
結論: 2026年9月4日、フリー株式会社が「freee会計がJIIMA『電子帳簿ソフト法的要件認証』を取得した」と発表しました。やることは会計ソフトの乗り換え検討ではありません。まず自社が使っているソフトの名前をJIIMAの認証製品一覧で検索し、載っているか/どの区分かを確認する。所要10分です。認証があっても、日々の保存の運用と届出は自社の仕事として残ります。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内(田辺・白浜・新宮・みなべ・串本・那智勝浦・御坊など)で会計ソフトを使って経理をしている中小事業者・個人事業主と、宿泊・観光・飲食・小売・農水産の現場責任者 読了後にできること: 自分の会計ソフトが電子帳簿保存法のどの区分に対応しているかを認証リストで確認し、今週中に「電子取引データの保存ルール1枚」を作れる状態になる
「うちのソフト、電帳法に対応してるって言われたんだけど、それって何が対応してるの?」
会計ソフトの案内メールを見ながら、こう感じたことはないでしょうか。「対応」という言葉は便利ですが、あまりに広い。請求書PDFの保存のことなのか、帳簿そのもののことなのか、それとも紙のレシートをスキャンする話なのか。区別がつかないまま「うちは大丈夫らしい」で止まっている事業者は少なくありません。
やっかいなのは、電子帳簿保存法の話が3つの別々の制度でできていることです。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトでも、制度は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3つに分けて説明されています。このうち電子取引データの保存だけが、令和6年1月1日からすべての事業者に義務づけられました。残りの2つは任意です。「対応ソフト」という一言は、この3つのどれを指すのかで意味がまったく変わります。
今回のニュースは、その分かりにくさを整理する良いきっかけになります。freee会計が取得したのは3つのうち「電子帳簿等保存」、しかもその中の「優良な電子帳簿」という上位区分に関わる認証だからです。そして2027年分の所得税から、この「優良な電子帳簿」が青色申告特別控除の金額に直結します。
この記事では、今回の発表で何が確定したのかを一次情報で確認したうえで、自社のソフトが電帳法のどこに対応しているかを確かめる5ステップ、そのままコピペで使える8本のプロンプト、そして対応が進む事業者と止まる事業者を分けるチェックリストをまとめます。手元に、いま使っている会計ソフトの名前を用意しながら読み進めてください。
目次
まず結論:自社の会計ソフトの電帳法対応を確かめる5ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。5つのステップは、上から順に進めれば1週間で終わります。追加の出費は発生しません。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 電子取引の洗い出し | メールやWebで受け取っている請求書・領収書を書き出す | 直近1か月の受信メールを「請求」で検索する |
| 2. 認証リストで照合 | 自社のソフト名をJIIMAの認証製品一覧で検索する | ソフトの正式名称をメモする |
| 3. 保存ルールを1枚に | 保存場所・ファイル名・担当者を決めて紙1枚にする | 保存先フォルダを1つ作る |
| 4. 優良にするか判断 | 「優良な電子帳簿」を目指すかを税理士と決める | 個人事業主か法人かを確認する |
| 5. 期限から逆算 | 2027年分に間に合う着手時期を決める | 顧問税理士に相談日を入れる |

ポイントは順番です。多くの人はステップ2(ソフトの確認)から始めたくなりますが、先に電子取引の洗い出し(ステップ1)を済ませないと、そもそも自社に何の保存義務があるのかが分かりません。義務があるのは電子取引データの保存で、これはソフトの有無に関係なく全事業者に及びます。認証の確認は、その次です。
所要時間の目安は、ステップ1〜3が合計2〜3時間、ステップ4〜5は税理士との相談を含めて1〜2週間です。ステップ1〜3は今週の空き時間で終わります。ステップ4以降だけは、判断に他人が絡むぶん早めに動かしてください。
何が起きたか|freee会計がJIIMA「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得
事実関係から確認します。2026年9月4日14時、フリー株式会社はfreee会計、JIIMA「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得(プレスリリース)を公表しました。取得したのは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による「電子帳簿ソフト法的要件認証(令和5年度改正法令基準)」で、認証番号は107500-00です。
この発表は、JIIMA側でも裏が取れます。JIIMAが公開している電子帳簿ソフト法的要件認証製品一覧(「優良な電子帳簿」の機能要件承認)には、2026年9月4日現在の情報として次の行が掲載されています。
- 認証番号: 107500-00
- ソフトウエア名称: freee会計
- メーカー: フリー株式会社
- 区分: 主製品
- 審査基準法令年度: 令和5年度
- 認証有効期限: 2029年8月20日
同じ一覧には、他社の会計ソフトも複数掲載されています(例: 弥生会計 Next=107300-00、戦略財務情報システム(FX2)=100000-02など、いずれも審査基準法令年度は令和5年度)。つまり今回のニュースは「1社だけが特別な地位を得た」という話ではなく、「自社が使っているソフトがこの一覧に載っているかを確認できる」という話です。製品同士の優劣を判断する材料ではありません。
freeeのリリースは、この認証の意味を青色申告特別控除と結びつけて説明しています。リリースには「令和9年分(2027年分)以後の所得税について、青色申告特別控除の見直しが行われます」「期限内にe-Taxを利用して確定申告を行う場合の控除額は最高65万円となり、さらに仕訳帳および総勘定元帳について『優良な電子帳簿』の要件を満たして保存する場合などには、控除額が最高75万円となります」と記載されています。
現時点で公表されているのはここまでです。 認証取得の事実、認証番号、審査基準法令年度、有効期限、そして税制改正との関係の説明。それ以上のこと——たとえば「この認証があれば税務調査で有利になる」といった効果や、今後の機能追加の予定——は公表資料に書かれていないため、この記事でも扱いません。
JIIMA認証とは|「電帳法対応」との違いと4つの区分
JIIMA認証とは、市販のソフトウェアが電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかを、第三者機関のチェックを経てJIIMAが認証する制度です。JIIMAの電子帳簿ソフト法的要件認証制度の説明によれば、この制度によって「ソフトウェアを導入する企業は、電子帳簿保存法及びその他の税法が要求している要件を個々にチェックする必要がなく、安心して導入することができる」とされています。認証製品の一覧はJIIMAのサイトで公表されるとともに、国税庁に対して認証製品リストが提出され、国税庁側でもJIIMA認証情報リストとして案内されています。
ここが最重要ですが、JIIMA認証は認証区分ごとに別物です。JIIMA認証制度のページでは、次のように区分が分かれています。
- 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証: 紙の領収書・請求書をスキャナやスマホで読み取って保存するソフト向け
- 電子帳簿ソフト法的要件認証: 国税関係帳簿(仕訳帳・総勘定元帳など)の作成・保存を行うソフト向け ← 今回freee会計が取得したのはここ
- 電子取引ソフト法的要件認証: メールやWebでやり取りした取引情報のデータ保存を行うソフト向け
- 電子書類ソフト法的要件認証: 自社で作成して紙で発行した請求書などの控えを、データで保存するソフト向け
(このほかに、請求書等のデジタルデータを自動保存し帳簿に自動連携する仕組みを対象とする「デジタルシームレスソフト法的要件認証」の区分も設けられています。)

freee会計は、今回の②に加えて、JIIMAの各製品一覧(いずれも2026年9月4日現在)で①と③にも掲載されています。①電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧では認証番号009000-01(令和5年度・認証有効期限2027年10月15日)、③電子取引ソフト法的要件認証製品一覧では認証番号607100-01(令和5年度・認証有効期限2027年12月25日)です。
そして、ここを取り違えると対応そのものがずれます。JIIMA認証は「ソフトの機能」の認証であって、「あなたの会社の運用」の認証ではありません。 認証ソフトを契約しただけでは要件は満たされず、実際にその機能を使って保存しているか、必要な設定をしているか、必要な届出を出しているかは、すべて自社側の仕事として残ります。
和歌山の事業者への影響|誰に・どこが・いつから効くか
では、南紀の事業者にとって今回のニュースはどこに効くのか。立場によって効き方が違うので、表で整理します。
| あなたの立場 | 今回のニュースの効き方 | 今すぐ確認すること |
|---|---|---|
| 個人事業主(青色申告) | 2027年分の所得税から控除額が最高75万円になる道が開ける | 使っているソフトが認証一覧にあるか |
| 法人(中小) | 青色申告特別控除は無関係。過少申告加算税の軽減が検討対象 | 届出書を出しているか/出す価値があるか |
| 免税事業者・簡易課税 | 控除の話は薄いが、電子取引データ保存の義務は同じく対象 | メール受領の請求書をどこに保存しているか |
| 会計は税理士に丸投げ | 帳簿は税理士側のソフト。電子取引の保存は自社側に残る | 誰がどこに保存する取り決めになっているか |

業種で見ると、着手すべき場所はさらにはっきりします。
白浜や那智勝浦の宿泊施設なら、じゃらんnetや楽天トラベルの管理画面からダウンロードする精算書PDFが、典型的な電子取引データです。紙で届く請求書と違い、ダウンロードしないまま管理画面に置きっぱなしになりがちなので、過去分がいつまで取得できるかは各サイトの仕様をご確認ください。田辺や御坊の飲食店なら、食材業者からメール添付で届く請求書PDF。みなべ・田辺の梅農家や串本・那智勝浦の水産関係なら、出荷や精算のWeb明細。新宮の小売店なら、Amazonや楽天市場で仕入れたときの領収書データです。
これらはすべて「電子取引」に当たり、国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトが示すとおり、令和6年1月1日から保存が義務化されています。今回の認証ニュースとは別枠の、すでに始まっている義務です。もし今「メールの中に入ったままです」という状態なら、優良な電子帳簿の検討より先に、そちらを片付けてください。
なお、南紀は従業員数の少ない事業所の比率が高い地域です。紀伊民報の報道によれば、令和3年経済センサス‐活動調査で和歌山県内の事業所数は4万8,553、うち従業者「1〜4人」が62.9%を占め、この比率は全国で最も高いとされています。専任の経理担当を置けない事業所が多いということでもあり、だからこそ「ソフトの機能で済むところはソフトに任せ、人がやることを減らす」という発想が効きます。
自社の電帳法対応を確かめる5ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。初めての方は、スマホのアプリストアで「ChatGPT」の公式アプリを入れ、メールアドレスで登録すれば3分で始められます(無料版で足ります)。( )の中を自社の情報に書き換えて送信してください。
ステップ1: 「電子取引」を洗い出す(ソフトの話より先)
最初にやるのは、ソフトの確認ではなく、自社が電子で受け取っている書類の棚卸しです。直近1か月分のメールを「請求」「領収」「明細」「精算」で検索し、Web管理画面からダウンロードしている書類も足していきます。紙で届いたものは対象外です。ここで漏れがちなのが、ETC利用明細、クレジットカードのWeb明細、ふるさと納税サイトからの入金通知、スマホ決済事業者の精算書です。
あなたは中小事業者の経理実務に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、電子帳簿保存法上の「電子取引」に当たる可能性が高いものを一覧にしてください。
【材料】
・事業の内容: (例: 白浜町で客室8室の民宿)
・取引先から書類を受け取る経路: (例: メール添付、OTAの管理画面、通販サイト、JAのWeb明細)
・毎月使っているサービス名: (例: じゃらんnet、楽天トラベル、Amazon、ETC)
・紙で届いているもの: (例: 酒販店の納品書)
出力: ①電子取引に当たる可能性が高いもの ②紙のため対象外のもの ③判断が分かれそうで税理士に確認すべきもの、の3分類。法令の最終的な当てはめは断定せず、確認が必要な点は「要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
出てきた一覧は完璧でなくて構いません。目的は「うちにも電子取引がこれだけある」と体感することです。ここで初めて、ソフトの話が自分ごとになります。
ステップ2: JIIMAの認証製品一覧で自社のソフトを検索する
次に、いま使っている会計ソフトの正式名称を、JIIMAの認証製品一覧で検索します。ブラウザでページを開き、Windowsなら Ctrl+F、Macなら Command+F、スマホならブラウザの「ページ内を検索」でソフト名を入力するだけです。確認するのは4つの一覧、すなわち電子帳簿ソフト・電帳法スキャナ保存ソフト・電子取引ソフト、そして自社発行書類の控えを扱うなら電子書類ソフトです。

見るべき列は、認証番号・ソフトウエア名称・メーカー・審査基準法令年度・認証有効期限の5つです。特に「審査基準法令年度」と「認証有効期限」は見落とされがちですが、どの時点の法令に対して認証されたものかを示す情報なので、必ず控えておいてください。結果の整理は次のプロンプトに任せられます。
あなたは中小事業者の経理実務に詳しいアドバイザーです。以下の確認結果をもとに、自社の電子帳簿保存法対応の現在地を整理してください。
【材料】
・使っている会計ソフト名: (例: 〇〇会計クラウド)
・電子帳簿ソフト認証の一覧に: (あった/なかった/不明)
・スキャナ保存ソフト認証の一覧に: (あった/なかった/不明)
・電子取引ソフト認証の一覧に: (あった/なかった/不明)
・控えた認証番号と審査基準法令年度: (分かる範囲で)
出力: ①いま満たせている可能性が高い区分 ②自社の運用で別途決める必要がある事項 ③ソフト提供元に問い合わせるべき質問文(3つ)。【材料】にない事実は補わず、不明な点は「不明」と書いてください。
※そのままコピーして使えます
一覧に載っていなくても、そのソフトが違法というわけではありません。認証はあくまで任意の制度です。ただし認証がない場合、要件を満たしているかを自社で個別に確認する手間が残る、という違いは生まれます。
ステップ3: 電子取引データの保存ルールを紙1枚にする
ステップ1で洗い出したデータを、どこに・どんなファイル名で・誰が保存するかを決めます。決めるべきは3つだけです。保存先(会計ソフト内かクラウドストレージか)、ファイル名の付け方(日付_取引先_金額 が定番)、そして担当者と締切(毎月何日までに前月分を入れる)。この3つが決まっていない状態で「気づいた人がやる」を続けると、必ず抜けます。
あなたは中小事業者の社内ルールづくりが得意なコンサルタントです。以下の材料から、電子取引データの保存ルールをA4用紙1枚に収まる分量で作ってください。
【材料】
・事業の内容と規模: (例: 田辺市の飲食店・従業員4名)
・保存先に使えるもの: (例: 会計ソフト、Googleドライブ、社内PCの共有フォルダ)
・電子取引データの発生源: (ステップ1の一覧を貼り付け)
・経理を触れる人: (例: 店主と妻の2名)
出力: ①保存先 ②ファイル名の付け方(例つき) ③担当者と締切 ④月次の確認手順 ⑤やってはいけないこと。専門用語には短い言い換えを添えてください。
※そのままコピーして使えます
あなたは中小事業者の業務手順を整理するのが得意なアドバイザーです。以下のファイル名ルールの案を、実際のデータ5件に当てはめた例を作ってください。
【材料】
・ファイル名ルール案: (例: 20260906_〇〇商店_38500)
・実際のデータの例: (例: 9月3日 じゃらん精算書 128,400円、9月5日 △△水産 請求書 42,000円 など5件)
・保存先フォルダの構成案: (例: 年度>月>取引先)
出力: ①5件それぞれのファイル名 ②迷いやすいケース(同じ日に同じ取引先が2件など)の書き方 ③現場の人に渡す3行の説明文。【材料】にない取引は作らないでください。
※そのままコピーして使えます
このルールは、作った瞬間から効きます。人が増えても引き継げますし、税理士に「どこに保存していますか」と聞かれたときに1枚見せれば済みます。手が回らない業務を仕組みで減らす考え方は、和歌山の中小企業の人手不足対策|採用が難しい前提で回す7ステップ【2026年8月】でも同じ順番で整理しています。
ステップ4: 「優良な電子帳簿」を目指すかを決める
ここが今回のニュースの本丸です。「優良な電子帳簿」とは、通常の電子帳簿の要件に加えて、より厳しい要件を満たした帳簿のことを指します。国税庁の優良な電子帳簿の要件では、訂正・削除の履歴が残ること、帳簿どうしの記録の相互関連性が確認できること、日付や金額などで検索できることが柱として示されています。JIIMAの「電子帳簿ソフト法的要件認証」は、まさにこの機能要件を満たすかどうかを見る認証です。
目指すメリットは2つあります。1つは過少申告加算税の軽減(一定の要件のもとで割合が5%軽減される措置)で、これを受けるにはあらかじめ所轄税務署長への届出書の提出が必要です。もう1つが、2027年分から効いてくる青色申告特別控除です。財務省が公表しているパンフレット「令和8年度税制改正」(令和8年4月発行)および令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日 閣議決定)で示された見直しにより、青色申告特別控除は75万円・65万円・10万円の3区分となり、令和9年(2027年)分以後の所得税、令和10年度分以後の個人住民税から適用されます。最高額の75万円は、期限内のe-Tax申告に加えて「優良な電子帳簿」または請求書データ等との自動連携といった要件を満たす場合が対象です。
あなたは中小事業者の意思決定を整理するアドバイザーです。以下の材料から、「優良な電子帳簿」を目指すべきかどうかの判断材料を整理してください。結論の断定はせず、税理士に確認すべき論点として出してください。
【材料】
・法人か個人事業主か: (例: 個人事業主・青色申告)
・現在の青色申告特別控除額: (例: 65万円)
・使っている会計ソフトと認証状況: (ステップ2の結果)
・経理を触れる人数と月の作業時間: (例: 1名・月8時間)
・顧問税理士の有無: (例: あり/なし)
出力: ①目指す場合に得られる可能性のあるもの ②追加で必要になる作業 ③税理士に確認すべき質問を5つ。税務上の結論は断定せず、「税理士に要確認」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたはビジネス文書の作成が得意なアシスタントです。以下の材料から、顧問税理士に送る相談メールの文面を300字前後で作ってください。
【材料】
・自社の状況: (例: 串本町の水産卸・法人・従業員6名)
・使っている会計ソフトと認証状況: (ステップ2の結果)
・相談したいこと: (例: 優良な電子帳簿にする価値があるか、届出書を出すべきか)
・希望する相談時期: (例: 9月中)
条件: 相手の判断を急かさない/こちらで調べた事実(認証番号・審査基準法令年度など)を先に伝える/質問は3つまでに絞る。【材料】にない事実は書かないでください。
※そのままコピーして使えます
判断そのものは、必ず顧問税理士と行ってください。個人事業主か法人かで前提が変わりますし、法人には青色申告特別控除という制度自体がありません。相談できる相手がまだいない場合の探し方と、無料で使える公的窓口の順番は、田辺市のデジタル顧問|月額を払う前に使い切る無料窓口の順番【2026年8月】で整理しています。
ステップ5: 2027年分から逆算して、着手日を決める
最後は期限の設定です。ここで多い失敗が「2027年からでいいや」という先送りです。優良な電子帳簿は、その課税期間の最初から要件を満たして備付け・保存していることが前提になります。つまり2027年分の所得税で効かせたいなら、動くのは2027年1月ではなく、それより前です。
あなたはプロジェクトの段取りが得意なアドバイザーです。以下の材料から、逆算スケジュール表(期限/やること/担当/完了の判定基準)を作ってください。
【材料】
・目標: (例: 令和9年〈2027年〉分の所得税で優良な電子帳簿の要件を満たす)
・今日の日付: 2026年9月
・自社の状況: (ステップ2〜4の結果)
・動かせる人: (例: 店主・妻・顧問税理士)
・繁忙期: (例: 8月と年末年始)
出力: 月単位の逆算スケジュール表。繁忙期を避けて配置し、税理士の判断待ちになる項目には「要確認」と明記してください。確定していない制度内容は前提として書かないでください。
※そのままコピーして使えます
あなたは現場のスタッフ向けにやさしく説明するのが得意な書き手です。以下の材料から、事務所に貼る「電子取引データの保存のお願い」の掲示文を250字以内で作ってください。
【材料】
・保存ルール: (ステップ3の結果)
・お願いしたい相手: (例: パート2名を含む店舗スタッフ全員)
・締切: (例: 毎月5日までに前月分)
条件: 専門用語を使わない/「なぜやるのか」を1文だけ添える/責める書き方をしない。【材料】にないルールは追加しないでください。
※そのままコピーして使えます
段取りができたら、あとは実行するだけです。ここまでの5ステップに、追加の費用は発生していません。
【要注意】ここでつまずく4つの誤解
ニュースの受け取り方を間違えると、対応そのものがずれます。よくある4つを挙げます。
誤解1: 「JIIMA認証のソフトを使えば、それだけで電帳法対応は完了」
❌ よくある間違い: 認証取得の案内メールを見て「うちは対応済み」と判断し、保存の運用も届出も何もしない。
⭕ 正しいアプローチ: 認証は「ソフトの機能が要件を満たしている」ことの確認であって、自社の運用の証明ではないと理解する。JIIMAの説明も、認証は公開されている機能をベースに第三者機関がチェックする仕組みだとしています。
なぜ重要か: 認証ソフトを契約していても、必要な機能をオフにしていたり、データをソフトの外に置いていたりすれば、要件は満たされないからです。認証は出発点であって、ゴールではありません。
誤解2: 「今回の認証で、電子取引の保存義務も新しく満たせるようになった」
❌ よくある間違い: 「電帳法の認証を取った」という見出しだけを見て、自社の電子取引データ保存も一緒に片付いたと考える。
⭕ 正しいアプローチ: 今回の認証は「電子帳簿ソフト」区分、つまり仕訳帳・総勘定元帳といった帳簿側の話だと切り分ける。電子取引データの保存は別区分(電子取引ソフト)で、しかも令和6年1月1日から全事業者に義務づけられている、すでに走っている制度です。
なぜ重要か: 義務である電子取引データの保存が手つかずのまま、任意である優良な電子帳簿の検討に時間を使ってしまうのが、いちばんもったいない失敗だからです。順番は義務が先です。
誤解3: 「優良な電子帳簿にすれば、自動的に加算税が軽くなる」
❌ よくある間違い: 要件を満たすソフトに切り替えれば、過少申告加算税の軽減が自動的に適用されると思い込む。
⭕ 正しいアプローチ: 軽減措置を受けるには、あらかじめ所轄税務署長に届出書を提出しておく必要があると理解する。国税庁の優良な電子帳簿の要件でも、要件と届出は別建てで案内されています。
なぜ重要か: 「あとから出せばいい」が効かない性質の手続きだからです。書類の存在を知っているかどうかだけで結果が変わる項目は、早めに税理士と共有しておくのが安全です。
誤解4: 「75万円控除は今年の確定申告から使える」
❌ よくある間違い: ニュースを見て、2026年分(来年3月の申告)から75万円控除が使えると考えて準備を始める。
⭕ 正しいアプローチ: 適用は令和9年(2027年)分以後の所得税、個人住民税は令和10年度分以後だと押さえる。しかも青色申告特別控除は所得税の制度なので、法人には関係しません。
なぜ重要か: 適用時期を1年間違えると、準備の優先順位が丸ごとずれるからです。逆に言えば、2026年のうちに体制を整えれば十分に間に合うタイミングでもあります。
ここまでの内容は、公表資料を読んで自社で進められる範囲のことです。それでも「認証リストの見方が分からない」「保存ルールを決める時間が取れない」という事業者がいるのも事実です。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、地域の事業者向けに対面での伴走支援に取り組んでいます。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは使っている会計ソフトの名前だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。なお、税務の最終的な判断は税理士の業務ですので、当社は判断そのものは行わず、確認の段取りづくりまでをお手伝いします。
電帳法対応が進む事業者・止まる事業者の違い(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。当てはまるものにチェックを入れます。
- □ 自社が電子で受け取っている請求書・領収書を書き出したことがある
- □ 使っている会計ソフトの正式名称を正確に言える
- □ JIIMAの認証製品一覧で、そのソフト名を検索したことがある
- □ 認証番号と審査基準法令年度を控えてある
- □ 電子取引データの保存先が1か所に決まっている
- □ ファイル名の付け方のルールが文書になっている
- □ 誰が・いつまでに保存するかの担当と締切が決まっている
- □ 優良な電子帳簿を目指すかどうか、税理士と話したことがある

特に見落とされやすいのが、4つ目の「認証番号と審査基準法令年度を控えてある」です。ソフト名だけを覚えていても、どの法令年度の基準で認証されたものかが分からないと、税理士に相談したときに話が一往復増えます。チェックが3つ未満でも問題ありません。この記事の5ステップを上から進めれば、1つずつ埋まる構成になっています。
数字で見る「今やる理由」|申告の74%はすでにe-Tax
「うちみたいな小さな事業者が、今から電子だ認証だと言われても」と感じるかもしれません。数字はむしろ逆を示しています。
まず申告の側です。財務省の広報誌『ファイナンス』令和7年8月号「税務行政のDX推進と令和6年分の確定申告におけるe-Taxの利用状況」によれば、令和6年分の所得税等の確定申告の申告人員は2,339万人(前年比+0.6%)で、このうちe-Tax利用による申告人員は1,732万人、申告人員全体の74.0%がe-Taxを利用しました。自宅からe-Taxで申告した人は824万人(前年比+19.4%)で全体の35.2%、うち自宅からスマホで申告した人は408万人(前年比+29.0%)にのぼります。紙の申告のほうが少数派、というのが現在地です。
次に地域の側です。前述のとおり、紀伊民報の報道によれば令和3年経済センサス‐活動調査で和歌山県内の事業所数は4万8,553、うち従業者1〜4人の事業所が62.9%と全国で最も高い比率でした。経理に人を割けない事業所が多いということは、裏を返せば「ソフトの機能でまかなえる部分をまかなうだけで、周りとの差が出やすい」ということでもあります。
そして制度の側です。JIIMAの電子帳簿ソフト法的要件認証製品一覧は2026年9月4日現在の情報として更新され、freee会計を含む複数の製品が掲載されています。認証を取得する製品が増えているということは、「認証製品リストで確認する」という確認手段が、それだけ実用的になってきたということです。国税庁側でもJIIMA認証情報リストとして案内されています。
e-Tax利用は74.0%、認証製品は一覧で確認できる、そして75万円控除の適用は2027年分から。準備に使える時間は、あと1年強あります。デジタル化にあたって使える県内の公的支援は、和歌山県のデジタル化支援メニュー完全ガイド|使える制度と申し込み手順【2026年8月】にまとめています。
よくある質問
Q. 電子帳簿保存法の対応ソフトかどうかは、どこで確認できますか?
JIIMAの認証製品一覧で、ソフトの正式名称を検索するのが最も確実です。区分ごとに一覧が分かれているため、帳簿なら「電子帳簿ソフト」、メールで受け取った請求書なら「電子取引ソフト」、紙のスキャンなら「電帳法スキャナ保存ソフト」の一覧を見てください。認証製品リストは国税庁にも提出され、国税庁サイトでも案内されています。
Q. JIIMA認証とは何ですか? 国が認めた認証なのですか?
JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)が、市販ソフトの機能が電子帳簿保存法の要件を満たすかを第三者機関のチェックを経て認証する民間の制度です。認証製品の一覧は国税庁に提出され、国税庁のサイトでも「JIIMA認証情報リスト」として案内されていますが、認証そのものは国が行うものではありません。
Q. JIIMA認証のないソフトを使っていると違法になりますか?
いいえ。認証は任意の制度で、認証がないソフトの使用が直ちに問題になるわけではありません。ただし認証がある場合は法的要件を個々に確認する手間が省ける、という違いがあります。認証がないソフトを使う場合は、要件を満たしているかを自社またはソフト提供元への確認で押さえる必要があります。
Q. 「電子帳簿ソフト」認証と「電子取引ソフト」認証は何が違いますか?
前者は仕訳帳・総勘定元帳といった国税関係帳簿の作成・保存を対象とし、後者はメールやWebでやり取りした取引情報のデータ保存を対象とします。今回freee会計が取得したのは前者です。自社にとって義務なのは後者に関わる電子取引データの保存なので、確認する順番としては後者が先になります。
Q. 優良な電子帳簿にすると、どんなメリットがありますか?
公表されている範囲では2つです。1つは過少申告加算税の軽減措置(一定の要件のもと割合が5%軽減される。適用にはあらかじめ届出書の提出が必要)、もう1つは令和9年(2027年)分以後の所得税における青色申告特別控除の最高額75万円の適用要件の一つになることです。いずれも自社の状況によるため、顧問税理士にご確認ください。
Q. 手書きの帳簿やエクセルのままではだめですか?
電子帳簿等保存(帳簿をデータで保存すること)自体は任意なので、それだけで違反にはなりません。ただし「優良な電子帳簿」の要件には訂正・削除の履歴が残ることなどが含まれるため、通常のエクセル運用のままで要件を満たすのは容易ではありません。一方、電子取引データの保存は義務であり、こちらは帳簿の作り方に関係なく対応が必要です。
Q. 法人でも「優良な電子帳簿」にする意味はありますか?
青色申告特別控除は所得税の制度なので法人には適用されませんが、過少申告加算税の軽減措置は法人税に係る帳簿も対象になり得ます。判断は事業規模や経理体制によって変わるため、届出書を出す価値があるかを含めて税理士と相談するのが確実です。相談窓口の順番は田辺市のデジタル顧問|月額を払う前に使い切る無料窓口の順番【2026年8月】を参考にしてください。
Q. うちは免税事業者ですが、電子取引データの保存は関係ありますか?
関係します。電子取引データの保存義務は、消費税の課税事業者かどうかとは別に、所得税・法人税の保存義務者に及ぶものとして令和6年1月1日から始まっています。売上規模が小さくても、メールで請求書PDFを受け取っていれば対象です。詳細な当てはめは国税庁の特設サイトと顧問税理士で確認してください。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 直近1か月のメールを「請求」「領収」で検索し、電子取引データがいくつあるか数える(ステップ1)
- 今週中にやること: 会計ソフトの正式名称をJIIMAの認証製品一覧で検索し、認証番号と審査基準法令年度を控える(ステップ2)
- 今月中にやること: 電子取引データの保存ルールを紙1枚にまとめ、優良な電子帳簿を目指すかを税理士に相談する(ステップ3・4)
一度に全部を整える必要はありません。義務である電子取引データの保存を先に片付け、任意である優良な電子帳簿は2027年分に間に合う日程で進める。この順番さえ守れば、慌てる場面はありません。
※本記事は2026年9月6日時点で公表されている資料に基づく情報提供であり、税務上の判断を示すものではありません。個別の適用可否は顧問税理士または所轄税務署にご確認ください。
参考・出典
- フリー株式会社「freee会計、JIIMA「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得」2026年9月4日 14時00分発表(認証番号107500-00・令和5年度改正法令基準)(参照日: 2026-09-06)
- JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)「電子帳簿ソフト法的要件認証製品一覧(「優良な電子帳簿」の機能要件承認)」2026年9月4日現在(freee会計 107500-00/フリー株式会社/令和5年度/認証有効期限2029年8月20日)(参照日: 2026-09-06)
- JIIMA「電子帳簿ソフト法的要件認証制度」および「JIIMA認証制度(認証区分の一覧)」(参照日: 2026-09-06)
- JIIMA「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧」「電子取引ソフト法的要件認証製品一覧」いずれも2026年9月4日現在(参照日: 2026-09-06)
- 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」(電子取引データ保存の義務化・令和6年1月1日)(参照日: 2026-09-06)
- 国税庁「優良な電子帳簿の要件」「JIIMA認証情報リスト」(参照日: 2026-09-06)
- 財務省「パンフレット「令和8年度税制改正」(令和8年4月発行)」および「令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日 閣議決定)」(青色申告特別控除の見直し・令和9年分以後)(参照日: 2026-09-06)
- 財務省広報誌『ファイナンス』令和7年8月号「税務行政のDX推進と令和6年分の確定申告におけるe-Taxの利用状況」(申告人員2,339万人・e-Tax利用1,732万人・74.0%)(参照日: 2026-09-06)
- 紀伊民報AGARA「従業者4人未満が6割 和歌山県内の事業所、全国最高」2022年7月7日(令和3年経済センサス‐活動調査に基づく報道。県内事業所数4万8,553・「1〜4人」62.9%)(参照日: 2026-09-06)
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※本記事の実績に関する記載は、代表およびメンバー個人としての活動を含みます。