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和歌山県のデジタル化支援メニュー完全ガイド|使える制度と申し込み手順【2026年8月】

和歌山県のデジタル化支援メニュー完全ガイド|使える制度と申し込み手順【2026年8月】

結論: 和歌山県のデジタル化支援は、「無料で相談できるもの」「専門家を派遣してもらえるもの」「お金が出るもの」の3つに分けて考えると、自社が使える制度が一気に絞り込めます。県が令和8年度のメニューとして一覧化しているのはプロジェクト10件・セミナー等8件・補助金9件の計27件。このうち費用負担なしで今日から動けるのはデジタル経営診断・DX推進員・デジタル専門家派遣です。ただしどの制度も得られるのは「助言」までで、手を動かす作業はあなたの会社に残ります。

この記事の要点 対象読者: 和歌山県内で事業を営む中小企業・小規模事業者の経営者、後継者、総務や経理を兼任している担当者で、デジタル化に取りかかりたいが何から手をつけるか決まっていない方 読了後にできること: 県のメニュー全27件から自社に関係する行だけを選び分け、相談窓口に電話をかける第一声と持参する相談メモを、今日中に用意できる状態になる

県の公式サイトを開いて、そのまま閉じた方は多いと思います。令和8(2026)年度のデジタル化支援メニューは1ページの一覧表として公開され、制度名・内容・対象・担当課・電話番号まで揃っています。それでも動き出せないのは、その表が「制度の側から書かれている」からです。

もう一つ、公式サイトには書かれていない構造があります。支援制度が提供してくれるのは、原則として「助言」までだということです。手を動かして設定し、社内に定着させ、翌月も回すのはあなたと社員です。

この記事では、県のメニュー表の27件を全件そのまま一覧に載せたうえで、公式サイトでURLを確認できた範囲だけで3分類に整理し、使う順番を6ステップにまとめます。パソコンが苦手でも使えるよう、手書きで埋める相談メモの様式と、電話でそのまま読み上げられる台本3本を用意しました。いま一番手間がかかっている業務を1つ思い浮かべながら読み進めてください。

目次
  1. まず結論:和歌山県のデジタル化支援を使う6ステップ(即効テンプレ)
  2. 「デジタル化支援メニュー」とは|補助金との違いと3つの分類
  3. 県のデジタル化支援メニュー全27件|まず自社に関係する行だけ探す
  4. 和歌山県のデジタル化支援を使う6ステップ(完全版)
    1. ステップ1: 困っている業務を1つに絞り、数字にする
    2. ステップ2: 無料の窓口に電話する(相談メモ1枚と読み上げ台本3本)
    3. ステップ3: 県のデジタル専門家派遣に申し込む
    4. ステップ4: 講習に「手を動かす人」を出す
    5. ステップ5: お金が出る制度を、締切から逆算して照合する
    6. ステップ6: 「誰が手を動かすか」を決めてから終える
  5. 従業員規模別|どの支援から使うか
  6. 【要注意】支援制度を使っても進まない4つの失敗パターン
    1. 失敗1: 交付決定を待たずに発注してしまう
    2. 失敗2: 添付書類が間に合わず、締切を過ぎる
    3. 失敗3: 派遣当日に「設定してもらえる」と思っている
    4. 失敗4: 講習の応募期間が終わってから受講を計画する
  7. 支援制度を使いこなせる事業者・使いこなせない事業者の違い(チェックリスト)
  8. 中小企業の7割強はまだ「段階1〜2」|今動く事業者が抜ける局面
  9. よくある質問
    1. Q. 和歌山県のデジタル化支援メニューは、どこで確認できますか?
    2. Q. 和歌山県のDX支援は、中小企業でも使えますか?
    3. Q. デジタル専門家派遣は本当に無料ですか? 何回来てもらえますか?
    4. Q. 和歌山でIT導入の相談を無料でできる窓口はどこですか?
    5. Q. 「IT導入補助金」は2026年もありますか?
    6. Q. 和歌山県に、業種を問わず使えるDX補助金はありますか?
    7. Q. デジタル経営診断を受けると、何かを勧められますか?
    8. Q. 支援制度を使えば、社内に人がいなくてもデジタル化は進みますか?
  10. まとめ:今日から始める3つのアクション
  11. 参考・出典

まず結論:和歌山県のデジタル化支援を使う6ステップ(即効テンプレ)

最初に全体像です。6つのステップを順番に進めれば、「制度名の羅列」から「来月の自社の予定」まで、抜けなく落とし込めます。

ステップ やること つまずきやすい点
1. 現状の言語化 困っている業務を1つに絞り、数字にする 「全体的にアナログ」で止まり相談できない
2. 無料相談 よろず支援拠点・商工会議所に持ち込む 手ぶらで行き、一般論だけ聞いて終わる
3. 専門家派遣 県のデジタル専門家派遣に申し込む 実作業までやってもらえると誤解する
4. 人を育てる 講習・セミナーに社内の担当者を出す 経営者だけが学び、現場に伝わらない
5. お金の照合 補助金の対象・締切と自社を突き合わせる 締切間際に気づき、次回公募も追わない
6. 実作業の担当 誰が手を動かすかを決める 助言だけが残り、翌月に何も動かない
和歌山県のデジタル化支援を使う6ステップのフロー図

ポイントは順番です。ほとんどの検討は「補助金を探す」から始まりますが、これが最も回り道になります。補助金は「何を導入するか」が決まっていないと申請書が書けない制度で、しかも締切が先に来ます。逆に、無料相談と専門家派遣は年度内なら比較的いつでも動けます。先に無料の枠で「何を導入するか」を固め、そのうえでお金の制度に当てるのが正しい向きです。

所要期間の目安は、ステップ1〜2が1〜2週間、ステップ3〜4が1〜3か月目、ステップ5〜6は締切から逆算します。ステップ1と2に費用はかからず、必要なのは電話1本と1時間の面談だけです。今年度の枠に間に合わなくても損はしません。相談系の制度には不採択がなく、来年度も同じ入口が開いているからです。

そして最初の関門は制度選びではなく「電話をかけること」です。この記事の後半に、そのまま読み上げられる台本を3本置いてあります。制度名を覚える必要はありません。困っている業務を1つ言えれば、窓口の側が該当する制度を出してくれます。

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「デジタル化支援メニュー」とは|補助金との違いと3つの分類

本記事で言う「デジタル化支援メニュー」とは、和歌山県および県内の公的支援機関が中小企業・小規模事業者に提供する、デジタル化・DX(データとデジタル技術で業務や事業の形を変える取り組み)の支援策の総称です。まず、何度も出てくる言葉を1行ずつ定義します。

  • クラウド: 自社のパソコンにソフトを入れる代わりに、ネット上の仕組みを月額で借りる形。データは相手方のコンピューターに置かれ、現場のスマホからも同じ画面が見られます
  • 交付決定: 申請が審査を通り「この内容で補助します」と通知される時点。これより前に発注・契約すると対象外になる制度があります
  • RPA: 決まった手順のパソコン作業をソフトに代行させる仕組み
  • ICT: 情報通信技術。パソコン・通信・センサーをまとめて指す行政用語
  • IT導入支援事業者: 国の補助金で、事業者と組んで申請やツール導入を担う登録済みの業者。申請には必ずこの相手が必要です
  • 属人化: 仕事の進め方が特定の1人の頭の中にしかない状態。その人が休むと止まります
  • 生成AI: 文章や表を作らせられるAI。ChatGPTなどがこれです

そのうえで、「補助金」と「支援メニュー」はイコールではない点を押さえてください。相談系は自己負担ゼロ・随時・審査なしで「助言」が得られ、補助金は先に全額支払って後から一部が戻る仕組みで、締切と審査があります。

和歌山県のデジタル化支援メニューを3分類で比較した図解

県の「DX推進事業」ページは、この支援を①機運醸成(DXセミナー)②診断(デジタル経営診断・DX推進員)③技術習得(各種講習)④導入支援(デジタル専門家派遣)の4フェーズで説明しています。これに工業技術センターの各ラボと国・県の補助金を加えたものが全体像です。以降の6ステップは、これを「自社が動ける順番」に並べ替えたものです。

県のデジタル化支援メニュー全27件|まず自社に関係する行だけ探す

県のメニュー表の全項目を、そのまま3区分で掲載します。原典は和歌山県デジタル社会推進課の令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー(073-441-2405)です。全部を読む必要はありません。「対象」の列に自社の業種か「事業者」「企業」と書かれた行だけを鉛筆で囲んでください。それが今日の検討範囲です。

プロジェクト(10件)

制度名 内容(県の記載) 対象 担当課・電話
デジタル専門家派遣 デジタル技術導入について悩みを抱える事業者に専門家を派遣 事業者 企業振興課 073-441-2760
デジタル経営診断 オンラインで30の設問に答えるだけで自社のデジタル経営の現況を客観的に把握できるツール 企業 企業振興課 073-441-2760
DX推進事業 県内の企業がデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革 県内企業 企業振興課 073-441-2760/財団 073-433-8556
プロフェッショナル人材戦略拠点事業(成長企業支援) 戦略策定・課題解決に向けた副業・兼業人材を含むプロ人材の活用を支援 成長企業 企業振興課 073-441-2760/財団 073-433-8556
DX推進員 DX推進を検討または取り組んでいる事業者にDX推進員を派遣 事業者 わかやま産業振興財団 073-433-8556
3Dスマートものづくりラボ CAD/CAEシステム、産業用X線CT等の3D関連機器を機能的に配置したラボを整備 製造業者 工業技術センター 073-477-1271
自動化促進ラボ 改善すべき工程を見つけ、最小限の自動化からはじめる「スモールスタート」を応援 製造業者 工業技術センター 073-477-1271
おいしく食べて和歌山モール 県内事業者がECサイトで販売している商品を取りまとめて紹介 県内食品事業者 食品流通課 073-441-2813
おいしく食べて和歌山モール -FOR BUSINESS- 県内事業者と全国の登録バイヤーをマッチングさせ商談を実現するサイト 県内食品事業者・全国バイヤー 食品流通課 073-441-2820
和歌山県森林計画情報等の公開サービス 森林資源情報等のデータをダウンロードできるサイト 森林関係者 林業振興課 073-441-2993

セミナー・講習・イベント(8件)

制度名 対象 時期(県の記載) 担当課・電話
わかやまテレワークフェア テレワーク関心者 7〜8月頃 労働政策課 073-441-2790
わかやま生産性向上スクール 企業 令和8年6月〜12月下旬 企業振興課 073-441-2760
DXセミナー 企業一般 随時・無料 わかやま産業振興財団 073-433-8556
自動化・省力化セミナー 企業技術者 11月(調整中) 工業技術センター 073-477-1271
機器利用セミナー(3Dデータ活用) 技術者 11月(調整中) 工業技術センター 073-477-1271
スマート農業技術導入拡大(実践塾) 農業者 7月〜1月(調整中) 研究推進課 073-441-2997
デジタルマーケティング(EC)サイト運営に関する課題解決支援 農林漁業者 8月〜3月予定(調整中) 食品流通課 073-441-2813
県内建設業界の競争力強化事業(セミナー) 建設企業 12月(調整中) 技術調査課 073-441-3085

補助金(9件)

補助金 対象 公募状況(県メニュー表の記載) 担当課・電話
介護テクノロジー定着支援事業補助金 県内の介護保険法に基づくサービス事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム 未定(調整中) 長寿社会課 073-441-2519
先駆的産業技術研究開発支援事業補助金 県内事業所を有する事業者等 公募期間終了 成長産業推進課 073-441-2355
野菜花き産地強化事業補助金 農業者・農協等 公募期間終了 果樹園芸課 073-441-2904
次世代につなぐ果樹産地づくり事業補助金 農業者・農協等 未定 果樹園芸課 073-441-2902
畜産施設衛生管理強化支援事業補助金 農業者(畜産営農者)・農業法人等 随時 畜産課 073-441-2923
スマート水産業推進事業補助金 漁業者 令和8年6月1日〜7月31日 資源管理課 073-441-3010
わかやま交通事業者支援事業費補助金(タクシー事業者生産性向上支援事業) タクシー事業者 公募期間終了 総合交通政策課 073-441-2344
わかやま交通事業者支援事業費補助金(バス停環境整備事業) バス事業者 募集中〜令和8年6月30日 総合交通政策課 073-441-2343
和歌山県えるぼし認定等促進による職場環境整備補助金 県内に本社または活動拠点を有する企業団体、わかやまジェンダー平等プロジェクト登録企業団体、えるぼし認定等取得企業団体 募集中〜令和8年9月30日 多様な生き方支援課 073-441-2510

この一覧から分かることは2つです。補助金9件のうち業種を限定していないのは、えるぼし認定等促進による職場環境整備補助金(女性活躍推進が前提)と先駆的産業技術研究開発支援事業補助金(研究開発が前提)だけ。「デジタル化なら何でも使える汎用の県補助金」は確認できません。そして対象が「事業者」「企業」と広い行は、いずれも無料の相談系です。今日から使える枠は、お金ではなく相談側に集まっています。

補助率と上限額は表に記載がないため担当課に直接聞いてください。汎用性が高いのは国のデジタル化・AI導入補助金と小規模事業者持続化補助金、観光分野は観光DX補助金とは【2026年8月】、市町村の制度は田辺市の補助金まとめ【2026年8月】にまとめました。

和歌山県のデジタル化支援を使う6ステップ(完全版)

各ステップに生成AIへ貼り付けて使える文例を計8本置いていますが、AIは必須ではありません。ステップ1と2は紙と鉛筆と電話だけで完了します。ステップ3以降の5本は相談機関の助言を受けた後に整理する道具なので、いま空欄が多くても構いません。AIを使う場合はChatGPTの公式アプリかサイトを開き(無料版で十分)、文例をコピーして( )の中を書き換えて送るだけです。取引先名や個人情報は「A社」に置き換えてください。

ステップ1: 困っている業務を1つに絞り、数字にする

最初にやるべきはツール選びではなく、現状の言語化です。支援機関が最初に聞くのは「何にお困りですか」で、ここに「全体的にアナログで」と答えると、返ってくるのも一般論になります。逆に「請求書の作成に毎月2日かかっている」と言えれば、その場で具体的な選択肢が出てきます。

数字は正確でなくて構いません。「だいたい週5時間」「月に2〜3回書き間違いがある」で十分です。県のデジタル経営診断も言語化を助ける無料ツールで、県のメニュー表には「オンラインで30の設問に答えるだけで自社のデジタル経営の現況を、客観的に把握できるツール」と記載され、担当は企業振興課(073-441-2760)です。

あなたは中小企業の業務改善に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、支援機関への相談に持ち込める形で当社の現状を整理してください。

【材料】
・業種と従業員数: (例: 惣菜製造・従業員8名)
・いま一番手間がかかっている業務: (例: 手書き伝票の転記)
・その業務にかかっている時間: (例: 1人が週5時間)
・使っている道具: (例: 紙の台帳とExcel、会計ソフトは税理士任せ)
・パソコンやスマホが得意な社員: (例: 1名。他は苦手)

出力: ①課題を「時間・ミス・属人化」の3観点で整理 ②数字で示せる課題を重要な順に3つ ③支援機関に相談すべき優先1位のテーマを1文で。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、課題を1つに絞ることをためらわないことです。「あれもこれも」と挙げると、どれも着手できません。まず1つを選び、片付いてから次に移ってください。

ステップ2: 無料の窓口に電話する(相談メモ1枚と読み上げ台本3本)

課題が1文になったら、無料の相談窓口に持ち込みます。公式サイトで確認できる主な相談先は次のとおりです。

窓口 概要 費用・条件 連絡先
和歌山県よろず支援拠点 中小企業庁の事業として運営される経営相談所。中小企業・小規模事業者・個人事業主・創業予定者が対象 無料。相談は原則各1時間。オンライン相談・サテライト相談会あり 073-433-3100(和歌山市本町二丁目1番地 フォルテワジマ6階/平日9:00〜12:00・13:00〜17:45)
DX推進員(わかやま産業振興財団) DX推進を検討または取り組んでいる事業者に派遣。相談内容に応じたツールや事業の紹介等 県のメニュー表に「事業者」対象として掲載 073-433-8556
DXセミナー(わかやま産業振興財団) DXについての理解を深めるための無料セミナー 無料・随時開催 073-433-8556
エキスパート・バンク(和歌山商工会議所) 専門家が事業所を訪問して経営・技術の支援を行う。相談分野に「IT・デジタル化について相談したい」を含む 1事業所3回まで無料。県内の小規模事業者が対象 最寄りの商工会議所・商工会へ連絡のうえ申し込み

よろず支援拠点は「経営全般の入口」、DX推進員は「デジタルに絞った入口」、エキスパート・バンクは「訪問して見てもらえる」点が強みです。よろず支援拠点はオンライン相談とサテライト相談会があるため紀南・紀中からでも使え、エキスパート・バンクは最寄りの商工会議所・商工会が窓口です。

まずは下の様式を紙に写し、鉛筆で埋めてください。パソコンは要りません。

相談メモ(A4 1枚・手書き用) 記入欄
① 会社名・業種・従業員数
② いま一番手間がかかっている業務
③ その業務にかかっている時間(週または月)
④ 起きている困りごと(ミス・遅れ・特定の人しかできない)
⑤ いま使っている道具(紙の台帳/Excel/会計ソフト等)
⑥ パソコンが使える社員の人数
⑦ 出せる予算の上限(分からなければ「未定」)
⑧ 相談で決めたいこと(1つだけ)
⑨ 聞きたい質問(3つまで)

そのうえで受話器を取ります。以下はそのまま読み上げる台本です。

台本1: 和歌山県よろず支援拠点(073-433-3100)

「お世話になります。◯◯製作所の△△と申します。経営相談をお願いしたくてお電話しました。従業員8名の金属加工業で、手書きの伝票をパソコンに打ち直す作業に毎週5時間ほどかかっています。この改善について1時間ほど相談できる日を取っていただけますか。……来所でもオンラインでも構いません。」

台本2: 和歌山県 企業振興課 経営支援班(073-441-2760)

「お世話になります。◯◯製作所の△△です。県のデジタル専門家派遣の受付状況を伺いたいのですが。予算の上限に達すると終了と書かれていたので、まだ受け付けていただけるか確認したくてお電話しました。……申込書は様式7-1と7-2があるようですが、当社の場合はどちらになりますか。ダウンロードの場所と、提出はメールでよいかも教えてください。」

台本3: 最寄りの商工会議所・商工会(エキスパート・バンク)

「お世話になります。◯◯製作所の△△です。エキスパート・バンクの申し込みについて伺いたいのですが。当社は従業員8名で、IT・デジタル化の分野で相談したいことがあります。……会員でなくても使えますか。申込書の様式と、専門家に来ていただけるまでの目安も教えてください。」

言いにくければ最初の2文だけで切っても成立します。

あなたは公的支援機関との面談準備を支援するコンサルタントです。以下の材料から、相談当日に持参する「相談メモ」をA4 1枚分で作ってください。

【材料】
・ステップ1で整理した優先課題:
・業種・従業員数・年商の規模感: (出せる範囲で)
・すでに使っているシステムやアプリ:
・予算感: (例: 初期20万円までなら検討可。分からなければ「未定」)
・相談で決めたいこと: (例: 導入する仕組みの方向性を2案に絞る)

構成: ①会社概要3行 ②課題と現状の数字 ③試したこと・やめた理由 ④相談で決めたいこと ⑤こちらから聞きたい質問5つ。分からない項目は「未確認」と書き、勝手に数字を補わないでください。

※そのままコピーして使えます

電話が苦手ならメールでも構いません。

あなたは中小企業の経営者の代筆をする担当者です。以下の材料から、公的支援機関への相談申込メールの文面を作ってください。

【材料】
・自社名・業種・所在地・従業員数:
・相談したい内容: (ステップ1の優先課題を1〜2文で)
・希望する相談形式: (来所/訪問/オンラインのうち希望するもの)
・希望日程の候補: (3つ程度)
・同席者: (例: 後継者1名)

条件: 300字前後/敬体/件名を1行付ける/確定していないことは「検討中」と書く/最後に「初回は現状整理のみでも構いません」と1文添える。【材料】にない実績や決定事項は書かないでください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、初回で結論を出そうとしないこと。1回目は現状を聞いてもらい、2回目に選択肢を絞る。この2回を1か月以内に置けば勢いが落ちません。

ステップ3: 県のデジタル専門家派遣に申し込む

無料相談で方向性が見えたら、次は専門家派遣です。県は「わかやま人材確保・育成支援プロジェクト事業(DX推進)」の一環としてこれを実施しており、公募ページで確認できる内容は次のとおりです。

項目 内容
対象 和歌山県内に事務所等を有する事業者(法人格の有無は問わない)
内容 登録された専門家の中から最大3名の専門家チームを編成して派遣。課題に対する現状分析から改善策の提示、デジタルツールの導入等
回数 1〜2回の派遣を想定。1回につき1日
費用 無料(専門家の報償・旅費は県が負担し、県内事業者に経費負担はない)
募集期間 令和8年5月19日(火)〜令和8年12月28日(月)※予算上限到達時点で終了
派遣時期 随時(具体的な日時は相談のうえ決定)
問い合わせ 和歌山県商工労働部企業政策局企業振興課 経営支援班 073-441-2760

最初の分かれ道は様式7-1と7-2の使い分けです。公募ページには7-1が「デジタル技術の導入に関する専門家派遣を希望する場合」、7-2が「自社の課題整理に関する専門家の派遣を希望する場合」と記載されています。導入したいものが決まっていれば7-1、何が問題かを整理したい段階なら7-2。手順は5つです。

  1. 様式の入手: 県の公募ページ(URLは記事末)から申込書と宣誓書をダウンロード。プリンタがなければ電話で郵送を相談する
  2. 申込書の記入: 様式7-1または7-2に、ステップ1の相談メモの内容を転記する
  3. 添付書類: 法人は商業登記簿謄本または現在事項全部証明書(写し可)。法務局の窓口か証明書オンライン請求で取得でき、数日かかるので思い立った日に手配する。個人は運転免許証等の写しでよく、その日に揃う
  4. 宣誓書: 法人は様式8、個人は様式9
  5. 提出: 提出方法はページに明記がないため、担当(073-441-2760/e0610001@pref.wakayama.lg.jp)に確認のうえ送付する。派遣日は申込後に相談して決まる

最も重要なのが「予算上限到達時点で終了」という一行です。年度後半に検討を始める場合は、書類を作る前に台本2で受付状況を聞いてください。

あなたはDX推進の外部専門家を活用する側のアドバイザーです。以下の材料から、専門家派遣(1回=1日/最大2回)で扱う議題を優先順位つきで設計してください。空欄の項目は「未定」として扱い、勝手に補わないでください。

【材料】
・当社の優先課題(ステップ1の出力。これだけあれば作成可):
・すでに相談機関から受けた助言: (まだ相談していなければ「なし」)
・社内で意見が割れている論点: (なければ「なし」。例: クラウドか買い切りか)
・同席できる社員と役割: (未定なら「未定」)
・派遣後3か月で到達したい状態: (ざっくりで可)

出力: ①1日目に扱う議題を3つまで(時間配分つき) ②2日目に持ち越す議題 ③事前送付すべき資料の一覧 ④「専門家に依頼できないこと(自社で手を動かす作業)」の切り分け ⑤材料が「なし」「未定」の項目について、派遣前に社内で決めておくべきこと。制度の解釈は断定せず、確認が必要な点は「要確認」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、④の切り分けを必ず書き出すことです。曖昧なまま派遣日を迎えると「良い話は聞けたが、翌週から何も変わらない」で終わります。

ステップ4: 講習に「手を動かす人」を出す

方向性が決まったら、社内に手を動かせる人を1人作ります。県のDX推進事業の技術習得フェーズには、デジタルリテラシー・デジタルスキル標準習得講習、生成AI実践講習、生成AIを活用した新規事業立案力講習、RPA・アプリ開発実践講習が挙げられています。ただしこの4講習は令和8年度分の応募期間が終了しています(7月17日・7月31日・8月7日締切)。受講前提で計画を立てる場合は、次年度分の募集時期を企業振興課(073-441-2760)に確認してください。

いま応募できるのは、県のメニュー表に載る「わかやま生産性向上スクール」(令和8年6月〜12月下旬・企業対象)と、わかやま産業振興財団のDXセミナー(随時・無料)です。後者は担当者を出す練習として最も敷居が低い選択肢です。

製造業なら工業技術センター(073-477-1271)の設備も選択肢です。3DスマートものづくりラボはCAD/CAEシステムや産業用X線CT等を配置したラボ、自動化促進ラボは「最小限の自動化からはじめるスモールスタート」を応援する趣旨が明記されています。利用料・予約方法・持ち込むものは公開ページから確定できなかったので、「自動化促進ラボを見学したいのですが、利用料はかかりますか。事前予約は必要ですか。現物の部品を持ち込んで見てもらえますか」と電話で聞いてください。

あなたは中小企業の人材育成に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、デジタル化を担当する社内人材の育成計画を3か月分作ってください。受講する講習が未定でも作成できるようにしてください。

【材料】
・候補者の年齢層・現在の担当業務: (氏名は不要)
・候補者のITの得意不得意: (例: スマホは日常的に使うがExcelの関数は不慣れ)
・受講できる講習: (未定なら「未定」。無料の県・財団セミナーを前提にしてよい)
・候補者が講習に出せる時間: (例: 月2日まで)
・3か月後に社内でできるようになっていたいこと:

出力: ①1〜3か月目の到達目標 ②各月に本人が実務で試す小さな課題を1つ(講習が未定でも社内でできるもの) ③引き継ぎ方法 ④経営者側がやるべき支援3つ。実施していない取組を実績のように書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、経営者ひとりで学ばないこと。担当者1人が学び、経営者が時間と権限を渡す形にしてください。何を任せるかの考え方は、旅館の人手不足はAIで解決できるか|現実的にできること7つと使えない場面【2026年8月】でも整理しています。

ステップ5: お金が出る制度を、締切から逆算して照合する

導入するものが決まった段階で、初めて補助金を照合します。国の制度の中心は、2026年から名称が変わった「デジタル化・AI導入補助金」(旧:IT導入補助金)です。正式名称は中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金。中小機構より採択されたTOPPAN株式会社が、中小機構および中小企業庁の監督のもとで事務局業務を運営しています。

申請枠は通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠の4枠で、インボイス枠が2類型に分かれるため申請区分としては5つです。自社の該当は次の1行判定で見当が付きます。

申請区分 自社が該当するかの判定基準(1行)
通常枠 業務効率化や売上向上のために、登録済みのソフト・クラウドを新たに導入するなら、まずここを見る
インボイス枠(インボイス対応類型) 受発注・請求・決算のいずれかをインボイス制度対応のソフトで置き換えたいなら該当を確認する
インボイス枠(電子取引類型) 自社が取引先に受発注システムを使わせる立場(発注側)なら該当を確認する
セキュリティ対策推進枠 情報漏えい対策として、独立した警備・監視のサービスを入れたいなら該当を確認する
複数者連携デジタル化・AI導入枠 商店街・組合・産地など、複数の事業者が一緒に同じ仕組みを入れるなら該当を確認する

公式サイトのスケジュールページで確認できる直近の締切は、交付申請締切が2026年8月25日(火)17:00、交付決定日が2026年10月7日(水)予定です。補助率と上限額は枠と類型で異なり、トップページには明示されていません。必ず最新の公募要領をご確認ください。

公開日(8月18日)から締切までは1週間。ITツールは事務局に事前登録されたものから選び、IT導入支援事業者とパートナーを組む必要があるため、いまから今回の回に間に合わせるのは現実的ではありません。そこで分岐します。

  • 今回は見送る場合(大半はこちら): 今月やることは3つ。①よろず支援拠点かDX推進員に相談し導入するものの方向性を決める ②IT導入支援事業者を2社当たり、扱うツールと見積の目安を聞く ③公式サイトのスケジュールページをブックマークする。次回の交付申請締切もそこで公表されるので、日付を推測せずそこで確認してください
  • 今回に賭ける場合: 8月25日17:00までに体制構築と申請入力を終える必要があります。今日中に支援事業者へ電話し、間に合うかを本人に判断させてください
デジタル化の補助金を締切から逆算する判断分岐の図解
あなたは補助金の要件整理に詳しいアドバイザーです。以下の材料をもとに、当社が制度の要件に当てはまるかを整理してください。制度の可否を断定せず、確認先を明示してください。

【材料】
・当社の業種・従業員数・所在地(市町村まで):
・導入したいもの: (例: 受発注のクラウド化)
・想定費用と支払い時期: (概算・未定でも可)
・検討している制度: (分からなければ「不明」と書いてよい)
・締切として把握している日付: (不明なら「不明」)

出力: ①制度ごとに「対象になりそう/対象外/情報不足」の判定 ②締切から逆算した週単位のスケジュール ③今回の公募に間に合わない場合に、次回公募までの期間でやるべきこと ④窓口に確認すべき質問 ⑤不採択なら自己資金で進める最小構成。補助率や上限額は補わず「公募要領で要確認」と記載してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、補助金を前提に投資額を決めないこと(採択は保証されません)。なお当社は申請代行を行っておらず、申請サポートは提携専門家とともに対応します。

ステップ6: 「誰が手を動かすか」を決めてから終える

ここまでの制度で得られるのは、診断結果、助言、計画、費用の一部補助です。入力作業、初期設定、マニュアル作成、社員への説明、翌月以降の運用は、あなたの会社に残ります。担当と期限を決めずに解散すると、繁忙期に入った瞬間に全部止まります。次の2本で計画のたたき台と実作業の棚卸しを作ってください。どちらも助言を受けた後に使う道具なので、いまは目を通すだけで構いません。

あなたは中小企業のDX計画づくりを支援するコンサルタントです。以下の材料から、A4 2枚程度のDX計画のたたき台を作ってください。

【材料】
・優先課題と現状の数字(ステップ1の出力):
・専門家や相談機関から受けた助言の要点: (まだなければ「なし」)
・導入予定のツールや仕組み: (決まっている範囲だけ。未定なら「未定」)
・担当できる社員と使える時間:
・予算と資金の出どころ: (自己資金/補助金申請中/未定 等)

構成: ①目的 ②現状の課題と数字 ③3か月・6か月・1年の到達目標 ④実施内容と担当者 ⑤費用と資金計画(補助金は収入計上せず「採択された場合の軽減見込み」として別記) ⑥撤退・縮小の条件 ⑦効果の測り方。決まっていない項目は「未定」と書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。

※そのままコピーして使えます

あなたは業務の段取りを整える実務担当者です。以下の材料から、支援機関の助言のうち「自社で手を動かす必要がある作業」だけを抽出し、実行計画にしてください。

【材料】
・受けた助言の一覧: (箇条書きで貼り付け。助言前なら、導入したいことを箇条書きで書けばよい)
・社内で作業に使える時間: (例: 週2時間×2名)
・繁忙期の時期: (例: 11月〜1月)
・現在の担当者のスキル:

出力: ①作業を「1時間以内でできる/半日かかる/外注が現実的」の3つに分類 ②着手順と期限(繁忙期を避けた日付) ③各作業の担当者 ④外注が現実的な作業について、依頼時に伝えるべき条件。作業量を小さく見せず、時間の見積りは幅で示してください。

※そのままコピーして使えます

注意点は、「外注が現実的」に分類された作業を無理に社内で抱えないことです。判断は無料の支援で固められますが、手を動かす時間は誰も無料でくれません。

従業員規模別|どの支援から使うか

同じ「デジタル化」でも、従業員の人数で最初に使うべきメニューは変わります。業種より人数で切るほうが実態に合うのは、社内に「デジタルを担当できる人」が何人いるかで打ち手が決まるからです。

従業員規模 よくある困りごと 最初に使う支援 次に検討するもの
1〜4名(家族経営中心) 請求書・領収書の整理、確定申告、予約や注文の電話対応 よろず支援拠点の無料相談(オンライン可) エキスパート・バンク(3回まで無料)、小規模事業者持続化補助金
5〜9名の製造業・建設業 手書き伝票の転記、工程がホワイトボード管理、在庫が現場の記憶頼み、原価が締めまで分からない よろず支援拠点+デジタル経営診断で課題を1つに絞る 工業技術センターの自動化促進ラボで実機検証、デジタル専門家派遣(様式7-2)
5〜9名の宿泊・飲食・小売 予約台帳が紙、シフト調整がLINEで流れる、売上集計が月末に集中 よろず支援拠点+エキスパート・バンクの訪問 デジタル専門家派遣、デジタル化・AI導入補助金
10〜30名 部門間で同じ数字を二重入力、担当者が休むと止まる業務がある デジタル専門家派遣(最大3名のチーム・様式7-1) わかやま生産性向上スクール、次年度の技術習得講習
30名超・成長志向 情報システムを見られる人がいない、投資判断の材料がない プロフェッショナル人材戦略拠点事業(副業・兼業人材を含むプロ人材の活用支援) DX推進員による継続相談、セキュリティ対策推進枠
農林水産業(規模を問わず) 環境制御、収穫・出荷管理、EC運営 業種別の県補助金の担当課へ照会 スマート農業実践塾、EC運営の課題解決支援

5〜9名の製造業なら、入口は「工程管理」「手書き伝票」「在庫」「原価」の4語のどれかにしてください。窓口でこの1語を口にすれば担当者は具体的な選択肢を出せます。「DXをやりたい」と言うと、返ってくるのは制度の一覧です。

従業員規模別に見た和歌山県のデジタル化支援の使い方の図解

共通するのは、どの規模でも「無料の相談枠を先に使い切る」ほうが得だということです。相談は不採択がなく、使っても失うものがありません。社内で担当を1人決めて全部の面談に同席させると助言が積み上がります。

なお、公的窓口が担うのは診断・助言と制度の案内までです。設定作業、データの移し替え、社員への説明、運用代行といった「実作業」は制度の外側にあり、自社で抱えるか有償で外に出すかの二択です。当社が引き受けているのは後者です。無料ヒアリングは最大60分、オンラインでも現地でも構いません。その場で契約の話はせず、公的支援だけで足りる場合は公的支援をお勧めします。「県の制度で足りるのか、外注が必要なのか」の線引きだけを持ち帰る使い方でも歓迎します。

「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。

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※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。

【要注意】支援制度を使っても進まない4つの失敗パターン

制度を申し込んだあとに詰まるのは、たいてい次の4か所です。順に確認してください。

失敗1: 交付決定を待たずに発注してしまう

よくある間違い: 申請を出した時点で通ったと思い込み、業者に「じゃあお願いします」と伝えて発注書を交わす。

正しいアプローチ: 申請前に窓口へ「いつ以降の契約・支払いが対象になりますか」と確認し、その日付より前の発注・契約・支払いは一切しない。

なぜ重要か: 交付決定前の発注は対象外になる制度があり、その場合は全額自己負担が確定します。申請書には契約日や支払日の欄があるため、後から辻褄は合わせられません。

失敗2: 添付書類が間に合わず、締切を過ぎる

よくある間違い: 申込書を書き終えてから、法人は登記簿謄本が必要だと気づく。取得に数日かかり、その間に予算上限で受付が終わる。

正しいアプローチ: 申込を決めた日に書類の取得を先に手配する。法人は法務局で登記簿謄本、個人は運転免許証等の写し。並行して申込書(様式7-1または7-2)を書く。

なぜ重要か: 公募ページには募集期間が12月28日までと書かれる一方、「予算上限到達時点で終了」とも明記されています。日付より先に枠が埋まるため、書類が揃うまでの数日が受付終了との差になります。

失敗3: 派遣当日に「設定してもらえる」と思っている

よくある間違い: 当日にツールの設定やデータ移行までやってもらえると想定し、社内の作業時間を確保していない。

正しいアプローチ: 派遣前にステップ3の文例④で「専門家に依頼できないこと」を書き出し、派遣日の翌週に担当者が2時間まとめて動ける枠を先に確保する。

なぜ重要か: 派遣の想定回数は1〜2回、1回1日です。制度は判断の質を上げるもので、手数を増やすものではありません。ここを取り違えると「話は良かったが、うちでは無理だった」で終わります。無理だったのは能力ではなく時間の見積りです。

失敗4: 講習の応募期間が終わってから受講を計画する

よくある間違い: 8月に育成計画を立て、県の生成AI実践講習に担当者を出す前提で組む。調べたら令和8年度分の応募は7月〜8月上旬で終わっていた。

正しいアプローチ: 今年度は随時開催・無料の財団DXセミナー(073-433-8556)や生産性向上スクールで代替し、4講習は次年度の募集時期を企業振興課(073-441-2760)に確認する。

なぜ重要か: 「制度が存在する」ことと「いま応募できる」ことは別問題です。講習の募集は年度前半に集中し、担当者を出す予定が崩れると育成が1年空きます。

支援制度を使いこなせる事業者・使いこなせない事業者の違い(チェックリスト)

現在地の確認に使ってください。手元の資料を見ながら、当てはまるものにチェックを入れます。

  • □ 一番手間がかかっている業務を、時間の数字つきで1つ言える
  • □ よろず支援拠点かDX推進員に、この1年で1回以上相談している
  • □ 「相談メモ」を作ってから面談に行っている
  • □ 助言のうち、自社で手を動かす作業を書き出している
  • □ 手を動かす担当者を1人決め、作業時間を確保している
  • □ 使う制度の締切と受付状況を、窓口に電話で確認している
  • □ 補助金を「収入」ではなく「採択された場合の軽減」として計画に書いている
  • □ 3か月後に何ができていれば成功かを、数字で決めている
支援制度を使いこなせる事業者・使いこなせない事業者の違いのチェックリスト図解

特に見落とされやすいのが4つ目です。3つ未満でも心配はいりません。6ステップを上から順に進めれば、チェックは1つずつ埋まります。

中小企業の7割強はまだ「段階1〜2」|今動く事業者が抜ける局面

「今から始めても遅いのでは」と感じるかもしれませんが、公的な統計は逆を示しています。

2026年版中小企業白書(未定稿(案))が示す中小企業のデジタル化の取組段階は、段階4(ビジネスモデルの変革)2.8%、段階3(業務効率化やデータ分析)24.5%、段階2(デジタルツール利用へ移行中)57.3%、段階1(紙や口頭が中心)15.4%(n=12,215)。段階1と2の合計は72.7%で、7割強の中小企業は、まだ業務効率化やデータ分析の段階に到達していません。

AI活用も同じです。同白書ではAI活用に「取り組んだ」中小企業が30.3%(n=5,645)、活用していない理由の最多は「活用する業務がイメージできていない」の63.4%(n=3,888)。ステップ1で「困っている業務を1つ、数字にする」だけで多数派が越えていないハードルを越えられます。同白書の松本興産株式会社(埼玉県小鹿野町・金属加工)の事例も、着手点はツール導入ではなく社内の共通言語づくりでした。

総務省の令和7年通信利用動向調査ではIoTやAI等の導入企業が27.3%ですが、調査対象は常用雇用者規模100人以上で、従業員数名の事業者に当てはまる数字ではありません。使わない理由が「制度名が分からない」だけなら、電話1本で解けます。

よくある質問

Q. 和歌山県のデジタル化支援メニューは、どこで確認できますか?

和歌山県デジタル社会推進課が「令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー」として1ページに一覧化しています(URLは記事末/073-441-2405)。プロジェクト10件・セミナー等8件・補助金9件の計27件が表になっており、本記事の「全27件」の章に全項目を転載しました。

Q. 和歌山県のDX支援は、中小企業でも使えますか?

使えます。デジタル専門家派遣の対象は「和歌山県内に事務所等を有する事業者(法人格の有無は問わない)」とされ、個人事業主も対象です。よろず支援拠点は中小企業・小規模事業者・個人事業主・創業予定者に無料で対応し、エキスパート・バンクは小規模事業者に3回まで無料で訪問します。

Q. デジタル専門家派遣は本当に無料ですか? 何回来てもらえますか?

無料です。県の公募ページには、専門家の報償・旅費は事務局(県)が負担し、県内事業者に経費負担はないと明記されています。回数は1〜2回・1回1日で、最大3名のチームが編成されます。募集期間は令和8年5月19日〜12月28日ですが予算上限で早期終了するため、企業振興課 経営支援班(073-441-2760)で受付状況を確認してください。

Q. 和歌山でIT導入の相談を無料でできる窓口はどこですか?

主に4つです。①よろず支援拠点(073-433-3100、原則1回1時間・オンライン相談とサテライト相談会あり)②わかやま産業振興財団のDX推進員(073-433-8556)③同財団のDXセミナー(随時・無料)④最寄りの商工会議所・商工会のエキスパート・バンク(3回まで無料の訪問支援)。訪問希望なら④が向いています。

Q. 「IT導入補助金」は2026年もありますか?

名称が変わりました。公式サイトには「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と明記され、正式名称は中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金です。中小機構より採択されたTOPPAN株式会社が、中小機構および中小企業庁の監督のもとで事務局業務を運営しています。申請枠は通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠の4枠(インボイス枠が2類型のため申請区分は5つ)。直近の交付申請締切は2026年8月25日17:00です。詳細は必ず最新の公募要領をご確認ください。

Q. 和歌山県に、業種を問わず使えるDX補助金はありますか?

県の令和8年度デジタル化支援メニュー表からは確認できません。補助金9件は、介護、農業(野菜花き・果樹)、畜産、水産、交通(タクシー・バス)、研究開発、女性活躍推進と、いずれも対象が絞られています。汎用性が高いのは国のデジタル化・AI導入補助金と小規模事業者持続化補助金です。市町村独自の制度もあるため商工担当課にも確認してください。

Q. デジタル経営診断を受けると、何かを勧められますか?

営業を受けることはありません。県の無料の自己診断ツールで、オンラインで30の設問に答えると自社のデジタル経営の現況が客観的に把握できる、というものです(県のデジタル化支援メニュー表の記載)。特定の業者や商品が提示される仕組みではありません。診断結果を持って相談窓口に行くと話が具体的になります。

Q. 支援制度を使えば、社内に人がいなくてもデジタル化は進みますか?

進みません。県の専門家派遣は1〜2回・1回1日、よろず支援拠点の相談も原則1時間です。設定・データ移行・マニュアル作成・社員教育・運用は制度の外側にあり、担当者を1人育てるか有償で外に出すかを決める必要があります(白浜にサテライトオフィスを開設する方法|空室状況と奨励金6種【2026年8月】でも同じ論点を整理しています)。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日: 相談メモの様式を紙に写し、①〜⑨を鉛筆で埋める(埋まらない欄は「未定」で可)
  2. 今週中: 台本1を手元に置き、よろず支援拠点(073-433-3100)かDX推進員(073-433-8556)に電話して相談日を取る
  3. 今月中: 台本2で専門家派遣の受付状況と該当様式(7-1/7-2)を企業振興課(073-441-2760)に確認し、法人は登記簿謄本を手配する

無料の相談枠に1回電話するだけで、「制度名の羅列」は「来月の予定」に変わります。

次回予告: 和歌山県内でホームページを作るときの費用相場と、見積の読み方を整理した和歌山のホームページ制作費用の相場|見積の内訳と失敗しない選び方【2026年8月】を公開しました。

集客の実務、まるごと任せることもできます。
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参考・出典

  • 和歌山県デジタル社会推進課「令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー」(プロジェクト10件・セミナー・講習・イベント8件・補助金9件の全27件の一覧、制度名・内容・対象・担当課・問い合わせ先・公募状況。デジタル社会推進課 073-441-2405) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020400/09/Digitalization_Support_Menu.html (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山県企業振興課「DX推進事業」(機運醸成・診断・技術習得・導入支援の4フェーズ、技術習得フェーズの4講習と令和8年度の応募期間、専門家チーム1〜3名・派遣1回1日・1〜2回想定・無料) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/061000/d00216604.html (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山県「わかやま人材確保・育成支援プロジェクト事業(DX推進)デジタル専門家派遣事業について」/「デジタル専門家派遣を希望する事業者の公募について」(対象・募集期間 令和8年5月19日〜12月28日・予算上限到達時点で終了・派遣時期は随時・様式7-1=デジタル技術の導入/様式7-2=自社の課題整理・法人は商業登記簿謄本または現在事項全部証明書+宣誓書様式8/個人は運転免許証等の写し+宣誓書様式9・最大3名のチーム編成・費用負担なし。企業振興課 経営支援班 073-441-2760、メール e0610001@pref.wakayama.lg.jp) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/061000/iot/d00217066.html / https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/061000/d00217062.html (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山県「デジタル経営診断」(利用サイト digital-wakayama.com。「オンラインで30の設問に答えるだけで自社のデジタル経営の現況を、客観的に把握できるツール」の記載は上記デジタル化支援メニュー表より) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/061000/d00210349.html (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山県よろず支援拠点(中小企業庁の事業。無料・原則各1時間・オンライン相談およびサテライト相談会あり。和歌山市本町二丁目1番地 フォルテワジマ6階/073-433-3100) https://yorozuw.go.jp/ (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山商工会議所「エキスパート・バンク」(県内の小規模事業者対象・1事業所3回まで無料・相談分野に「IT・デジタル化について相談したい」を含む) https://expertbank.wakayama-cci.or.jp/ (参照日: 2026-08-18)
  • デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(旧IT導入補助金。正式名称=中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金、中小機構より採択されたTOPPAN株式会社が中小機構・中小企業庁の監督のもと事務局業務を運営、申請枠4枠/申請区分5種)/申請スケジュール(登録申請開始2026年3月30日、交付申請締切2026年8月25日17:00、交付決定日2026年10月7日予定) https://it-shien.smrj.go.jp/ / https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/ (参照日: 2026-08-18)
  • 中小企業庁「2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要」(未定稿(案)。中小企業のデジタル化の取組段階 段階4=2.8%・段階3=24.5%・段階2=57.3%・段階1=15.4%、n=12,215/AI活用に取り組んだ30.3%、n=5,645/活用していない理由「活用する業務がイメージできていない」63.4%、n=3,888/松本興産株式会社の事例。資料は株式会社帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」) https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/soukai/044/dl/001_2.pdf (参照日: 2026-08-18)
  • 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(2026年5月29日公表。調査時点2025年8月末、企業調査対象は常用雇用者規模100人以上、有効回収2,489企業。IoTやAI等の導入企業27.3%、クラウドサービス一部でも利用83.5%) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000183.html / 報道資料PDF: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf (参照日: 2026-08-18)
  • 和歌山県工業技術センター「3Dスマートものづくりラボ」「自動化促進ラボ」(073-477-1271) https://www.wakayama-kg.jp/open-lab/3dlab.html / https://www.wakayama-kg.jp/open-lab/automationlab.html (参照日: 2026-08-18)

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※本記事は2026年8月18日時点の公開情報の整理であり、制度の適用可否・採択を保証するものではありません。補助率・上限額・締切・受付状況・要件は変更される場合があるため、必ず各制度の窓口と最新の公募要領でご確認ください。当社は補助金の申請代行は行っておりません(申請サポートが必要な場合は提携専門家とともに対応します)。

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河原 将太株式会社Tip 代表取締役社長

東京都立大学在学中に事業を開始し法人化。大手エネルギー関連企業へのAIコンサルティング、上場企業を含む20社以上へのコンサルティング提供、1投稿で1億回以上再生されたSNSコンテンツの企画に携わる(実績は代表およびメンバー個人としての活動を含む)。現在は白浜・宮古島・伊豆の観光関連企業のSNS・AI・デジタル支援に取り組む。詳しいプロフィール

本記事は、株式会社Tipが公開情報・一次情報・実務での検証結果をもとに作成し、必要に応じて更新しています。掲載内容は最終更新日時点の情報です。

公開日: 2026.08.18