
結論: 和歌山県の空き家率は21.2%、空き家数は10万5,300戸です。これは総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日現在・2024年9月25日公表)の確報値で、2026年10月14日時点でもこれが最新です。徳島県と並んで全国で最も高く、全国平均13.8%を7.4ポイント上回ります。市町村別では白浜町が43.2%で県内最高、岩出市が11.0%で最低と約4倍の開きがあり、白浜町の43.2%のうち17.7ポイントは別荘などの「二次的住宅」で、放置された空き家とは別物です。同じ「空き家率」でも、和歌山市は賃貸用が半分、かつらぎ町は「その他の空き家」が18.7%と、町ごとに中身が違います。和歌山で空き家を宿や店に変えたい事業者が使う数字は「県21.2%」ではなく「自分の町の4種類の内訳」と「空き家バンクで実際に動いた件数」の2つです。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内で宿・民泊・飲食店・小売店・建設リフォーム・不動産や士業を営み、空き家を物件として探している方、または所有している方。泉州・南大阪(泉佐野・岸和田・堺・泉南・阪南・貝塚)や関西・三重から和歌山での出店・2拠点を考えている方。商工会・金融機関に出す計画書や会議資料に和歌山の空き家の数字を使いたい方 読了後にできること: 国の一次統計から和歌山県と自分の市町の空き家率・空き家数・4種類の内訳を正しく引用し、「買える・借りられる空き家」がどれだけあるかを空き家バンクの実績で見積もり、来月に動く物件探しの一手を1つ決められる状態になる
「空き家は山ほどあるのに、借りられる物件が1軒も出てきません。」
白浜への移住準備で地域の事業者と話す中で、空き家の話題は必ず出ます。統計では和歌山県の住宅の5軒に1軒が空き家です。白浜町に限れば4割を超えます。それなのに、宿や店に使えそうな物件を探し始めると、不動産サイトにも空き家バンクにもほとんど載っていない。数字と現場の感覚が、これほど食い違う統計は珍しいと感じます。
食い違いの原因は、あなたの探し方が悪いからではありません。統計の「空き家」には、別荘や賃貸募集中の部屋まで含まれています。白浜町の空き家7,190戸のうち2,940戸は別荘などの二次的住宅で、所有者は手放すつもりがありません。さらに、残りの「その他の空き家」も、所有者が市場に出さない限り物件にはなりません。和歌山県の空き家バンクに2015年度から2025年12月末までに登録された物件は累計1,531件で、県の空き家10万5,300戸の約1.5%にすぎません。統計の空き家と、あなたが借りられる空き家は、桁が2つ違います。
この記事では、総務省の確報値、和歌山県と市町の公式資料、日付を明記した地元紙の報道から、和歌山県の空き家率を「県の値・4種類の内訳・13市町別・空き家バンクの実績」の4つに分けて整理し、その数字を物件探しと計画書に落とす7ステップと、そのままコピペで使える8本の文面、計画書に使う前に確認する8項目を公開します。使う数字は、2026年10月14日時点で一次資料と日付つきの報道で確認できたものだけです。候補にしている町の名前と、宿か店かという用途を1つ決めてから、読み進めてください。
目次
まず結論|和歌山県の空き家統計を打ち手に落とす7ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。上から順に進めれば、県の合計と自分の町の実態を混ぜずに、物件探しと計画書の両方に使える数字がそろいます。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 県と市町の1行を写す | 空き家率・空き家数・調査時点を単位つきで写す | 本記事の表から自分の市町の行を書き写す |
| 2. 空き家を4種類に分ける | 賃貸用・売却用・二次的住宅・その他に分ける | 自分の町の「その他の空き家」率に丸をつける |
| 3. 国の統計に載るか確かめる | 13市町か、それ以外の17町村かを確かめる | 町の空家等対策計画のPDFを探す |
| 4. 「動く空き家」を数える | 空き家バンクの登録・成約件数を見る | わかやま住まいポータルで候補の町を検索する |
| 5. 法律と税の期限を書き込む | 空家法改正・相続登記義務化の期限を入れる | 2027年3月31日を手帳に書く |
| 6. 物件を用途で分ける | 宿・店舗・住居・解体のどれに向くかを分ける | 候補物件を1つ、用途で仮に分類する |
| 7. 来月の一手を1つ決める | 所有者への声かけか、窓口への相談かを決める | 来月やることを1行で書く |

ポイントは、ステップ2の「4種類の内訳」とステップ4の「空き家バンクの実績」を別の表で持つことです。和歌山県の空き家10万5,300戸のうち、賃貸用でも売却用でも別荘でもない「その他の空き家」は5万9,800戸で、率にすると12.1%と全国の5.9%の約2倍ですが、このうち空き家バンクに登録されて市場に出た物件は2025年12月末までの累計でも1,531件です。「空き家率が高い町だから物件は選び放題」と考えて出店計画を立てると、物件が見つからないまま開業時期だけが過ぎていきます。
所要時間の目安は、ステップ1〜3が本記事の表と町のPDFを開いて40分、ステップ4〜5が1時間、ステップ6〜7が翌週までです。使うのはe-Stat(政府統計の総合窓口)と町の計画書PDFと無料のAIだけで、費用はかかりません。
和歌山県の空き家率とは|「空き家率」「その他の空き家」「空き家バンク」の違いと2023年の中身
本記事で言う空き家率とは、総務省が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」で、総住宅数に占める空き家の割合を指します。総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査の結果のページによると、住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)は2024年9月25日に公表され、2026年10月14日時点でもこれが最新です。同じ「和歌山の空き家」でも、言葉が3種類あります。
- 空き家率: 住宅・土地統計調査の「空き家数÷総住宅数」。和歌山県は21.2%・10万5,300戸。別荘や賃貸募集中の部屋も含む広い定義
- その他の空き家: 同じ調査で「賃貸用・売却用・二次的住宅を除く空き家」。和歌山県は5万9,800戸・12.1%。用途が決まっていない空き家で、「放置空き家」と呼ぶ記事もある
- 空き家バンク: 県と市町村が所有者からの登録を受けて利用希望者に紹介する制度。登録・成約の件数は「市場に出た空き家」の実績で、統計の空き家数とは別の数字
和歌山県の空き家率は2023年10月1日現在で21.2%・10万5,300戸、「その他の空き家」は12.1%・5万9,800戸で、どちらも全国で最も高い水準です。紀伊民報の2024年5月10日の記事によると、県の空き家率は2008年17.9%、2013年18.1%、2018年20.3%と上がり続け、2023年に徳島県と並んで全国最高の21.2%になりました。前回2018年調査から空き家は約7,000戸増えています。小数第2位まで見ると徳島県がわずかに上で、ダイヤモンド不動産研究所の2025年10月15日更新の記事のように和歌山県を「全国2位」とする記事もありますが、総務省の公表値ではどちらも21.2%です。

全国の数字も並べておきます。総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果の概要(PDF)によると、全国の空き家は900万2千戸・13.8%で過去最多、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万6千戸・5.9%です。和歌山県の10万5,300戸の内訳は、賃貸用3万5,100戸、売却用2,400戸、二次的住宅8,000戸、その他の空き家5万9,800戸です。空き家の約57%が「用途の決まっていない空き家」という配分が、和歌山県の2023年の姿です。単位は「戸」で、一戸建ても共同住宅の1室も1戸と数えます。また、この調査は約340万住戸を抽出する標本調査なので、市町別の値には誤差が含まれます。
和歌山県の空き家率 市町村別一覧(令和5年・13市町)
住宅・土地統計調査で市町村別の値が公表されるのは、市と人口1万5千人以上の町村です。和歌山県では9市と4町の13市町が対象で、残る17町村は載りません。13市町の値を、空き家率が高い順に並べます。率は本記事で小数第1位に丸め、戸数は公表値の10戸単位のままです。
| 市町 | 空き家数 | 空き家率 | その他の空き家 率 | 二次的住宅 率 |
|---|---|---|---|---|
| 白浜町 | 7,190戸 | 43.2% | 15.7% | 17.7% |
| かつらぎ町 | 1,910戸 | 24.6% | 18.7% | 0.3% |
| 田辺市 | 9,970戸 | 24.3% | 13.5% | 4.6% |
| 新宮市 | 3,980戸 | 23.8% | 15.7% | 1.4% |
| 海南市 | 5,250戸 | 21.1% | 13.9% | 0.6% |
| 有田市 | 2,350戸 | 20.8% | 15.6% | 0.6% |
| 有田川町 | 2,530戸 | 20.5% | 17.6% | 2.8% |
| 御坊市 | 2,560戸 | 20.3% | 15.1% | 0.4% |
| 和歌山市 | 38,800戸 | 19.9% | 9.1% | 0.2% |
| 橋本市 | 5,570戸 | 18.8% | 11.7% | 0.6% |
| 紀の川市 | 4,580戸 | 16.5% | 11.2% | 0.9% |
| 上富田町 | 1,060戸 | 14.3% | 9.9% | 1.0% |
| 岩出市 | 2,810戸 | 11.0% | 5.5% | 0.3% |
13市町の空き家率は岩出市11.0%から白浜町43.2%まで約4倍の幅があり、県の21.2%をそのまま自分の町の数字として使える市町は1つもありません。白浜町の43.2%は、二次的住宅(別荘やたまに寝泊まりする住宅)が17.7ポイントを占めるため、「その他の空き家」で見ると15.7%で新宮市と同じ水準です。一方、かつらぎ町は二次的住宅が0.3%しかなく、24.6%のうち18.7ポイントが「その他の空き家」です。空き家率が同じでも、別荘の町と用途未定の空き家の町では、物件の出方がまったく違います。

戸数で見ると、和歌山市の3万8,800戸が県全体の約37%を占め、田辺市9,970戸、白浜町7,190戸が続きます。和歌山市の空き家は賃貸用が1万9,490戸と約半分で、「その他の空き家」は9.1%と県平均より低い市です。13市町の空き家数を足すと約8万8,600戸で、県の10万5,300戸の約84%にあたります。残る約1万6,700戸が、串本町・那智勝浦町・湯浅町・みなべ町など統計に載らない17町村の空き家ということになります(本記事の試算値)。市町別の戸数と内訳は、e-Statの令和5年住宅・土地統計調査 表34-2(空き家の種類別空き家数、全国・都道府県・市区町村)で確認でき、不動産ガイダンスの都道府県別・市区町村別の空き家数・空き家率のページには同じ調査の市区町村別の値が一覧化されています。
和歌山県の空き家の数字を打ち手に落とす7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップの文面は、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。8本すべてを使う必要はなく、ステップ2の4種類の内訳とステップ4の空き家バンクの2本だけでも、「物件が出ない」理由は数字で説明できるようになります。初めての方も、始め方は次の3行だけです。
- スマホのアプリストアで「ChatGPT」の公式アプリを入れる(無料版で十分です)
- メールアドレスで登録する(3分ほどで終わります)
- この記事の文面をコピーして貼り付け、( )の中を自分の町と用途に書き換えて送信する
ステップ1: 県と自分の市町の1行を写す
最初にやることは、県の「21.2%・10万5,300戸」と自分の市町の空き家率・空き家数を、調査時点「2023年10月1日現在」とセットで書き写すことです。計画書に「和歌山県の空き家率は全国最高」とだけ書くと、審査担当者は「それで、あなたの町は?」と必ず聞きます。調査時点は2023年10月1日、公表は2024年9月25日、次回調査は5年後の2028年なので、2026年に「最新」と書けるのはこの値だけで、「2026年の空き家率」という数字は存在しません。
あなたは地域の住宅統計を読み解くアドバイザーです。以下の材料から、私の町の空き家の要点を整理してください。
【材料】
・和歌山県の空き家率と空き家数: (例: 21.2%・105,300戸。2023年10月1日現在)
・私の市町の空き家率と空き家数: (例: 田辺市 24.3%・9,970戸)
・全国の空き家率: (例: 13.8%)
・私の業種と計画: (例: 田辺市の旧市街で古民家を6室の宿にしたい)
出力: ①県・市町・全国の3つの数字を1行で比べた文 ②私の計画に直接関係する数字はどれか ③この1行だけでは分からないことを3つ。材料にない数値を補わず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、資料を混ぜないことです。紀伊民報の記事は総住宅数を「49万7千戸」としており、民間サイトの表では「49万5,600戸」など丸め方の違う値も見かけます。計画書には空き家率と空き家数だけを書き、総住宅数を書くときはe-Statの値を自分で確認してください。
ステップ2: 空き家を4種類に分け「その他の空き家」を見る
空き家率の次に見るのは、賃貸用・売却用・二次的住宅・その他の4種類の内訳です。賃貸用は不動産会社が募集中の部屋、売却用は売りに出ている家、二次的住宅は別荘やたまに寝泊まりする住宅で、所有者に用途があります。宿や店の候補になる可能性があるのは主に「その他の空き家」で、和歌山県では5万9,800戸・12.1%、白浜町では2,610戸・15.7%、かつらぎ町では1,450戸・18.7%です。白浜町の空き家7,190戸のうち2,940戸は二次的住宅なので、「白浜は4割が空き家」という言い方は、別荘を空き家に数えた数字だと知ったうえで使ってください。
あなたは観光地の住宅統計を事業計画に引き直すアドバイザーです。以下の材料から、私の町の空き家の中身を整理してください。
【材料】
・私の市町の空き家数と4種類の内訳: (例: 白浜町 7,190戸。賃貸用1,620・売却用20・二次的住宅2,940・その他2,610)
・「その他の空き家」の率: (例: 15.7%)
・私の計画と欲しい物件: (例: 海まで徒歩圏の一戸建てを一棟貸しの宿にしたい)
出力: ①4種類のうち私の計画の候補になりうる区分とその戸数 ②二次的住宅が多い町で起きやすいこと(仮説として) ③「その他の空き家」が多くても物件が出ない理由を3つ ④材料から判断できない点。材料にない戸数を推定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、「その他の空き家」をすべて「買える・借りられる」と読まないことです。この区分には、仏壇や荷物が残ったままの家、相続で所有者が決まらない家、壊すつもりの家が含まれます。統計はあくまで「用途が決まっていない」ことしか示しません。
ステップ3: 自分の町が国の統計に載るか確かめる
和歌山県の30市町村のうち、住宅・土地統計調査で市町村別の値が公表されるのは13市町だけです。串本町・那智勝浦町・太地町・湯浅町・みなべ町・日高川町などは人口1万5千人未満のため、国の統計には町別の空き家率が載りません。統計に載らない17町村で空き家の数字を使うときは、町が独自に実施した空き家実態調査と空家等対策計画の値を使い、県の21.2%を自分の町の数字として書かないでください。たとえば串本町は空家等対策計画(令和8年3月・概要版)を公表しており、那智勝浦町は町の空き家対策のページで第1期(2019〜2023年度)に続く第2期の空家等対策計画を案内しています。

あなたは自治体の公開資料を探すのが得意なリサーチャーです。以下の材料から、私の町の空き家の数字の出どころを整理してください。
【材料】
・私の町の名前: (例: 串本町)
・国の住宅・土地統計調査に町別の値が載るか: (例: 載らない。人口1万5千人未満)
・町が公表している資料: (例: 空家等対策計画 令和8年3月 概要版)
・資料に書かれている空き家の戸数・率・調査年: (分かる範囲。無ければ「不明」)
出力: ①計画書に書くべき数字と出典名・調査年 ②国の統計(県の値)と町の実態調査の定義の違いとして注意すべき点 ③町の資料に無い場合に次に当たる窓口。材料にない戸数や率を推定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、町の実態調査と国の統計を1つの表に並べないことです。町の調査は外観目視で「空き家らしい家」を数える方式が多く、国の標本調査とは定義も時点も違います。並べるなら、出典と調査方法を行ごとに書いてください。
ステップ4: 空き家バンクで「動く空き家」を数える
統計の空き家は、所有者が動かない限り物件になりません。実際に動いた空き家の数は、空き家バンクの実績で分かります。紀伊民報の2025年6月16日の記事によると、和歌山県の空き家バンクの新規登録は2015年度の55件から2024年度は296件へ増え、3年連続で過去最多でした。利用登録者(活用希望者)の新規登録は2024年度に981人、成約は2024年度に139件(売買93件・賃貸借46件)です。JC-NETの2026年10月2日の記事によると、2015年度から2025年12月末までの累計登録は1,531件、成約は668件(売買393件・賃貸275件)で、県の空き家10万5,300戸に対して市場に出た物件は累計でも約1.5%です。登録物件は、県が運営するわかやま住まいポータルサイトで市町村ごとに検索できます。
あなたは移住・出店の物件探しを支援するアドバイザーです。以下の材料から、私の町で「動く空き家」がどれだけあるかを見積もってください。
【材料】
・県の空き家数と空き家バンクの累計登録・成約: (例: 105,300戸。累計登録1,531件・成約668件)
・県の年度別の新規登録と利用登録者: (例: 2024年度 登録296件・利用登録者981人・成約139件)
・私の町で現在ポータルに載っている物件数と種類: (例: 白浜町 戸建て4件・マンション2件)
・私の欲しい物件の条件:
出力: ①統計の空き家と市場に出る空き家の差を1文で ②利用登録者と登録物件の比から分かる競争の度合い(仮説) ③ポータルの掲載を待つ以外に物件が出る経路を3つ ④材料から判断できない点。材料にない件数を推定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、空き家バンクの「登録件数」と「掲載中の件数」を混ぜないことです。累計1,531件は過去に登録された総数で、すでに成約した668件を含みます。今日探せる物件は、ポータルに掲載中のものだけです。
ステップ5: 法律と税の期限を需要カレンダーに書き込む
空き家の所有者が2026〜2027年に動く理由が2つあります。1つ目は空家法の改正です。和歌山市の空き家法の改正についてのページによると、2023年12月13日に改正空家等対策特別措置法が施行され、放置すれば特定空家となるおそれのある「管理不全空家」も指導・勧告の対象になり、勧告を受けると敷地の固定資産税の住宅用地特例が解除されます。2つ目は相続登記の義務化です。法務省の相続登記の申請義務化のページによると、2024年4月1日から相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記が義務になり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。施行前に相続した未登記の不動産は2027年3月31日までに申請が必要です。「2027年3月31日の相続登記の期限」と「管理不全空家の勧告で固定資産税の特例が外れること」の2つは、長年動かなかった所有者が手放すか貸すかを考える具体的なきっかけで、物件が出る時期を読むカレンダーに入れておく価値があります。
あなたは空き家の所有者と事業者の両方の事情に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の町で空き家が市場に出やすい時期を整理してください。
【材料】
・相続登記の義務化の期限: (例: 施行前の相続分は2027年3月31日まで、以後は知った日から3年以内)
・空家法改正の内容: (例: 2023年12月13日施行。管理不全空家も勧告対象、勧告で住宅用地特例が解除)
・私の町の相談窓口: (例: わかやま空き家相談窓口 073-498-8484、町の建設課)
・私が物件を使いたい時期:
出力: ①所有者が動きやすい時期と理由を「仮説」として2つ ②その時期の前に私が準備しておくこと3つ ③法律や税の内容で専門家に確認すべき点。税額や補助額を材料の範囲を超えて断定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、税や登記の個別判断を自分で下さないことです。和歌山県は空き家相談に関する情報のページで「わかやま空き家相談窓口」(073-498-8484)を案内しており、建築士会・宅地建物取引業協会・司法書士会・弁護士会などの専門家団体と連携しています。所有者側の相続や登記の相談は、この窓口か各団体に回してください。
ステップ6: 物件を「宿・店舗・住居・解体」の用途で分ける
候補の空き家が見えてきたら、用途で4つに分けます。宿にするなら、年180日以内の民泊届出か通年の旅館業許可かで分かれ、和歌山県の条例では管理者の駐在が求められます。手順と費用は和歌山の民泊開業の手順と費用|届出7ステップと初期費用の内訳【2026年9月】で扱っています。店舗にするなら、前の店の設備が残る居抜きかどうかで初期費用が変わり、探し方は和歌山の居抜き物件の探し方|造作譲渡の注意点と7ステップ【2026年9月】で扱っています。白浜町の空き家7,190戸のうち二次的住宅が2,940戸と賃貸用が1,620戸で、「その他の空き家」2,610戸より多いので、白浜で宿の物件を探すなら、放置された家より「使われなくなった別荘・リゾートマンション」の所有者に当たるほうが現実的です。白浜の土地・空き家を宿泊施設にする採算の判断は白浜の土地活用で宿泊施設を始める方法|7ステップと採算チェック【2026年9月】で扱っています。
あなたは宿・店舗の開業物件を見立てるアドバイザーです。以下の材料から、候補の空き家の用途を仮に分類してください。
【材料】
・物件の種類と所在: (例: 白浜町の海沿いの木造2階建て・築40年)
・現状: (例: 別荘として年に数回使用。荷物あり。駐車場2台)
・私の希望用途: (例: 一棟貸しの宿、または昼だけのカフェ)
・分かっている制約: (例: 市街化区域内、接道2m、浄化槽)
出力: ①宿・店舗・住居・解体のどれに向くかと理由 ②用途ごとに最初に確認する許可・届出の窓口 ③この物件で絶対に見落としてはいけない点を3つ ④材料から判断できない点。許可の可否や工事費を材料の範囲を超えて断定せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは地域の事業者として空き家の所有者に初めて連絡する立場です。以下のひな形を【材料】で書き換え、所有者への手紙の文面を300字以内で作ってください。
ひな形: 「突然のお手紙で失礼いたします。〇〇(町名)で△△(業種)を営んでおります◇◇(名前)と申します。□□(物件の場所)のお住まいについて、もし今後のご予定が決まっていないようでしたら、賃貸か売却のご相談をさせていただけないかと思い、お便りしました。ご迷惑でしたらこのままお捨て置きください。」
【材料】
・町名・業種・名前・連絡先:
・物件の場所の言い方:
・私が考えている使い方(1文):
条件: 金額は書かない/急がせない/返信の手段を2つ示す。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、所有者の特定を自分で無理に進めないことです。登記簿で所有者を調べることはできますが、相続未登記の家では登記名義人がすでに亡くなっていることがあります。その場合は、町の空き家担当課か「わかやま空き家相談窓口」を通して連絡するのが遠回りに見えて早道です。
ステップ7: 来月の一手を1つ決め、自店の数字で測る
ステップ1〜6で分かった「県・町・内訳・動く件数・期限・用途」を1行にまとめ、来月やることを1つだけ決めます。和歌山で空き家を宿や店にしたい事業者の来月の一手は、「ポータルに新しい物件が出るのを待つ」ではなく、「町の空き家担当課とわかやま空き家相談窓口に、欲しい物件の条件を書面で預ける」の1つに絞るのが、最も早く結果が数字で出る動き方です。空き家バンクの利用登録者は2024年度だけで981人います。待つ側に回ると、その981人と同じ列に並ぶことになります。
あなたは小さな事業者の実行計画を支援するアドバイザーです。以下の材料から、来月試す一手を1つに絞ってください。
【材料】
・私の町の空き家率と「その他の空き家」率: (例: 田辺市 24.3%・13.5%)
・県の空き家バンクの実績: (例: 累計登録1,531件・成約668件・2024年度利用登録者981人)
・私が欲しい物件と用途: (例: 旧市街の町家を6席の食堂に)
・使える時間(週に何時間)と予算:
出力: ①来月の一手を1つ(誰に・何を・どこで・いつ) ②効いたかどうかを判断する数字を1つと数え方(例: 紹介された物件の件数) ③やらないと決めること2つ ④材料から判断できない点。成果の件数を約束せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、統計の数字で効果を測ろうとしないことです。次の住宅・土地統計調査は2028年で、あなたの打ち手の効果は県の空き家率には現れません。効果は「紹介された物件の件数」「内見した件数」「所有者と話せた件数」で数えてください。
業種別|和歌山の空き家統計で見る列を変える
同じ空き家の数字でも、業種によって見るべき列と最初に用意するものが違います。自分に近い行から着手してください。
| 業種 | 最初に見る数字 | 最初に用意するもの | 打ち手の方向 |
|---|---|---|---|
| 宿・民泊・一棟貸し | 二次的住宅と「その他の空き家」の内訳 | 用途(民泊届出か旅館業許可か)と管理者の駐在体制 | 別荘・リゾートマンションの所有者に当たる |
| 飲食店・小売店 | 市街地のある市の「その他の空き家」率 | 居抜きか内装からかの初期費用の見積り | 町の商工会と不動産会社に条件を預ける |
| 建設・リフォーム・解体 | 「その他の空き家」の戸数と管理不全空家の勧告 | 空き家の改修・除却の事例写真と見積りの型 | 空き家相談窓口の専門家団体とつながる |
| 不動産・士業 | 空き家バンクの利用登録者981人と成約139件 | 相続登記・管理不全空家の相談メニュー | 2027年3月31日の期限前に所有者へ案内する |
| 農林水産 | 田辺市・有田川町・かつらぎ町の「その他の空き家」 | 作業場・直売所・滞在用に使える条件の整理 | 農地つき空き家を町の担当課に相談する |
| 泉州・大阪からの進出 | 大阪府14.2%と和歌山県21.2%の差 | 和歌山側の町の内訳と空き家バンクの掲載状況 | 地元事業者と組んで物件情報を先に取る |
和歌山の宿にとって空き家統計は「白浜の二次的住宅2,940戸のうち何戸が手放されるか」の数字であり、飲食店や小売店にとっては「和歌山市や田辺市の『その他の空き家』が居抜きで出るか」の数字です。同じ県にいても、見る列は正反対です。
泉州・南大阪との比較も入れておきます。同じ令和5年調査で、大阪府の空き家率は14.2%、泉佐野市12.3%、岸和田市13.8%、堺市12.9%、泉南市13.5%、阪南市15.2%、貝塚市14.8%で、三重県は16.3%です(不動産ガイダンスの市区町村別一覧による)。阪和自動車道や南海本線で和歌山市まで1時間前後の泉州の事業者から見ると、和歌山県は空き家率が1.5倍で、しかも「その他の空き家」の率は2倍以上の地域です。和歌山DX総合研究所が泉州の事業者にも和歌山の市町別の内訳を勧めるのは、泉州では出にくい一戸建ての物件が、和歌山側では所有者の事情次第で動く可能性があるためです。ただし、ポータルに載る物件は限られるので、地元の事業者と組んで情報を先に取る動き方が前提になります。
【要注意】和歌山の空き家率で失敗する4つのパターン
手順を踏んでも、次の4つのどれかに当てはまると、数字が計画書の飾りで終わります。4つに共通するのは、「統計の空き家」と「自分が使える空き家」を同じものだと思っている点です。順に確認してください。
失敗1: 白浜町の43.2%を「白浜は4割が放置されている」と読む
❌ よくある間違い: 「白浜町は空き家率43%」という数字だけを計画書に書き、物件は選び放題で家賃も安いはずだと前提を置く。
⭕ 正しいアプローチ: 白浜町の空き家7,190戸を4種類に分け、二次的住宅2,940戸・賃貸用1,620戸・その他2,610戸と書き、「その他の空き家」の率15.7%を使う。
なぜ重要か: 白浜町の空き家率43.2%のうち17.7ポイントは別荘などの二次的住宅で、「その他の空き家」で見ると15.7%と新宮市と同じ水準だからです。別荘は所有者に用途があり、安く貸す理由がありません。白浜で動く可能性があるのは、使われなくなった別荘やリゾートマンションを「手放したい」と考え始めた所有者の物件で、放置された家ではありません。
失敗2: 県の21.2%を自分の町の数字として書く
❌ よくある間違い: 「和歌山県の空き家率は全国最高の21.2%」を那智勝浦町や串本町の計画書にそのまま書く。
⭕ 正しいアプローチ: 13市町なら国の統計の町別の値を、それ以外の17町村なら町の空家等対策計画の実態調査の値を、出典と調査年つきで書く。
なぜ重要か: 13市町だけでも空き家率は岩出市11.0%から白浜町43.2%まで約4倍の幅があり、県の平均が自分の町に当てはまる保証はどこにもないからです。審査担当者が同じ統計を開いて「あなたの町は載っていませんね」と気づいた瞬間に、表全体の信頼が下がります。
失敗3: 統計の空き家を「買える・借りられる物件」と思う
❌ よくある間違い: 「田辺市に空き家が9,970戸ある」から、半年探せば条件に合う物件が見つかると見込んで開業時期を決める。
⭕ 正しいアプローチ: 県の空き家バンクの累計登録1,531件・成約668件と、今ポータルに載っている自分の町の物件数を並べ、「市場に出る空き家は統計の約1.5%」を前提に、所有者に直接当たる経路を用意する。
なぜ重要か: 和歌山県の空き家10万5,300戸のうち、空き家バンクに登録された物件は2025年12月末までの累計でも1,531件で、利用登録者は2024年度だけで981人いるからです。SNSの企画・運用の現場でも、市場全体の大きさを自社に届く数だと思い込んで時期を外す失敗はよく起きます。統計の空き家は市場の大きさ、空き家バンクの件数が自分に届く数です。
失敗4: 所有者・登記・税の期限を確かめずに改修を始める
❌ よくある間違い: 口約束で「使っていい」と言われた空き家に先に手を入れ、あとから別の相続人が現れて使えなくなる。
⭕ 正しいアプローチ: 登記の名義人と相続の状況を先に確かめ、相続未登記なら2027年3月31日の期限と相続登記の義務を所有者に伝え、契約書を交わしてから改修する。
なぜ重要か: 相続登記は2024年4月1日から義務になり、施行前の相続分も2027年3月31日が期限で、名義が整理されていない家は契約の相手が決まらないからです。改正空家法で管理不全空家の勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れるため、所有者側にも整理を急ぐ事情があります。期限は、所有者を急かす材料ではなく、一緒に整理を進める材料として使ってください。
ここまでの内容は、国の統計と町のPDFと電卓だけであなた1人でも進められます。それでも「候補の町は決まったが、物件を宿か店にしたあとの集客と予約の受け皿を作る手が足りない」という段階でつまずくことはあります。株式会社Tip(※当コラムの運営元です)では、和歌山県内の事業者向けにInstagram・TikTok運用を月10万円(企画・台本・撮影・編集・投稿まで)、ホームページ制作を10万円(5ページまで・スマホ対応・問い合わせフォーム込み)、対面DX・AI伴走支援を月10万円(月1回の現地訪問とチャット相談)で承っています。いずれも税別で、税区分等の詳細は無料ヒアリングでご案内します。空き家を手放したい所有者の方には、不動産買取の相談・紹介の窓口(相談・紹介は無料、査定や契約は提携先の専門業者と直接行います)もあります。相談の際は、この記事のステップ1〜7で書いた「県・町・内訳・動く件数・期限・用途」の1行を持ってきてください。数字が揃っている相談は、必ず短く済みます。
計画書・物件探しで使う前に確認する8項目(チェックリスト)
和歌山の空き家の数字を計画書や会議資料に載せる前、物件探しを始める前に、当てはまるものにチェックを入れてください。
- □ 使っている数字が「令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在)」のものだと書いてある
- □ 県の21.2%ではなく、自分の市町の空き家率と空き家数を書いてある
- □ 空き家を賃貸用・売却用・二次的住宅・その他の4種類に分け、「その他の空き家」の率を出してある
- □ 自分の町が13市町に入るか、入らなければ町の空家等対策計画の値を使っている
- □ 空き家バンクの累計登録1,531件・成約668件と、今ポータルに載っている自分の町の件数を並べてある
- □ 相続登記の期限(2027年3月31日)と管理不全空家の勧告の仕組みを知っていて、所有者に説明できる
- □ 候補物件を宿・店舗・住居・解体のどれかに分類し、最初に相談する窓口を決めてある
- □ 表の下に「総務省 令和5年住宅・土地統計調査(参照日)」の1行がある

8項目のうち0〜2個ならまだ数字を外に出してはいけない状態で、3〜5個なら足りない項目を埋めてから、6〜8個なら計画書に載せて構いません。特に見落とされやすいのが3つ目です。「空き家率」までは多くの方が知っていますが、二次的住宅と「その他の空き家」を分けて言える方は少なく、そこで白浜町の読み方が変わります。
空き家バンクの登録は9年で5倍、利用希望者は981人|市場に出る空き家を先に取る側に回る
「空き家が10万戸あるなら、急がなくても物件は出てくるのでは」と感じるかもしれません。数字を分けて見ると、急ぐ方向が変わります。
まず、動く空き家の伸び方です。紀伊民報の2025年6月16日の記事によると、県の空き家バンクの新規登録は2015年度の55件から2024年度の296件へと9年で5倍以上に増え、利用登録者の新規登録も2022年度626人、2023年度769人、2024年度981人と増え続けています。2024年度の成約は139件でした。2024年度は981人の利用希望者に対して新規登録が296件・成約が139件で、物件1件を7人以上で探す計算になり、「出てきた物件を見て決める」側に回ると、条件の良い物件ほど先に決まります。一方、県全体の空き家は2018年の9万8,400戸から2023年の10万5,300戸へ増えており、市場に出る空き家の割合は依然として小さいままです。
次に、制度の動きです。2026年9月8日には和歌山県とAirbnb Japanが空き家の利活用による地域のにぎわい創出を目的とした連携協定を結び、宿泊向けの空き家活用アドバイザーと民泊スタートアップセミナーが橋本市・伊都郡エリアを起点に始まります。協定で届出や許可の要件は変わりませんが、「空き家を宿にする」相談先が公的に増えた点は、県が空き家を宿泊に回す方向を示した出来事です。詳しくは和歌山県とAirbnbが空き家活用で連携協定|起点は橋本市・伊都郡【2026年9月】で扱っています。県は和歌山県空家等対策推進協議会を2016年度に設け、2026年2月16日の第19回協議会では所有者不明の管理不全空家等への対策マニュアルを改訂しています。所有者側の整理が進む仕組みは、行政側でも年々整っています。
あなたの計画に引き直すと、たとえば田辺市で町家を店にしたい場合、田辺市の「その他の空き家」5,550戸のすべてが候補ではなく、ポータルに今載っている田辺市の物件と、所有者に直接当たって出てくる物件だけが候補です。田辺市は2020年から2025年の5年で人口が7.95%減った一方で世帯数は2.76%しか減っておらず、家の数が人口ほど減っていないことは田辺市の人口推移|6万4,316人の読み方と商圏への引き直し7ステップ【2026年9月】で扱っています。空き家が増える構造は今後も続く見込みですが、「あなたに届く物件」は、条件を書面で預けた先からしか出てきません。先に動いた事業者が、そのまま選べる側に回れるタイミングです。
よくある質問
迷ったときは「和歌山県は21.2%・10万5,300戸(2023年10月1日現在)」「その他の空き家は12.1%・5万9,800戸」「白浜町43.2%のうち17.7ポイントは二次的住宅」「空き家バンクの累計登録は1,531件」の4点に戻れば、ほとんどの疑問は解けます。残りは町と用途で分かれる点です。
Q. 和歌山県の空き家率は2026年で何%ですか?
2026年の値はありません。最新は総務省の令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在)の21.2%・10万5,300戸で、2024年9月25日に確報が公表されました。住宅・土地統計調査は5年ごとなので次回は2028年の調査で、2026年に計画書へ書けるのは「2023年調査の21.2%」だけです。「2026年の空き家率」と書かれた数字を見かけたら、出典を確かめてください。
Q. 和歌山県の空き家の件数は何戸ですか?
10万5,300戸です(2023年10月1日現在)。内訳は賃貸用3万5,100戸、売却用2,400戸、二次的住宅8,000戸、その他の空き家5万9,800戸です。前回2018年調査の9万8,400戸から約7,000戸増え、空き家率は20.3%から21.2%へ0.9ポイント上がりました。戸数は一戸建ても共同住宅の1室も1戸と数えます。
Q. 和歌山県で空き家率が最も高い市町村はどこですか?
国の統計に載る13市町では白浜町の43.2%(7,190戸)が最も高く、かつらぎ町24.6%、田辺市24.3%、新宮市23.8%が続きます。最も低いのは岩出市の11.0%です。ただし白浜町の43.2%には別荘などの二次的住宅17.7ポイントが含まれ、「その他の空き家」で見るとかつらぎ町18.7%、有田川町17.6%のほうが高くなります。戸数で最も多いのは和歌山市の3万8,800戸です。
Q. 白浜町の空き家率はなぜ43%もあるのですか?
統計の空き家に別荘やリゾートマンションの住戸が含まれるからです。白浜町の空き家7,190戸のうち二次的住宅は2,940戸・17.7%で、県全体の二次的住宅の率1.6%の10倍以上です。白浜町の「その他の空き家」は2,610戸・15.7%で新宮市と同じ水準なので、放置された空き家が特に多い町というより、別荘の多さが空き家率を押し上げている町です。宿の物件を探すなら、別荘やリゾートマンションの所有者の動きを見るほうが現実的です。
Q. 串本町や那智勝浦町の空き家率は分かりますか?
国の住宅・土地統計調査では分かりません。市町村別の値が公表されるのは市と人口1万5千人以上の町村で、和歌山県では13市町だけです。串本町・那智勝浦町・太地町・湯浅町・みなべ町などは町が独自に実施した空き家実態調査と空家等対策計画の値を使い、県の21.2%を町の数字として書かないでください。串本町は2026年3月に空家等対策計画の概要版を公表しており、那智勝浦町は第2期の空家等対策計画を町のページで案内しています。
Q. 和歌山の空き家の統計はどこで見られますか?
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査のページと、e-Stat(政府統計の総合窓口)です。市町村別の空き家数と4種類の内訳はe-Statの表34-2「空き家の種類別空き家数(全国・都道府県・市区町村)」で取れ、e-Statの値は10戸単位に丸められています。空き家バンクの登録・成約件数は県の地域振興課の発表と地元紙の報道で確認でき、掲載中の物件はわかやま住まいポータルサイトで検索できます。
Q. 泉州・大阪と比べて和歌山の空き家は多いのですか?
多いです。同じ令和5年調査で大阪府の空き家率は14.2%、泉佐野市12.3%、岸和田市13.8%、堺市12.9%、阪南市15.2%で、和歌山県の21.2%は大阪府の1.5倍です。「その他の空き家」の率は大阪府4.6%に対して和歌山県12.1%と2倍以上で、泉州で出にくい一戸建ての物件が和歌山側では所有者の事情次第で動く可能性があります。ただしポータルに載る物件は少ないので、地元の事業者や相談窓口と組んで情報を先に取る動き方が前提です。
Q. 空き家を宿や店にしたいのですが、何から始めればいいですか?
用途を先に決めることからです。宿なら年180日以内の民泊届出か通年の旅館業許可かで物件の条件が変わり、和歌山県の条例では管理者の駐在が求められます。物件探しは、ポータルの掲載を待つより、町の空き家担当課と「わかやま空き家相談窓口」(073-498-8484)に欲しい条件を書面で預けるほうが早く、所有者が見つかったら相続登記と契約書を先に整えてから改修に入ってください。古民家を宿にしたあとの集客は古民家 宿 集客の改善実務|魅力・不便・予約条件を伝える7ステップ【2026年】で扱っています。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 和歌山県の21.2%・10万5,300戸と自分の市町の行を調査時点つきで書き写し、ステップ2の文面で4種類の内訳を分け、「その他の空き家」の率に丸をつける
- 今週中にやること: 自分の町が13市町に入るかを確かめ、入らなければ町の空家等対策計画のPDFを探す。あわせて、わかやま住まいポータルで候補の町の掲載物件数を数え、累計登録1,531件・成約668件と並べる
- 今月中にやること: 候補物件を宿・店舗・住居・解体のどれかに分類し、町の空き家担当課と「わかやま空き家相談窓口」に欲しい条件を書面で預ける。相続登記の期限2027年3月31日を手帳に書いておく
7つすべてを一気にやる必要はなく、4種類の内訳を分けることと空き家バンクの件数を並べることの2つを済ませるだけで、和歌山の空き家の数字は「多いらしい」から「自店の根拠」に変わります。
次回予告: 同じ住宅・土地統計調査の数字を、市町村別の観光客数と重ねて読むと、「宿泊客は増えているのに宿の受け皿が空き家のまま」という町が見えてきます。市町村別の観光客数は和歌山県の観光客数 市町村別2025|30市町村の増減と明日の打ち手【2026年9月】で扱っており、本記事の13市町の表と並べて読むことをおすすめします。
参考・出典
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」2024年9月25日公表(全国の空き家900万2千戸・13.8%、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家385万6千戸・5.9%、都道府県別空き家率) 令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果(統計局) / 結果の概要(PDF) / 調査の概要(標本規模約340万住戸・5年周期)(参照日: 2026-10-14)
- e-Stat「令和5年住宅・土地統計調査 表34-2 空き家の種類(4区分)、腐朽・破損の有無(2区分)、建て方(2区分)、構造(2区分)別空き家数-全国、都道府県、市区町村」2024年9月25日公表 e-Stat 表34-2(参照日: 2026-10-14)
- 不動産ガイダンス「都道府県別・市区町村別の空き家数・空き家率」(令和5年住宅・土地統計調査の市区町村別の空き家数と4種類の内訳の一覧。本記事の13市町・泉州各市・大阪府・三重県の値はこの一覧から転記し、率は小数第1位に丸めた) 都道府県別・市区町村別の空き家数・空き家率(参照日: 2026-10-14)
- 紀伊民報AGARA「空き家率全国トップ 和歌山県、総住宅数の21%」2024年5月10日(和歌山県21.2%・10万5千戸、2008年17.9%・2013年18.1%・2018年20.3%の推移、前回から約7千戸増) 紀伊民報の記事(参照日: 2026-10-14)
- 紀伊民報AGARA「新規登録、3年連続最多 空き家バンク制度開始10年、累計586件成約、和歌山県」2025年6月16日(2024年度新規登録296件、利用登録者981人、成約139件、2015年度55件からの推移) 紀伊民報の記事(参照日: 2026-10-14)
- JC-NET「数字でみる和歌山県の空き家問題 10.5万戸、空き家率21.2%で全国2位 利用目的のない空き家は約5.9万戸」2026年10月2日(空き家バンク2015年度〜2025年12月末の累計登録1,531件・成約668件〈売買393件・賃貸275件〉、利用目的のない空き家12.1%) JC-NETの記事(参照日: 2026-10-14)
- ダイヤモンド不動産研究所「和歌山県の空き家率は21.25%で全国2位【2025年版】」2025年7月13日公開・2025年10月15日更新(県の長期推移、市町村別上位5位) ダイヤモンド不動産研究所の記事(参照日: 2026-10-14)
- 和歌山県「わかやま住まいポータルサイト」(地域振興部地域政策局地域振興課。空き家バンク登録物件の検索) わかやま住まいポータルサイト(参照日: 2026-10-14)
- 和歌山県「空き家相談に関する情報」(わかやま空き家相談窓口 073-498-8484、連携する専門家団体) 和歌山県 空き家相談に関する情報(参照日: 2026-10-14)
- 和歌山県「和歌山県空家等対策推進協議会」(2016年度設置、第19回2026年2月16日、判断基準2025年2月14日改定、対策マニュアル2026年2月16日改訂) 和歌山県空家等対策推進協議会(参照日: 2026-10-14)
- 和歌山市「空き家法の改正について」(2023年12月13日施行、管理不全空家の勧告で住宅用地特例の解除) 和歌山市 空き家法の改正について(参照日: 2026-10-14)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(令和5年改正の施行日・ガイドライン) 国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報(参照日: 2026-10-14)
- 法務省「相続登記の申請義務化」(2024年4月1日施行、知った日から3年以内、10万円以下の過料、施行前の相続分は2027年3月31日まで) 法務省 相続登記の申請義務化(参照日: 2026-10-14)
- 串本町「串本町空家等対策計画(令和8年3月・概要版)」(PDF) 串本町空家等対策計画 概要版(参照日: 2026-10-14)
- 那智勝浦町「那智勝浦町の空き家対策について」(第1期2019〜2023年度、第2期計画の案内、建設課) 那智勝浦町の空き家対策について(参照日: 2026-10-14)
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- 和歌山県とAirbnbが空き家活用で連携協定|起点は橋本市・伊都郡【2026年9月】: 本記事の統計セクションで触れた連携協定の中身と、南紀の事業者が協定を待つ間に進める作業を扱っています
- 白浜の土地活用で宿泊施設を始める方法|7ステップと採算チェック【2026年9月】: 本記事のステップ6で分けた「宿」の用途を、白浜の許可・稼働率・採算の判断まで深掘りしています
著者: 河原将太(かわはら・しょうた) 株式会社Tip代表取締役社長。東京都立大学在学中に事業を始めて法人化し、上場企業を含む20社以上へコンサルティングを提供してきました。現在は白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から発信しています。株式会社Tip編集部が、公開情報・一次情報をもとに確認し、必要に応じて更新しています。
本記事の「13市町の空き家数の合計」「17町村分の戸数」「空き家バンク登録の空き家数に対する割合」「利用登録者と登録物件の比」「大阪府との倍率」は、公開統計と公表値から本記事が計算した試算値で、計画書に使う際は出典と単位を添えてください。住宅・土地統計調査は標本調査で、市町別の値には誤差が含まれ、e-Statの戸数は10戸単位に丸められています。市町別の率は民間サイトの一覧からの転記を本記事で小数第1位に丸めたもので、公的な提出物にはe-Statの原表で再確認してください。本記事は空き家の取得・賃借の可否や税額を判断するものではなく、相続登記・固定資産税の個別の扱いは司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。当社は不動産売買の仲介や登記・税務の代理を行わず、不動産買取は提携先の専門業者への無料の相談・紹介のみです。補助金の要件・採択を保証するものではなく、当社は申請代行を行っておりません。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。