
結論: 旅館業法と住宅宿泊事業法が宿に求めているのは、日本国内に住所を持たない外国人のお客様について、宿泊者名簿に国籍と旅券番号を書き、旅券(パスポート)の呈示を求めて写しを名簿とともに保存し、名簿を作成の日から3年間保存することです。写しを保存していれば、氏名・国籍・旅券番号の欄を手で書き写す作業は省けます。在留カードを持つなど国内に住所のある外国人には、旅券の呈示も国籍・旅券番号の記載も要りません。厚生労働省の改正旅館業法ページで確認できる範囲では、2026年10月時点でこの義務を変える新しい法改正の施行はありません。変わったのは数字のほうで、2025年の和歌山県の外国人宿泊客は71万3,562人泊と前年比39.8%増になりました。写しを「取る・断られたときに動く・3年置いて消す」の3つを手順にするのが、2026年の和歌山の宿の仕事です。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内(白浜・田辺・和歌山市・高野山・那智勝浦・串本・橋本など)と、関空から和歌山へ客が流れる泉州・南大阪(泉佐野・岸和田・堺・貝塚)で旅館・民宿・ペンション・ゲストハウス・一棟貸し・民泊を営む経営者と、チェックインに立つ現場担当者 読了後にできること: 自店の名簿に足りない欄と旅券の写しの抜けを数え、呈示を拒まれたときの手順と3年保存・削除のルールを、この記事の文例をもとに今週中に紙1枚で用意できる状態になる
「パスポートは見せたくない、と言われて、そのまま部屋に案内してしまいました」
白浜への移住準備で地域の事業者と話す中でも、外国人のお客様の旅券確認は「なんとなく撮っている」「断られたら引いている」という宿が少なくありません。2025年の和歌山県の外国人宿泊客は71万3,562人泊で前年比39.8%増、白浜町14万7,547人泊、和歌山市14万4,106人泊、高野町11万7,512人泊、那智勝浦町11万4,821人泊、田辺市9万1,309人泊でした。1日あたりに直すと県内で約1,950人泊、白浜町だけで約400人泊です。毎晩それだけの旅券が県内のフロントを通っています。
うまく回らない原因は、旅券の確認が「お願い」なのか「義務」なのかを現場が言い切れないことにあります。実際には、旅館業法第6条と施行規則が名簿への国籍・旅券番号の記載を定め、厚生労働省の通知が旅券の呈示と写しの保存を求め、和歌山県も同じ内容を案内しています。根拠を言えれば、お客様への説明も、断られたときの動きも、保存と削除の線引きも、迷わなくなります。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、和歌山の宿が外国人宿泊者の名簿と旅券の写しを整える7ステップと、そのままコピペで使える8本のプロンプト(対象者の切り分け表・和英の声かけ文・拒否時の手順・保存ルール・保健所への確認文を含む)、そして管理ができている宿といない宿を分けるチェックリストを公開します。手元に、先月分の宿泊者名簿と、旅券の写しを保存している封筒かフォルダを置いて読み進めてください。
目次
まず結論:和歌山の宿が外国人の名簿と旅券の写しを整える7ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。「誰に求めるか」を決めてから「どう取り、どう置き、どう消すか」へ進む順番にしています。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 対象者を切り分ける | 国内に住所のない外国人だけが旅券の対象と決める | 先月の外国人客を「国内住所あり・なし」で数える |
| 2. 名簿の欄を合わせる | 和歌山県の案内の項目に名簿の欄をそろえる | 名簿に国籍・旅券番号・連絡先の欄があるか見る |
| 3. 写しの取り方を決める | コピーか撮影か、どのページを、誰の分まで取るか | 写しが抜けている組を先月分で数える |
| 4. 拒否時の手順を1枚に | 国の指導と説明→さらに拒否なら警察署へ連絡 | 最寄りの警察署の電話番号を書く |
| 5. 保存先と権限を決める | 写しと名簿を同じ場所に3年、見る人を限る | 個人のスマホに旅券画像が残っていないか見る |
| 6. 非対面は保健所に確認 | 事前入力・自動チェックインの旅券確認を聞く | 所管の保健所の電話番号を1つ書く |
| 7. 削除と年1回の点検 | 作成日から3年を過ぎた分を消し、取り出し訓練をする | 3年前の同じ月の名簿を1分で出せるか試す |

ポイントは順番です。多くの宿は「外国人は全員パスポートをコピーする」という一律の運用から始めますが、法令が対象にしているのは日本国内に住所を有しない外国人だけで、在留カードを持って国内に住む外国人には旅券の呈示も国籍・旅券番号の記載も求めなくてよいとされています。先に対象者を切り分け、次に名簿の欄と写しの取り方をそろえ、最後に保存と削除を決める順番にすると、取りすぎによる個人情報の抱え込みと、取り漏れによる法定事項の抜けが同時に消えます。
所要期間の目安は、ステップ1〜4が最初の1週間、ステップ5〜6が1か月目、ステップ7は毎年の習慣です。必要な道具は、和歌山県の案内ページ、自店の名簿の現物、複合機かスマホ、そして無料の対話型AIだけです。
宿泊者名簿の外国人・旅券の義務とは|「旅館業」「民泊」「県の案内」の違いと基本構成
本記事で言う「外国人のパスポート保存義務」とは、日本国内に住所を有しない外国人の宿泊者について、名簿に国籍と旅券番号を記載し、旅券の写しを名簿とともに3年間保存する、一連の法令と行政指導のことです。根拠は3層に分かれています。
- 旅館業法第6条と施行規則第4条の2(法令): 厚生労働省の法令等データベースにある旅館業法第6条は、営業者に宿泊者名簿を備えて氏名・住所・連絡先その他の省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があれば提出することを求め、宿泊者の側にも営業者の請求があれば告げる義務を置いています。旅館業法施行規則第4条の2は、名簿を正確な記載を確保する措置を講じて作成し、作成の日から3年間保存すること、宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人のときは国籍と旅券番号を記載することを定めています。第6条第1項に違反すると第11条で50万円以下の罰金です
- 厚生労働省の通知(行政指導): 川崎市の案内が引く2014年12月19日付の厚生労働省通知「旅館等における宿泊者名簿への記載等の徹底について」は、国内に住所を有しない外国人に旅券の呈示を求め、写しを名簿とともに保存すること、写しの保存で氏名・国籍・旅券番号の欄の記載に代えてよいこと、国内に住所を有する外国人には記載も呈示も不要なことを示しています
- 和歌山県の案内(自治体の運用): 和歌山県「宿泊者名簿への正確な記載の徹底について(旅館業・住宅宿泊事業)」は、旅館業の記載事項として氏名・住所・年齢・連絡先・国籍と旅券番号(外国人)・到着と出発の年月日を挙げ、旅券の写しの保存と、呈示を拒まれたときは最寄りの警察署に連絡するなどの対応を案内しています
似た言葉も先に整理します。住宅宿泊事業(民泊)は旅館業法ではなく住宅宿泊事業法第8条が根拠で、観光庁の民泊制度ポータルサイトによると記載事項は氏名・住所・職業・宿泊日、国内に住所を有しない外国人は国籍と旅券番号で、旅券の呈示と写しの保存、3年間の保存、届出住宅か営業所への備え置きが求められます。旅館業は2023年12月13日施行の改正で「職業」が「連絡先」に入れ替わったので、民泊と旅館業を兼ねる宿は様式を分ける必要があります。民泊の届出状況は和歌山の民泊届出件数2026|届出住宅362軒・1軒あたり宿泊者数全国1位の読み方と7ステップ【2026年10月】で整理しています。

そのうえで、宿が整える運用は次の6つの要素で成り立ちます。
- 対象者の判定: 日本国内に住所を有しない外国人かどうかをチェックイン時に見分ける
- 名簿の記載: 氏名・住所・連絡先に加え、対象者は国籍と旅券番号(和歌山県の案内では年齢と到着・出発年月日も)
- 旅券の写し: 呈示を求めて写しを取り、名簿とともに保存する。写しで氏名・国籍・旅券番号の欄に代えてよい
- 拒否時の対応: 国の指導によるものと説明して呈示を求め、さらに拒否なら旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署に連絡する
- 保存: 名簿も写しも作成の日から3年、施設か営業者の事務所に置き、見る人を限る
- 削除と提示: 3年を過ぎた分を処理し、保健所の立入りや知事の要求に応じて出せる状態にする
法令が決めているのは「誰に・何を・何年」までで、「コピー機かスマホか」「封筒かクラウドか」は宿が決めてよい代わりに、安全に管理する責任も宿に残ります。 以降の7ステップは、この6要素を無理のない順番に並べ直したものです。
和歌山の宿が外国人の名簿と旅券の写しを整える7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。( )の中は自店の事実と、この記事に出所つきで載っている法令・県の案内の内容だけで埋め、条文の解釈や行政の判断をAIに創作させないことが8本共通のルールです。 最終的な判断は所在地の保健所に確認してください。
ステップ1: 対象者を切り分ける(国内に住所のない外国人だけ)
最初にやるのは、誰に旅券を求めるかを決めることです。施行規則が国籍と旅券番号の記載を求めるのは「日本国内に住所を有しない外国人」で、川崎市の案内が引く厚生労働省の通知は、国内に住所を有する外国人には記載も呈示も不要としています。つまり、在留カードを持って大阪や和歌山に住む外国人のお客様は、日本人と同じく氏名・住所・連絡先を書いてもらえば足ります。逆に、観光で来た外国籍の方は、国籍を問わず全員が対象です。見分け方は名簿の住所欄で、国外の住所が書かれたら対象、国内の住所が書かれたら対象外と決めておくと、現場で迷いません。「住所が日本国内かどうか」の1点で旅券の要否を決め、国籍や見た目で判断しないと紙1枚に書いておくことが、法定事項の抜けと取りすぎの両方を防ぐ出発点です。
あなたは宿泊施設の受付ルールづくりに詳しいアドバイザーです。以下の材料から、フロントに貼る「旅券の確認が必要なお客様」の判定表を作ってください。
【材料】
・法令: 旅館業法施行規則第4条の2。宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人のときは国籍と旅券番号を名簿に記載する
・行政指導: 国内に住所を有しない外国人に旅券の呈示を求め、写しを名簿とともに保存する。国内に住所を有する外国人には記載も呈示も不要
・自店の客層: (例: 白浜町・8室・外国人は月に15組、うち在留カードを持つ国内在住の方が2組ほど)
・名簿の住所欄の書き方: (例: 国名から書いてもらう)
出力: ①判定の手順(住所欄→国内か国外か→必要な対応)②よくある3つの場面の判定例 ③スタッフが迷ったときの一言。材料にない法令解釈は書かず、推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます

注意点は、日本国籍の方に旅券を求めないことです。海外在住の日本人は外国人ではないので、住所が国外でも対象外です。氏名・住所・連絡先を書いてもらえば足ります。
ステップ2: 名簿の欄を和歌山県の案内に合わせる(民泊は別様式)
次に、名簿の欄を自治体の案内にそろえます。和歌山県のページは、旅館業の記載事項として氏名・住所・年齢・連絡先・国籍と旅券番号(外国人)・到着と出発の年月日を挙げています。施行規則第4条の2第3項第2号が「その他都道府県知事が必要と認める事項」を認めているため、県の案内の欄がある名簿が和歌山では正解です。古い様式に残りがちなのが「職業」欄で、2023年12月13日施行の改正で旅館業の記載事項は職業から連絡先に入れ替わりました。一方、民泊の名簿は氏名・住所・職業・宿泊日が基本で、国内に住所のない外国人は国籍と旅券番号が加わります。和歌山の旅館業の名簿は「氏名・住所・年齢・連絡先・国籍・旅券番号・到着と出発の年月日」の7欄、民泊は「氏名・住所・職業・宿泊日・国籍・旅券番号」の6欄と覚え、兼業の宿は様式を2枚に分けてください。
あなたは宿泊施設の帳票設計を手伝う事務担当です。以下の材料から、宿泊者名簿の様式(列の一覧と記入例)を作ってください。
【材料】
・営業の種別: (例: 簡易宿所営業 / 住宅宿泊事業)
・自治体の案内の記載事項: 和歌山県は旅館業で氏名・住所・年齢・連絡先・国籍と旅券番号(外国人)・到着と出発の年月日。住宅宿泊事業は氏名・住所・職業・宿泊日・国籍と旅券番号
・旅券の写しの扱い: 写しを保存すれば氏名・国籍・旅券番号の欄の記載に代えてよい
・1組の平均人数と最大人数: (例: 2.5人・最大6人)
・宿の都合で足したい欄: (例: 部屋名、写しの保存番号)
出力: ①法令・県の案内に基づく欄と宿の都合の欄を分けた一覧 ②同行者全員分を書ける行の設計 ③「写し保存で記載省略」のときの記入例。材料にない欄は足さず、判断に迷う点は「要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
名簿を紙からタブレットや表計算に移す手順は、宿泊者名簿の電子化7ステップ|無料テンプレと保健所への確認文例【2026年9月】で項目表の作り方まで書いています。この記事は外国人と旅券の部分を深掘りする位置づけです。
ステップ3: 旅券の写しの取り方と「写しで代替」の線引きを決める
写しは、取り方を1つに決めると運用が安定します。選択肢は複合機でのコピー、宿の端末での撮影、自動チェックイン機器での読み取りの3つです。どれを選んでも、写すのは顔写真・氏名・国籍・旅券番号が載った身分事項のページで、同行者も国内に住所のない外国人なら全員分が必要です。写しを保存すれば、名簿の氏名・国籍・旅券番号の欄の記載に代えてよいと厚生労働省の通知も和歌山県も示しているので、手で書き写す作業は省けますが、住所・連絡先・年齢・到着と出発の年月日は写しに載らないため、名簿側に残ります。写しは「身分事項のページを、同行者全員分、1組1か所に」取り、写しで省けるのは氏名・国籍・旅券番号の3欄だけで、住所と連絡先は必ず名簿に書いてもらうと決めてください。
あなたは宿泊施設の接客文に詳しいライターです。以下の材料から、外国人のお客様に旅券の呈示と写しの保存をお願いする声かけ文を日本語と英語で作ってください。
【材料】
・法令・指導: 日本国内に住所を有しない外国人は、旅館業法に基づく宿泊者名簿に国籍と旅券番号を記載し、旅券の写しを名簿とともに保存する必要がある
・写しの使い方: 法令に基づく名簿の作成と保存のみに使い、3年間保存した後に処分する
・自店の取り方: (例: フロントの複合機でコピー / 宿のタブレットで撮影)
・自店名: (例: 〇〇旅館)
出力: ①チェックイン時の声かけ(日本語100字前後+英語)②同行者全員分をお願いする一言(和英)③フロントに貼る掲示文(和英・各60字以内)。法令にない説明は書かず、推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは宿泊施設の受付マニュアルを作る担当者です。以下の材料から、旅券の写しの取り方のルール(A4・1枚・10項目以内)を作ってください。
【材料】
・対象: 日本国内に住所を有しない外国人の宿泊者全員(同行者を含む)
・写すページ: 顔写真・氏名・国籍・旅券番号が載った身分事項のページ
・写しで省ける欄: 氏名・国籍・旅券番号の3欄。住所・連絡先・年齢・到着と出発の年月日は名簿に記載
・取り方: (例: フロントの複合機でコピー / 宿のタブレットで撮影)
・写しと名簿のひも付け: (例: 名簿の行番号を写しの余白に書く / ファイル名を「宿泊日_部屋名_氏名」にする)
出力: ①取る前・取るとき・取った後の手順 ②よくあるミス3つと防ぎ方 ③新人に渡す確認表。材料にない法令や欄は書かず、判断に迷う点は「要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
英語の掲示物を館内案内全体の中でそろえるなら、館内案内を英語で作る方法|コピペテンプレ8本とチェックリスト【2026年9月】が使えます。
ステップ4: 呈示を拒まれたときの手順を1枚にする(説明→再度の求め→警察署へ連絡)
旅券を見せたくないと言われたときの手順は、和歌山県と大阪府の案内に同じ流れで書かれています。まず、この措置が国の指導によるものであることを説明して呈示を求める。それでも拒否する場合は、旅券不携帯の可能性があるものとして、最寄りの警察署に連絡するなど適切な対応を行う、という2段階です。宿が旅券の提出を強制する権限はなく、拒否を理由に宿が勝手に身体や荷物を調べることもできません。宿にできるのは、説明と、警察への連絡までです。「国の指導です」と一度説明し、再度の求めにも応じない場合は最寄りの警察署に電話する、という2行と警察署の番号を書いた紙をフロントに置くことが、現場の人が一人で抱え込まないための最低限の備えです。
あなたは宿泊施設の現場手順書を作る担当者です。以下の材料から、旅券の呈示を断られたときの対応手順(A4・1枚)を作ってください。
【材料】
・行政の案内: 国の指導によるものであることを説明して呈示を求める。さらに拒否する場合は、旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署に連絡するなど適切な対応を行う
・宿にできないこと: 旅券の提出の強制、荷物や身体の確認
・最寄りの警察署と電話番号: (例: 〇〇警察署 073-xxx-xxxx)
・対応の責任者: (例: 女将→代表)
・記録に残す項目: (例: 日時、説明した内容、相手の反応、連絡した先)
出力: ①手順(説明→再度の求め→責任者判断→警察署へ連絡→記録)②お客様への説明の言い方2パターン(和英)③記録メモの様式。材料にない権限や法令は書かず、推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、この手順を宿泊拒否と混ぜないことです。旅館業法第5条の宿泊拒否は特定感染症や要求の繰り返しなど限られた事由に限られ、旅券の呈示を断られたことが直接の拒否事由として法令に書かれているわけではありません。宿の判断で拒否へ進む前に、保健所に確認してください。
ステップ5: 保存先と見られる人を決める(名簿と写しを同じ場所に3年)
保存のルールは3つです。期間は作成の日から3年、場所は旅館業の施設か営業者の事務所、形は紙でも電子でもよいが正確な記載を確保する措置を講じることです。厚生労働省の通知と和歌山県・大阪府の案内は、旅券の写しを「宿泊者名簿とともに保存する」としているので、写しの保存期間も名簿と同じ3年で運用するのが自然です。写しは旅券番号と顔写真という重い個人情報なので、見る人を家族や担当者に限り、個人のスマホのカメラロールに残さず、宿の保存先に移してから端末側は消す、の2動作をセットにしてください。万一の漏えいに備えて知っておきたいのが、個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」が示す報告義務の4つの事態です。不正アクセスや盗難など不正の目的によるおそれがある漏えいは、本人の人数にかかわらず委員会への報告と本人への通知が義務になり、速報は発覚から3〜5日以内、確報は30日以内(不正目的のおそれがある場合は60日以内)です。写しは名簿と同じ鍵付きの棚か同じフォルダに「作成日が分かる名前」で3年保存し、見られる人を名前で決め、個人端末に残さないと決めておけば、漏えい時の報告が要るかどうかの判断も1日で済みます。
あなたは小規模事業者の情報管理を助けるアドバイザーです。以下の材料から、宿泊者名簿と旅券の写しの保存ルール(A4・1枚・10項目以内)を作ってください。
【材料】
・保存期間と場所: 作成の日から3年間、旅館業の施設か営業者の事務所。旅券の写しも名簿とともに保存
・保存の形: (例: 紙は鍵付き棚、写しは宿のパソコンの「名簿_2026」フォルダ、クラウドにバックアップ)
・見られる人: (例: 家族3人は編集可、パート2人は閲覧のみ)
・漏えい時の義務: 不正アクセスや盗難など不正目的のおそれがある漏えいは個人情報保護委員会へ報告と本人通知。速報3〜5日以内、確報30日以内(不正目的のおそれは60日以内)
・個人端末の扱い: (例: 撮影後は宿の保存先に移して端末から消す)
出力: ①保存・閲覧・持ち出しのルール ②漏えいに気づいたときの初動3つ ③年1回の点検項目。材料にない法令や年数は書かず、判断に迷う点は「要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、クラウドに置いたからといって責任が外に移るわけではないことです。共有リンクを「リンクを知る全員」にしない、退職した人のアクセスを外す、この2つだけでも事故の多くは防げます。
ステップ6: 非対面・事前入力を使う宿は保健所に確認する(2025年4月の要領改正)
タブレットでの事前入力や無人チェックインを使う宿は、旅券の確認をどこで誰がするかが論点になります。2025年4月1日から適用された「旅館業における衛生等管理要領」の改正で、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の案内のとおり、自動チェックイン機による本人確認など、フロント対面による本人確認の代替方法が新たに加わりました。ただし同じ案内は、自治体によっては条例等の改正が必要で、運用開始時期は異なり得るとも書いています。民泊側では、観光庁のポータルが「宿泊者の顔と旅券が画像で鮮明に確認できること」と「その画像が営業所等から発信されていることが確認できること」の両方を満たすICTの方法を、対面と同等の本人確認として示しています。非対面で旅券を確認する宿は、自分の市町村で要領改正が運用開始しているか、旅券の写しを機器で電子的に保存してよいか、立入りで画面表示でよいかの3点を、所管の保健所に電話で確認してから機器を選んでください。 和歌山県内の窓口は和歌山県「旅館業法について」にあり、和歌山市は市の生活保健課(073-488-5113)、田辺市・白浜町・みなべ町・上富田町・すさみ町は田辺保健所衛生環境課(0739-26-7934)、橋本市・高野町・かつらぎ町・九度山町は橋本保健所衛生環境課(0736-42-5443)、串本町・古座川町は新宮保健所串本支所(0735-72-0525)です。海南・岩出・湯浅・御坊の各保健所も同じページに載っています。
あなたは宿泊施設の行政手続きに詳しい事務担当です。以下の材料から、保健所に送る確認メールの文面を作ってください。
【材料】
・自店: (例: 高野町の簡易宿所・6室・夜間は無人にしたい)
・確認したいこと1: 2025年4月1日適用の「旅館業における衛生等管理要領」の改正による非対面の本人確認が、当地で運用開始しているか、条例改正が必要か
・確認したいこと2: 自動チェックイン機器で読み取った旅券の画像を電子的に保存する運用でよいか、保存形式の指定はあるか
・確認したいこと3: 立入りのとき、名簿と旅券の写しは画面表示でよいか、印刷が必要か
・現状: (例: 紙の名簿、写しは複合機でコピーして封筒保管)
出力: ①件名 ②本文(200字前後・質問は番号つきで3つ)③電話で聞く場合の要点メモ。制度の内容は材料の範囲で書き、推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
回答は、日付・部署・担当者名とセットでメモに残してください。担当者が代わったときに、同じ説明を最初からやり直さずに済みます。
ステップ7: 3年を過ぎた分を消し、年1回の取り出し訓練をする
保存期間の起算日は宿泊日ではなく「作成の日」です。3年を過ぎた名簿と写しを持ち続けることは法令上の義務ではなく、旅券番号と顔写真を必要以上に抱え込むことになります。削除の担当と時期を決め、たとえば毎年4月に前々年度より前の分を処理する、と1行で書いてください。あわせて、年に1回、任意の月を指定して名簿と写しを1分以内に出せるかを試します。知事の要求や保健所の立入りで求められたときに出せなければ、保存している意味がありません。「毎年4月に3年経過分を消す」「同じ日に3年前の同じ月を1分で出す訓練をする」の2つを予定表に入れることが、保存義務を一度きりの作業ではなく宿の習慣に変える最後のステップです。
あなたは宿の年次点検を設計する担当者です。以下の材料から、宿泊者名簿と旅券の写しの「年1回点検」の手順書を作ってください。
【材料】
・保存期間: 作成の日から3年
・削除の担当と時期: (例: 毎年4月第1週、代表)
・保存場所: (例: 鍵付き棚の紙名簿、パソコンの「名簿_西暦」フォルダ)
・取り出し訓練: 3年前の任意の月の名簿と写しを1分以内に表示・印刷できるか
・前回の点検で困ったこと: (例: 前の担当者が作ったフォルダの場所が分からなかった)
出力: ①点検の手順(削除→取り出し訓練→名簿の欄の確認→保健所の最新案内の確認)②結果を書くチェック表 ③次回までの改善項目3つ。材料にない法令や年数は書かず、判断に迷う点は「要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
紙の写しは、シュレッダーにかけた日を名簿の余白にメモしておくと、後から「いつ消したか」が追えます。電子の写しは、ごみ箱からも消すところまでが削除です。
施設タイプ別の対応例
同じ和歌山の宿でも、タイプによって最初に手を付ける場所は変わります。自店に近い列から着手してください。
| 施設タイプ | 最初に効く対応 | 今週の確認項目 |
|---|---|---|
| 民宿・小規模旅館(家族経営) | 判定表と拒否時の手順をフロントに置く | 名簿に国籍・旅券番号・連絡先の欄があるか |
| ゲストハウス・簡易宿所 | 同行者全員分の写しと和英の声かけ文 | 先月の外国人客で写しが抜けた組の数 |
| 一棟貸し・民泊 | ICTでの本人確認要件と民泊様式の分離 | 顔と旅券が鮮明に写り、営業所からの発信か |
| ホテル・大型旅館 | 保存先の権限設定と漏えい時の初動手順 | 写しを見られる人の名簿があるか |

どのタイプでも共通する土台は「対象者の判定表・拒否時の手順・保存ルールの3枚」で、タイプによって変わるのは3枚のうちどれを最初に作るかだけです。 外国人比率の高い白浜・高野山・那智勝浦の宿は判定表と声かけ文から、無人運営の一棟貸しは保健所確認から、従業員の多いホテルは保存先の権限からが近道です。
関空から和歌山へ客が流れる泉州・南大阪の宿にも、同じ3枚が必要です。大阪府「宿泊者名簿の記載徹底について」は、国外を住所として申告した外国人に旅券の呈示を求めて写しを名簿とともに保存すること、拒否されたら国の指導によるものと説明して求め、さらに拒否なら最寄りの警察署に連絡すること、写しを含めて3年保存することを案内しており、和歌山県の内容と同じです。泉佐野・岸和田・貝塚など府管轄の市は府の保健所、堺市は市の保健所が窓口です。観光庁の宿泊旅行統計調査の2025年年間値を近畿運輸局が確定値として公表した資料と関西の府県別数値を整理した記事によると、大阪府の外国人延べ宿泊者数は2,420万3,390人泊で前年比4.7%減、和歌山県は89万6,340人泊で13.8%増でした。関空で前泊した客が翌日に南海と阪和道で白浜や高野山へ移動する流れは強まっており、同じお客様が泉州と和歌山の宿で違う旅券対応を受ければ、戸惑いは両方の口コミに残ります。和歌山DX総合研究所が泉州の窓口まで書く理由は、同じ関空の客を分け合う商圏だからです。
【要注意】外国人の名簿と旅券の写しで失敗する4つのパターン
7ステップを実行しても、次の4つのどれかに当てはまると、法定事項の抜けか、個人情報の抱え込みのどちらかが残ります。 順に確認してください。
失敗1: 外国人を全員コピーする、または全員コピーしない
❌ よくある間違い: 「外国人だから」と在留カードを持つ国内在住者の旅券まで写す。あるいは「トラブルが怖いから」と誰にも求めない。
⭕ 正しいアプローチ: 名簿の住所欄が国外なら旅券の呈示と写し、国内なら不要と決め、国籍や見た目で判断しない。
なぜ重要か: 施行規則が対象にするのは「日本国内に住所を有しない外国人」で、国内に住所を有する外国人には記載も呈示も不要と厚生労働省の通知が示している一方、対象者の名簿に国籍と旅券番号が無ければ第6条違反として50万円以下の罰金の対象になりうるからです。 取りすぎは個人情報の抱え込み、取り漏れは法定事項の抜けで、どちらも「住所が国内か」の1点で防げます。
失敗2: 写しを取ったから名簿は代表者だけでよいと考える
❌ よくある間違い: 4人組の旅券は代表者1人分だけコピーし、名簿も代表者名だけで閉じる。
⭕ 正しいアプローチ: 国内に住所のない外国人は同行者も全員が対象なので、全員分の写しを取り、住所・連絡先は名簿に書いてもらう。
なぜ重要か: 旅館業法第6条が記載を求めるのは「宿泊者の氏名」であって代表者の氏名ではなく、写しの保存で代えられるのも氏名・国籍・旅券番号の3欄だけで、住所と連絡先は写しに載らないからです。 和歌山県の案内では年齢と到着・出発の年月日も欄にあるので、写しだけで名簿が完成することはありません。
失敗3: 断られたら引く、または宿の判断で宿泊を拒む
❌ よくある間違い: 「見せたくない」と言われてそのまま案内する。逆に、その場で「泊められません」と断る。
⭕ 正しいアプローチ: 国の指導によるものと説明して再度求め、それでも拒否なら旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署に連絡し、やり取りを記録する。
なぜ重要か: 和歌山県も大阪府も「説明して求める→さらに拒否なら警察署へ連絡」までを宿の対応として案内しており、旅券の呈示拒否そのものは旅館業法第5条の宿泊拒否事由として条文に書かれていないため、独自の判断で拒むと「みだりに宿泊を拒む」側に回るおそれがあるからです。 白浜への移住準備で地域の事業者と話す中でも、「断られたときに誰に電話するか」が決まっていない宿は多いと感じます。警察署の番号を1つ書いた紙が、現場の人を守ります。
失敗4: 写しがスマホのカメラロールと封筒に散らばっている
❌ よくある間違い: 繁忙期に撮った旅券画像がスタッフ個人のスマホに残り、紙のコピーは年ごとの封筒に無造作に入っていて、どの組の写しか分からない。
⭕ 正しいアプローチ: 名簿と写しを同じ場所に「作成日が分かる名前」で保存し、見る人を名前で限り、撮影後は宿の保存先に移して端末からは消す。
なぜ重要か: 旅券の写しは旅券番号と顔写真を含む個人データで、盗難や不正アクセスなど不正目的のおそれがある漏えいは人数を問わず個人情報保護委員会への報告と本人通知が義務になり、速報は3〜5日以内に求められるからです。 どこに何件あるか分からない状態では、報告が要るかどうかの判断すらできません。
ここまでの内容は、法令と県の公開資料と無料の道具だけで完結します。それでも「判定表と声かけ文を和英で一度に整えたい」「保存先の権限設定まで手が回らない」という宿があるのも事実です。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは先月分の名簿と写しの保存状況だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
管理ができている宿・いない宿の違い(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。先月分の名簿と写しの保存先を開きながら、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ 旅券の対象は「国内に住所を有しない外国人」だけと、スタッフ全員が言える
- □ 名簿に国籍・旅券番号・連絡先の欄があり、古い「職業」欄が残っていない(民泊は別様式)
- □ 国内に住所のない外国人は同行者全員分の写しを取っている
- □ 写しで省くのは氏名・国籍・旅券番号だけで、住所と連絡先は名簿に書いてもらっている
- □ 呈示を拒まれたときの2段階の手順と、最寄りの警察署の電話番号を紙1枚にしてある
- □ 名簿と写しを同じ場所に作成日つきで保存し、見られる人を名前で決めている
- □ 旅券の画像がスタッフ個人のスマホに残っていない
- □ 作成日から3年を過ぎた分の削除日を決め、3年前の同じ月を1分で出せる

特に見落とされやすいのが「住所と連絡先は名簿に残す」で、写しを取っている宿の多くが、写しで名簿が完成したと思い込んでいます。 チェックが3つ未満でも心配はいりません。7ステップは上から順に進めれば、チェックが1つずつ埋まる構成です。
和歌山の外国人宿泊は39.8%増|毎晩約1,950人泊の旅券が県内の宿を通る
「うちの規模で、そこまで手間をかける意味があるのか」と感じるかもしれません。公表されている数字は、意味があることを示しています。
まず和歌山県の側です。和歌山新報の報道によると、県の観光客動態調査(速報値)で2025年の外国人宿泊客は71万3,562人泊と前年比39.8%増で過去最多、宿泊客総数も547万人で8.0%増でした。国・地域別ではアジアが56.1%、欧米豪が31.2%で、訪日ラボの記事によると中国が24万3,427人泊(前年比97.9%増)、台湾5万5,828人泊、アメリカ4万2,819人泊、フランス3万8,111人泊です。市町村別では白浜町14万7,547人泊(35.9%増)、和歌山市14万4,106人泊(51.4%増)、高野町11万7,512人泊(10.2%増)、那智勝浦町11万4,821人泊(42.3%増)、田辺市9万1,309人泊(32.9%増)でした。1日あたりに直すと県内で約1,950人泊、白浜町と和歌山市はそれぞれ約400人泊です。
次に全国との比較です。観光庁の宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))では、全国の外国人延べ宿泊者数は1億7,992万人泊で前年比9.4%増でした。同じ観光庁の調査で、2025年の和歌山県の外国人延べ宿泊者数は89万6,340人泊、前年比13.8%増です(県の動態調査と調査方法が違うため数値は一致しません)。近畿では大阪府が4.7%減の一方、兵庫県29.3%増、奈良県25.5%増、三重県54.3%増、和歌山県13.8%増と、大阪市の外に泊まる外国人が増えています。
行政の側も数字を踏まえて動いています。厚生労働省「令和5年旅館業法の改正について」で確認できる最新の施行は2023年12月13日で、名簿の記載事項に連絡先が加わり職業が削除されました(参照日: 2026-10-27)。2025年4月1日には衛生等管理要領の改正で非対面の本人確認の類型が加わり、旅券確認の方法は広がっています。一方、民泊の名簿について厚生労働省と観光庁が2017年12月26日に出した通知は、警察庁からの依頼として、国内におけるテロ等の不法行為を未然に防止するために名簿への正確な記載が重要だと述べています。名簿と写しは、宿のためだけでなく、地域の安全のための記録でもあります。
和歌山の外国人宿泊は県調査で39.8%増、観光庁調査でも13.8%増と全国平均を上回り、毎晩約1,950人泊の旅券が県内の宿を通る今は、判定表・拒否時の手順・保存ルールの3枚を先に整えた宿が、法定事項の抜けと個人情報の抱え込みの両方から自由になれるタイミングです。 県内の宿泊需要全体の読み方は和歌山の宿泊者数2026|観光庁495万人泊・県547万人泊・稼働率48.4%を宿と店の打ち手に変える7ステップ【2026年10月】で扱っています。
よくある質問
Q. 宿泊者名簿で、外国人のパスポートのコピーは法律上の義務ですか?
旅館業法施行規則第4条の2が法令として定めているのは、日本国内に住所を有しない外国人の国籍と旅券番号を名簿に記載し、名簿を作成の日から3年間保存することです。旅券の呈示を求めて写しを名簿とともに保存することは、2014年12月19日付の厚生労働省通知に基づく行政指導で、和歌山県も大阪府も同じ内容を案内しています。条文上の記載義務と、通知に基づく写しの保存が二重になっていて、どちらも所管の保健所が立入りで確認する項目だと理解してください。 写しを保存すれば、氏名・国籍・旅券番号の欄の記載に代えることができます。
Q. 宿泊者名簿の旅券の写しは、何年保存すればいいですか?
名簿は作成の日から3年間、旅館業の施設か営業者の事務所に保存します。旅券の写しは厚生労働省の通知と和歌山県・大阪府の案内が「名簿とともに保存する」としているので、名簿と同じ3年で管理するのが基本です。起算日は宿泊日ではなく作成の日なので、電子で持つ場合は作成日の列を設け、3年を過ぎた分を毎年決まった月にまとめて処理してください。 3年を過ぎた写しを持ち続けることは法令上の義務ではありません。
Q. 宿泊者名簿の保存期間は民泊でも同じですか?
同じく3年間です。観光庁の民泊制度ポータルサイトは、住宅宿泊事業の名簿を3年間保存し、届出住宅か営業所・事務所に備え置くとしています。記載事項は旅館業と違い、氏名・住所・職業・宿泊日が基本で、国内に住所のない外国人は国籍と旅券番号が加わるため、旅館業と民泊を兼ねる宿は様式を分けてください。 旅券の呈示と写しの保存、拒否時に警察署へ連絡する対応は、民泊でも同じです。
Q. 在留カードを持っている外国人のお客様にも、パスポートを求める必要がありますか?
ありません。施行規則が国籍と旅券番号の記載を求めるのは「日本国内に住所を有しない外国人」で、川崎市の案内が引く厚生労働省の通知は、国内に住所を有する外国人には記載も旅券の呈示も不要としています。名簿の住所欄に国内の住所が書かれていれば、日本人のお客様と同じく氏名・住所・連絡先で足ります。 海外在住の日本人も外国人ではないため対象外です。
Q. パスポートのコピーを断られたら、宿泊を拒否できますか?
和歌山県と大阪府の案内が示す対応は、国の指導によるものであることを説明して呈示を求め、さらに拒否する場合は旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署に連絡するなど適切な対応を行う、までです。旅券の呈示拒否そのものは旅館業法第5条の宿泊拒否事由として条文に書かれていないので、宿の独自判断で拒む前に、警察署への連絡と保健所への確認を先にしてください。 旅館業法第6条第2項は宿泊者に名簿事項を告げる義務を置いているので、お願いの根拠はお客様にも説明できます。
Q. パスポートの写しは、スマホで撮った写真でもいいですか?
法令は写しの形式を定めておらず、紙のコピーでも画像でもかまいません。ただし、保存先が宿の管理する場所であること、見られる人が限られていること、3年後に確実に消せることが条件です。撮影した画像は宿の保存先に移して個人端末からは消す、の2動作をセットにし、自動チェックイン機器など非対面で読み取る場合は保存形式を所管の保健所に確認してください。 個人のカメラロールに残る運用は、機種変更や紛失のときに手が付けられなくなります。
Q. 団体のお客様の場合、全員分の旅券の写しが必要ですか?
国内に住所を有しない外国人であれば、同行者も全員が対象です。旅館業法第6条が記載を求めるのは「宿泊者の氏名」で、代表者に限る書き方はされていません。写しで代えられるのは氏名・国籍・旅券番号の3欄だけなので、全員分の写しを取ったうえで、住所と連絡先は名簿に書いてもらう形が基本です。 事前入力フォームで全員分を集め、到着時に旅券と照合する流れにすると、フロントの滞留が減ります。
Q. 和歌山県内で名簿や旅券の扱いを相談する窓口はどこですか?
所在地を管轄する保健所の衛生環境課です。和歌山市は市の生活保健課(073-488-5113)、田辺・白浜・みなべ・上富田・すさみは田辺保健所(0739-26-7934)、橋本・高野・かつらぎ・九度山は橋本保健所(0736-42-5443)、串本・古座川は新宮保健所串本支所(0735-72-0525)で、県全体の案内は県生活衛生課(073-441-2620)です。旅館業の名簿は保健所、民泊の名簿も和歌山県の同じ案内ページで扱われているので、まず県のページを印刷してから電話すると話が早く進みます。 外国人のお客様から低評価の口コミが来たときの返し方は、口コミ返信 英語例文30選|低評価にも使える和訳付き【2026年8月】にまとめています。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 先月分の名簿を開き、外国人のお客様を「国内住所あり・なし」で数え、写しが抜けた組と国籍・旅券番号の空欄を数える。ステップ1のプロンプトで判定表を作る
- 今週中にやること: 名簿の欄を和歌山県の案内の7欄にそろえ、拒否時の2段階の手順と最寄りの警察署の電話番号を紙1枚にしてフロントに置く。和英の声かけ文を用意する
- 今月中にやること: 写しと名簿の保存先を1か所に決めて見られる人を名前で限り、個人端末の画像を消す。非対面チェックインを使う宿は保健所に3点を確認し、毎年4月の削除日と取り出し訓練を予定表に入れる
7つを一気にやる必要はなく、週に1ステップでも、来月には「誰に求め、断られたら誰に電話し、3年後にいつ消すか」を全員が言える宿になります。
次回予告: 名簿を紙からタブレットや表計算に移す手順は、宿泊者名簿の電子化7ステップ|無料テンプレと保健所への確認文例【2026年9月】で公開しています。本記事のステップ2・5で保存先を決めるときに、あわせてお読みください。
参考・出典
- 厚生労働省 法令等データベース「旅館業法」: 第6条(宿泊者名簿の備付け、氏名・住所・連絡先その他省令事項の記載、知事の要求による提出、宿泊者の告知義務)、第11条(第6条第1項違反は50万円以下の罰金)(参照日: 2026-10-27)
- 厚生労働省 法令等データベース「旅館業法施行規則」: 第4条の2(正確な記載を確保する措置、作成の日から3年間保存、備える場所は施設か営業者の事務所、日本国内に住所を有しない外国人は国籍と旅券番号、その他知事が必要と認める事項)(参照日: 2026-10-27)
- 厚生労働省「令和5年旅館業法の改正について」: 2023年12月13日施行、名簿の記載事項に連絡先を追加し職業を削除(参照日: 2026-10-27)
- 和歌山県「宿泊者名簿への正確な記載の徹底について(旅館業・住宅宿泊事業)」: 旅館業の記載事項(氏名・住所・年齢・連絡先・国籍と旅券番号・到着と出発の年月日)、住宅宿泊事業の記載事項(氏名・住所・職業・宿泊日・国籍と旅券番号)、旅券の写しの保存と記載の代替、呈示拒否時は最寄りの警察署に連絡、作成の日から3年保存、県生活衛生課073-441-2620(参照日: 2026-10-27)
- 和歌山県「旅館業法について」: 県内の相談窓口(和歌山市生活保健課073-488-5113、田辺保健所0739-26-7934、橋本保健所0736-42-5443、新宮保健所串本支所0735-72-0525ほか)(参照日: 2026-10-27)
- 川崎市「【旅館業営業者のみなさまへ】宿泊者名簿の必要事項の記載の徹底について」: 2014年12月19日付厚生労働省通知「旅館等における宿泊者名簿への記載等の徹底について」、旅券の呈示と写しの保存、写しによる記載の代替、国の指導によるものと説明して求め、さらに拒否なら警察署へ連絡、国内に住所を有する外国人は記載・呈示不要(参照日: 2026-10-27)
- 大阪府「宿泊者名簿の記載徹底について」: 国外を住所として申告した外国人への旅券の呈示と、写しを名簿とともに保存すること、拒否時の対応、名簿は作成した日から3年保存、自筆は必須ではない(参照日: 2026-10-27)
- 観光庁 民泊制度ポータルサイト「事業者の業務[1]」: 住宅宿泊事業の名簿の記載事項、旅券の呈示と写しの保存、ICTを活用した本人確認の2条件、3年間保存、届出住宅か営業所・事務所に備える(参照日: 2026-10-27)
- 厚生労働省 法令等データベース「住宅宿泊事業法における宿泊者名簿の記載等の徹底について」(平成29年12月26日 観観産第602号・薬生衛発第1222001号): 警察庁からの依頼、テロ等の不法行為の未然防止、旅券の呈示と写しの保存、写しによる記載の代替、拒否時は旅券不携帯の可能性があるものとして警察署へ連絡(参照日: 2026-10-27)
- 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会「【厚生労働省】旅館業における衛生等管理要領の一部改正について」: 2025年4月1日適用、自動チェックイン機による本人確認など対面の代替方法の追加、自治体による条例改正の必要と運用開始時期の違い(参照日: 2026-10-27)
- 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」: 報告・通知が義務になる4つの事態(要配慮個人情報、財産的被害のおそれ、不正目的のおそれ、1,000人超)、速報は発覚から3〜5日以内、確報は30日以内(不正目的のおそれは60日以内)(参照日: 2026-10-27)
- 和歌山新報「外国人宿泊数が過去最多 25年県内、万博効果など」(2026年5月19日): 県観光客動態調査(速報値)。外国人宿泊客71万3,562人泊・39.8%増、宿泊客総数547万人・8.0%増、白浜町14万7,547人泊、和歌山市14万4,106人泊、高野町11万7,512人泊、アジア56.1%・欧米豪31.2%(参照日: 2026-10-27)
- 訪日ラボ「和歌山県の外国人宿泊者数が過去最高 熊野古道など人気スポット多数、そのインバウンド戦略は?」(2026年7月1日): 中国24万3,427人泊(97.9%増)、台湾5万5,828人泊、アメリカ4万2,819人泊、フランス3万8,111人泊、那智勝浦町11万4,821人泊、田辺市9万1,309人泊(参照日: 2026-10-27)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))」(2026年7月6日公表): 全国の外国人延べ宿泊者数1億7,992万人泊・前年比9.4%増(参照日: 2026-10-27)
- 国土交通省近畿運輸局「2025年(令和7年)宿泊旅行統計(確定値)」(2026年7月)/関西散歩「2025年都道府県別外国人延宿泊者数」: 観光庁調査の府県別外国人延べ宿泊者数。和歌山県89万6,340人泊・13.8%増、大阪府2,420万3,390人泊・4.7%減、兵庫県194万7,120人泊・29.3%増、奈良県50万1,920人泊・25.5%増、三重県37万2,080人泊・54.3%増(参照日: 2026-10-27)
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- 和歌山の民泊届出件数2026|届出住宅362軒・1軒あたり宿泊者数全国1位の読み方と7ステップ【2026年10月】: 住宅宿泊事業の名簿を別様式で持つ必要がある民泊側の届出状況と、県内の数字を整理しています
※本記事は参照日時点の法令、厚生労働省・観光庁・和歌山県・大阪府・川崎市の公開資料にもとづく一般的な整理であり、名簿の記載事項や旅券の写しの保存形式、非対面の本人確認の可否は自治体によって運用が異なる場合があるため、最終的には所在地の保健所にご確認ください。統計は各出典の公表値で、和歌山県の数値は県観光客動態調査の速報値、全国と府県別の数値は観光庁の確定値です。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。