
結論: 2026年6月、白浜温泉旅館協同組合とNEC(日本電気株式会社)が、組合の体験プログラムサイト「しらはまコンシェルジュ」を対象に、AIでサイトを生成・運用する実証実験を始めました。紀伊民報が10月6日に報じ、公式ページにも「実証実験の一環としてAIを用いて生成・運用」と明記されています。閲覧記録をもとにAIが更新案を出し、今夏は「マリンスポーツ」と「室内アクティビティ」のページが選ばれやすい表示に変わりました。南紀の宿・体験事業者にとっての本題は、組合サイトからお客様が送られてくる先、つまり自社の体験ページ・プランページが、料金や時期が古いまま、予約導線もない状態になっていないかです。組合側の改善は、自社の受け皿が整っていて初めて予約に変わります。
この記事の要点 対象読者: 白浜・田辺・みなべ・串本・那智勝浦・御坊など南紀で、宿泊・体験アクティビティ・飲食・小売を営み、組合や観光協会のサイトに自社の情報が載っている(または載せたい)事業者と、自社サイトの更新にAIを使うか迷っている担当者 読了後にできること: 今回の実証で「何が変わり、何がまだ公表されていないか」を正確に把握し、10月中に自社サイトで直す3か所(受け皿ページの基本情報、閲覧記録に基づく季節の表示順、AI下書き+人の確認の運用)を自分で決められる状態になる
「組合のサイトは組合がやってくれているから、うちは関係ないと思っていました」。
南紀で体験プログラムや宿を営む方の多くは、こう感じているのではないでしょうか。組合や観光協会のサイトに自社の体験が載っていれば、あとはお客様が来てくれる。誰がそのページを書き、どの順番で並べ、いつ更新しているかまでは、普段は気にしません。
今回のニュースは、その「誰が・どの順番で・いつ」をAIが担い始めたという話です。組合サイトの話として読めば他人事ですが、組合サイトはお客様を自社のページや電話へ送る入口でもあります。入口がAIで日々変わる一方、出口である自社ページが半年前のままなら、せっかく届いたお客様は予約の手前で止まります。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、紀伊民報の報道と組合の公式ページ、白浜町の公表資料という公表済みの一次情報だけをもとに、確定している事実、南紀の事業者のどこに効くか、10月中に自社サイトで直す3か所を整理します。実証の期間、費用、使われているAIの種類、効果の数値など公表されていないことは推測せず「現時点で公表されているのはここまで」と明記します。手元に、自社の体験やプランが載っている自社ページを1つ開きながら読み進めてください。
目次
6月から始まった実証の中身|組合サイトをAIが生成・運用し、閲覧実績で表示順が変わる
まず、現時点で公表されている事実です。紀伊民報 AGARA「サイトをAIで見やすく IT企業と実証実験、和歌山県白浜の旅館組合」(2026年10月6日)によると、白浜温泉旅館協同組合が運営する体験プログラム「しらはまコンシェルジュ」のサイトを、同組合と、白浜町ITビジネスオフィスに拠点を置くNEC(本社・東京都)が6月から実証実験としてAIでアップデートしています。実証ではデザインを一新したほか、サイトの運用にAIを導入しました。どのメニューがどれくらい閲覧されたかのアクセス記録などを踏まえ、AIがアップデート案を示す仕組みです。例として、今夏は「マリンスポーツ」や「室内アクティビティ」のページがよく閲覧されたため、関連する体験メニューが選択されやすい表示に変わりました。表示されるモデルコースも、アクセス数や季節に応じたものにできるとしています。NECの中尾勇介さんは「より見やすい、分かりやすいサイトを目指したい」と話しています(参照日: 2026-10-06)。
白浜温泉旅館協同組合「しらはまコンシェルジュ」公式ページには、ページ下部に次の趣旨の注記があります。「本ページは、日本電気株式会社と白浜温泉旅館協同組合による実証実験の一環としてAIを用いて生成・運用されています。アクティビティ情報に基づき、スポットやモデルコースなどをAIが生成しています。正確性を完全に保証するものではありません」。掲載内容は、白浜、田辺・みなべ、湯浅・御坊・有田、串本・太地・すさみ・那智勝浦の4エリアに分けた体験メニューと、2泊3日・1泊2日のモデルコース4種類(COURSE A〜D)です。予約・手配は「現地スタッフが丁寧にご案内」とされ、各体験の公式サイトへ移動するボタンも置かれています。英語など日本語以外の表示については、公式ページに記載がありません(参照日: 2026-10-06)。
| 項目 | 公表されている内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 主体 | 白浜温泉旅館協同組合とNEC(日本電気株式会社) | 紀伊民報・公式ページ |
| 対象 | 体験プログラムサイト「しらはまコンシェルジュ」 | 紀伊民報・公式ページ |
| 開始 | 2026年6月 | 紀伊民報 |
| 内容 | デザイン一新、サイト運用にAI導入、アクセス記録をもとにAIが更新案を提示 | 紀伊民報 |
| 具体例 | 今夏、マリンスポーツ・室内アクティビティの関連メニューが選ばれやすい表示に | 紀伊民報 |
| 注記 | AIを用いて生成・運用、正確性を完全には保証しない | 公式ページ |
| 未公表 | 実証の終了時期、費用、使用しているAIの種類、閲覧数や予約数の変化、組合加盟施設への展開 | 本記事では書かない |

この事実から読み取れることは2つあります。1つ目は、AIの役割が「文章を書く」だけでなく「閲覧実績を見て表示順やコースを変える」運用にまで入っていることです。2つ目は、組合自身が「正確性を完全に保証するものではありません」と明記していることです。つまり組合サイトは、季節と閲覧数で中身が動き、しかも掲載内容の最終確認は掲載される側にも求められるサイトになったということです。
現時点で公表されているのはここまでです。実証がいつまで続くのか、費用を誰がどう負担しているのか、どのAI製品を使っているのか、閲覧数や予約数がどう変わったのかは、紀伊民報の記事にも公式ページにも書かれていません。本記事ではこれらを推測で補いません。
「組合がやるから自社は関係ない」とならない理由|南紀の事業者に効く3つの接点
ニュースの主語は組合とNECです。では、南紀の宿や体験事業者のどこに効くのか。接点は3つあります。どの接点も、組合サイトの改善を自社の予約に変えられるかどうかは、自社ページの状態で決まるという点で共通しています。
接点1: 組合サイトは「送客の入口」で、出口は自社のページと電話
公式ページでは、予約・手配を現地スタッフが案内するとともに、各体験の公式サイトへ移動するボタンが置かれています。つまり組合サイトで体験に興味を持ったお客様は、最終的に自社のページを見るか、電話をかけるかのどちらかで予約に至ります。組合サイトの見やすさが上がるほど、自社ページの古さや予約導線の無さが目立つという関係です。料金が去年のまま、開催時期が書いていない、予約方法が「お問い合わせください」だけ。こうしたページは、組合側がどれだけ整えても予約の直前で止まります。宿なら、体験から宿泊への流れも同じです。自社サイトの作り方は、民宿のホームページを自作する方法|予約確定・在庫・決済まで整える7ステップ【2026年】で予約確定までの流れを含めて整理しています。
接点2: 閲覧実績で表示が動くなら、自社の「季節の情報」が組合に届いているかが問われる
今夏はマリンスポーツと室内アクティビティが前に出ました。秋冬には別の体験が前に出るはずです。表示が閲覧数と季節で変わる以上、自社の体験が「この季節にやっている」「雨の日でもできる」と組合に正しく伝わっていなければ、AIの更新案に乗りようがありません。自社が組合や観光協会に出している体験情報を、季節ごとに更新して渡しているかどうかが、露出の差になります。年1回の冊子用の原稿を出して終わり、という運用では、季節で動くサイトについていけません。
接点3: 「正確性を保証しない」と書かれた以上、自社の掲載内容は自分で確認する
公式ページの注記は、AIが生成した情報の正確性を完全には保証しないと明言しています。これは組合が無責任なのではなく、AI生成の運用では誠実な書き方です。ただし掲載される側から見れば、自社の体験の料金や所要時間、集合場所が正しく載っているかは、自分で見て確認する必要があるということです。月に1回、組合サイトの自社の体験ページを開いて、料金・時期・予約先を自社の正本と突き合わせる。これだけで、お客様に間違った情報が届く事故を防げます。

10月中に自社サイトで直す3か所|受け皿の基本情報、季節の表示順、AI下書きの確認体制
ここからが手順です。各プロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使う下書き用の文面です。出力はそのまま公開せず、必ず自社の料金表や営業日と突き合わせてください。最初に決めるのは「自社の体験やプランが、組合や観光協会のサイトに今載っているか」の1点だけで、確認は今日10分で終わります。

直す1: 受け皿ページの基本情報(料金・時期・予約方法)を自社の正本とそろえる
最初に直すのは文章の上手さではなく、基本情報の抜けです。体験なら料金、所要時間、開催時期と曜日、定員、集合場所、予約方法、雨天時の扱い。宿なら料金の目安、チェックイン時刻、食事の有無、予約方法。これらが1ページで揃っていない受け皿は、組合サイトから来たお客様を電話に追い込み、営業時間外なら取りこぼします。受け皿ページに載せる基本情報は、組合や観光協会に渡している情報と1文字単位で一致させるのが原則です。食い違いがあれば、お客様はどちらを信じていいか分からなくなります。
あなたは観光体験の情報整理が得意な編集者です。以下の材料から、自社サイトの体験・プランページに最低限そろえるべき項目の一覧と、現状の不足を整理してください。
【材料】
・体験名またはプラン名:
・所要時間と料金:
・開催時期・曜日・定員: (例: 4〜10月の土日、各回6名)
・集合場所と予約方法: (電話/フォーム/外部予約サイトのうち、あるものだけ)
・雨天・荒天時の扱い:
・現在のページに書いてある内容: (そのまま貼り付け)
出力: ①項目ごとの記載の有無 ②不足している項目 ③組合や観光協会に伝えている情報と食い違う可能性がある箇所。【材料】にない条件は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは体験プログラムの紹介文ライターです。以下の材料だけを使って、自社サイト用の体験紹介文を300字以内で書いてください。
【材料】
・体験名と場所: (例: 田辺市の梅ジュース作り体験)
・対象と季節: (例: 家族連れ向け、6〜7月)
・料金・所要時間・集合場所:
・当日の流れ: (3行まで)
・できないこと: (例: 英語ガイドなし、雨天中止)
条件: 季節と対象を1文目に入れる/料金と所要時間を本文に含める/【材料】にない設備・景色・受賞歴は書かない。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
組合や観光協会のサイトに載っている自社の情報が古い場合は、修正を依頼します。相手も人手が限られているので、修正箇所と正しい内容を箇条書きで渡すのが早道です。
あなたは事業者から団体への連絡文を書くのが得意な担当者です。以下の材料から、組合や観光協会のサイトに載っている自社の体験情報の修正を依頼するメール本文を300字以内で作ってください。
【材料】
・団体名と担当窓口:
・掲載ページのURL:
・現在の記載内容:
・正しい内容: (料金・時期・予約先など、変更する項目だけ)
・差し替えの希望日:
条件: 敬体で簡潔に/修正箇所を箇条書きにする/添付する資料名(料金表など)を明記する。【材料】にない内容は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
白浜の事業者で、受け皿ページそのものを新しく作る必要がある場合は、白浜町のLP制作|費用の目安と予約につながる7ステップ【2026年9月】で費用の計算例と依頼までの手順をまとめています。
直す2: 閲覧記録を季節で読み、自社サイトの表示順を自分で変える
組合の実証でAIがやっていることの核は、「閲覧記録を見て、よく見られている体験を前に出す」です。これはAIがなくてもできます。GA4(Googleアナリティクス4)でページ別の表示回数を、Search Console(Googleサーチコンソール)で検索語を3か月分見れば、季節ごとに何が求められているかは読み取れます。トップページで前に出すプランや体験を、季節ごとに自分の手で並べ替えるだけで、組合の実証と同じ発想を自社サイトで再現できます。夏に見られたページを秋も先頭に置いたままにしない、という単純なことから始めてください。
あなたは小さな宿・観光事業者向けのアクセス解析アドバイザーです。以下の材料から、季節ごとにトップページで前に出すプラン・体験の順番を提案してください。
【材料】
・GA4のページ別表示回数: (直近3か月、上位10ページ)
・Search Consoleの検索語: (上位20語)
・今の掲載順:
・今後3か月の予約状況と繁忙・閑散の見込み:
出力: ①今後3か月の表示順の案と理由 ②データが少なくて判断できない項目 ③来月に確認する数字。閲覧数の増減の原因は断定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたはWebサイトの改善提案を作る担当者です。以下の材料から、今月の自社サイトの更新案を3つまで提案してください。
【材料】
・先月と今月のページ別閲覧数の差:
・予約や問い合わせにつながったページ: (分かる範囲で)
・今後1〜2か月の季節の行事と仕入れ: (例: 11月の紅葉、冬のクエ)
・スタッフが現場でよく聞かれた質問:
出力: ①更新案(対象ページ・変更内容・理由) ②やらないほうがよい変更とその理由 ③変更後に見る数字。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
GA4で宿が見るべき数字と予約計測の設定は、小さな宿がGA4で見るべき指標6つ|予約計測の7ステップと確認リスト【2026年9月】で手順を示しています。数字を見る習慣がないまま並べ替えると、思い込みで動かすことになります。
直す3: AIで下書きし、人が一次情報と突き合わせてから公開する運用にする
組合の公式ページは「AIを用いて生成・運用」「正確性を完全に保証するものではありません」と注記しています。自社でAIを使うときも、同じ誠実さが要ります。AIは料金や営業日を「それらしく」補ってしまうことがあるため、公開前に一次情報(料金表、営業日、組合に出した資料)と突き合わせる人を決めてください。AI下書きの公開ルールは「確認する人・確認する資料・確認の頻度」の3つを紙1枚で決めれば足ります。
あなたは校正担当です。以下のAIが書いた文章について、公開前に事実確認が必要な箇所を表にしてください。
【材料】
・AIの出力文: (そのまま貼り付け)
・一次情報: (料金表・営業日・組合や観光協会に提出した資料の内容)
出力: 表(該当箇所/確認する資料/確認結果の記入欄)。一次情報で確認できない記述は「要確認」とし、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは小さな事業者の社内ルールづくりを手伝うアドバイザーです。以下の材料から、AIで下書きした自社サイトの文章を公開するまでの社内ルール(5項目以内)と、ページに載せる注記文(60字以内)を作ってください。
【材料】
・AIを使う場面: (例: 体験紹介文、季節の案内、英語版の下書き)
・確認する人:
・確認に使う資料:
・公開の頻度: (例: 月1回)
出力: ①社内ルール ②注記文 ③ルールが守られなかったときに起きうること。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
英語版は、日本語の受け皿が整ってからで構いません。組合の公式ページにも現時点で日本語以外の記載はありません。ただし海外の個人旅行者が自社ページに直接たどり着くことは増えているため、日本語の基本情報が固まった体験から順に英語版を用意すると無理がありません。
あなたは観光体験の英訳が得意な翻訳者です。以下の日本語の体験紹介文を、海外の個人旅行者向けに英訳してください。
【材料】
・日本語の原文:
・料金・所要時間・集合場所:
・予約方法: (電話のみ/フォーム/外部サイト)
・できないこと: (例: 英語ガイドなし、現金のみ、送迎なし)
条件: 原文にない情報を足さない/「できないこと」は省略せず明記する/固有名詞はローマ字と日本語を併記する。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
英語で受け入れ条件を伝える場面ごとのテンプレは、小さな宿のインバウンド対策|英語が苦手でも整えられる5場面と実務テンプレ10本【2026年】にまとめています。
立場別に見た、今回の実証の使いどころ
同じニュースでも、立場によって「次にやること」は変わります。近い行から読んでください。どの立場でも、組合サイトが季節で動く前提に合わせて、自社の情報を季節ごとに渡せる体制を作った事業者から送客を受け止められます。
| 立場 | 今回の実証の意味 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 体験アクティビティ事業者(カヌー・梅加工・陶芸など) | 組合サイトからの送客先が自社ページと電話になる | 料金・時期・予約方法を自社ページでそろえ、組合の掲載内容を月1回確認する |
| 宿泊施設(旅館・民宿・ヴィラ) | 体験と宿泊をつなぐ導線が組合側で整う | 自社サイトに「近くでできる体験」と宿泊プランの組み合わせを載せ、季節で入れ替える |
| 飲食・小売 | 体験の前後に立ち寄る客の情報源が組合サイトになる | 営業日・営業時間・定休日をGoogleビジネスプロフィールと自社ページで最新にする |
| 組合・観光協会・DMO | 閲覧実績で表示順を変える運用の実例が県内にできた | 自団体のサイトで「誰が・どの頻度で・何を根拠に」更新するかを決め、AI生成なら注記を置く |

白浜町内の飲食・小売で、観光客と地元客の両方に検索で見つけてもらう段取りは、白浜町のSEO対策|費用の考え方と検索上位を狙う7ステップ【2026年9月】で整理しています。組合サイトからの流入と検索からの流入は、受け皿が同じページなので、直す内容も重なります。
【要注意】サイトのAI運用で誤解されやすい4つのこと
誤解1: AIを入れれば、サイトが勝手に良くなって予約が増える
❌ よくある間違い: 「組合がAIで改善しているなら、うちも何かAIを入れれば集客が増える」と考える。
⭕ 正しいアプローチ: 組合の実証でAIがしているのは、閲覧記録を根拠に表示順やコースの更新案を出すことです。根拠になる記録と、載せる情報の正しさは人が用意しています。
なぜ重要か: 今回の報道で公表されているのは「表示が変わった」という事実までで、閲覧数や予約数がどう変わったかは公表されていません。AIが効くのは、自社の料金・時期・予約方法という材料が正しくそろっているときだけです。
誤解2: AIが生成したページはGoogleの検索で不利になる
❌ よくある間違い: 「AIで書いたと分かるとGoogleに評価されないから、注記は書かないほうがいい」と考える。
⭕ 正しいアプローチ: Google検索セントラルの「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」(2023年2月)は、制作方法ではなくコンテンツの品質を評価するという立場を示し、検索順位の操作を主目的にした自動生成はスパムポリシー違反だとしています(参照日: 2026-10-06)。
なぜ重要か: 不利になるのは「AIで書いたこと」ではなく「お客様に役立たない内容」です。自社の一次情報をもとにAIで下書きし、人が確認して公開する運用なら、注記を置くことを恐れる理由はありません。AIに拾われる一次情報の整え方は、LLMO対策の始め方|中小企業が今日できる一次情報の整え方7ステップ【2026年9月】で解説しています。
誤解3: 多言語対応もAIが自動でやってくれる
❌ よくある間違い: 「AIで運用しているなら英語版も自動で出ているはず」と、自社の英語対応を後回しにする。
⭕ 正しいアプローチ: 組合の公式ページには、現時点で日本語以外の表示に関する記載がありません。自社の英語対応は、日本語の基本情報を固めたうえで、できないこと(英語ガイドなし、現金のみ等)を省かずに載せるのが先です。
なぜ重要か: 翻訳の自動化より、翻訳する元の情報が正しいかどうかのほうが事故に直結するからです。英語版は「日本語の受け皿が整った体験から順に」で十分で、全部を一度にやる必要はありません。
誤解4: 組合に載せてあるから、自社サイトは無くても困らない
❌ よくある間違い: 「組合のサイトに載っているから、自社のページは作っていない」「電話番号だけ載せている」。
⭕ 正しいアプローチ: 組合サイトは送客の入口であって、予約を確定する場所ではありません。公式ページも、予約・手配は現地スタッフの案内か各体験の公式サイトへの移動としています。
なぜ重要か: 営業時間外に組合サイトを見たお客様は、電話がつながらなければ別の体験を選びます。自社ページに最低限の基本情報と予約の方法が載っていることが、組合サイトの改善を自社の予約に変える条件です。
ここまで、公表されている事実と、公表されていない項目を分けて書いてきました。白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、「団体のサイトに載っているから大丈夫」という感覚と、自社ページの更新が止まっている現実が同居していることは珍しくありません。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます。無料ヒアリングは最大60分、提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎で、契約前提の営業はいたしません。
組合サイトからの送客を受け止められるか|8項目の確認
自社の体験ページまたはプランページを開きながら、当てはまるものにチェックを入れてください。チェックが5つ未満なら、AIを導入する前に受け皿の基本情報をそろえるほうが先です。
- □ 組合・観光協会のサイトに載っている自社の体験・プランを、今月1回は自分の目で確認した
- □ 自社ページの料金・所要時間・開催時期が、組合に渡した情報と一致している
- □ 予約方法(電話・フォーム・外部サイト)が自社ページに明記され、営業時間外でも申し込める手段がある
- □ 雨天時や冬季など「できない条件」がページに書いてある
- □ GA4またはSearch Consoleで、直近3か月によく見られたページを言える
- □ トップページで前に出すプラン・体験を、季節ごとに入れ替えている
- □ AIで下書きした文章を、公開前に一次情報と突き合わせる人が決まっている
- □ 組合や観光協会に、季節ごとの体験情報を更新して渡す担当と時期が決まっている

特に見落とされやすいのが、最後の「季節ごとに渡す担当と時期」です。組合サイトが季節と閲覧数で動く以上、年1回の原稿提出では間に合いません。担当を1人決めて、四半期に1回は組合に最新情報を送る。それだけで、AIの更新案に自社の体験が乗る可能性が上がります。
背景にある2つの事実|NECは2016年度から白浜に拠点、GoogleはAI生成を制作方法で区別しない
今回の実証が白浜で起きたのは偶然ではありません。白浜町「白浜町ITビジネスオフィス」によると、白浜町2998-119にある同オフィスには、株式会社セールスフォース・ジャパン(平成27年度進出)、日本電気株式会社(平成28年度進出)、メディスト株式会社(平成26年度進出)など5社が入居しており、日本電気株式会社の白浜での業務は「新事業の企画・開発」とされています(参照日: 2026-10-06)。NECは2019年にも南紀白浜で顔認証を使った「IoTおもてなしサービス実証」を行っており、今回の組合サイトの実証は、町内に拠点を置く企業と地元の組合が組んだ流れの延長にあります。南紀の事業者にとっての意味は、全国規模のIT企業の実証が「東京の話」ではなく、自社の体験が載るサイトで起きているということです。
もう1つの背景は、検索エンジン側の方針です。前述のGoogle検索セントラルのガイダンスは、AI生成かどうかではなく品質で評価するとし、ランキング操作を目的とした自動生成を違反としています。組合が「AIを用いて生成・運用」と注記しながら運用できるのは、この方針と整合しているからです。自社でAIを使うときも同じで、隠す必要はなく、正しい一次情報を人が確認する体制があるかどうかが問われます。ChatGPTを旅館の日常業務で使う場面の整理は、ChatGPTを旅館・民宿で使う15の方法|コピペで使えるプロンプト集【2026年8月】にまとめています。
よくある質問
Q. 「しらはまコンシェルジュ」とは何ですか?
白浜温泉旅館協同組合が運営する体験プログラムのサイトで、白浜、田辺・みなべ、湯浅・御坊・有田、串本・太地・すさみ・那智勝浦の4エリアの体験メニューと、モデルコース4種類(COURSE A〜D)を紹介しています。2026年6月からNECとの実証実験として、AIを用いて生成・運用されていることが公式ページに明記されています(参照日: 2026-10-06)。
Q. 実証実験はいつまで続き、今後どう展開されますか?
公表されていません。紀伊民報の記事にも公式ページにも、終了時期や組合加盟施設への展開、今後の計画は書かれていません。本記事では、公表を確認できていない期間・計画は書きません。
Q. 自社の宿や体験のサイトも、同じようにAIで運用できますか?
閲覧記録を見て表示順を変える、という発想は自社でも再現できます。GA4とSearch Consoleで3か月分の数字を見て、トップページの並びを季節で入れ替えるだけでも同じ考え方です。専用のAIシステムを入れる前に、無料の対話型AIと自社の閲覧データで月1回の更新案を作る運用から始めるのが現実的です。
Q. AIで書いたページはGoogle検索で不利になりませんか?
Googleは2023年2月のガイダンスで、制作方法ではなく品質で評価するとしています。不利になるのは、検索順位の操作を目的に大量に自動生成する場合です。自社の一次情報をもとに下書きし、人が確認してから公開するなら、AIを使ったこと自体が不利になるとは示されていません(参照日: 2026-10-06)。
Q. 組合サイトは英語に対応していますか?
公式ページに、日本語以外の表示に関する記載は現時点でありません。自社で英語対応をするなら、日本語の基本情報を固めた体験から順に、できないことも省かずに載せるのが先です。
Q. 実証の費用や、使われているAIの種類は分かりますか?
公表されていません。費用負担やAI製品名は、紀伊民報の記事にも公式ページにも記載がないため、本記事では書きません。
Q. 自社の体験を組合サイトに載せてもらうには、どうすればいいですか?
掲載の条件や手続きは公式ページに書かれていないため、白浜温泉旅館協同組合(電話0739-42-2215)に直接問い合わせてください。問い合わせの前に、料金・所要時間・開催時期・予約方法を1枚にまとめておくと、掲載が決まったときにそのまま渡せます。
Q. 小さな民宿でも、アクセス解析まで必要ですか?
客室数に関係なく、GA4の無料設定と月1回の確認で十分です。見るのはページ別の表示回数と検索語だけで構いません。どのページが見られているかを知らないまま並べ替えると、組合サイトの季節の動きと自社の表示がずれたままになります。
まとめ:今日・今週・10月中にやること
- 今日やること: 組合や観光協会のサイトで自社の体験・プランの掲載内容を開き、料金・時期・予約方法を自社の正本と突き合わせる
- 今週中にやること: 自社の受け皿ページに基本情報と予約方法をそろえ、食い違いがあれば団体に修正を依頼する
- 10月中にやること: GA4とSearch Consoleで直近3か月の数字を見て秋冬の表示順を決め、AI下書きを公開する前に確認する人と資料を紙1枚で決める
組合サイトの改善は6月から動いていて、季節が変わるたびに表示も変わります。次に表示が変わる前に、自社の受け皿を整えておくことが、このニュースから持ち帰れる最大の実利です。
参考・出典
- 紀伊民報 AGARA「サイトをAIで見やすく IT企業と実証実験、和歌山県白浜の旅館組合」(2026年10月6日14時30分更新):実証の主体、6月開始、デザイン一新とサイト運用へのAI導入、アクセス記録をもとにした更新案、今夏の表示変更の具体例、NEC中尾勇介さんの発言(参照日: 2026-10-06)
- 白浜温泉旅館協同組合「しらはまコンシェルジュ」:AIを用いて生成・運用している旨の注記、4エリアの体験メニュー、モデルコース4種類、予約・手配の案内、組合の連絡先(参照日: 2026-10-06)
- 白浜町「白浜町ITビジネスオフィス」:所在地、入居企業と進出年度、日本電気株式会社の白浜での業務内容(参照日: 2026-10-06)
- NEC「南紀白浜『IoTおもてなしサービス実証』の顔認証サービス施設が拡大」(2019年10月25日プレスリリース):NECの南紀白浜での過去の実証(参照日: 2026-10-06)
- Google 検索セントラル ブログ「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」(2023年2月):制作方法ではなく品質で評価する方針、ランキング操作目的の自動生成はスパムポリシー違反(参照日: 2026-10-06)
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※本記事は2026年10月6日時点で公表されている情報に基づきます。実証実験の終了時期、費用負担、使用しているAIの種類、閲覧数や予約数の変化、組合加盟施設への展開など、紀伊民報の記事および公式ページで確認できない事項は推測せず記載していません。組合サイトへの掲載条件や自社の体験が載るかどうかは、白浜温泉旅館協同組合への確認で判断してください。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。