。
主要市町村別の国・地域は速報値の表に載っています。白浜町14万7,547人泊のうち中国が9万257人泊、那智勝浦町11万4,821人泊のうち中国5万2,132人泊・欧米豪2万3,943人泊、高野町11万7,512人泊のうち欧米豪10万2,919人泊、田辺市9万1,309人泊のうち欧米豪4万6,438人泊・アジア3万8,541人泊です。白浜と那智勝浦は中国、高野と田辺(熊野古道)は欧米豪が主役で、同じ「外国人対応」でも言語・決済・食事の準備が変わります。県のインバウンドの数字の読み方は和歌山のインバウンド観光客数|49.6万人と71.4万人泊・87.7万人泊の違い【2026年】で整理しています。
あなたは観光地のインバウンド対応を支援するアドバイザーです。以下の材料から、私の店が最初に対応する国・地域を1つ決めてください。
【材料】
・市町村名と外国人宿泊客数: (例: 那智勝浦町・114,821人泊)
・国・地域別の内訳: (例: 中国52,132/欧米豪23,943/台湾13,235/アメリカ7,825)
・私の店の昨年の外国人客の様子: (分かる範囲。国が分からなければ「不明」)
・いま用意できること: (例: 英語メニュー、QR決済、写真つき案内)
出力: ①町の内訳から最初に対応する国・地域を1つとその理由 ②その国・地域の客に必要な準備の優先順位3つ ③後回しにしてよいこと ④材料から判断できない点。国別の消費額や好みを材料の範囲を超えて断定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、宿泊の数字は「泊まった町」の数字であって、「訪れた町」ではないことです。高野町に泊まった欧米豪の客が翌日に九度山町や橋本市に立ち寄っても、その2市町の宿泊には数えられません。日帰り型の町の飲食店は、隣の宿泊型の町の外国人の内訳を見てください。
ステップ6: 隣の市町村と比べる
同じ観光地区に属する隣接市町村を並べます。報告書の「主要観光地別観光客推計総括表」は市町村より広い単位(勝浦温泉・湯川温泉=那智勝浦町・太地町・旧古座川町、田辺・中辺路・百間山・みなべ=田辺市の一部とみなべ町など)で集計されているので、自分の町がどの地区に含まれるかも確認してください。
- 那智勝浦町(宿泊106.9%)と串本町(118.9%)と太地町(116.5%): 2025年9月20日に開通した八郎山トンネルで往来が変わる3町。開通前の基準値として2025年の数字を残しておく価値があります。開通の影響の見方は八郎山トンネル9月20日開通|那智勝浦〜串本の周遊が変わる宿と飲食【2026年9月】で扱っています
- 白浜町(宿泊105.6%)と上富田町(208.9%)とすさみ町(113.9%): 白浜町の宿泊が183万人泊で頭打ちに近い中、隣接2町の宿泊が大きく伸びました。白浜に泊まれなかった人が隣町に流れた可能性は仮説にとどめ、各町の宿泊施設の増減とあわせて確認してください
- 田辺市(旧本宮町 宿泊102.2%・旧中辺路町 114.0%)と新宮市(116.7%): 熊野古道沿線。旧本宮町は日帰りが109.2%と伸びた一方、宿泊は微増で、報告書には「受け入れ可能数の上限に近い宿泊客数」と書かれています。沿線の読み方は熊野古道の観光客数|175万人の中身と沿線の調べ方7ステップ【2026年9月】で扱っています
あなたは地域の観光統計を比較するアドバイザーです。以下の材料から、隣接市町村との比較で分かることを整理してください。
【材料】
・私の市町村の総数・宿泊・日帰りと前年比:
・隣接市町村(2〜3町)の同じ数字:
・2町の間で2025年に起きたこと: (例: 道路の開通、施設の開業や閉業、イベントの有無。分からなければ「不明」)
・私の業種:
出力: ①私の町と隣町で伸び方が違う点 ②違いの理由として考えられる仮説を2つ(必ず「仮説」と明記) ③隣町の客を自店に立ち寄らせるために確かめるべきこと1つ ④材料から判断できない点。材料にない出来事を理由として創作しないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、旧市町村単位の数字が小さい地区では、1施設の開業や閉業で前年比が大きく動くことです。古座川町の宿泊が前年比1034.1%(607人泊→6,277人泊)なのは、施設1つ分の変化で説明できる規模です。
ステップ7: 来月の打ち手を1つ決める
ステップ2〜6で分かった「型・発地・谷・国・隣町」を1行にまとめ、来月試すことを1つだけ決めます。「谷の月」×「上位の発地」に向けた打ち手が、最も早く数字で検証できます。白浜町の宿なら「2月×大阪」、那智勝浦町なら「6月×外国人(中国)または関東」、串本町なら「2月×大阪・県内」、高野町の飲食店なら「冬×日帰りの立ち寄り単価」です。
あなたは小さな事業者の実行計画を支援するアドバイザーです。以下の材料から、来月試す打ち手を1つに絞ってください。
【材料】
・市町村の型(宿泊型/日帰り型)と宿泊率:
・宿泊客の発地上位3つ:
・宿泊客の最少月と最多月:
・外国人の主な国・地域:
・私の業種、使える時間(週に何時間)、使える予算:
出力: ①来月試す打ち手を1つ(誰に・何を・どこで・いつ) ②効いたかどうかを判断する数字を1つと、その数え方 ③やらないと決めること2つ ④材料から判断できない点。成果の数値を約束せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、統計の数字で効果を測ろうとしないことです。来年の報告書が出るのは1年以上先で、あなたの店の打ち手の効果は町の数字には現れません。効果は自店の予約台帳・来店数・電話の件数で数えてください。
業種別|宿・飲食・土産物・観光体験で見る数字を変える
同じ町の数字でも、業種によって見るべき列が違います。自分に近い行から着手してください。
| 業種 | 最初に見る数字 | 次に見る数字 | 打ち手の方向 |
|---|---|---|---|
| 宿・民宿・貸別荘 | 宿泊客数と発地の上位3つ | 宿泊の月別の谷 | 谷の月×上位発地に直販の理由を作る |
| 飲食店 | 日帰り客数と宿泊率 | 隣の宿泊型の町の外国人内訳 | 通り過ぎる人の滞在時間と単価を上げる |
| 土産物店・小売 | 日帰り客数の月別 | 目的別(社寺参詣・温泉など)の構成 | 山の月の売り逃しを減らす |
| 観光体験・交通 | 主要観光地別の宿泊と外国人 | 体験型観光の推計(県全体で37万8,474人・前年比112.9%) | 泊まる町の宿と組んで翌日の予定に入る |
報告書の目的別推計では、県全体の構成比は観光施設24.2%、社寺参詣19.2%、温泉・休養12.5%、風景・自然観賞8.9%、スポーツ等8.6%です。土産物店や飲食店は、自分の町の来訪者が「何をしに来たか」を目的別の市町村表で確かめると、置く商品と営業時間の根拠になります。
飲食店と土産物店は、日帰り客の月別も見てください。宿泊の山と日帰りの山は一致しないことがあり、旧本宮町は2025年に日帰りが109.2%と伸びた一方で宿泊は102.2%にとどまりました。泊まる人が増えていなくても通り過ぎる人は増えているなら、昼の営業時間と席数の使い方を先に見直すほうが、宿泊客向けの夕食を用意するより早く効きます。観光体験や交通の事業者は、自分の町ではなく「お客様が前夜に泊まった町」の宿泊と外国人の内訳を見て、その町の宿に翌日の予定として案内してもらう形が、統計と矛盾しない組み方です。
宿の方は、報告書の「宿泊施設収容力(市町村別)」も見てください。白浜町は474軒・定員1万6,725人、田辺市は155軒・6,221人、和歌山市は118軒・7,278人、高野町は63軒・2,269人(うち宿坊51軒・2,148人)です。定員に対して年間の宿泊が多い町ほど、繁忙期は満室で受けきれず、閑散期に空く構造になります。小さな宿の閑散期の作り方は白浜町の観光客数|326万人と309万人の違いと調べ方7ステップ【2026年9月】で白浜を例に扱っています。
【要注意】市町村別の観光統計で失敗する4つのパターン
手順を踏んでも、次の4つのどれかに当てはまると、数字が計画書の飾りで終わります。4つに共通するのは、数字の「単位・定義・期間」を確かめずに使っている点です。順に確認してください。
失敗1: 観光客総数を「うちの商圏の人数」だと思う
❌ よくある間違い: 「田辺市は年間337万人が来る」と計画書に書き、宿の予約見込みをその数字から逆算する。
⭕ 正しいアプローチ: 宿なら宿泊客数(田辺市44万人泊)、飲食店なら日帰り客数(294万人)と、業種に対応する列を使う。
なぜ重要か: 観光入込客数は延べ人数で、同じ人が2か所に立ち寄れば2人と数えられ、宿泊客は人泊(1人が2泊なら2人泊)だからです。総数から宿の需要を見積もると、実際の10倍近い数字で計画を立てることになります。SNSの企画・運用の現場でも、母数の取り違えが一番多い失敗です。
失敗2: 県の前年比を自分の町にも当てはめる
❌ よくある間違い: 「県全体で宿泊108%だから、うちの町も来年8%伸びる」と見込む。
⭕ 正しいアプローチ: 自分の市町村の前年比を使い、伸びた理由が報告書に書かれていれば、それが来年も続くかを別に考える。
なぜ重要か: 2025年は大阪・関西万博で関西圏の需要が増えたと報告書に書かれており、同じ条件が2026年に続くとは限らないからです。さらに市町村別では、有田市92.6%や湯浅町の宿泊74.6%のように、県が伸びた年に減った町があります。県の数字は自分の町の数字の代わりになりません。
失敗3: 「外国人が増えた」を「自分の町の客が増えた」と読む
❌ よくある間違い: 県の外国人宿泊140%を見て、外国人客の少ない町の飲食店が英語メニューを最優先にする。
⭕ 正しいアプローチ: 主要市町村別の国・地域別で自分の町(または隣の宿泊型の町)の外国人の実数と内訳を見てから、対応する国・地域と準備の順番を決める。
なぜ重要か: 外国人宿泊71万人泊のうち、白浜町・和歌山市・高野町・那智勝浦町・田辺市の5市町で61万5,295人泊(86.2%)を占め、串本町は1万2,501人泊、和歌山市以外の紀北の多くの町は数百〜数千人泊だからです。外国人の伸びは県全体の現象ではなく、特定の町の現象です。
失敗4: 速報値と報告書と観光庁の数字を1つの資料に混ぜる
❌ よくある間違い: 県全体は速報値の「3,392万6千人」、市町村は報告書、宿泊は観光庁の統計から取り、出典を書かずに1枚の表にする。
⭕ 正しいアプローチ: 市町村別を使うなら報告書に統一し、表の下に「和歌山県 令和7年観光客動態調査報告書、参照日」を1行添える。
なぜ重要か: 同じ2025年の「和歌山県の外国人宿泊」でも、速報値は71万3,562人泊、報告書は71万4,428人泊と資料で異なり、観光庁の宿泊旅行統計はさらに集め方が違うからです。わかやま新報の2026年5月19日の記事は速報値の71万3,562人泊で報じています。報道の数字と報告書の数字が食い違うのは誤りではなく資料の差で、出典を添えれば説明できます。
ここまでの内容は、県の報告書と電卓だけであなた1人でも進められます。それでも「自分の町の数字は分かったが、谷の月に向けた発信や予約の受け皿を作る手が足りない」という段階でつまずくことはあります。株式会社Tip(※当コラムの運営元です)では、和歌山県内の事業者向けにInstagram・TikTok運用を月10万円(企画・台本・撮影・編集・投稿まで)、ホームページ制作を10万円(5ページまで・スマホ対応・問い合わせフォーム込み)、対面DX・AI伴走支援を月10万円(月1回の現地訪問とチャット相談)で承っています。いずれも税別で、税区分等の詳細は無料ヒアリングでご案内します。相談の際は、この記事のステップ1〜7で書いた「型・発地・谷・国・隣町」の1行を持ってきてください。数字が揃っている相談は、必ず短く済みます。
計画書・会議で使う前に確認する8項目(チェックリスト)
数字を計画書や会議資料に載せる前に、当てはまるものにチェックを入れてください。
- □ 使っている数字が「速報値」「報告書」「観光庁の統計」のどれか、1つに統一してある
- □ 観光客総数・宿泊客数(人泊)・日帰り客数のうち、自分の業種に対応する列を使っている
- □ 県全体ではなく、自分の市町村(または旧市町村)の前年比を書いている
- □ 宿泊率を計算し、宿泊型か日帰り型かを1行で言える
- □ 宿泊客の発地の上位3つを、人泊数と構成比で書ける
- □ 宿泊客の最多月と最少月を、月名と人泊数で書ける
- □ 外国人の国・地域の内訳を、自分の町か隣の宿泊型の町で確かめた
- □ 表の下に「和歌山県 令和7年観光客動態調査報告書(参照日)」の1行がある

8項目のうち0〜2個ならまだ数字を外に出してはいけない状態で、3〜5個なら足りない項目を埋めてから、6〜8個なら計画書に載せて構いません。特に見落とされやすいのが1番目です。速報値と報告書の差は県全体で約2千人と小さいのですが、金融機関や商工会の担当者が同じ資料を開いたときに数字が合わないと、それだけで表全体の信頼が下がります。
宿泊の8割は5市町、外国人の86%も5市町|「まだ数字を見ていない町」に伸びしろがある
「うちの町は観光客が少ないから、統計を見ても仕方がない」と感じるかもしれません。数字は逆のことを示しています。
まず、偏りの大きさです。県の宿泊547万2,043人泊のうち、白浜町・和歌山市・串本町・那智勝浦町・田辺市の5市町で436万5,422人泊(79.8%)。外国人宿泊71万4,428人泊のうち、白浜町・和歌山市・高野町・那智勝浦町・田辺市の5市町で61万5,295人泊(86.2%)。和歌山県の観光は「県全体で伸びている」のではなく、「5つの町に集中して伸びている」構造です。この5市町以外で商売をしている方にとって、県の平均は自分の町の実態より常に良く見えます。
次に、集中している町の側の事情です。報告書には、高野町について「宿泊施設における受け入れ可能数の減少や、外国人観光客が早期に宿泊予約を行う傾向があることから、国内観光客が予約を取りづらくなっている」、旧本宮町について「本地域の宿泊施設では受け入れ可能数の上限に近い宿泊客数を記録している」と書かれています。白浜町も宿泊183万人泊に対して定員1万6,725人で、年間を通じて13万人泊を下回る月がありません。泊まる場所が足りない町の隣に、泊まる場所が空いている町があります。上富田町の宿泊が208.9%、すさみ町が113.9%、太地町が116.5%と、集中している町の隣接町で宿泊が伸びた2025年の数字は、その流れと矛盾しません(因果は報告書に書かれておらず仮説です)。
そして、数字を見ている事業者の少なさです。報告書は県サイトに毎年掲載され、市町村別・旧市町村別・発地別・月別まで無料で読めますが、白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中で、自分の町の宿泊客数と発地を即答できる方は多くありません。同じ町の同業者がまだ開いていない資料を、あなたが先に開いて1行写すだけで、計画書の説得力と打ち手の精度は変わります。訪日客の全国の流れと南紀での受け止め方は訪日外国人2025年統計|南紀の宿・飲食のインバウンド集客7ステップ【2026年9月】で扱っています。
よくある質問
Q. 和歌山県の観光客数の最新は何年分ですか?
2026年9月27日時点で県サイトに掲載されている最新の年間値は、令和7年(2025年1〜12月)分です。速報値が令和8年4月23日に資料提供され、その後に30市町村の一覧を含む報告書が掲載されました。2026年分の年間値は、例年どおりなら2027年春以降の公表になりますが、県が時期を明記しているわけではないため、県の観光客動態のページで確認してください。
Q. 和歌山県の観光客動態調査は、どこで市町村別の数字が見られますか?
県の観光客動態のページに掲載されている報告書PDFの「市町村別観光客推計総括表」に、30市町村と旧市町村単位の総数・宿泊・日帰りと前年比が載っています。発地別は「宿泊客の発地別推計表(市町村別)」、月別は「市町村別『宿泊客数』月別推移表」、外国人の国・地域別は主要市町村のみ速報値と報告書の表で確認できます。
Q. 和歌山県の市町村別の宿泊者数で、一番多いのはどこですか?
白浜町の183万727人泊で、県全体の33.5%です。次いで和歌山市109万4,739人泊、串本町53万4,743人泊、那智勝浦町46万4,881人泊、田辺市44万332人泊。この5市町で県の宿泊の79.8%を占めます。
Q. 観光庁の宿泊旅行統計と県の観光客動態調査、どちらを使えばいいですか?
市町村別の数字が必要なら県の報告書、全国の都道府県と比べたいなら観光庁の宿泊旅行統計です。2つは対象施設も集計方法も違うため、同じ「和歌山県の宿泊者数」でも数字は一致しません。1つの表に混ぜず、どちらを使ったかを明記してください。
Q. 自分の町の観光客数が減っていた場合、どう読めばいいですか?
まず総数・宿泊・日帰りのどれが減ったかを分け、次に旧市町村単位で減った地区を特定し、最後に報告書の概要文に理由が書かれているかを確認してください。美浜町の総数32.1%のように、報告書に理由の記載がない大きな変動は、集計方法や施設側の事情による可能性があり、町の観光担当課に確認するのが確実です。数字だけで「客が7割減った」と外部に書かないでください。
Q. 2025年に和歌山の観光客が増えた理由は何ですか?
報告書の概要では、大阪・関西万博の開催による関西圏の観光需要の高まりと、万博を契機としたプロモーション、インバウンドの好調、大きな自然災害がなかったことが挙げられています。一方で、6月の白浜町のジャイアントパンダの中国返還や物価上昇は減少要因として懸念されたものの、県全体では入込客数が減少に転じるほどの影響はなかったと書かれています。
Q. 外国人宿泊客が多い市町村はどこですか?
白浜町14万7,547人泊、和歌山市14万4,106人泊、高野町11万7,512人泊、那智勝浦町11万4,821人泊、田辺市9万1,309人泊です(速報値の主要市町村別表)。内訳は町で違い、白浜町と那智勝浦町は中国が首位、高野町と田辺市は欧米豪が首位です。
Q. 市町村別の数字は補助金の申請書に使えますか?
使えますが、出典・資料名・参照日を必ず添え、総数と宿泊(人泊)の単位を取り違えないでください。補助金の要件や審査基準は制度ごとに異なり、統計を載せたことで採択が有利になると本記事が保証するものではありません。当社は申請代行を行っておらず、申請サポートは提携の専門家と行う範囲です。
まとめ|今日から始める3つのアクション
- 今日やること(30分): 本記事の一覧表から自分の市町村の行を写し、宿泊率を電卓で出して、宿泊型か日帰り型かを1行で書く
- 今週中にやること: 県の報告書PDFを開き、発地別推計表と月別推移表から自分の町の発地上位3つと最多月・最少月を書き出す
- 今月中にやること: 「型・発地・谷・国・隣町」の1行から、来月試す打ち手を1つ決め、自店の台帳で数える数字を1つ決める
県の3,393万人ではなく、自分の町の1行が紙に書けた時点で、計画の仕事の半分は終わっています。まずは一覧表で自分の町を探すところから始めてください。
次回予告: 熊野古道沿線の市町村の数字を歩行者数と分けて読む方法は熊野古道の観光客数|175万人の中身と沿線の調べ方7ステップ【2026年9月】で扱っています。
参考・出典
すべて2026年9月27日に参照しました。
本文の数値はすべて参照日時点の和歌山県の公表資料の記載で、将来の観光客数や特定の事業者の売上を保証するものではありません。
和歌山県の一次資料
- 和歌山県「和歌山県の観光客動態」(令和3年〜令和7年の観光客動態調査報告書と速報値の一覧ページ。令和6年報告書は令和7年9月1日に修正の注記あり)
- 和歌山県「令和7年観光客動態調査報告書」(県全体 観光入込客総数33,927,940人・前年比103.66%、宿泊5,472,043人泊・108.06%、日帰り28,455,897人・102.85%、外国人宿泊714,428人泊・140.00%。市町村別観光客推計総括表、宿泊客の発地別推計表(市町村別)、市町村別「宿泊客数」月別推移表、観光目的別推計、体験型観光378,474人、宿泊施設収容力(市町村別)、主要観光地別の概要文を本文で引用)
- 和歌山県「令和7年観光客動態調査(速報値)」(令和8年4月23日資料提供。観光入込客総数約33,926千人・103.7%、外国人宿泊713,562人泊・139.8%。主要市町村別の外国人宿泊客数(国・地域別): 白浜町147,547、和歌山市144,106、高野町117,512、那智勝浦町114,821、田辺市91,309、みなべ町28,913、新宮市22,040)
国の統計・報道
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」(宿泊施設を対象に国が実施する統計。県の観光客動態調査とは対象・集計方法が異なるため、本記事では数値を混在させていません)
- わかやま新報「外国人宿泊数が過去最多 25年県内、万博効果など」(2026年5月19日。県の速報値をもとに外国人宿泊71万3,562人泊・前年比39.8%増、白浜町14万7,547人泊・和歌山市14万4,106人泊・高野町11万7,512人泊と報道)
あわせて読みたい
- 和歌山県の観光客数と統計|3,392万人の内訳と調べ方7ステップ【2026年9月】: 県全体の数字を「速報値・確定値・入込客数」の違いから読む方法を扱っています。本記事はその市町村別の各論です
- 白浜町の観光客数|326万人と309万人の違いと調べ方7ステップ【2026年9月】: 県内で宿泊が最も多い白浜町を、白浜町全体と旧白浜町の違いから深掘りしています
著者: 河原将太(かわはら・しょうた) 株式会社Tip代表取締役社長。東京都立大学在学中に事業を始めて法人化し、上場企業を含む20社以上へコンサルティングを提供してきました。現在は白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から発信しています。株式会社Tip編集部が、公開情報・一次情報をもとに確認し、必要に応じて更新しています。
※本記事に記載した統計は、和歌山県の公表資料の参照日時点の記載です。観光入込客数は延べ人数、宿泊客数は人泊で、同一人物の重複を含みます。速報値と報告書では数値が異なり、県は報告書を後日修正する場合があります(令和6年報告書は令和7年9月1日に修正)。本文中の宿泊率・構成比・倍率は公表値から本記事が計算した参考値で、「20%」の線は読みやすさのための目安であり県の定義ではありません。市町村間の因果関係や増減の理由は、報告書に記載のあるもの以外は仮説として記述しています。観光客数の増減は自店の売上を保証するものではなく、補助金の要件・採択を保証するものでもありません。当社は申請代行を行っておりません。株式会社Tipの実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。