
結論: 和歌山県100年企業表彰は、県が無料で出す第三者評価です。要件は「大正15年(1926年)以前に同一業種で創業し、県内に主たる事業所を持って営業を継続」「現在の従業員(パート含む)が10名以上」など。応募は毎年春(令和8年度は4月1日〜5月20日必着)で、2026年9月6日時点で今年度の受賞発表は県のサイトに出ていません。つまり今やるべきは応募ではなく、創業年を証明する資料をそろえ、推薦書をもらう団体を決めておくことです。この準備は、受賞の有無にかかわらず採用・与信・販促にそのまま使えます。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県、特に南紀(田辺・白浜・新宮・みなべ・串本・那智勝浦・御坊)で長く続く事業を営む経営者・後継者と、宿泊・飲食・小売・農水産・製造の現場責任者 読了後にできること: 自社が県の100年企業表彰の要件に当てはまるかを自分で判定し、創業年の証拠と推薦書の段取りを今週中に着手できる状態になる
「うちの創業って、正確には何年やったかな」
代替わりの話が出たときや、記念の年が近づいたときに、この問いで手が止まる会社は少なくありません。看板やのれんには「創業◯年」と書いてあるのに、その根拠になる書類や写真がどこにあるかは誰も知らない、という状態です。
和歌山県の100年企業表彰は、まさにここを突いてきます。申請書と業歴書に加えて、「基準日の100年以前に営業していたことを証明する物件の写し又は写真」の提出が求められるからです。つまり、口伝えの創業年では応募できません。
もっとも、これは面倒な手続きというより好機です。県知事名の表彰は、広告費をかけずに手に入る第三者評価で、地方の中小企業がいちばん弱い「採用のときの信頼」「新規取引のときの与信」「商品を選ぶときの理由づけ」の3つに同時に効きます。しかも準備の中身は、創業年の裏取り・年表づくり・推薦者との関係整理という、事業承継の準備そのものと重なります。
この記事では、県が公表している事実だけを確認したうえで、応募要件の読み方、南紀の受賞企業の顔ぶれ、そして応募と受賞を採用・与信・販促に使い切る7ステップと、コピペで使える8本のプロンプトを整理します。手元に、いちばん古い社内の書類(登記事項証明書、古い看板の写真、昔の広告など)を思い出しながら読み進めてください。
目次
まず結論:100年企業表彰に応募し、受賞を活かす7ステップ
先に全体像です。7つを順に進めれば、次の公募までに応募の準備が終わり、同時に採用・与信・販促の素材も手元にそろいます。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 創業年の裏取り | 100年前に営業していた証拠を1点見つける | 金庫と倉庫にある一番古い書類を探す |
| 2. 要件の自己判定 | 4つの要件に自社を当てはめる | 従業員数(パート含む)を数える |
| 3. 推薦者を決める | 所属する経済団体・業界団体を確認する | 加入している団体名を書き出す |
| 4. 業歴書の年表づくり | 創業から現在までの出来事を年表にする | 代替わりの年を3つ思い出す |
| 5. 広報素材の先行準備 | 発表文とSNS投稿の型を先に作る | 会社の写真を10枚集める |
| 6. 採用への反映 | 求人票と採用ページに歴史を入れる | 今の求人票の文面を印刷する |
| 7. 与信・販促への展開 | 取引先案内・店頭・商品に載せる | 名刺と封筒の在庫枚数を確認する |

ポイントは順番です。多くの会社はステップ5以降の「見せ方」から考えたくなりますが、証拠(ステップ1)と年表(ステップ4)がないと、書ける文章が「創業◯年の老舗です」の一行で止まります。逆に年表さえあれば、求人票も取引先案内も商品の説明文も、同じ1枚から派生させられます。所要時間の目安は、ステップ1が数時間から数日(探し物の運次第)、ステップ2〜4が各1時間程度です。
① 何が起きたか|県が公表している事実と、まだ出ていないこと
まず、確認できる一次情報だけで現在地を押さえます。
制度の中身|平成19年度から累計169社
和歌山県は、わかやまの「100年企業」のページで、長年にわたり地域に貢献し、他の企業の模範となってきた長寿企業を「和歌山県100年企業」として表彰していると説明しています。県内の長寿企業は、旅館、和菓子、清酒製造、海産物加工、日用品製造といった分野に多いことが特徴として挙げられています。
受賞企業をまとめた100年企業表彰一覧には、「平成19年度から現在(令和4年度)までに表彰した100年企業の一覧です。これまで累計で169社を表彰しました」と記載されています。一覧に載る最古の企業は和歌山市の株式会社駿河屋で、創業は寛正2年(1461年)です。
直近で公表されている表彰式は令和4年度の22社
県が公開している「令和4年度和歌山県100年企業表彰」表彰式が開催されましたによると、令和4年度は22社が受賞し、8月31日に表彰式が開かれ、知事から受賞者へ表彰状と記念品が贈られました。この22社を加えて累計が169社になった、という関係です。
地域の経済団体側の受け止めも記録に残っています。和歌山商工会議所「令和4年度和歌山県100年企業表彰」は、県内22社の受賞のうち同会議所の会員事業所が10社だったと伝えています。会員企業にとって、この表彰が「会議所を通じて知る制度」として機能していることがうかがえます。
令和8年度は5月20日で公募が締切済み。受賞発表はまだ出ていない
制度は毎年続いています。県の100年企業表彰の公募のお知らせによると、令和8年度の応募期間は令和8年4月1日(水)から令和8年5月20日(水)必着でした。すでに締め切られています。
そのうえで、はっきりさせておきたい線引きがあります。2026年9月6日に県のサイトを確認した限り、令和8年度(2026年度)の受賞企業や表彰式に関する発表は掲載されていません。100年企業のページから辿れるのは、令和4年度の表彰式の記録、令和8年度の公募のお知らせ、そして累計169社の一覧の3つだけです。現時点で公表されているのはここまでです。
「今年は何社が受賞した」といった数字を見かけたら、それが県の発表に基づくものかを必ず確認してください。過去の実績から表彰式の時期を推測することはできますが、当コラムでは公表されていない日程は書きません。
② 和歌山の事業者への影響|応募要件と、提出物のハードル
ここからが本題です。自社が当てはまるかどうかを、県の公募ページの記載に沿って判定します。
要件は4つ。実務上の壁は「従業員10名以上」
公募のお知らせに示されている要件は、次の4点です。
- 同一業種で100年以上(大正15年(1926年)以前の創業)にわたり県内に主たる事業所を有して営業を継続している者
- 現在の従業員(パート含む)が10名以上であること
- 営業の継続等に関し訴訟その他の紛争の当事者となっていない者
- 知事の表彰を受けるにふさわしくない事実のないこと
営業継続期間の算定基準日は令和8年12月31日とされています。対象業種は製造業、運輸・通信業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、建設業、宿泊業、サービス業等です。

南紀の実情に引き直すと、いちばん引っかかりやすいのは2番目です。100年続いている宿や商店でも、家族と数名のパートで回している規模だと、10名に届かないことがあります。逆に、繁忙期にパートを多く雇う梅の加工場や水産加工、旅館は、パートを含めて数えると条件を満たすことがあります。「うちは小さいから無理」と決める前に、実際に頭数を数えてください。
提出物は4点。難所は「100年以前に営業していた証拠」
公募ページによると、所定の申請書により、業歴書および各所属経済団体または業界団体の長等の推薦書を添えて応募します。加えて、基準日の100年以前に営業していたことを証明する「物件」の写し又は写真が必要です。申請書の様式は同ページからWordとPDFで配布されています。
審査は、県内経済団体の代表者等からなる審査委員会が要件をもとに行うとされています。つまり、書類が整っていることが前提で、そこから先は第三者の目で見られるということです。
推薦書が「所属する経済団体または業界団体の長等」から必要になる点は、事前準備に直結します。どこにも加入していない場合、公募が始まってから慌てても間に合いません。田辺市内の事業所であれば商工会議所が候補になりますし、町村部であれば各町の商工会が対応する区分です。この使い分けは田辺商工会議所の入会と会費|年会費9,000円からの内訳と手続き7ステップ【2026年9月】で整理しています。
南紀・日高の受賞企業は、業種が驚くほど分散している
県の一覧を見ると、受賞企業は和歌山市の大手だけではありません。南紀・日高エリアからも、田辺市、みなべ町、新宮市、御坊市、那智勝浦町、白浜町、串本町、上富田町、太地町、日高川町の各市町から企業が並んでいます。代表的なものを挙げます。
| 企業名 | 所在地・業種 | 創業年(県一覧の記載) |
|---|---|---|
| 株式会社湯崎館 | 白浜町・旅館業 | 慶長9年(1604年) |
| 株式会社川湯観光 富士屋 | 田辺市・旅館業 | 慶安3年(1650年) |
| 株式会社山長商店 | 田辺市・林業、製材業、木材プレカット業 | 宝暦9年(1759年)以前 |
| 天田屋 | 御坊市・味噌、糀製造販売業 | 文化5年(1808年) |
| 株式会社東農園 | みなべ町・梅干及び梅製品製造販売 | 天保5年(1834年) |
| 合名会社丸正酢醸造元 | 那智勝浦町・食酢醸造業 | 明治12年(1879年) |
| 株式会社儀平菓舗 | 串本町・生菓子製造販売 | 明治26年(1893年) |
| 中田食品株式会社 | 田辺市・調味梅干し、梅酒の製造 | 明治30年(1897年) |
| 株式会社白浜試錐 | 白浜町・温泉掘削、地質調査、施工管理 | 大正8年(1919年) |

注目してほしいのは、旅館・梅・水産・林業・菓子・醸造・掘削・新聞と、業種がまったく分散していることです。「老舗=和菓子か造り酒屋」というイメージは、県の一覧を見る限り当てはまりません。あなたの業種が地味だから対象外、ということはないということです。
③ 今週やること|7ステップ(プロンプト付き)
ここからは手を動かす部分です。各ステップの文例は、ChatGPTなどの対話型AIにそのまま貼り付けて使えます。( )の中を自社の情報に書き換えてください。
ステップ1: 100年前に営業していた「物件」を探す
最初にやるのは資料探しです。応募で求められるのは、基準日の100年以前に営業していたことを証明する物件の写し又は写真。何が該当するかは県の様式と募集要項で確認するのが確実ですが、探す範囲を決めるところはAIに手伝ってもらえます。
あなたは会社の社史づくりを支援するアーキビストです。以下の材料から、「100年前に営業していたことを示す資料」の探索リストを作ってください。
【材料】
・業種と現在の事業内容: (例: みなべ町の梅干製造販売)
・伝わっている創業年: (例: 明治30年ごろ)
・手元にありそうなもの: (例: 古い看板、代々の位牌、蔵の帳面、昔の新聞広告)
・建物の状況: (例: 蔵は現存、母屋は昭和に建て替え)
出力: ①探す場所 ②そこにありそうな資料 ③その資料が創業年の証拠になりうる理由 ④見つからない場合の代替案 の4列の表。実在が確認できないものは「要確認」と書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
社内で見つからない場合は、外部にも当たれます。市町村史、地域の図書館の郷土資料、商工団体の名簿、古い電話帳、地元紙の縮刷版などです。証拠探しは時間がかかるので、公募が始まる春を待たずに動くのが正解です。
ステップ2: 4つの要件を自社に当てはめる
資料と並行して、要件の自己判定を済ませます。特に従業員数は、正社員だけでなくパートを含めて数える点を忘れないでください。
あなたは公的な表彰制度の応募支援に詳しいアドバイザーです。以下の要件に対して、私の会社が当てはまるかを整理してください。
【要件】
1. 同一業種で100年以上(大正15年(1926年)以前の創業)にわたり県内に主たる事業所を有して営業を継続している
2. 現在の従業員(パート含む)が10名以上
3. 営業の継続等に関し訴訟その他の紛争の当事者となっていない
4. 表彰を受けるにふさわしくない事実がない
【材料】
・創業年と根拠: (例: 明治30年・古い看板の写真あり)
・業種の変遷: (例: 炭問屋から燃料小売へ)
・主たる事業所の所在地:
・従業員数(正社員/パート別):
出力: ①要件 ②現状 ③判定(満たす/満たさない/要確認) ④要確認を解消する方法 の4列の表。判断できない項目は「要確認」と書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
「業種が変わっている」ケースは要注意です。炭から燃料、行商から店舗、といった変化を同一業種と見るかどうかは自己判断できません。判定に迷う項目は、県の企業振興課に電話で聞くのがいちばん早く、費用もかかりません。
ステップ3: 推薦書を書いてもらう団体を決める
推薦書は所属する経済団体または業界団体の長等から受け取る必要があります。加入していない場合は、まず加入の検討から始まります。依頼の文面は次のプロンプトで作れます。
あなたはビジネス文書の作成が得意なライターです。以下の材料から、所属団体の長へ「和歌山県100年企業表彰」の推薦書をお願いする依頼文を作ってください。
【材料】
・自社名・業種・所在地:
・創業年と根拠資料:
・団体名と加入年:
・団体活動での関わり: (例: 部会の役員、共同イベントへの出展)
・応募したい理由を1つ: (例: 採用で若い人に選ばれたい)
条件: 400字前後、敬体、依頼の締切に触れる、資料はこちらで用意する旨を書く。【材料】にない実績は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
依頼のタイミングは、公募開始(例年4月)の1〜2か月前が現実的です。団体側にも決裁の手順があります。なお、商工会議所・商工会は経営相談や記帳、共済の窓口でもあるので、推薦以外の使い道とセットで検討すると加入判断がしやすくなります。
ステップ4: 業歴書のもとになる年表を作る
業歴書は、応募のためだけの書類ではありません。ここで作った年表が、このあとの求人票・取引先案内・商品説明のすべての原稿になります。いちばん時間をかける価値がある工程です。
あなたは中小企業の社史編纂を支援する編集者です。以下の断片的な情報を、年表の形に整理してください。
【材料】
・創業年と創業者:
・代替わりの年と代表者名: (分かる範囲で)
・移転・建て替え・被災・再建の出来事: (例: 昭和28年の水害で全焼、翌年再建)
・商品や設備の転機: (例: 昭和45年に機械化)
・地域での役割: (例: 祭りの寄進、学校への寄付)
出力: ①年(和暦・西暦併記) ②出来事 ③根拠資料の有無 ④外部に語れるか(社内限りか) の4列の表。年が不明なものは「年不詳」と書き、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
年表づくりで効くのは、高齢の親族や引退した従業員への聞き取りです。録音して日付を入れておけば、それ自体が将来の資料になります。この作業は、後継者がいる会社ほど早くやるべきです。 記憶を持っている人が現役のうちしかできません。
ステップ5: 発表の素材を先に作っておく
受賞が決まってから広報を考え始めると、いちばん注目される最初の1週間を逃します。文面の型は先に作っておき、確定した事実だけを後から差し込む形にしてください。
あなたは中小企業の広報担当です。以下の材料から、表彰の受賞を伝える発表文(プレスリリース)のひな形を作ってください。受賞が確定していないため、確定後に差し込む箇所は【 】で空欄にしてください。
【材料】
・自社名・所在地・業種・創業年:
・年表から抜き出した見どころ3つ:
・取引先や地域への感謝として伝えたいこと:
・問い合わせ先: (担当者名・電話・メール)
条件: 800字以内、見出し+リード+本文+会社概要の構成。受賞の事実が確定するまでは【 】のままにする。誇張表現は使わず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは中小事業者のSNS運用が得意な企画者です。以下の年表から、Instagram・Facebookに投稿できるネタを15個、表形式(番号/ネタ/写真で撮るもの/一言キャプション案)で出してください。
【材料】
・年表: (ステップ4の表を貼り付け)
・撮影できるもの: (例: 蔵、古い道具、初代の写真、今の作業風景)
・見せたい相手: (例: 求職者、地元のお客様、県外の取引先)
条件: 宣伝は15個中3個までにする。年表にない出来事は追加せず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
発表先は、地元紙(南紀では紀伊民報など)、業界紙、市町村の広報、加入している団体の会報が現実的です。歴史そのものが発信の資産になる点は、和歌山の店舗のインスタ集客|観光客と地元客に届く7ステップ【2026年8月】で整理した「その場所の空気が伝わる投稿」の考え方とそのまま重なります。
ステップ6: 採用に効かせる(求人票と採用ページ)
長く続いていることは、求職者にとって「潰れにくい」「教育の型がある」というシグナルになります。ところが多くの老舗の求人票は、業務内容と給与しか書いていません。年表があれば、そこを埋められます。
あなたは中小企業の採用広報が得意なライターです。以下の材料から、ハローワークの求人票の「事業内容」「会社の特長」欄に入れる文章を作ってください。
【材料】
・年表から使える事実3つ: (例: 明治30年創業、昭和28年の水害から再建、現在4代目)
・仕事の1日の流れ:
・入社後に身につく技能: (例: 梅の等級の見分け)
・働く条件で正確に書けること: (例: 週休2日、繁忙期は6月)
条件: 事業内容300字以内・会社の特長300字以内。県の表彰は受賞が確定するまで書かない。誇張と成果保証をせず、【材料】にない制度は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
求人票の出し方そのものはハローワーク田辺への求人の出し方|事業所登録から公開まで7ステップ【2026年9月】に、自社サイト側の受け皿づくりは田辺市の採用サイト制作|載せる7項目と自社で作る7ステップ【2026年9月】にまとめています。人が採れない前提で業務を組み直す話は和歌山の中小企業の人手不足対策|採用が難しい前提で回す7ステップ【2026年8月】を参照してください。
ステップ7: 与信と販促に展開する
最後は、対外的な信用と売り場です。新規取引や金融機関との面談では、決算書に表れない「継続してきた事実」が補助線になります。
あなたは法人営業の資料づくりを支援するアドバイザーです。以下の材料から、新規取引先へ送る会社紹介の1枚(A4片面)の構成案と文面を作ってください。
【材料】
・年表から使える事実3つ:
・主な取扱品目と供給できる量:
・品質管理や許認可で言えること: (例: HACCP対応、営業許可の種別)
・取引条件で確定していること: (例: 最小ロット、納期)
条件: 見出し+4ブロック構成。売上や取引先名は【材料】にあるものだけを書く。数値の裏付けがない主張はせず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
あなたは小売の売り場づくりが得意な企画者です。以下の材料から、店頭POPと商品同梱カードの文面をそれぞれ3案作ってください。
【材料】
・商品名と価格:
・年表から使える事実1つ: (例: 文化5年から同じ製法)
・お客様がよく聞く質問: (例: 何が違うの?)
・書いてはいけないこと: (例: 効能、他社比較)
条件: POPは30字以内、同梱カードは150字前後。受賞が確定していない表彰名は書かない。効能表現・優良誤認を避け、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
金融機関との面談で使う場合は、歴史そのものより「年表と現在の計画がつながっているか」を見られます。設備更新や販路開拓の相談窓口としては日本政策金融公庫 田辺支店の使い方|取扱業務と相談前の準備7ステップ【2026年9月】を、費用面の制度は田辺市の事業者が使える補助金まとめ|創業・設備・販路の制度と申請手順【2026年8月】を確認してください。
業種別・受賞を「どこに効かせるか」
同じ表彰でも、効かせどころは業種によって変わります。自社に近い行から着手してください。
| 業種 | いちばん効く場所 | 最初に作る素材 |
|---|---|---|
| 旅館・民宿 | 予約前の比較検討(公式サイト・Googleビジネスプロフィール) | 宿の年表と初代からの写真 |
| 梅・農産加工 | 県外バイヤーとの新規商談、ふるさと納税の返礼品説明 | A4片面の会社紹介と製法の年表 |
| 水産・食品製造 | 求人票と採用ページ(若手の応募前不安の解消) | 1日の流れ+技能習得の道筋 |
| 小売・菓子 | 店頭POPと商品パッケージ、贈答需要 | 30字のPOP文と同梱カード |
| 建設・林業・設備 | 元請・公共案件の資格審査、金融機関との面談 | 施工実績と沿革を並べた1枚 |

共通するのは、どの業種でも土台が「年表1枚」だということです。入口は違っても、素材は同じです。ネット販売まで踏み込むなら、梅農家のネット販売|農家直送の通販を始める7ステップと許可の実務【2026年8月】や和歌山の食品ECで売上を伸ばす7ステップ|梅・みかん通販の実務ガイド【2026年8月】で、歴史をそのまま商品説明に変える手順を扱っています。
④ よくある誤解と注意点
制度を前に、次の4つの勘違いが起きがちです。
誤解1: 「創業100年なら自動的に表彰される」
❌ よくある間違い: 県が長寿企業を調べて選んでくれると思い、何もせずに待つ。
⭕ 正しいアプローチ: 公募制であり、自ら応募する制度だと理解する。応募期間は令和8年度で4月1日から5月20日必着、申請書・業歴書・推薦書・創業を証明する物件の写しの提出が必要です。
なぜ重要か: 累計169社という数字は、県内の100年企業の総数ではなく「応募して審査を通った企業の数」だからです。応募しない限り、何年続いていても一覧には載りません。
誤解2: 「表彰は名誉だけで、商売には関係ない」
❌ よくある間違い: 賞状は額に入れて事務所に飾って終わりにする。
⭕ 正しいアプローチ: 受賞を、採用・与信・販促の3方向に置き直す。求人票、会社紹介の1枚、店頭POP、公式サイト、名刺の裏。置き場所を先に決めておけば、受賞の翌週から使えます。
なぜ重要か: 第三者評価は、自社が言っても信じてもらえないことを代わりに言ってくれる装置だからです。「うちは信頼できます」は広告ですが、「県から表彰されました」は事実の提示です。観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から見ても、地方の事業者がここまで低コストで手に入れられる信用材料は多くありません。
誤解3: 「小さい会社だから、要件は関係ない」
❌ よくある間違い: 家族経営だから従業員10名以上には届かないと決めつけ、要件を読まずに諦める。
⭕ 正しいアプローチ: パートを含めて実際に数える。梅の加工、水産加工、旅館のように繁忙期に人が増える業種では、思っているより多いことがあります。
なぜ重要か: 要件を読まずに諦めると、応募だけでなく「創業年の裏取り」という本来やるべき準備まで止まってしまうからです。仮に今年は要件を満たさなくても、年表と証拠は採用・与信・販促にそのまま使えます。
誤解4: 「受賞したら、どこにでも大きく書いていい」
❌ よくある間違い: 受賞をきっかけに「県公認」「県のお墨付き」といった表現を使い、商品の品質保証のように見せる。
⭕ 正しいアプローチ: 制度の名称を正確に書き、受賞年度を添える。表彰されたのは長く事業を継続してきたことであって、個々の商品の性能や安全性ではありません。
なぜ重要か: 事実と違う印象を与える表示は、景品表示法上の問題になりえます。表彰名は略さず、受賞年度とセットで書くのが安全です。個別の表示の適否は、県や消費生活センター、専門家に確認してください。
ここまでの内容は、公表されている情報と無料の道具だけで進められます。それでも「年表をまとめる時間がない」「求人票や商品説明にどう落とすか分からない」という事業者が多いのも実情です。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、地域の中小事業者のデジタル面の支援に取り組んでいます(宮古島・伊豆へも現地訪問で対応)。無料ヒアリングは最大60分、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
応募できる会社・まだ応募できない会社(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。当てはまるものにチェックを入れます。
- □ 創業年を、和暦・西暦の両方で言える
- □ 大正15年(1926年)以前に営業していたことを示す資料が1点以上ある
- □ 創業から現在まで、同一業種で続いていると説明できる
- □ 主たる事業所が和歌山県内にある
- □ 従業員(パート含む)を数えたら10名以上いる
- □ 所属している経済団体または業界団体がある
- □ 代替わりの年と代表者名を、年表の形で書き出してある
- □ 受賞したときに載せる場所(求人票・会社紹介・店頭・サイト)を決めてある

特に見落とされやすいのが、最後の「載せる場所を決めてある」です。チェックが少なくても心配はいりません。この記事の7ステップは、上から順に進めればチェックが1つずつ埋まる構成にしています。
数字で見る|老舗は4万6,708社、後継者不在率は50.1%
「100年続いている会社なんて、そこらじゅうにあるのでは」と感じるかもしれません。公表されている数字を並べると、位置づけが見えてきます。
第一に、老舗の総数です。帝国データバンクの全国「老舗企業」分析調査(2025年)によると、2025年12月時点で業歴100年を超える老舗企業は全国に4万6,708社。全企業に占める割合を示す「老舗出現率」は3.11%で、初めて3%を超えました。都道府県別では京都府が5.45%で最も高くなっています。業歴200年超は1,836社、300年超は905社、500年超は47社、1,000年超は11社です。同調査では、2026年に新たに約2,000社が老舗の仲間入りをする見込みとされています。
言い換えると、100社に3社が老舗です。決して珍しくはない一方で、和歌山県の一覧に載る169社は、そのうち「証拠をそろえ、推薦を受け、審査を通った」会社に限られます。ここに希少性があります。
第二に、継続の難しさです。同じく帝国データバンクの全国「後継者不在率」動向調査(2025年)によると、2025年の後継者不在率は50.1%で、前年から2.0ポイント低下し7年連続の改善となりました。調査対象は全国全業種の約27万社、調査期間は2023年10月から2025年10月です。都道府県別では三重県の33.9%が最も低く、秋田県の73.7%が最も高くなっています。改善傾向とはいえ、いまだ2社に1社に後継者がいない計算です。
第三に、県内の受賞のペースです。県の一覧によれば、平成19年度から令和4年度までの累計が169社。仮に令和4年度と同じ22社が毎年受賞したとしても、県内の老舗すべてが表彰されるには相当な年数がかかります。つまり今は、まだ「表彰されていない100年企業」のほうが圧倒的に多い状態です。
先に応募して一覧に名前が載れば、県のサイトという検索されやすい場所に、自社名・業種・創業年が半永久的に掲載されます。広告費をかけずにこの位置を取れる制度は、そう多くありません。
よくある質問
Q. 和歌山県100年企業表彰の応募要件を教えてください。
県の公募ページによると、同一業種で100年以上(大正15年(1926年)以前の創業)にわたり県内に主たる事業所を有して営業を継続していること、現在の従業員(パート含む)が10名以上であること、営業の継続等に関し訴訟その他の紛争の当事者となっていないこと、知事の表彰を受けるにふさわしくない事実のないことの4点です。営業継続期間の算定基準日は令和8年12月31日とされています。
Q. 令和8年度(2026年度)はいつまでに応募すればよかったですか?
令和8年4月1日(水)から令和8年5月20日(水)必着です。2026年9月6日時点ですでに締め切られています。次回以降の日程は県の公募ページで告知されるため、年明けから4月にかけて確認するのが確実です。
Q. 2026年度は何社が受賞したのですか?
2026年9月6日に県のサイトを確認した限り、令和8年度の受賞企業や表彰式に関する発表は掲載されていません。現時点で公表されているのはここまでです。県が公開している直近の表彰式は令和4年度で、22社が受賞し8月31日に開催されました。
Q. 100年企業表彰の一覧はどこで見られますか?
県の100年企業表彰一覧で、平成19年度から令和4年度までに表彰された累計169社を、企業名・代表者・所在地・業種・創業年つきで確認できます。受賞時点の情報をまとめた企業ごとのPDFも公開されています。
Q. 推薦書は誰に書いてもらえばいいですか?
県の公募ページには「各所属経済団体または業界団体の長等の推薦書」と記載されています。加入している商工会議所・商工会や業界団体が候補です。どこにも加入していない場合は加入の検討から必要になるため、田辺商工会議所の入会と会費|年会費9,000円からの内訳と手続き7ステップ【2026年9月】で入会の条件と費用を確認してください。
Q. 従業員10名に届かない場合は、どうすればいいですか?
まずパートを含めて正確に数えてください。それでも届かない場合、その年度の応募は難しいことになります。ただし創業年の証拠集めと年表づくりは無駄になりません。求人票、会社紹介、商品説明にそのまま転用できるからです。要件の解釈で迷う点は、県の企業振興課に問い合わせるのが確実です。
Q. 業種が途中で変わっていても応募できますか?
要件は「同一業種で100年以上」とされているため、業種の変遷がある場合は判断が分かれます。当コラムでは可否を断定できません。炭問屋から燃料小売へ、行商から店舗へといった変化がある場合は、業歴書に経緯を整理したうえで、応募前に県の担当課へ相談してください。
Q. 受賞したら、商品や求人にどう書けばいいですか?
制度の正式名称と受賞年度をセットで、事実として書くのが基本です。「県公認」「品質を保証」といった、実際より優れていると誤認させる表現は避けてください。表彰されたのは事業を長く継続してきたことであって、個々の商品の性能ではありません。掲載場所の設計は本記事のステップ5〜7を参照してください。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 金庫・倉庫・蔵にある一番古い書類や写真を1点探し、日付が分かる形で撮影する
- 今週中にやること: ステップ2のプロンプトで4要件の自己判定表を作り、従業員数(パート含む)を確定する
- 今月中にやること: ステップ4のプロンプトで創業からの年表を1枚にまとめ、推薦をお願いする団体を決める
7つすべてを一度にやる必要はありません。年表が1枚できるだけで、応募書類も求人票も会社紹介も、同じ土台の上で書けるようになります。
次回予告: 年表を採用の受け皿に変える具体的な手順は、田辺市の採用サイト制作|載せる7項目と自社で作る7ステップ【2026年9月】で扱っています。
参考・出典
- 和歌山県「わかやまの『100年企業』」(制度の趣旨、県内の長寿企業に多い分野、企業振興課の連絡先 e0610001@pref.wakayama.lg.jp) わかやまの「100年企業」 (参照日: 2026-09-06)
- 和歌山県「100年企業表彰の公募のお知らせ」(応募期間 令和8年4月1日〜5月20日必着、応募要件4項目、算定基準日 令和8年12月31日、対象業種、申請書・業歴書・推薦書・証明物件の写し、審査委員会、申請様式のWord/PDF) 100年企業表彰の公募のお知らせ (参照日: 2026-09-06)
- 和歌山県「100年企業表彰一覧」(平成19年度〜令和4年度・累計169社、企業名/代表者/所在地/業種/創業年、最古は和歌山市の株式会社駿河屋・寛正2年〈1461年〉) 100年企業表彰一覧 (参照日: 2026-09-06)
- 和歌山県「『令和4年度和歌山県100年企業表彰』表彰式が開催されました」(22社が受賞、8月31日に表彰式、知事から表彰状と記念品、累計169社) 令和4年度の表彰式 (参照日: 2026-09-06)
- 和歌山商工会議所「令和4年度和歌山県100年企業表彰」(県内22社の受賞のうち同会議所会員事業所が10社) 和歌山商工会議所のお知らせ (参照日: 2026-09-06)
- 帝国データバンク「全国『老舗企業』分析調査(2025年)」(2025年12月時点、業歴100年超4万6,708社、老舗出現率3.11%、京都府5.45%、200年超1,836社/300年超905社/500年超47社/1,000年超11社、2026年に約2,000社が老舗入りの見込み) 全国「老舗企業」分析調査(2025年) (参照日: 2026-09-06)
- 帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」(後継者不在率50.1%、前年比2.0ポイント低下で7年連続改善、対象約27万社、調査期間2023年10月〜2025年10月、最低は三重県33.9%・最高は秋田県73.7%) 全国「後継者不在率」動向調査(2025年) (参照日: 2026-09-06)
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※本記事は2026年9月6日時点で県および調査機関が公表している情報に基づく解説であり、応募の可否や表示の適法性を判断するものではありません。要件の解釈や個別の適否は和歌山県企業振興課にご確認ください。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。