
結論: 白浜町の観光客数は、2025年(令和7年)で325万7,693人(前年比102.30%)です。ネット上でよく見かける「309万人」は誤りではなく、同じ県の統計に載っている旧白浜町地域(白浜温泉・椿温泉地区)だけの数字(309万327人)です。事業計画や融資の資料で数字が食い違って見えるのは、この2つを混ぜて引用しているからです。どちらを使ってもよいのですが、区域と年と出典を必ずセットで書く。それだけで、数字は「調べた形跡」から「使える根拠」に変わります。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県西牟婁郡白浜町で宿・飲食店・小売店・観光アクティビティ・生活サービスを営む方、これから白浜で開業・出店を考えている方、事業計画書や融資の申込書類に「地域の観光客数」を書く必要がある方 読了後にできること: 和歌山県の一次統計から白浜町の観光客数・宿泊客数・月別・外国人宿泊客の実数を自分で取り出し、区域と参照日を明記した形で計画書に貼れる状態になる
「事業計画書の『市場規模』の欄で、手が止まった——。」
白浜で商売をしていれば、観光客が多いことは体感で分かっています。しかし、いざ紙に書こうとすると困ります。検索して出てくるのは「約300万人」「309万人」「325万人」とばらばらの数字で、どれも出典がはっきりしません。町の公式サイトを見ても、観光統計はPDFに分かれていて、どのファイルの何ページに何年の数字があるのかが分かりません。
原因は、あなたの調べ方が悪いからではありません。白浜の観光客数は、そもそも2種類の集計が並行して公表されているからです。和歌山県が毎年出している「観光客動態調査報告書」には、市町村単位の表(=白浜町)と、主要観光地区単位の表(=白浜温泉・椿温泉)の両方が載っています。前者は旧日置川町地域を含み、後者は含みません。この違いを知らずに検索すると、永遠に数字が合いません。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、白浜町の観光客数を一次資料だけで調べる7ステップと、そのままコピペで使える8本のプロンプト、そして「計画書に書ける観光データ・書けない観光データ」を分けるチェックリストを公開します。使う数字は、2026年9月3日時点で和歌山県・白浜町・報道各社の公開資料に掲載を確認できたものだけです。確認できなかったものは「公表されていません」とそのまま書きます。手元に書きかけの計画書を開きながら、読み進めてください。
目次
まず結論:白浜町の観光客数を一次資料で調べる7ステップ(即効早見表)
最初に全体像です。7つを順番に進めれば、他人のまとめサイトを一度も経由せずに、根拠つきの数字が手元に揃います。所要時間は、慣れれば30分ほどです。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 区域を決める | 白浜町全体か旧白浜町地域かを先に決める | 計画書の対象エリアを1行で書く |
| 2. 年計を取る | 県の動態調査報告書から観光客総数を写す | 令和7年報告書のPDFを開く |
| 3. 分解する | 宿泊客と日帰り客に分ける | 2つの数字を並べて比率を出す |
| 4. 月別を見る | 月別推計表で繁閑カレンダーを作る | 自分の売上が高い月と重ねる |
| 5. 外国人を見る | 外国人宿泊客の国別内訳を確認する | 上位3か国を書き出す |
| 6. 推移で測る | コロナ前・10年前と比べて戻り具合を見る | 令和元年の数字を並べる |
| 7. 出典を残す | 資料名・年・区域・URL・参照日を書く | 表の下に脚注を1行足す |

ポイントは順番です。多くの人はステップ2(数字を探す)から始めますが、区域を決めていない状態で検索すると、性質の違う数字を拾って混ぜてしまいます。先に「私が言う白浜とはここのことだ」と決める。これだけで、以降の作業が一本道になります。
ステップ1〜3は最初の10分で終わります。ステップ4〜6は、その数字を「自分の商売の言葉」に翻訳する作業で、ここに時間をかける価値があります。ステップ7は地味ですが、融資面談で「その数字はどこの何年のものですか」と聞かれたときに、答えられるかどうかを分ける一手間です。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
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白浜町の観光客数とは|「旧白浜町」「白浜温泉・椿温泉」との違い
本記事で言う「観光客数」とは、和歌山県が毎年公表している観光客動態調査の推計値、すなわち観光目的で当該地域を訪れた人数(宿泊客+日帰り客)を指します。実際に改札や入口を通った人を全数カウントしたものではなく、主要施設の入込や宿泊施設の実績をもとにした推計である点を、最初に押さえてください。
この統計に出てくる「白浜」は、次の2種類です。
- 白浜町(市町村別の表): 平成18年3月に白浜町と日置川町が合併して生まれた、現在の自治体としての白浜町。令和7年は325万7,693人(前年比102.30%)
- 白浜温泉・椿温泉(主要観光地別の表): 温泉地区としての区分で、対象は旧白浜町地域のみ。令和7年は309万327人(前年比102.77%)
- 差の16万7,366人が、旧日置川町地域の観光客数(前年比94.37%)にあたります

そのうえで、白浜町の観光客数は次の5つの数字で構成されています。この5つが揃って、はじめて「使える市場データ」になります。
- 観光客総数: 325万7,693人(令和7年・白浜町)
- 宿泊客数: 183万727人泊(前年比105.64%)
- 日帰り客数: 142万6,966人(前年比98.31%)
- 外国人宿泊客数: 14万7,169人泊(白浜温泉・椿温泉地区/前年比135.88%)
- 月別の内訳: 最多は8月の33万4,100人、最少は2月の20万7,004人(旧白浜町地域)
以降の7ステップは、この5つを一次資料から順に取り出す手順です。
白浜町の観光客数を調べる7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。数字そのものはあなたが一次資料から取り、AIには「整理」と「言語化」だけを任せる、という分担が前提です。数字探しをAIに丸投げすると、実在しない統計を作られます。
ステップ1: 「どちらの白浜か」を先に決める
自分の商売の商圏が旧白浜町地域(白浜・湯崎・堅田・古賀浦・椿など)に閉じているなら309万327人を、日置・日置川流域まで含めた町全体で語りたいなら325万7,693人を使います。宿・飲食・土産物店のように白浜温泉街で商売しているなら、実態に近いのは前者です。逆に、町の入札や町の補助対象エリアに関わる書類なら、自治体単位である後者を使うのが自然です。
あなたは地域の統計に詳しい調査アシスタントです。以下の材料から、私の事業計画で使うべき「白浜」の区域を1つに決め、その理由を3行で説明してください。
【材料】
・業種と店の場所: (例: 白浜温泉街の民宿6室)
・お客様が実際に来る範囲: (例: 白良浜から徒歩10分圏)
・この数字を書く書類: (例: 日本政策金融公庫の創業計画書)
・選択肢A: 白浜町全体(旧白浜町+旧日置川町)
・選択肢B: 白浜温泉・椿温泉地区(旧白浜町地域のみ)
出力: ①選ぶべき区域 ②理由3行 ③計画書に書く1文の例。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、途中で区域を変えないことです。総数はA、月別はBという混ぜ方をすると、比率の計算が合わなくなります。
ステップ2: 県の報告書から年計を取る
一次資料は、和歌山県地域振興部観光局の和歌山県の観光客動態(観光客動態調査報告書の一覧ページ)です。ここに平成21年分から最新年分までのPDFが並んでいます。令和7年(2025年)分は令和7年 和歌山県観光客動態調査報告書(PDF)で、市町村別の総括表は10〜11ページ、主要観光地別の総括表は6ページにあります。
県全体では、令和7年の観光入込客総数は3,392万7,940人(前年比103.66%)、宿泊客数は547万2,043人泊(同108.06%)でした。白浜町の325万7,693人は、県全体のおよそ9.6%にあたります。
あなたは統計の整理が得意なアシスタントです。以下の材料を、そのまま事業計画書に貼れる表形式(項目/人数/前年比)に整理してください。
【材料】
・出典資料名: 和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」
・区域: (ステップ1で決めた区域)
・観光客総数: (報告書から書き写した実数)
・宿泊客数: (同上)
・日帰り客数: (同上)
・県全体の観光客総数: (同上)
出力: ①整理した表 ②県全体に占める割合の計算 ③表の下に付ける出典脚注の文面。【材料】にない数字を補わないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、報告書のPDFは毎年ファイル名が変わることです。リンクだけでなく「令和7年報告書の何ページ」までメモしておくと、翌年の更新時に迷いません。
ステップ3: 宿泊と日帰りに分解する
白浜町の最大の特徴は、ここに出ます。令和7年の白浜町は、観光客総数325万7,693人のうち宿泊が183万727人泊、日帰りが142万6,966人。宿泊客率にすると56.2%です。同じ年の和歌山県全体の宿泊客率は16.13%ですから、白浜町は県内でも際立って「泊まる町」だということになります。
さらに言えば、県全体の宿泊客数547万2,043人泊のうち、33.5%(約3分の1)が白浜町です。総数のシェアは9.6%なのに、宿泊のシェアは3分の1。この差が、白浜という町の商売の性格そのものです。

あなたは小さな事業者の経営数字に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の店にとっての意味を3点に絞って説明してください。
【材料】
・区域と年: (例: 白浜町・令和7年)
・観光客総数/宿泊客数/日帰り客数: (実数)
・比較対象(和歌山県全体)の同3項目: (実数)
・私の業種と客単価: (例: 昼のみ営業の食堂・客単価1,200円)
出力: ①宿泊客率の計算 ②県全体との差が私の業種に与える影響 ③この構造を前提にした打ち手を1つ。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
昼だけ営業する飲食店と、夕食を出す宿とでは、同じ「325万人」でも狙う層がまったく違います。日帰り客が前年比98.31%と微減している一方、宿泊客が105.64%と伸びている点も、商品設計に直結します。宿の側の具体策は、南紀の宿が直予約を増やす方法|白浜・田辺・串本の実情に合わせた7ステップ【2026年8月】で扱っています。
ステップ4: 月別表で自分の繁閑カレンダーを作る
報告書の14〜15ページには、主要観光地別の月別推計表があります。旧白浜町地域(白浜温泉・椿温泉)の令和7年の月別は、次のとおりです。
| 月 | 観光客総数 | うち宿泊客 | うち日帰り客 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 207,611 | 133,863 | 73,748 |
| 2月 | 207,004 | 128,701 | 78,303 |
| 3月 | 319,230 | 182,023 | 137,207 |
| 4月 | 247,958 | 141,954 | 106,004 |
| 5月 | 258,015 | 176,110 | 81,905 |
| 6月 | 236,318 | 147,524 | 88,794 |
| 7月 | 278,700 | 171,800 | 106,900 |
| 8月 | 334,100 | 180,600 | 153,500 |
| 9月 | 228,509 | 130,392 | 98,117 |
| 10月 | 252,658 | 139,140 | 113,518 |
| 11月 | 258,089 | 145,334 | 112,755 |
| 12月 | 262,135 | 140,047 | 122,088 |
ここに、意外な事実が1つ隠れています。総数の最多は8月(33万4,100人)ですが、宿泊客数の最多は3月(18万2,023人泊)で、8月の18万600人泊をわずかに上回ります。夏は日帰りの海水浴客が総数を押し上げているのであって、「泊まる需要」のピークは春休みの3月なのです。
あなたは観光地の商売に詳しいアドバイザーです。以下の月別データと私の売上を突き合わせ、ずれている月を指摘してください。
【材料】
・地域の月別観光客数: (上の表を貼り付け)
・私の店の月別売上(昨年): (12か月分。概算で可)
・私の業種: (例: 土産物店)
・仕入れ・シフトの都合: (例: 3月は仕入れを絞っている)
出力: ①観光客が多いのに売上が伸びていない月 ②その逆の月 ③最初に手を打つべき1か月とその理由。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは宿泊プラン・商品の企画者です。以下の材料から、対象月に向けた商品案を3つ、商品名・内容・想定価格・ねらいの表で提案してください。
【材料】
・対象月と、その月の地域の宿泊客数・日帰り客数: (実数)
・その月の気候と地域の行事: (例: 3月は春休み、海はまだ冷たい)
・私の業態と提供できるもの: (例: 6室の民宿・地魚の夕食)
・避けたいこと: (例: 大幅な値引き)
条件: 値引きではなく「その月だから成立する体験」を軸にする。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、月別表は「白浜温泉・椿温泉」区分でしか公表されていないことです。町全体の月別が必要な場合は、報告書20〜21ページの市町村別月別推計表を使ってください。
ステップ5: 外国人宿泊客を国別に見る
報告書の33〜34ページには、外国人宿泊客の月別・国別推計があります。白浜温泉・椿温泉地区の令和7年は14万7,169人泊で、前年の10万8,305人泊から135.88%に伸びました。これは和歌山県全体の外国人宿泊客71万4,428人泊の20.6%にあたります。
国別では中国が9万197人泊と突出し、地区全体の約61%を占めます。次いで香港1万4,263人泊、台湾1万111人泊、韓国7,475人泊、米国3,813人泊、ドイツ1,429人泊という並びです。月別のピークは10月(2万108人泊)で、7月(1万7,800人泊)がこれに次ぎます。国内客のピークである8月とはずれています。
あなたはインバウンド対応に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の店が今年やるべき多言語対応の優先順位を決めてください。
【材料】
・地域の外国人宿泊客数と前年比: (実数)
・国別の上位5か国と人泊数: (実数)
・外国人が多い月: (実数)
・私の店の現状: (例: 日本語メニューのみ、英語の口コミが3件未返信)
・かけられる予算と時間: (例: 予算0円、週1時間)
出力: ①対応言語の優先順位と理由 ②今月やること3つ ③やらなくてよいこと2つ。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、1か国への偏りをリスクとして見ることです。約6割を1か国が占める構造は、その国の渡航動向が変われば一気に効きます。上位1か国だけに最適化せず、2位以下の層にも届く準備をしておくほうが安全です。地図とレビューの整え方は、白浜のMEO対策|観光客の「近く検索」に拾われる6ステップ【2026年8月】にまとめています。
ステップ6: 推移で「戻り具合」を測る
単年の数字だけでは、増えているのか戻っているのかが分かりません。報告書7〜9ページの主要観光地別推移表を使うと、白浜温泉・椿温泉地区の観光客総数は次のように動いています。
- 2019年(令和元年): 344万9,092人
- 2020年(令和2年): 237万2,734人
- 2021年(令和3年): 245万5,996人
- 2022年(令和4年): 285万2,155人
- 2023年(令和5年): 295万6,194人
- 2024年(令和6年): 300万7,178人
- 2025年(令和7年): 309万327人
つまり、5年連続で増えてはいるものの、2019年比では約89.6%で、まだ1割ほど届いていません。報告書が併記している平成27年(2015年)との比較でも89.73%です。「過去最高を更新中」ではなく「回復途上」という前提に立つほうが、計画は堅くなります。
あなたは事業計画の作成を支援するアドバイザーです。以下の材料から、計画書の「市場環境」欄に貼れる文章を300字以内で書いてください。
【材料】
・区域と直近年の観光客総数・前年比: (実数)
・過去5〜7年の観光客総数: (実数の一覧)
・コロナ前(2019年)との比較: (%)
・私の事業内容: (例: 白良浜近くでのカフェ開業)
条件: 増加要因も未達要因も両方書く/断定を避け、根拠となる資料名と年を必ず本文に入れる。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
補助的な指標として、南紀白浜空港の利用者数も使えます。報告書39ページによると、令和7年の東京便利用者は24万5,631人(前年比109.81%)で、令和6年の22万3,687人から増えました。首都圏からの流入を語りたいときに便利な数字です。
ステップ7: 出典・参照日をセットで記録する
最後の一手間が、実は一番効きます。数字の下に「資料名・年・区域・URL・参照日」を1行で残してください。融資面談や補助制度の相談で「その数字の出どころは」と聞かれたとき、即答できるかどうかで印象が変わります。書式は次の形で十分です。
出典: 和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」市町村別観光客推計総括表(白浜町)https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/062400/doutai2_d/fil/R7houkokusho.pdf (参照日: 2026-09-03)
あなたは資料作成の校正者です。以下の文章に含まれる数字を1つずつ確認し、出典が書かれていないものを指摘してください。
【材料】
・私が書いた市場環境の文章: (そのまま貼り付け)
・使った資料の一覧: (資料名・年・URL・参照日)
出力: ①出典が欠けている数字の一覧 ②区域や年が曖昧な表現の一覧 ③修正後の文章。【材料】にない数字を新たに追加しないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、AIに「白浜の観光客数を教えて」と直接聞かないことです。年や区域を取り違えた数字が、もっともらしい形で返ってきます。数字は必ず自分で報告書から写し、AIには校正だけをさせてください。
用途別・見るべき数字の選び方
同じ観光統計でも、何に使うかで見るべき欄が変わります。自分の目的に近い行から着手してください。
| 用途 | 見るべき数字 | 一次資料での場所 |
|---|---|---|
| 事業計画・融資の市場環境欄 | 観光客総数と前年比、コロナ前比 | 市町村別総括表/主要観光地別推移表 |
| 出店・立地の判断 | 宿泊客率、宿泊施設の軒数と定員 | 市町村別総括表/宿泊施設収容力(市町村別) |
| 商品と価格の設計 | 月別の宿泊客・日帰り客 | 主要観光地別・市町村別の月別推計表 |
| 採用・シフト計画 | 月別総数の山と谷、外国人の多い月 | 月別推計表/外国人宿泊客月別推計 |

出店を検討している方には、宿泊施設収容力の表(報告書36〜38ページ)も役に立ちます。令和7年の白浜町は474軒・定員1万6,725人(うち旧白浜町地域が446軒・1万6,105人)。一晩に泊まれる人数の上限が見えるので、「宿泊客183万人泊」という数字を現実の器の大きさに引き直せます。物件そのものの探し方は、白浜のテナントの探し方|同名地に埋もれない7ステップと内見チェック【2026年9月】にまとめました。融資の相談窓口については、日本政策金融公庫 田辺支店の使い方|取扱業務と相談前の準備7ステップ【2026年9月】が参考になります。
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【要注意】観光客数の使い方でつまずく4つのパターン
数字を正しく取り出しても、次の4つのどれかに当てはまると、資料としての信頼を落とします。
失敗1: 「309万人」と「326万人」を混ぜて使う
❌ よくある間違い: 総数は町全体の325万7,693人を使い、月別は旧白浜町地域の表から拾って、同じ資料の中で並べてしまう。
⭕ 正しいアプローチ: 区域を1つに固定し、表の見出しに「白浜町(旧白浜町+旧日置川町)」または「白浜温泉・椿温泉地区(旧白浜町地域)」と明記する。
なぜ重要か: 差額は16万7,366人で、比率にすると約5%です。5%のずれは、月別の構成比を計算した瞬間に合わなくなり、読み手に「この人は数字を理解していない」と伝わってしまうからです。
失敗2: 「人泊」と「実人数」を同じものとして扱う
❌ よくある間違い: 宿泊客183万727人泊を「183万人が泊まった」と書き、日帰り142万6,966人と足して「延べ326万人が来た」と説明する。
⭕ 正しいアプローチ: 宿泊は「人泊(延べ泊数)」であることを明記する。2泊した1人は2人泊として数えられるため、実際に泊まった人数は人泊数より少なくなります。
なぜ重要か: 客数の見込みを人泊ベースで立てると、必要な客室数や仕入れ量を過大に見積もることになるからです。県の報告書も、宿泊客だけ単位が「人泊」と書き分けられています。
失敗3: 町全体の入込客数を、そのまま自店の商圏として計算する
❌ よくある間違い: 「325万人×客単価1,200円×取り込み率1%」といった掛け算で売上を立てる。
⭕ 正しいアプローチ: 自店の徒歩圏・車圏に実際に来る層まで絞り込む。宿なら「その月の地域の宿泊客数÷地域の宿泊定員」で稼働の目安を見る、飲食店なら「日帰り客が多い月と時間帯」まで落とす、といった具合です。
なぜ重要か: 白浜町の観光客数は、人口1万9,193人(令和8年7月末現在)のおよそ170倍にあたる規模です。母数が大きすぎるため、取り込み率をわずかに動かすだけで売上見込みが数百万円単位で動いてしまい、計画としての意味を失います。
失敗4: 出典と参照日を書かずに数字だけ貼る
❌ よくある間違い: まとめサイトで見つけた「約300万人」を、出どころを確かめずに計画書へ転記する。
⭕ 正しいアプローチ: 県の報告書PDFまで自分でたどり、資料名・年・区域・URL・参照日を脚注に残す。
なぜ重要か: 観光統計は毎年更新され、遡って修正されることもあります(令和6年報告書にも修正ページが公開されています)。参照日がないと、その数字がいつ時点のものか誰にも検証できず、資料全体の信頼が下がるからです。白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、数字そのものより「どこから取ったか」を聞かれる場面のほうが多いと感じます。
ここまでの作業は、すべて無料で公開されている資料だけで完結します。それでも「PDFを開く時間が取れない」「数字は出せたが計画書の文章にできない」という方もいるはずです。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます(宮古島・伊豆へも現地訪問で対応)。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは書きかけの計画書だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。
※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。
計画書に書ける観光データ・書けない観光データ(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。書きかけの資料を見ながら、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ どの区域の数字か(白浜町全体か旧白浜町地域か)を明記している
- □ 何年(西暦・和暦)の数字かを明記している
- □ 観光客総数を宿泊客と日帰り客に分けて示している
- □ 宿泊客の単位が「人泊」であることを理解し、そう書いている
- □ 月別の山と谷を確認し、自分の売上と重ねている
- □ 外国人宿泊客の国別内訳を確認している
- □ 資料名・URL・参照日を脚注に残している
- □ 町全体の数字を、自店の商圏の規模まで引き直している

特に見落とされやすいのが、最後の「自店の商圏まで引き直す」です。チェックが3つ未満でも心配はいりません。この記事の7ステップは、上から順に進めればチェックが1つずつ埋まる構成になっています。
パンダ返還後も総数は増えた|白浜の需要は「宿泊」に寄っている
2025年6月28日、アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ4頭が中国・成都へ返還されました(歓送セレモニーは前日6月27日)。町の観光への影響を心配する声は当時から大きく、実際に数字にも動きが出ています。
和歌山県の令和7年報告書は、白浜温泉・椿温泉について「ジャイアントパンダの返還直前の5月、6月は報道の影響もあり、入込が前年比で増加したが、翌月7月は減少した」と記述しています。7月単月については、紀伊民報の宿泊客前年比1万人減 パンダ返還や万博影響か、和歌山県白浜温泉7月(2025年8月9日)が、和歌山県白浜温泉旅館協同組合の加盟21施設で宿泊者8万524人・前年比1,042人減と報じました。
それでも、年計では増えています。白浜温泉・椿温泉の観光客総数は309万327人で前年比102.77%、宿泊客数は181万7,488人泊で同105.83%。減ったのは日帰り客(127万2,839人・同98.68%)のほうでした。関西テレビの絶対的アイドル・パンダ不在でも客足好調 アドベンチャーワールドが目指す「地球で1番癒されるパーク」(2026年5月11日)でも、白浜町長が返還直後の7月こそ減ったものの8月には前年を超え、2026年に入っても順調に推移していると述べています。
一方、アドベンチャーワールド単体の入場者数は、運営する株式会社アワーズが毎年定例で公表しているわけではありません。公開ベースでたどれるのは、綜合ユニコムの全国の主要レジャー・集客施設 入場者数ランキング【2019年版】に載った128万8,200人(前年比115.8%)などの調査値です。施設単体の最新入場者数は一次情報として確認できませんでした。事業計画で「アドベンチャーワールドの集客」を根拠にしたい場合は、施設の入場者数ではなく、県の統計で確認できる白浜町の宿泊客数・月別推計を使うほうが、検証可能な資料になります。
構造として押さえておきたいのは、白浜の強みが「来訪者の数」ではなく「泊まる比率」にあることです。白浜町の宿泊客率56.2%に対し、県全体は16.13%。県内宿泊の3分の1が白浜町に集まっています。パンダという1つの目玉に依存しない設計とは、この宿泊需要をどう受け止め直すか、という話にほかなりません。一度泊まった人と連絡が取れる状態を作る方法は、白浜のLINE公式アカウント構築|観光客309万人を再訪につなぐ6ステップ【2026年8月】で具体的に解説しています。
よくある質問
Q. 白浜町の観光客数は今何人ですか?
最新の公表値は令和7年(2025年)で、白浜町全体が325万7,693人(前年比102.30%)です。うち宿泊客が183万727人泊、日帰り客が142万6,966人。出典は和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」の市町村別観光客推計総括表です。
Q. よく見る「309万人」という数字は何ですか?
同じ報告書の主要観光地別の表に載っている、白浜温泉・椿温泉地区(旧白浜町地域)の観光客総数309万327人です。旧日置川町地域の16万7,366人を含まないため、町全体の325万7,693人より少なくなります。どちらも正しい数字なので、区域を明記して使い分けてください。
Q. 南紀白浜の観光客数の推移はどこで見られますか?
和歌山県の観光客動態調査報告書の一覧ページから各年のPDFを開き、主要観光地別推移表(令和7年報告書では7〜9ページ)を見てください。平成23年以降の年次が1枚の表に並んでいます。白浜温泉・椿温泉は2019年の344万9,092人から2020年に237万2,734人まで落ち、2025年の309万327人まで5年連続で回復しています。
Q. アドベンチャーワールドの入場者数は公表されていますか?
運営会社による年次の定例公表は、2026年9月3日時点で確認できませんでした。第三者調査としては綜合ユニコムの入場者数ランキング【2019年版】に128万8,200人(前年比115.8%)の記載があります。最新値が必要な場合は、施設単体ではなく県の観光客動態調査の白浜町の数字を使うことをおすすめします。
Q. パンダの返還で観光客は減りましたか?
年計では減っていません。2025年6月28日の返還後、7月は減少しましたが、白浜温泉・椿温泉の年間の観光客総数は前年比102.77%、宿泊客数は105.83%と増加しました。減ったのは日帰り客(前年比98.68%)です。
Q. 白浜の外国人観光客はどこの国から来ていますか?
令和7年の白浜温泉・椿温泉地区の外国人宿泊客は14万7,169人泊で、国別では中国9万197人泊、香港1万4,263人泊、台湾1万111人泊、韓国7,475人泊の順です。中国だけで約6割を占めるため、1か国の動向に左右されやすい構造になっています。
Q. 白浜町の観光客数が一番多い月はいつですか?
旧白浜町地域では、観光客総数は8月(33万4,100人)が最多です。ただし宿泊客数だけを見ると3月(18万2,023人泊)が最多で、8月(18万600人泊)を上回ります。外国人宿泊客のピークはさらにずれて10月(2万108人泊)です。
Q. 「人泊」とは何ですか? 実際の人数とは違うのですか?
「人泊」は延べ宿泊数の単位で、1人が2泊すれば2人泊と数えます。したがって実際に泊まった人数は人泊数より少なくなります。県の報告書でも、日帰り客の単位は「人」、宿泊客の単位は「人泊」と書き分けられています。客室数や仕入れの計画を立てるときは、この違いを必ず反映してください。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 自分の計画で使う区域を「白浜町全体」か「旧白浜町地域」かに決め、県の令和7年報告書から観光客総数・宿泊客数・日帰り客数の3つを書き写す
- 今週中にやること: 月別推計表から12か月分を写し、自店の昨年の月別売上と並べて、ずれている月を1つ特定する
- 今月中にやること: 特定した月に向けた商品・発信の案を1つ作り、資料には資料名・年・区域・URL・参照日の脚注を付ける
数字を集めることが目的ではありません。「8月が一番忙しいと思っていたが、泊まる人は3月のほうが多かった」——この1行が出てきたときに、はじめて統計はあなたの商売の道具になります。
次回予告: この記事で取り出した月別データを、実際の発信計画に落とし込む方法を白浜のSNS運用代行|300万人が来る町で自分の店が選ばれる発信設計【2026年8月】で扱っています。
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参考・出典
- 和歌山県地域振興部観光局「令和7年 観光客動態調査報告書」(市町村別観光客推計総括表10〜11ページ、主要観光地別観光客推計総括表6ページ、主要観光地別推移表7〜9ページ、主要観光地別観光客月別推計表14〜15ページ、外国人宿泊客主要観光地別月別・国別推計33〜34ページ、宿泊施設収容力36〜38ページ、南紀白浜空港利用者人数39ページ) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/062400/doutai2_d/fil/R7houkokusho.pdf /一覧ページ: https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/062400/doutai2.html (参照日: 2026-09-03)
- 白浜町「白浜町の人口と世帯」(令和8年7月末現在・1万9,193人/1万964世帯) https://www.town.shirahama.wakayama.jp/ (参照日: 2026-09-03)
- 紀伊民報AGARA「宿泊客前年比1万人減 パンダ返還や万博影響か、和歌山県白浜温泉7月」(2025年8月9日/和歌山県白浜温泉旅館協同組合 加盟21施設の集計) https://www.agara.co.jp/article/527716 (参照日: 2026-09-03)
- 和歌山県公式観光サイト「アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ4頭が帰国します」(2025年6月28日帰国・6月27日歓送セレモニー) https://www.wakayama-kanko.or.jp/features/detail_322.html (参照日: 2026-09-03)
- 関西テレビ「絶対的アイドル・パンダ不在でも客足好調 和歌山・白浜町 アドベンチャーワールドが目指す『地球で1番癒されるパーク』」(2026年5月11日) https://www.ktv.jp/news/articles/?id=26951 (参照日: 2026-09-03)
- 綜合ユニコム「全国の主要レジャー・集客施設 入場者数ランキング【2019年版】」(アドベンチャーワールド128万8,200人・前年比115.8%) https://www.value-press.com/pressrelease/227340 (参照日: 2026-09-03)
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※本記事の数値は、記載した資料の公表値および参照日時点の内容です。統計は毎年更新され、過年度分が修正されることもあります。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。