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大阪の万博後の宿泊需要2026|稼働率78.8%の反動と中国客6割減を南大阪・泉州と和歌山の宿の打ち手に変える7ステップ【2026年10月】

大阪の万博後の宿泊需要2026|稼働率78.8%の反動と中国客6割減を南大阪・泉州と和歌山の宿の打ち手に変える7ステップ【2026年10月】

結論: 大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日)の一般来場者は2,557万8,900人で、2025年の大阪府の延べ宿泊者数は5,760万530人泊と過去最多、客室稼働率は78.8%で全国1位でした。万博が終わった2026年は、大阪観光局の推計で1〜8月の来阪外国人客が1,097万1,000人(前年同期比6.9%減)、観光庁の統計で大阪府の外国人延べ宿泊者数が6月に18.0%減、7月に10.5%減です。ただし減ったのは主に中国からの客(2026年1〜8月で61.5%減)で、中国以外の外国人客は約20%増えており、「需要が消えた」のではなく「単価が万博前に戻り、客層が入れ替わった」というのが2026年10月時点の実像です。南大阪・泉州(泉佐野・堺・岸和田・貝塚・泉南・阪南)と和歌山の宿が今やることは、大阪市のホテル相場を眺めることではなく、自店の2025年の伸びが「外国人主導」か「大阪に泊まれなかった国内客の分散宿泊」かを台帳で分け、戻ってこない客層の代わりに来る理由を作り直すことです。

この記事の要点 対象読者: 泉佐野市・堺市・岸和田市・貝塚市・泉南市・阪南市など泉州・南大阪と、関空から車で1時間圏の和歌山市・岩出市・紀の川市・海南市・白浜町で、ホテル・旅館・民宿・ゲストハウス・一棟貸しを営む経営者と現場担当者。宿泊客を相手にする飲食店・観光体験・土産店、2026年の計画書や融資書類に「万博後の需要」を書きたい方 読了後にできること: 来阪客数・延べ宿泊者数・稼働率と単価の3つの統計を言い分け、2025年の自店の伸びが外国人主導か国内分散宿泊かを判定し、2027年5月までの平日単価と告知の予定表を数字つきで作れる状態になる

「万博の年は満室が続いたのに、今年の平日は半分も埋まりません」

白浜への移住準備で地域の事業者と話す中で、2026年に入ってからよく出る言葉です。関空から南海で30分の泉佐野や、大阪市から1時間の和歌山市では、2025年に「大阪のホテルが取れないから」という理由で国内客が流れ込みました。万博が閉幕し、大阪市内の単価が下がった2026年、その客は大阪市に戻っています。一方で、関空の外国人客は2026年度上半期に18%減り、中国便は冬ダイヤで前年の6割強に縮みました。「忙しかった去年」と比べる限り、今年はすべてが悪く見えます。

けれど、公開されている数字を分けて読むと、別の景色が出てきます。2025年の大阪府の宿泊は過去最多でしたが、増えたのは日本人(4.2%増)で、外国人はむしろ4.7%減っていました。2026年に減ったのは主に中国からの客で、韓国・台湾・東南アジアからの客は増えています。つまり南大阪と和歌山の宿が失ったのは「万博需要」そのものではなく、「大阪に泊まれなかった国内客」と「中国客」という2つの特定の客層です。この2つを分けずに「万博の反動」と一括りにして値下げすると、戻る見込みのない客を追いかけ、来ている客の単価まで下げることになります。

この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、万博後の大阪の宿泊需要を観光庁・大阪観光局・関西エアポート・大阪府の一次資料で確認し、南大阪・泉州と和歌山の宿が2027年5月までに備える7ステップ、そのままコピペで使えるプロンプト8本、チェックリスト8項目を公開します。掲載する数字は、2026年10月28日時点で公式ページと日付つきの報道で確認できたものだけです。確認できなかったものは「未公表」と書きます。手元に、2024年・2025年・2026年の自店の月別の予約台帳を置いて読み進めてください。

目次
  1. まず結論:万博後の宿泊需要を打ち手に変える7ステップ(即効早見表)
  2. 万博後の宿泊需要とは|「来阪客数」「延べ宿泊者数」「稼働率・単価」の違いと基本構成
  3. 万博後の宿泊需要を読み解く7ステップ(完全版)
    1. ステップ1: 3つの統計を分けて写す(来阪客数・延べ宿泊者数・稼働率と単価)
    2. ステップ2: 2025年と2026年を月で並べ、反動の大きさを測る
    3. ステップ3: 抜けた客層と増えた客層を特定する(中国6割減、国内分散宿泊の消滅)
    4. ステップ4: 自店の台帳を同じ単位で並べる(2024年を基準年にする)
    5. ステップ5: 平日と単価の下限を決める(宿泊税込みの表示と直前割の線引き)
    6. ステップ6: 次の山に合わせた告知の年間表を作る(関空冬ダイヤ・2027年5月・2030年秋)
    7. ステップ7: 月次速報と自店を並べ、翌月の一手を決める
  4. 立地別の打ち手|関空周辺・堺と、和歌山・泉州の国内客中心の宿で分かれる
  5. 【要注意】万博後の需要を読み違える4つの失敗パターン
    1. 失敗1: 「万博の反動」を一括りにして全体を値下げする
    2. 失敗2: 2025年を基準年にして計画書を書く
    3. 失敗3: 外国人頼みで、戻る国内客の受け皿を作らない
    4. 失敗4: 大阪市の統計を南大阪・和歌山にそのまま当てる
  6. 万博後の需要を読めている宿・読めていない宿の違い(チェックリスト)
  7. 需要は消えたのではなく単価が戻り客層が入れ替わった|次の山は2027年5月と2030年秋
  8. よくある質問
    1. Q. 万博後、大阪のホテルの稼働率はどのくらい下がりましたか?
    2. Q. 万博終了後、大阪の観光客は減りましたか?
    3. Q. 南大阪・泉州(泉佐野・堺・岸和田)の宿にも反動はありますか?
    4. Q. 和歌山の宿は万博後にどう影響を受けますか?
    5. Q. 大阪府の宿泊税はいくらですか? 料金表示はどうすればいいですか?
    6. Q. 2025年と比べて予約が減ったとき、まず値下げすべきですか?
    7. Q. 中国人観光客はいつ戻りますか?
    8. Q. 万博の次に、大阪で宿泊需要が増える予定はありますか?
  9. まとめ:今日から始める3つのアクション
  10. 参考・出典

まず結論:万博後の宿泊需要を打ち手に変える7ステップ(即効早見表)

最初に全体像です。7つを上から順に進めれば、「去年より悪い」という印象を、「どの客層が何%減り、代わりに何をするか」という計画に変えられます。所要時間は、ステップ1〜4が半日、ステップ5〜7が2027年5月までの月次の運用です。

ステップ やること 使う一次データ・道具
1. 3つの統計を分けて写す 来阪客数・延べ宿泊者数・稼働率と単価を別の欄に書く 大阪観光局会見・観光庁宿泊旅行統計
2. 2025年と2026年を月で並べる 大阪府の外国人宿泊が6月18.0%減・7月10.5%減だった月別の形を取る 観光庁の月次速報
3. 抜けた客層と増えた客層を特定する 中国61.5%減、中国以外約20%増、国内分散宿泊の消滅を分ける 大阪観光局・関空の国別実績
4. 自店の台帳を同じ単位で並べる 自店の月別の稼働率・単価・発地を2024年基準で出す 自店の予約台帳
5. 平日と単価の下限を決める 宿泊税込みの表示と、直前割の下限価格を決める 大阪府宿泊税の税率表・自店の変動費
6. 次の山に合わせた告知表を作る 関空冬ダイヤ、2027年5月のWMG、2030年秋のIRを手帳に入れる 関西エアポート・大会公式サイト
7. 月次速報と自店を並べる 毎月末の観光庁速報と自店の数字を1枚に書き足す 観光庁・自店の台帳
万博後の大阪の宿泊需要を宿の打ち手に変える7ステップのフロー図

ポイントは、ステップ3で「中国客の減少」と「国内分散宿泊の消滅」を別々の行に書くところまで進めることです。 関空周辺や堺のホテルで2025年に増えたのが外国人なら、2026年の課題は国別の入れ替わりへの対応です。和歌山市や泉州の国内客中心の宿で2025年に増えたのが日本人なら、課題は「大阪に泊まれないから来た客」が戻った後に来る理由を作ることです。同じ「前年比マイナス」でも、打ち手は正反対になります。

なお、この記事は2026年10月28日に書いています。観光庁の宿泊旅行統計は2026年8月分の第1次速報(9月30日公表)が最新で、9月分は10月末頃の公表予定です。公表されたら、ステップ7でこの記事の表に書き足してください。

万博後の宿泊需要とは|「来阪客数」「延べ宿泊者数」「稼働率・単価」の違いと基本構成

「万博後に大阪の観光客は減ったのか」という問いには、3つの別々の統計が混ざって答えられがちです。事業者がまず区別すべきなのは、来阪客数は「何人来たか」、延べ宿泊者数は「何人が何泊したか」、稼働率と単価は「部屋がいくらで埋まったか」という別の指標で、2026年はこの3つの動きが一致していないという点です。

3つの統計は、次の点で違います。

  • 来阪外国人客数: 大阪観光局が月次で推計する「大阪府を訪れた外国人の人数」。2025年は1,760万人で過去最多、2026年1〜8月は1,097万1,000人(前年同期比6.9%減)
  • 延べ宿泊者数: 観光庁の宿泊旅行統計調査が都道府県別に公表する「宿泊者数×泊数」。2025年の大阪府は5,760万530人泊で過去最多。2026年6月は外国人が18.0%減、7月は10.5%減
  • 客室稼働率と単価: 稼働率は観光庁が都道府県別に、単価は民間のREIT(不動産投資信託)や予約サイトのデータが公表する。2025年の大阪府の稼働率は78.8%、2026年8月は72.6%
来阪客数・延べ宿泊者数・稼働率と単価の3つの統計を整理した図解

そのうえで、万博後の宿泊需要は次の6つの要素で成り立っています。

  1. 外国人の国別構成: STR分析では大阪の外国人延べ宿泊に占める中国の比率は29%。この1か国が2026年に6割減った
  2. 国内客の分散宿泊: 2025年に大阪府内のホテルが埋まり、和歌山・兵庫・泉州へ国内客が流れた。閉幕で消える需要
  3. 単価の反動: 大阪圏のADR(平均客室単価)は2025年5月に前年比42.6%増。2026年は同じ月を前年比で見ると下落に見える
  4. 供給の増加: 2026年に大阪市で27軒・2,877室が新規開業し、既存の客室に対して2.14%の供給増
  5. 航空便の入れ替わり: 関空の2026年冬ダイヤで中国便は前年比37%減、韓国便は10%増、東南アジア便は13%増
  6. 次の山: 2027年5月14日〜30日のワールドマスターズゲームズ2027関西、2030年秋頃開業予定の大阪IR

このうち南大阪と和歌山の宿の売上に直接関係するのは、2・3・5です。大阪市の供給増や中国客の動向は自店では変えられませんが、「戻る国内客にどう来てもらうか」「単価をどこで止めるか」「増えている国の客にどう届くか」は自店で決められます。

万博後の宿泊需要を読み解く7ステップ(完全版)

ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。( )の中を自店の数字に書き換えてください。ステップ1〜4は公開データと自店の台帳があれば半日で終わり、ステップ5〜7は2027年5月までの月次運用になります。

ステップ1: 3つの統計を分けて写す(来阪客数・延べ宿泊者数・稼働率と単価)

最初にやるのは、ニュースで見た数字を「どの統計か」で仕分けることです。大阪観光局は2026年1月26日の会見で、2025年の来阪外国人客数が1,760万人で過去最多、2026年は1,800万人超を目指すと発表しました。同じ観光局が2026年9月30日の会見では、8月の来阪外国人客が132万1,000人(前年同月比9.6%減)、1〜8月累計が1,097万1,000人(同6.9%減)と報告しています。これが「人数」です。

「泊数」は観光庁です。観光庁の宿泊旅行統計調査の2025年確定値では、大阪府の延べ宿泊者数は5,760万530人泊(前年比0.3%増)、うち日本人3,339万7,140人泊(4.2%増)、外国人2,420万3,390人泊(4.7%減)です。日本経済新聞も2026年3月27日に、大阪観光局がこの数字を発表し、訪日客はホテルが満室で周辺地域に流れたと分析したと報じました。全国の2025年は速報値で6億5,348万人泊(0.8%減)、外国人1億7,787万人泊(8.2%増)なので、全国で外国人が増えた年に大阪府だけ外国人が減った、というのが2025年の形です。

万博の年に大阪府で増えたのは日本人で、外国人は減っていた。この1行を書けるかどうかで、2026年の読み方が変わります。 外国人が「万博で増えて、閉幕で減った」のではなく、「万博で大阪に泊まれず周辺に流れ、2026年は中国分が抜けた」という2段階で動いているからです。

あなたは観光統計の整理に詳しいアドバイザーです。以下の3種類の数字を「来阪客数」「延べ宿泊者数」「稼働率・単価」に仕分けし、私の宿の計画書に書ける要約を3行で作ってください。

【材料】
・大阪観光局: 2025年来阪外国人1,760万人、2026年1〜8月1,097万1,000人(6.9%減)
・観光庁: 2025年大阪府延べ宿泊5,760万530人泊(日本人4.2%増・外国人4.7%減)、2026年7月外国人179万8,490人泊(10.5%減)
・稼働率: 2025年大阪府78.8%、2026年8月72.6%
・私の宿の場所と客室数: (例: 泉佐野市・12室)

出力: ①3統計の仕分け表 ②それぞれが私の宿に意味すること ③計画書用の3行。材料にない数字は使わず、推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、観光庁の統計が2026年1月調査から標本の取り方(層化基準)を変えている点です。観光庁は前年比較に影響がありうると注記しているので、2026年の前年比は「おおよその方向」として使い、小数点以下の差で判断しないでください。

ステップ2: 2025年と2026年を月で並べ、反動の大きさを測る

次に、年の合計ではなく月の形を見ます。観光庁の公表によると、2026年7月第1次速報(8月31日公表)では全国の延べ宿泊者数が5,467万人泊(前年同月比3.5%減)、6月第2次速報では4,582万人泊(同8.4%減)、客室稼働率は7月60.8%・6月57.2%でした。2026年8月第1次速報(9月30日公表)では8月が6,268万人泊(同6.7%減)、日本人5,004万人泊(5.8%減)、外国人1,264万人泊(10.3%減)、稼働率64.4%です。

大阪府の外国人は、やまとごころの集計記事によると2026年6月が168万2,500人泊で18.0%減、7月が179万8,490人泊で10.5%減でした。同じ7月に兵庫県は8.1%増、三重県は58.8%増です。8月の都道府県別稼働率は訪日ラボの記事によれば東京都75.3%、大阪府72.6%で、大阪府は全国平均64.4%より8ポイント高い水準を保っています。

月(2026年) 全国の延べ宿泊者数 大阪府の外国人延べ宿泊 稼働率
6月 4,582万人泊(8.4%減) 168万2,500人泊(18.0%減) 全国57.2%
7月 5,467万人泊(3.5%減・第1次) 179万8,490人泊(10.5%減) 全国60.8%(第1次)
8月 6,268万人泊(6.7%減) 2026年10月28日時点で府別は未確認 全国64.4%・大阪府72.6%

大阪府の反動は6月が底で7月に縮小し、8月の稼働率は72.6%と全国平均を8ポイント上回っています。「大阪のホテルががら空き」という状態ではありません。 2025年の同じ月は万博の最盛期で、大阪圏のADRが前年比で3〜4割上がっていた時期です。前年比の落差は「2025年が異常に高かった」ことの裏返しで、2024年と比べればどうか、をステップ4で必ず確認してください。

あなたは宿泊統計の読み方に詳しいアドバイザーです。以下の月別データから、私の宿の「反動の大きさ」を測る物差しを作ってください。

【材料】
・全国の延べ宿泊者数: 2026年6月8.4%減、7月3.5%減、8月6.7%減
・大阪府の外国人延べ宿泊: 6月18.0%減、7月10.5%減
・稼働率: 全国8月64.4%、大阪府8月72.6%、大阪府2025年通年78.8%
・私の宿の月別稼働率: 2024年( )、2025年( )、2026年( )

出力: ①大阪府の反動と私の宿の反動の比較表 ②私の宿が大阪府より大きく落ちた月とその仮説 ③2024年比で見た実力値。推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

ステップ3: 抜けた客層と増えた客層を特定する(中国6割減、国内分散宿泊の消滅)

反動の中身を分けます。J-CASTニュースが2026年10月17日に報じた大阪観光局の推計では、2026年1〜8月に大阪を訪れた中国人客は150万1,000人で、前年同期の389万7,000人から61.5%減でした。全国の中国人客の減少率は56.7%で、大阪の落ち込みはそれより約5ポイント大きく、一方で中国以外の外国人客は約20%増えています。背景は、トラベルボイスが報じた2025年11月14日の中国政府による日本への渡航自粛の呼びかけです。

全国の訪日客も同じ形です。日本政府観光局(JNTO)の2026年9月推計値を伝える訪日ラボの記事によると、9月の訪日外客数は310万3,700人(前年同月比5.0%減)で、韓国84万2,300人(25.6%増)、台湾59万5,600人(13.0%増)、中国43万800人(44.5%減)でした。関空も同じで、関西エアポートの2026年冬ダイヤでは中国便が週163.0便(前年259.1便から37%減)、韓国便が487.9便(10%増)、東南アジア便が224.3便(13%増)です。

もう1つの抜けた客層が、国内の分散宿泊です。和歌山県の調査では万博会期中に県を訪れた万博来場者228万6,304人のうち訪日外国人は4万7,035人で、残りの約224万人は国内客でした。県は増加の主因を「大阪府内の宿泊施設が逼迫した影響による分散宿泊」としています。詳しくは和歌山の万博効果2026|観光客228万人来県・宿泊8%増の中身と閉幕後に残す7ステップ【2026年10月】で整理しました。

2025年の万博期と2026年の万博後の大阪の宿泊需要を対比した図解

南大阪と和歌山の宿が2026年に失ったのは「中国客」と「大阪に泊まれなかった国内客」の2つで、韓国・台湾・東南アジアの客と、和歌山や泉州を目的に来る国内客は減っていません。 この2行を分けて書けば、「全部が悪い」という感覚は消えます。

あなたはインバウンドと国内観光の客層分析に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の宿で「抜けた客層」と「増えた客層」を分けてください。

【材料】
・大阪の中国人客: 2026年1〜8月150万1,000人(61.5%減)、中国以外は約20%増
・訪日客9月: 韓国25.6%増、台湾13.0%増、中国44.5%減
・関空冬ダイヤ: 中国便37%減、韓国便10%増、東南アジア便13%増
・和歌山県: 万博来場者の来県228万人のうち国内客約224万人、主因は大阪府内の宿泊逼迫
・私の宿の2025年と2026年の国籍・発地別の宿泊組数: (例: 中国〇組→〇組、韓国〇組→〇組、大阪府内からの日本人〇組→〇組)

出力: ①抜けた客層の表(人数と理由) ②増えた客層の表 ③戻る見込みが薄い客層と、新たに狙う客層。推測は「仮説」と明記し、材料にない数字は作らないでください。

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ステップ4: 自店の台帳を同じ単位で並べる(2024年を基準年にする)

ここで自店の数字を出します。単位は「月別の客室稼働率」「平均客室単価(ADR)」「発地または国籍の構成」の3つで、観光庁や観光局の統計と同じ単位です。基準年は2025年ではなく2024年にしてください。2025年は万博で単価も稼働も異常値だからです。

単価の反動の大きさは、ホテルバンクの分析記事が示しています。REIT(不動産投資信託)の関西19物件のデータでは2025年の大阪圏ADRは5月に前年比42.6%増、9月に37.7%増、4〜10月の稼働率は87.9%でした。同じ記事のメトロエンジン調べによる関西圏の予約サイト公開価格の平均は、2026年4月が17.5%減、6月が12.4%減、7月が12.5%減です。4割上がった単価が1割強戻った、というのが関西の都市型ホテルの形です。

自店の2026年の単価が2024年より高いなら、2025年比の下落は「反動」ではなく「平常化」で、値下げの理由にはなりません。 稼働率とADRの出し方は、小さな宿のRevPAR計算|4室・7日間の記入表とADR・稼働率の検算【2026年9月】に記入表があります。

あなたは小さな宿の経営数字に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の宿の2026年の実力を2024年基準で判定してください。

【材料】
・客室数: (例: 8室)
・月別の稼働率とADR: 2024年( )、2025年( )、2026年( )
・発地・国籍の構成: 2024年( )、2025年( )、2026年( )
・参考: 大阪圏ADRは2025年5月に42.6%増、関西圏の予約サイト公開価格は2026年6〜7月に12%台の下落

出力: ①2024年比と2025年比を並べた表 ②「反動」か「平常化」かの判定と根拠 ③2024年より下がっている月があればその客層の仮説。推測は「仮説」と明記してください。

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ステップ5: 平日と単価の下限を決める(宿泊税込みの表示と直前割の線引き)

数字が揃ったら、値段の決め方を2つ固定します。1つ目は表示です。大阪府の宿泊税は2025年9月1日宿泊分から改正され、大阪府の公式ページによると1人1泊5,000円未満は非課税、5,000円以上1万5,000円未満は200円、1万5,000円以上2万円未満は400円、2万円以上は500円です(改正前は免税点7,000円、税額100円・200円・300円)。1人1泊1万2,000円の部屋に2名2泊なら宿泊税は800円で、予約サイトと自社サイトで「税込か別か」が揃っていないと、問い合わせと低評価の口コミの原因になります。白浜町など和歌山側の導入予定は宿泊税の導入が全国に拡大|白浜町は2027年3月開始、宿が今週やる6ステップ【2026年9月】で解説しています。

2つ目は下限です。平日の空室を直前割で埋めるとき、「1泊増えると実際にかかる変動費+販売手数料」を下回る価格は出さない、と決めておきます。平日単価の下限は「2024年の平日ADR」と「変動費+手数料」の高いほうに置き、2025年の単価は参考値から外してください。 具体的な決め方は宿の直前割を施設側が設定する方法|7ステップと告知文例8本【2026年9月】に手順があります。

あなたは宿泊施設の料金設計に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の宿の平日の下限価格と、宿泊税を含めた表示文を作ってください。

【材料】
・2024年の平日ADR: (例: 1万1,000円/1人)
・1泊増えるとかかる変動費(清掃・リネン・朝食・光熱): (例: 2,200円)
・販売手数料と決済手数料: (例: OTA10%+決済3%)
・大阪府宿泊税: 5,000円未満0円、5,000〜1万5,000円未満200円、1万5,000〜2万円未満400円、2万円以上500円(1人1泊)
・宿の所在地: (大阪府内か和歌山県内か)

出力: ①下限価格の計算(式を見せる) ②予約サイト用と自社サイト用の料金表示文 ③下限を割らずに平日を埋める案3つ。推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

ステップ6: 次の山に合わせた告知の年間表を作る(関空冬ダイヤ・2027年5月・2030年秋)

万博の次に、日程が確定している需要を手帳に入れます。近いものから3つです。

大阪観光局は2026年10月から、りんくうエリア(10月)となんば・心斎橋(11月)で夜間の飲食と文化体験を組み合わせる実証「EXPO NIGHT PARK 2026」を始めると会見で説明しています。関空の対岸で夜の催しが動くなら、泉佐野・泉南・阪南の宿は「夜に会場、朝に関空」という1泊の形を告知できます。

告知は需要が確定した日に出すのではなく、冬ダイヤ発表の10月、WMGの参加申込期間、IRの節目のように「日程が公表された日」に出す宿が先に取ります。 泉州の店と和歌山の宿で取り方が分かれる点は、次の章で図解します。

あなたは地域の宿のSNS運用担当です。以下の材料から、2026年11月〜2027年5月の告知文を3本(①11月: 冬ダイヤと夜の催しに合わせた1泊案内 ②2027年2月: WMG参加者向けの連泊案内 ③2027年4月: WMG直前の最終案内)、各150字以内で作ってください。

【材料】
・宿名と場所: (例: 泉佐野市りんくう・関空まで車10分/和歌山市加太・関空までバス40分)
・部屋数と得意な客層:
・関空冬ダイヤ: 韓国便10%増・東南アジア便13%増、ダナン線12月・デリー線2027年2月
・WMG2027関西: 2027年5月14日〜30日、目標5万人、35競技
・用意している特典: (あるものだけ)

条件: 用意していない特典は書かない。日程は公表値をそのまま使う。推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

あなたは宿泊施設の予約担当です。以下の材料から、公式LINEで既存客に送る「万博後も来る理由」の案内文を、①個別チャット用(お名前入り・200字以内)②一斉配信用(お名前なし・200字以内)の2種類作ってください。

【材料】
・宿名と場所:
・2025年に泊まってくれた客層: (例: 万博の帰りに泊まった大阪府外の家族連れ)
・2026年の来る理由: (例: 平日の連泊割、秋の地魚、関空からバス40分)
・予約方法: (電話/LINE/公式サイトのうち、あるものだけ)

条件: 「万博のとき泊まれなかったから来た」客に、今度は宿そのものを目的に来てもらう文面にする。推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

ステップ7: 月次速報と自店を並べ、翌月の一手を決める

観光庁の宿泊旅行統計は毎月末に前月分の第1次速報が出ます(7月分は8月31日、8月分は9月30日)。大阪観光局の会見は毎月、関西エアポートの月次実績も毎月出ます。この3つの公表日に、自店の月次の稼働率・ADR・発地構成を1枚の表に書き足してください。

検証の単位は「大阪府の外国人宿泊の前年比」「自店の2024年比の稼働率とADR」「自店の国別・発地別の構成」の3つで、月に1回この3つを並べるだけで翌月の価格と告知が決まります。 数字の取り方そのものは、和歌山県の統計で解説した和歌山の宿泊者数2026|観光庁495万人泊・県547万人泊・稼働率48.4%を宿と店の打ち手に変える7ステップ【2026年10月】と同じ考え方です。

あなたは小さな宿の月次レビューを手伝うアドバイザーです。以下の材料から、今月の検証メモと来月の一手を作ってください。

【材料】
・観光庁速報: 全国の延べ宿泊者数( )%、大阪府の外国人宿泊( )%、稼働率 全国( )%・大阪府( )%
・大阪観光局: 来阪外国人( )万人( )%、中国( )%
・私の宿: 今月の稼働率( )%・ADR( )円、2024年同月は稼働率( )%・ADR( )円、発地構成( )
・今月やった施策: (例: 平日連泊割、LINE配信、韓国語の予約ページ)

出力: ①大阪府と私の宿の増減の比較 ②施策ごとの効いた/効かなかったの判定 ③来月変える1点。推測は「仮説」と明記してください。

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立地別の打ち手|関空周辺・堺と、和歌山・泉州の国内客中心の宿で分かれる

同じ「万博後」でも、宿がどこにあり、2025年に誰が増えたかで取れる需要は違います。自店に近いほうを選んでください。

2025年の伸びが外国人主導か国内客主導かで分かれる2分岐図解
立地 2025年に増えた主な客層 2026年に抜けた客層 最初に効く打ち手
泉佐野・泉南・阪南(関空周辺) 外国人の前後泊、深夜便・早朝便の利用者 中国客 韓国・台湾・東南アジア向けの予約導線と、りんくうの夜の催しに合わせた1泊案内
堺・岸和田・貝塚(南海・阪和線沿線) 大阪市に泊まれなかった国内客と外国人 国内分散宿泊の一部と中国客 大阪市との単価差を明記した「大阪市まで〇分」の案内と平日連泊
和歌山市・海南・岩出・紀の川 大阪府内の宿泊逼迫で流れた国内客 国内分散宿泊 直販特典と、和歌山を目的にする理由(城・加太・温泉)の商品化
白浜・田辺など紀南 外国人と国内客の両方(白浜町は2025年に外国人宿泊35.9%増) 国内客の一部 関空から2時間圏を前面に出した2泊3日と、英語の口コミ返信の継続

南大阪の宿泊の規模は、大阪市とは桁が違います。大阪府が公表している地域別延べ宿泊者数の推計値では、令和5年(2023年)に大阪市域が約4,419万人泊、泉州地域が約225万人泊、南河内地域が約7万人泊でした。泉州は大阪市域の約5%です。堺市は2025年11月19日の「2025年大阪・関西万博」堺プロジェクト推進会議で、万博会期中の市内宿泊客が前年比19万6,000人増の74万2,000人、宿泊額が25億8,000万円増の63億8,000万円、インバウンド比率が6ポイント増の25%だったと報告しています(産経新聞が同日報道)。つまり南大阪の宿にとって2025年は「大阪市から押し出された客が1割から2割上乗せされた年」で、2026年はその上乗せが消えた年です。

南大阪と和歌山の宿は「大阪市の代わり」として選ばれた2025年の売り方をやめ、「ここに泊まる理由」を1つ決め直すのが2026年の基本です。 和歌山から泉州へは、南海本線で泉佐野駅と和歌山市駅が特急サザンで28分・片道610円(2026年10月28日の駅探検索)、関空からJR和歌山駅へは関西空港交通と和歌山バスのリムジンバスが第1ターミナルから約40分・大人片道1,400円です。和歌山DX総合研究所がこの主題を扱うのは、泉州と和歌山が関空と南海・阪和道で1つの宿泊圏になっていて、大阪市の単価が下がれば両方の宿に同じ形で影響が出るからです。和歌山県の2025年の宿泊は観光庁で495万5,910人泊(稼働率48.4%)、県調査で547万2,043人泊で、県側の数字は和歌山の宿泊者数2026|観光庁495万人泊・県547万人泊・稼働率48.4%を宿と店の打ち手に変える7ステップ【2026年10月】で整理しています。

複数の立地にまたがる場合(泉佐野にホテルがあり、白浜に一棟貸しも持っているなど)は、売上の大きいほうの行から着手してください。

【要注意】万博後の需要を読み違える4つの失敗パターン

7ステップを実行しても、次の4つのどれかに当てはまると成果が出ません。4つとも需要の増減ではなく、宿側の基準年・客層の分け方・受け皿・統計の当てはめ方で防げる失敗です。 順に確認してください。

失敗1: 「万博の反動」を一括りにして全体を値下げする

❌ よくある間違い: 前年比で予約が2割減ったので、全日程・全プランを1割値下げし、埋まっていた週末や韓国・台湾客の単価まで下げる。

⭕ 正しいアプローチ: 減ったのが中国客か、大阪に泊まれなかった国内客かを台帳で分け、減っていない客層の価格は動かさない。値下げは平日の下限価格の範囲で、直前割として出す。

なぜ重要か: 大阪の中国人客は2026年1〜8月に61.5%減った一方、中国以外の外国人客は約20%増えており、全体値下げは増えている客の単価を自ら削る行為だからです。 白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、「去年が良すぎて今年が怖い」という声は聞きますが、怖さの正体を客層ごとに分けると、下げなくてよい部屋のほうが多いことがほとんどです。

失敗2: 2025年を基準年にして計画書を書く

❌ よくある間違い: 融資や補助制度の書類に「2025年比で売上15%減」とだけ書き、2024年の数字を添えない。

⭕ 正しいアプローチ: 2024年・2025年・2026年の3年を並べ、2025年を「万博の年」と注記し、2026年の実力は2024年比で示す。観光庁の統計が2026年1月から標本の取り方を変えたことも添える。

なぜ重要か: 大阪圏のADRは2025年5月に前年比42.6%増まで上がっており、2025年を基準にすれば、どの宿も「悪化」にしか見えないからです。 審査する側は異常値との比較を根拠として扱いません。2024年比で横ばい以上なら、それは「万博後も客を保った宿」という評価になります。

失敗3: 外国人頼みで、戻る国内客の受け皿を作らない

❌ よくある間違い: 2025年に外国人が増えたので英語の予約ページと多言語サイトに投資し、2025年に大阪から流れてきた国内客には何もしない。

⭕ 正しいアプローチ: 2025年に泊まった国内客の連絡先が残っているなら、公式LINEや直販特典で「今度は宿を目的に来てもらう」案内を送る。外国人は国別の入れ替わりに合わせ、韓国・台湾・東南アジアの導線を優先する。

なぜ重要か: 和歌山県に来た万博来場者228万人のうち国内客は約224万人で、この客層は大阪市の単価が戻った2026年に放っておけば大阪市に戻るからです。 一度泊まった国内客に連絡が取れる状態なら、戻る客の一部を「和歌山や泉州を目的に来る客」に変えられます。直販の作り方はOTA手数料一覧と実質負担の計算式|旅館・民宿の直販比率の上げ方【2026年8月】にまとめています。

失敗4: 大阪市の統計を南大阪・和歌山にそのまま当てる

❌ よくある間違い: 「大阪の稼働率は78%」というニュースを見て、泉佐野や和歌山市の宿も同じ水準で埋まるはずだと計画する。

⭕ 正しいアプローチ: 大阪府の稼働率78.8%は大阪市域の約4,400万人泊が押し上げた数字で、泉州地域は約225万人泊、和歌山県の稼働率は48.4%と、別の市場として扱う。計画には自店の町の数字を使う。

なぜ重要か: 大阪府の地域別推計では泉州地域の延べ宿泊は大阪市域の約5%で、大阪市の稼働率や単価は南大阪・和歌山の相場の説明にならないからです。 大阪市のホテルが値下げすれば南大阪と和歌山の宿は「大阪市の代わり」としては選ばれにくくなる、という影響の向きだけを押さえてください。

ここまでの内容は、観光庁・大阪観光局・関西エアポート・大阪府の公開データと自店の台帳だけで、どの宿でも今日から始められます。それでも「3年分の台帳を月別に並べる時間がない」「国別の入れ替わりに合わせた告知文まで手が回らない」という宿があるのも事実です。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは2024年から2026年の月別の予約台帳だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。

万博後の需要を読めている宿・読めていない宿の違い(チェックリスト)

現在地の確認に使ってください。自店の台帳と、ニュースで見た数字を手元に置きながら、当てはまるものにチェックを入れます。

  • □ 「来阪客数」「延べ宿泊者数」「稼働率・単価」を別の統計として言い分けられる
  • □ 2024年・2025年・2026年の自店の月別稼働率とADRが1枚の表になっている
  • □ 2026年に減った客層を「中国客」「国内分散宿泊」「それ以外」に分けて書ける
  • □ 増えている客層(韓国・台湾・東南アジア、和歌山や泉州を目的に来る国内客)を把握している
  • □ 予約サイトと自社サイトの料金表示で、大阪府宿泊税(200円・400円・500円)の扱いが揃っている
  • □ 平日の下限価格を「2024年の平日ADR」か「変動費+手数料」の高いほうで決めている
  • □ 関空冬ダイヤ・2027年5月のWMG・2030年秋のIRの公表日に合わせた告知の予定表がある
  • □ 毎月末の観光庁速報と大阪観光局の会見の日に、自店の数字を書き足す担当が決まっている
万博後の宿泊需要を数字で読めている宿と読めていない宿の違いのチェックリスト図解

特に見落とされやすいのが2つ目の「2024年を含む3年の表」で、これがないと他の7項目を揃えても「反動」と「平常化」を区別できません。 チェックが3つ未満でも心配はいりません。この記事の7ステップは、上から順に進めればチェックが1つずつ埋まる構成になっています。

需要は消えたのではなく単価が戻り客層が入れ替わった|次の山は2027年5月と2030年秋

「万博が終わった大阪に、もう上乗せの需要はない」と感じるかもしれません。公開されている数字は、少し違う形を示しています。

まず総量です。日本国際博覧会協会の発表を伝える日本経済新聞によると、万博の一般来場者は会期全体で2,557万8,900人、関係者を含む総来場者は2,901万7,900人でした。アジア太平洋研究所(APIR)が2026年6月29日に公表した最終検証では、経済波及効果は3兆5,121億円で、そのうち大阪府が61.5%、来場者の消費に限れば大阪府46.8%・その他地域53.2%です。来場者の消費の半分以上は大阪府の外で起きていました。南大阪や和歌山が受けた分散宿泊は、この「その他53.2%」の一部です。

次に、万博後の大阪の実力です。東京商工リサーチの大手ホテル調査では、2026年4〜6月の大手ホテルの客室単価は1万8,003円(前年同期比678円増)、稼働率は82.7%(0.2ポイント減)で、万博後の需要崩壊や中国客の減少が懸念された割に稼働の下げ幅は小さいと報告されています。STRの分析を伝えるトラベルボイスの記事では、大阪の外国人宿泊に占める中国の比率は29%で、2026年5月までの累計では全クラスで稼働率が低下し、中価格帯と低価格帯のRevPAR下落が目立つとあります。供給側では、ホテルバンクの集計で2026年に大阪市で27軒・2,877室が新規開業し、既存13万9,620室に対して2.14%の供給増です。需要は保たれ、単価は戻り、供給は増える。中価格帯の競争が厳しくなるのは大阪市内の話で、南大阪と和歌山の宿が同じ土俵で戦う必要はありません。

関空の数字も添えます。関西エアポートの発表では2025年度の関空の総旅客数は3,354万人(前年度比6%増)、国際線は2,708万人(同8%増)で2年連続の過去最高でした。2026年度上半期(4〜9月)は日本海新聞が報じた速報で国際線の外国人旅客が901万人(前年同期比18%減)です。減った分の大半は中国で、冬ダイヤでは韓国と東南アジアが増便しています。関空から30分圏の泉佐野・泉南と、バス40分の和歌山市にとって、客の国籍が入れ替わる局面です。

そして次の山です。2027年5月14日〜30日のワールドマスターズゲームズ2027関西は目標参加者5万人、2030年秋頃には大阪IRの開業が予定され、夢洲では大阪府・大阪市の資料によると大屋根リングの北東部約200メートルを残置し記念公園を整備する方針が示されています。大阪観光局は2026年の来阪外国人1,800万人超を目標に掲げたまま、1〜8月は6.9%減で推移しており、観光局自身が欧米市場へのアプローチ強化を打ち出しています。

需要は保たれ、客層は入れ替わり、次の山の日程は決まっています。この3つが重なる今、2024年基準で自店の数字を整え、戻らない客層の代わりに来る理由を作り直す宿はまだ少数派で、先に始めた宿がそのまま選ばれる側に回れます。

よくある質問

Q. 万博後、大阪のホテルの稼働率はどのくらい下がりましたか?

観光庁の統計では、2025年の大阪府の客室稼働率は78.8%(速報値)で全国1位でした。2026年8月の大阪府は72.6%で、全国平均64.4%を8ポイント上回っています。 東京商工リサーチの大手ホテル調査でも2026年4〜6月の稼働率は82.7%(前年同期比0.2ポイント減)で、下げ幅は小さい一方、単価は万博期の上乗せ分が戻りました。

Q. 万博終了後、大阪の観光客は減りましたか?

人数で見ると減っています。大阪観光局の推計で2026年1〜8月の来阪外国人客は1,097万1,000人(前年同期比6.9%減)です。ただし内訳は中国が61.5%減、中国以外は約20%増で、「全体が減った」のではなく「1か国が大きく減り、他が増えた」形です。 日本人の宿泊は、2025年に大阪府内で4.2%増えた分(万博の国内客)が2026年に戻っていると考えられますが、府別の日本人の2026年の確定値は2026年10月28日時点で未公表です。

Q. 南大阪・泉州(泉佐野・堺・岸和田)の宿にも反動はありますか?

あります。堺市の発表では万博会期中の市内宿泊客は前年比19万6,000人増の74万2,000人で、この上乗せは2026年には消えています。泉州地域の延べ宿泊は大阪府の推計で約225万人泊(2023年)と大阪市域の約5%で、2025年の増加分は「大阪市に泊まれなかった客」が中心だったため、2026年は大阪市の単価が下がるほど南大阪への押し出しが減ります。 関空周辺は国別の入れ替わり、堺・岸和田は大阪市との単価差の明示が打ち手になります。

Q. 和歌山の宿は万博後にどう影響を受けますか?

和歌山県に来た万博来場者228万人のうち国内客は約224万人で、県は主因を大阪府内の宿泊逼迫による分散宿泊としています。この客層は2026年に大阪市へ戻るため、和歌山市や泉州から1時間圏の宿ほど、2025年比の落ち込みが大きく出ます。 一方、白浜町・那智勝浦町・高野町など外国人比率の高い町は別の動きをします。町ごとの中身は和歌山の万博効果2026|観光客228万人来県・宿泊8%増の中身と閉幕後に残す7ステップ【2026年10月】で分けています。

Q. 大阪府の宿泊税はいくらですか? 料金表示はどうすればいいですか?

2025年9月1日宿泊分から、1人1泊5,000円未満は非課税、5,000円以上1万5,000円未満200円、1万5,000円以上2万円未満400円、2万円以上500円です(大阪府公式ページ、参照日2026年10月28日)。予約サイトと自社サイトの表示で「宿泊税は別途現地払い」か「込み」かを揃え、改正前の100円・200円・300円の表記が残っていないかを今週確認してください。 和歌山県内の宿は2026年10月28日時点で大阪府の宿泊税の対象外ですが、白浜町が2027年3月に導入予定です。

Q. 2025年と比べて予約が減ったとき、まず値下げすべきですか?

先に2024年と比べてください。2024年より稼働率とADRが高いなら、2025年比の減少は「反動」ではなく「平常化」で、値下げの根拠にはなりません。 2024年より低い月がある場合だけ、その月の抜けた客層を特定し、平日の下限価格の範囲で直前割を出します。閑散期の判断手順は宿の閑散期対策|予約データ・限界利益・現場負荷から選ぶ90日の実務ガイド【2026年】にまとめています。

Q. 中国人観光客はいつ戻りますか?

公表された見通しはありません。2025年11月14日の中国政府の渡航自粛の呼びかけ以降、2026年9月の訪日中国人は前年同月比44.5%減、関空の冬ダイヤの中国便は前年比37%減で推移しています。戻る時期を前提に計画を組むのではなく、増えている韓国・台湾・東南アジアの客と、国内客の受け皿を先に作るのが現実的です。 大阪観光局も欧米市場へのアプローチ強化を打ち出しています。

Q. 万博の次に、大阪で宿泊需要が増える予定はありますか?

日程が決まっているものが3つあります。2027年5月14日〜30日のワールドマスターズゲームズ2027関西(目標参加者5万人・35競技)、2030年秋頃開業予定の大阪IR、夢洲の大屋根リング約200メートルの残置と記念公園の整備です。 いずれも万博のように半年で2,500万人が来る規模ではないため、「次の特需を待つ」のではなく、平日と単価の下限を決めたうえで、公表日に合わせて告知を出す運用が基本です。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: 大阪観光局の1〜8月(1,097万1,000人・6.9%減)、観光庁の大阪府外国人宿泊(6月18.0%減・7月10.5%減)、稼働率(8月72.6%)を「人数・泊数・稼働率」に分けて1枚に写し、自店の2024年・2025年・2026年の月別稼働率とADRを横に並べる
  2. 今週中にやること: ステップ3のプロンプトで自店の「抜けた客層」と「増えた客層」を分け、予約サイトと自社サイトの大阪府宿泊税の表示(200円・400円・500円)を揃える
  3. 今月中にやること: 平日の下限価格を2024年基準で決め、関空冬ダイヤ・2027年5月のWMG・りんくうの夜の催しに合わせた告知文と、2025年に泊まった国内客へのLINE案内を用意する

7つすべてを一気にやる必要はありません。観光庁の9月分速報が出る10月末に、この記事の表へ1行書き足すところから、2027年5月までの7か月を「人数・泊数・稼働率」と「自店の2024年比」の4つで組み立ててください。

次回予告: 2025年に増えた国内客を直販に変える具体的な手順は、宿の直前割を施設側が設定する方法|7ステップと告知文例8本【2026年9月】とOTA手数料一覧と実質負担の計算式|旅館・民宿の直販比率の上げ方【2026年8月】で解説しています。

参考・出典

あわせて読みたい

※本記事の「泉州地域は大阪市域の約5%」は、大阪府の地域別推計値(令和5年)を当コラムが割り算したもので、府の公表値ではありません。2026年の都道府県別の日本人延べ宿泊者数と9月分の速報は、2026年10月28日時点で未公表または未確認です。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。

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河原 将太株式会社Tip 代表取締役社長

東京都立大学在学中に事業を開始し法人化。大手エネルギー関連企業へのAIコンサルティング、上場企業を含む20社以上へのコンサルティング提供、1投稿で1億回以上再生されたSNSコンテンツの企画に携わる(実績は代表およびメンバー個人としての活動を含む)。現在は和歌山の企業・観光事業者へのSNS・AI・DX支援と、県内のホテル・リゾート開発構想に取り組む。詳しいプロフィール

本記事は、株式会社Tipが公開情報・一次情報・実務での検証結果をもとに作成し、必要に応じて更新しています。掲載内容は最終更新日時点の情報です。

公開日: 2026.11.05 最終更新日: 2026.11.05