
結論: 特定技能外国人を受け入れる事業者は、入管(地方出入国在留管理局)への在留申請とは別に、市区町村へ「協力確認書」を提出します。提出先は1か所ではなく、その人が働く事業所の所在地と住む場所(住居地)が属する市区町村のそれぞれで、両方が同じなら1通です。田辺市の受付窓口は田辺市国際交流センター(本庁舎5階 生涯学習課内)で、窓口・郵便・ファックス・LoGoフォームの4通りから選べます。期限は「在留申請を出す前」。ここを外すと、申請書に書く欄が埋まりません。
この記事の要点 対象読者: 田辺市をはじめ南紀(白浜・上富田・みなべ・すさみ・新宮・串本・那智勝浦・御坊)で宿泊・飲食・農業・水産加工・製造を営み、特定技能外国人を受け入れている、または受け入れを検討している事業者の方 読了後にできること: 自社が協力確認書を何通・どの市町村に・いつまでに出すのかを確定し、在留申請の日から逆算した提出予定を今日書き出せる状態になる
「入管の書類は行政書士さんにお願いしているので、うちがやることは特にないと思っていました。」
特定技能の受け入れでは、手続きの大半を登録支援機関や行政書士が担うことが多く、事業者側の作業は雇用契約と社内準備だけ、という感覚になりがちです。ところが2025年4月から、その外側に市役所・町役場への提出物が1つ増えています。それが協力確認書です。
やっかいなのは、この書類が「入管に出すもの」でも「ハローワークに出すもの」でもない点です。外国人雇用の手続きは厚生労働省(ハローワーク)系統と出入国在留管理庁(入管)系統に分かれており、多くの解説記事もその2系統で書かれています。協力確認書はそのどちらでもなく、市区町村という第3の宛先に出す書類です。だから既存のチェックリストから漏れます。
しかも田辺市の場合、受付は産業振興課や商工観光課ではなく、生涯学習課内にある田辺市国際交流センターです。「産業・ビジネス」の案内ページに載っているのに、窓口は教育・国際交流の側にある——この分かりにくさが、そのまま提出漏れにつながります。
この記事では、田辺市「特定技能所属機関による協力確認書の提出等について」(2026年2月27日更新)と、出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」・同Q&Aという一次情報だけを根拠に、①何が起きたか、②和歌山の事業者への影響、③在留申請の前に片づける作業、④よくある誤解、⑤FAQ8問をまとめます。手元に、受け入れている(受け入れ予定の)スタッフの勤務先と住所が分かるものを用意しながら読み進めてください。
目次
何が起きたか|2025年4月施行の省令改正で、特定技能に市区町村への提出物が加わった
まず事実関係を、一覧で押さえます。
| 項目 | 公表されている内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 制度の根拠 | 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の一部改正、出入国管理及び難民認定法施行規則の一部改正 | 2025年2月17日公布 |
| 施行日・運用開始 | 2025年4月1日 | 出入国在留管理庁 |
| 事業者に生じる義務 | 地方公共団体から共生施策への協力を要請されたとき、要請に応じて必要な協力をすること | 特定技能所属機関の基準として規定 |
| 提出物 | 協力する旨を記した「協力確認書」 | 様式・記載例を入管庁が公表 |
| 提出先 | 特定技能外国人が活動する事業所の所在地、および住居地が属する市区町村のそれぞれ(同一なら1通) | 入管庁Q&A |
| 提出の時期 | 在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請の前(すでに受け入れている人は、次の変更・更新許可申請の前) | 入管庁Q&A |
| 田辺市の窓口 | 田辺市国際交流センター(本庁舎5階 生涯学習課内)/電話 0739-33-9019 | 田辺市(2026年2月27日更新) |
| 田辺市の提出方法 | 窓口・郵便・ファックス・LoGoフォーム。記名のみで署名・押印は不要 | 同上 |

ポイントは3つあります。
1つ目は、これは新しく始まった制度ではないということです。運用開始は2025年4月1日で、すでに1年以上動いています。今回あらためて確認できたのは、田辺市が2026年2月27日更新の案内ページで、提出先・提出方法・様式の入手先を具体的に示しているという事実です。つまり「知らなかった」期間が長い事業者ほど、次の在留申請のタイミングで慌てることになります。
2つ目は、協力確認書は「協力します」という意思の確認書であって、何かを申請する書類ではないという性格です。入管庁の説明では、特定技能所属機関は地方公共団体から共生社会の実現のために実施する施策(共生施策)への協力を要請されたとき、その要請に応じて必要な協力をすることが、特定技能所属機関の基準として規定されています。協力確認書は、その基準を満たすことを市区町村に対して確認する書面です。審査や許可を待つ性質のものではありません。
3つ目は、在留申請とつながっていることです。入管庁は、在留諸申請の申請書(所属機関作成用)3(32)に協力確認書の提出年月日・提出先を記載する欄があると明記しています。一方で、市区町村に提出した協力確認書の写しや受理証明を地方出入国在留管理局に提出する必要はないとも書かれています。裏を返せば、書くべきは「日付」と「提出先」だけ。その2つを持っていない状態では申請書が埋まらないということです。
なお、ハローワークへの外国人雇用状況の届出はこれとは別枠で、根拠となる法令も期限も異なります。届出側の全体像は和歌山で外国人を雇う手続き|届出7ステップと県内ハローワーク管轄表【2026年9月】で整理しています。協力確認書はその記事に出てくる手続きのさらに外側にある、市区町村向けの1枚だと考えてください。
田辺市の受付窓口と4つの出し方|国際交流センターは生涯学習課内にある
田辺市の案内で示されている提出先は、次のとおりです。
- 提出先: 田辺市国際交流センター
- 所在地: 〒646-8545 和歌山県田辺市東山一丁目5番1号 本庁舎5階 生涯学習課内
- 電話: 0739-33-9019 / ファックス: 0739-24-8323
- 提出方法: 窓口、郵便、ファックス、LoGoフォーム(市ページ内に電子申請のリンクあり)
- 記名のみで、署名・押印は不要

実務で効くのは、LoGoフォームが使えることと、押印が要らないことの2点です。特定技能の受け入れは、雇用契約の締結から在留申請までが数週間単位で動きます。その間に代表者印を押した紙を郵送して到着を待つ、という工程が挟まると、申請の準備が止まります。電子申請かファックスで完結できるなら、当日中に片づけられます。
もう1つ知っておきたいのは、窓口の名前と方法は市町村ごとに違うことです。たとえば同じ和歌山県内でも、和歌山市は特定技能所属機関による協力確認書の提出等について(和歌山市)で、産業交流局 観光国際部 国際交流課(電話 073-435-1010)を窓口とし、電子メール(kokusai@city.wakayama.lg.jp)・郵送・ファクス・持参のいずれでも受け付けると案内しています(2026年3月27日更新)。田辺市はLoGoフォーム、和歌山市は電子メール、という違いです。
そして南紀の町村については、現時点で協力確認書の受付案内をウェブに掲載していない自治体もあります。白浜町・上富田町・みなべ町など、社宅やアパートの所在地になりやすい町については、本記事の執筆時点(参照日2026年9月19日)の検索では、協力確認書の受付を案内するページを確認できませんでした。この場合に取るべき行動は「掲載がないから不要」と判断することではなく、役場に電話して受付窓口と方法を聞くことです。提出義務は市区町村の案内の有無で変わるものではありません。
南紀の誰に効くのか|職場は田辺市、社宅は隣町というズレが提出漏れを生む
影響を受けるのは、特定技能外国人を雇っている(雇う予定の)すべての事業者です。南紀に当てはめると、旅館・ホテルの客室や調理の現場、道の駅や観光施設の食堂、梅・みかんの農業法人、水産加工場、建設・製造の事業所が中心になります。全国の外国人労働者数は、厚生労働省が2026年1月30日に公表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)で257万1,037人(前年比11.7%増)、外国人を雇用する事業所数は37万1,215所(同8.5%増)と、いずれも増え続けています。受け入れ事業所が増えるほど、この「市区町村への1枚」を知らない事業者も増えます。
南紀で特に事故が起きやすいのは、働く場所と住む場所が別の市町村になるケースです。田辺市内の旅館で働き、家賃の安い上富田町のアパートに住む。白浜町のホテルで働き、田辺市内の社宅から通う。こうした組み合わせは珍しくありません。入管庁Q&Aは、提出先を「特定技能外国人が活動する事業所の所在地及び住居地が属する市区町村」と示し、複数の市区町村にまたがる場合はそれぞれに提出が必要としています。

派遣の形態で受け入れている場合は、さらに注意が必要です。入管庁Q&Aでは、派遣形態の場合は実際に活動する場所が基準となり、複数の場所で活動するなら各市区町村に提出が必要とされています。農業のように繁忙期に圃場が分かれる働き方では、提出先が2か所、3か所になることがあります。
一方で、同じ市区町村内に事業所が複数ある場合は、その市区町村内のすべての事業所を1枚の協力確認書にまとめて記載できるとされています。田辺市内に本館と別館、加工場がある事業者なら、田辺市への提出は1枚で足ります。南紀で起きやすい組み合わせを整理すると、次のようになります。
| よくあるケース | 提出先になる市区町村 | 通数 |
|---|---|---|
| 田辺市の旅館で勤務・田辺市内の社宅に居住 | 田辺市 | 1通 |
| 田辺市の事業所で勤務・上富田町のアパートに居住 | 田辺市と上富田町 | 2通 |
| 白浜町のホテルで勤務・田辺市の社宅に居住 | 白浜町と田辺市 | 2通 |
| 田辺市内に本館・別館・加工場があり、いずれも田辺市内に居住 | 田辺市(全事業所を1枚にまとめて記載) | 1通 |
| 派遣で複数の市町村の圃場・現場で活動 | 実際に活動する各市町村と住居地の市町村 | 活動地の数に応じて複数 |
いつから効くのかも整理しておきます。制度としては2025年4月1日から動いています。あなたの会社にとっての「効く日」は、次に在留申請を出す日です。これから初めて受け入れるなら、雇用契約を結んだあと、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を出す前。すでに受け入れているなら、その人について次に在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を出す前が、提出のタイミングになります。

なお、飲食店の採用計画を持っている方は、協力確認書の前にもう1つ確認すべきことがあります。外食業分野の特定技能1号は、特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について(出入国在留管理庁)のとおり、2026年4月13日以降に受理された認定証明書交付申請が不交付、変更許可申請が原則不許可となっています。止まった範囲と生きている範囲の切り分けは、特定技能「外食業」受け入れ停止で何が変わるか|南紀の宿・飲食が今週打つ手【2026年9月】にまとめています。協力確認書の準備と、そもそも申請が通る分野かどうかの確認は、別々に進めてください。
申請書3(32)欄を埋めるまでにやる作業
ここからが実務です。やることは大きく5つで、いずれも社内の情報を集めて紙に落とすだけの作業です。各プロンプトはChatGPTなどの対話型AIに貼り付け、( )内を自社の事実に書き換えて使ってください。
受け入れる人の「働く場所」と「住む場所」を一覧にする
最初にやるのは制度の勉強ではなく、名簿づくりです。特定技能で受け入れている人(受け入れ予定の人)について、氏名・分野・勤務する事業所・住んでいる市町村・次の在留申請の予定時期を1行ずつ書き出します。ここが埋まれば、提出先も通数も自動的に決まります。
あなたは外国人雇用の社内実務を整理するアシスタントです。以下の材料から、協力確認書の提出先を割り出すための一覧表を作ってください。
【材料】
・受け入れている(予定の)特定技能外国人: (例: 3人。ベトナム・宿泊分野2人、農業分野1人)
・勤務する事業所と所在市町村: (例: 本館=田辺市、別館=白浜町)
・住居の所在市町村: (例: 2人は田辺市の社宅、1人は上富田町のアパート)
・次の在留申請の予定: (例: 1人は11月に期間更新、2人は来年3月に認定証明書申請)
出力: ①氏名または識別番号/分野/事業所の市町村/住居の市町村/申請予定月の一覧表 ②提出が必要な市町村の一覧(重複を除く) ③通数の合計。材料にない情報は補わず、判断が分かれる点は「確認事項」として列挙してください。
※そのままコピーして使えます
住居の市町村が分からない場合は、在留カードの裏面の住居地、または雇用契約時に受け取った住民票の写しで確認できます。社宅を会社が借り上げている場合は、賃貸借契約書の物件所在地が答えです。
あなたは総務実務に詳しいアシスタントです。以下の材料から、住居地の市町村を確定するための確認手順を作ってください。
【材料】
・確認できる資料: (例: 在留カードのコピー、住民票、賃貸借契約書)
・社宅の状況: (例: 会社が2棟を借り上げ、1棟は町境に近い)
・不明な点: (例: 入居後に転居した人がいるかどうか)
出力: ①確認する資料の優先順位 ②本人に聞く質問文(やさしい日本語で3問) ③転居があった場合に社内で残す記録の項目。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
提出先の市区町村と窓口を確定する
名簿ができたら、市町村ごとの窓口を押さえます。田辺市は田辺市国際交流センター(電話 0739-33-9019)です。案内が出ていない町村は電話で確認します。聞くことは3つだけです。受付窓口の課名、受け付けている提出方法、様式は入管庁の様式でよいか。
あなたは自治体への問い合わせが得意な事務担当者です。以下の材料から、市町村に電話で確認するための台本を作ってください。
【材料】
・確認先: (例: ○○町役場)
・自社の状況: (例: 田辺市の旅館で勤務、○○町のアパートに居住する特定技能外国人1人)
・聞きたいこと: 受付窓口の課名/受け付けている提出方法/使用する様式/控えや受付の連絡の有無
出力: ①名乗りから用件説明までの台本(120字以内) ②質問の順番 ③記録しておくべき項目のメモ欄。制度の解釈を断定せず、聞くべき質問として書いてください。
※そのままコピーして使えます
田辺市の様式を用意して記名する
様式と記載例は入管庁のページから入手できます。特定技能制度における地域の共生施策に関する連携(出入国在留管理庁)に、協力確認書の様式(Word)と、直接雇用・派遣形態それぞれの記載例(PDF)が掲載されています。田辺市の案内では記名のみで署名・押印は不要とされているため、代表者印を探して回る必要はありません。和歌山市のように、市のページから様式のWord・PDFを直接配布している自治体もあります。
あなたは書類作成の下書きを支援するアシスタントです。以下の材料を、協力確認書の記載欄に対応する形に整理してください(提出先に応じて欄名は読み替えます)。
【材料】
・法人名・代表者名・所在地:
・担当者名・部署・電話・メール:
・特定技能外国人が活動する事業所の名称と所在地:
・受け入れ分野: (例: 宿泊、農業)
・住居地の市町村:
・提出予定日と提出先市町村:
出力: ①記載項目ごとの記入内容 ②表記ゆれのチェック(法人名の正式表記、丁目・番地の書き方) ③空欄のまま残っている項目の一覧。材料にない項目は空欄のままにし、勝手に埋めないでください。
※そのままコピーして使えます
提出日と提出先を台帳に残し、申請書の記載につなぐ
提出したら、提出年月日と提出先を記録します。前述のとおり、在留申請の申請書(所属機関作成用)3(32)にはこの2つを書く欄があり、写しや受理証明の提出までは求められていません。だからこそ、社内に日付の記録がないと申請の段階で詰まります。ファックスなら送信結果、LoGoフォームなら送信完了の画面や控えのメールを、名簿と同じ場所に保存してください。
あなたは社内台帳の設計が得意なアシスタントです。以下の材料から、協力確認書の提出管理台帳の列構成を設計してください。
【材料】
・受け入れ人数と分野: (例: 宿泊2人・農業1人)
・提出先市町村: (例: 田辺市、上富田町)
・提出方法: (例: LoGoフォーム、郵送)
・在留申請の予定: (例: 11月に期間更新1件)
出力: ①台帳の列名(提出日・提出先・提出方法・控えの保存場所・申請書への記載日など) ②更新が必要になるきっかけの一覧 ③引き継ぎ用の1行説明文。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
再提出が必要になる場面も、この台帳に書いておきます。入管庁Q&Aでは、事業所の所在地や住居地が変わった場合は、新たな所在地等が属する市区町村に協力確認書を再提出する必要があるとされています。記載事項に変更が生じたときも同じです。逆に、転職・転出や帰国、在留申請が不許可となった場合について、市区町村への報告等は必要ないとされています。
あなたは規程づくりを支援するアシスタントです。以下の材料から、協力確認書の再提出が必要になる場面を社内ルールとして整理してください。
【材料】
・想定される変更: (例: 社宅の移転、事業所の増設、担当者の交代、法人名の変更)
・現在の提出先: (例: 田辺市)
・管理者: (例: 総務担当1名)
出力: ①再提出が必要そうな場面と、必要かどうかを役所に確認すべき場面の2分類 ②気づくためのきっかけ(契約更新月など) ③1か月に1回見る確認リスト。制度の可否を断定せず、確認先を添えてください。
※そのままコピーして使えます
生活ルールの周知と相談先を社内で決める
協力確認書は「要請があったら協力します」という確認です。であれば、要請が来たときに動ける体制を先に作っておくのが実務です。入管庁は、協力を求められる例として、各種行政サービス・交通ルール・ごみ出しルールの周知、医療・公衆衛生、防災訓練や災害対応、地域イベントや日本語教室の開催案内、アンケート調査やヒアリングへの協力などを挙げています。どれも「社内で伝える経路があるか」が分かれ目です。
あなたは多文化共生の社内周知を支援するアシスタントです。以下の材料から、外国人スタッフに生活ルールを伝えるための周知文を作ってください。
【材料】
・伝える内容: (例: ごみの分別と収集日、台風時の連絡方法、避難場所)
・対象者の日本語レベル: (例: 日常会話はできるが漢字が苦手)
・伝える手段: (例: 休憩室の掲示、グループチャット)
出力: ①やさしい日本語の周知文(200字以内・ふりがなが必要な語を明示) ②同じ内容の英語版 ③掲示とチャットで文面を変えるべき点。材料にない制度・連絡先は書かないでください。
※そのままコピーして使えます
あなたは社内体制の整理を支援するアシスタントです。以下の材料から、市町村から共生施策への協力要請が来たときの社内フローを作ってください。
【材料】
・受け付ける窓口: (例: 総務担当)
・判断する人: (例: 支配人)
・現場の制約: (例: 繁忙期は人を出せない、月1回なら参加可能)
出力: ①要請を受けてから回答するまでの流れ(3〜4段階) ②その場で答えず持ち帰るべき要請の例 ③回答の文例2本(協力する場合/時期をずらして協力する場合)。要請の内容を推測で決めつけないでください。
※そのままコピーして使えます
掲示物や案内文を英語でも用意したい場合は、館内案内を英語で作る方法|コピペテンプレ8本とチェックリスト【2026年9月】の文例がそのまま流用できます。求人段階からの流れを整えたい場合は、ハローワーク田辺への求人の出し方|事業所登録から公開まで7ステップ【2026年9月】もあわせて確認してください。
市に出したあと何を求められるのか|協力の範囲には線が引かれている
「協力します」と書面で出すことに不安を感じる方もいます。ここは公表内容がはっきりしているので、線引きを確認しておきましょう。
入管庁のページとQ&Aでは、想定される協力要請として、条例等の法的根拠がある施策への協力、各種行政サービスや交通ルール・ごみ出しルールの周知、医療・公衆衛生や防災訓練・災害対応、地域イベントや日本語教室の開催案内、アンケート調査・ヒアリングへの協力などが挙げられています。
一方で、想定されない要請も明記されています。法的根拠なく地域イベントへの参加を強制すること、地方公共団体への拠出金を求めること、共生施策と無関係の要請、地方公共団体のみで実施できる事項、社会通念上、特定技能所属機関にとって過大な負担となるものです。つまり、協力確認書を出したからといって、寄付や無制限の動員に応じる義務が生じるわけではありません。
協力要請に応じない場合の扱いも公表されています。Q&Aでは、地方出入国在留管理局が相談等を受けた場合に必要に応じて指導・助言を行うことがあり、協力可能であるにもかかわらず応じないなど、外国人の適正な在留に重大な支障が生じていると認められる場合には、改善命令等を行う可能性があるとされています。過度に恐れる必要はありませんが、「出したまま無視」は避けるべき、という整理になります。
もう1つ、1号特定技能外国人支援計画にも関係します。入管庁は、支援計画の作成・実施にあたって、地方公共団体が実施する共生施策を確認し、これを踏まえた支援計画を作成する必要があるとしています。登録支援機関に支援を委託している場合でも、市町村の共生施策の情報が計画に反映されているかは、委託元として確認しておきたい点です。
よくある誤解|この4つで提出漏れが起きている
誤解1: 入管に出す書類の中に含まれている
❌ よくある間違い: 行政書士や登録支援機関が在留申請を代行しているから、協力確認書もその中で処理されていると思い込む。
⭕ 正しいアプローチ: 提出先は市区町村であり、入管とは別の宛先だと理解する。誰が出すかは決めてよく、Q&Aでは特定技能所属機関のほか、行政書士、弁護士、登録支援機関の職員等の代理人による作成・提出も可能とされ、代理人の委任状は市区町村からの要請がない限り不要とされています。
なぜ重要か: 「誰かがやっているはず」の状態がいちばん危ないからです。代理人に任せるなら、提出年月日と提出先を自社の台帳に戻してもらう約束まで含めて決めてください。
誤解2: 事業所の所在地だけに出せばよい
❌ よくある間違い: 会社の住所がある田辺市にだけ提出して完了とする。
⭕ 正しいアプローチ: 事業所所在地と住居地の両方の市区町村に出す。同じ市区町村なら1通、違えばそれぞれに1通です。派遣形態の場合は実際に活動する場所が基準になります。
なぜ重要か: 南紀は市町村の境をまたいだ通勤が当たり前だからです。白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、住まいは隣町、職場は観光地という組み合わせは普通に出てきます。名簿に「住居の市町村」列を作るだけで、この漏れは防げます。
誤解3: 受け入れるたびに毎回出し直す
❌ よくある間違い: 人数が増えるたびに同じ市町村へ何通も提出し、そのたびに担当者の手が止まる。
⭕ 正しいアプローチ: 入管庁は、協力確認書は基本的に一度、該当する市区町村に提出すれば、その後、同一の事業所で活動する他の特定技能外国人を受け入れる等の際に再提出する必要はないとしています。同じ市区町村内に複数の事業所がある場合は、1枚にまとめて記載できます。ただし事業所や住居地が変わったとき、記載事項に変更が生じたときは再提出が必要です。
なぜ重要か: 「毎回必要」と誤解すると手続きが重くなり、逆に「一度出せば永久に不要」と誤解すると変更時に漏れるからです。正しくは「一度でよいが、変わったら出す」です。
誤解4: 様式や窓口は全国共通だから調べなくてよい
❌ よくある間違い: 近隣の市の案内を見て、同じ方法で自分の町にも送ろうとする。
⭕ 正しいアプローチ: 様式は入管庁が公表しているものを使えますが、受付窓口と受付方法は市区町村ごとに異なります。田辺市は国際交流センターでLoGoフォームに対応、和歌山市は国際交流課で電子メールに対応と案内されています。案内をウェブに掲載していない町村もあるため、電話で確認します。
なぜ重要か: 提出方法の違いは、そのまま「間に合うかどうか」に直結するからです。郵送しか受け付けない窓口なら、在留申請日の逆算を1週間早める必要があります。
なお、個別の在留資格の可否や分野該当性の判断は、この記事の範囲を超えます。判断に迷う点は、行政書士・弁護士などの専門家か、管轄の地方出入国在留管理局に確認してください。
提出前に確認する8項目
提出の直前に、名簿と台帳を見ながらチェックしてください。
- □ 受け入れている(予定の)特定技能外国人の一覧がある(分野・事業所・住居地つき)
- □ 事業所の所在地の市区町村を確認した
- □ 住居地の市区町村を確認した(社宅・アパートの所在地を含む)
- □ 提出が必要な市区町村と通数を書き出した
- □ 各市区町村の受付窓口と受付方法を確認した(案内がない町村は電話で確認)
- □ 入管庁が公表している様式・記載例を使っている
- □ 在留申請の予定日から逆算した提出予定日をカレンダーに入れた
- □ 提出年月日・提出先・控えの保存場所を台帳に記録する欄がある

特に見落とされやすいのが、3つ目の住居地です。採用時の書類は事業所の情報で揃っているため、住まいの市町村だけが誰も確認していない状態になりがちです。チェックが埋まらない項目があっても、上から順に潰せば1〜2時間で終わる作業量です。
よくある質問
Q. 協力確認書とは何ですか?
特定技能所属機関(受け入れ事業者)が、地方公共団体から共生施策への協力を要請されたときに必要な協力をする旨を、市区町村に対して確認する書面です。2025年2月17日公布・同年4月1日施行の省令改正で、協力することが特定技能所属機関の基準として規定されたことに伴って運用が始まりました。許可や認定を受けるための申請書ではありません。
Q. 特定技能の協力確認書の提出先はどこですか?
特定技能外国人が活動する事業所の所在地が属する市区町村と、住居地が属する市区町村のそれぞれです。両方が同じならば1通で足ります。田辺市の場合の窓口は、田辺市国際交流センター(本庁舎5階 生涯学習課内、電話 0739-33-9019)です。
Q. 田辺市への提出方法と、かかる費用を教えてください。
田辺市は、窓口・郵便・ファックス(0739-24-8323)・LoGoフォームの4通りを案内しています。記名のみで署名・押印は不要です。手数料についての記載は市の案内にはありません。詳細は田辺市の案内ページで確認してください。
Q. 協力確認書の様式はどこで入手できますか?
出入国在留管理庁の特定技能制度における地域の共生施策に関する連携のページに、様式(Word)と記載例(直接雇用・派遣形態)が掲載されています。和歌山市のように、市のページから様式を配布している自治体もあります。
Q. すでに何年も特定技能外国人を雇っています。今から出す必要がありますか?
入管庁Q&Aでは、すでに受け入れている場合は、運用開始日(2025年4月1日)以降、初めて当該外国人について在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を行う前に提出が必要とされています。次の更新の予定日を確認し、そこから逆算して提出してください。
Q. 住居が上富田町や白浜町の場合、そちらにも出すのですか?
はい、住居地が属する市区町村にも提出する扱いです。本記事の執筆時点では、これらの町の協力確認書の案内ページは確認できませんでした。掲載がない場合でも提出義務がなくなるわけではないため、役場に受付窓口と方法を電話で確認するのが確実です。
Q. 提出しないとどうなりますか?
在留諸申請の申請書(所属機関作成用)3(32)に提出年月日・提出先を記載する欄があるため、提出していないと記載できません。また協力要請に応じない場合には、地方出入国在留管理局が指導・助言を行うことがあり、外国人の適正な在留に重大な支障が生じていると認められる場合には改善命令等を行う可能性があるとQ&Aに記載されています。
Q. 技能実習生やアルバイトの留学生についても必要ですか?
協力確認書は特定技能制度における特定技能所属機関の基準に関する仕組みで、対象は特定技能外国人の受け入れです。技能実習や留学生アルバイトについては、この協力確認書とは別の制度・手続きで整理されています。雇用形態ごとの届出の違いは和歌山で外国人を雇う手続き|届出7ステップと県内ハローワーク管轄表【2026年9月】で確認してください。
現時点で公表されているのはここまで|次にやる3つのこと
公表されているのは、①2025年2月17日公布・4月1日施行の省令改正で協力が基準に規定されたこと、②協力確認書を事業所所在地と住居地の市区町村に、在留申請の前に提出すること、③田辺市の窓口は田辺市国際交流センターで、窓口・郵便・ファックス・LoGoフォームの4通りに対応し、記名のみで足りること、までです。田辺市以外の南紀の町村の受付方法や、今後の様式変更の予定については、本記事の執筆時点で確認できた公表情報はありません。推測は書きません。
- 今日やること: 特定技能で受け入れている(予定の)人の一覧に「勤務事業所の市町村」「住居の市町村」「次の在留申請の予定月」の3列を足す
- 今週中にやること: 提出が必要な市町村を確定し、田辺市国際交流センター(0739-33-9019)と、案内が出ていない町村の役場へ窓口と提出方法を確認する
- 今月中にやること: 入管庁の様式で協力確認書を作成して提出し、提出年月日・提出先・控えの保存場所を台帳に記録する
参考・出典
- 田辺市「特定技能所属機関による協力確認書の提出等について」(2026年2月27日更新。提出先=田辺市国際交流センター、提出方法=窓口・郵便・ファックス・LoGoフォーム、記名のみで署名・押印不要)(参照日: 2026-09-19)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2025年2月17日公布・2025年4月1日施行、様式・記載例、申請書3(32)欄の記載、共生施策の例)(参照日: 2026-09-19)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携に係るQ&A」(提出の時期、提出先、代理人による提出、再提出が必要な場面、協力要請に応じない場合の扱い)(参照日: 2026-09-19)
- 和歌山市「特定技能所属機関による協力確認書の提出等について」(2026年3月27日更新。窓口=国際交流課、電子メール・郵送・ファクス・持参)(参照日: 2026-09-19)
- 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)(2026年1月30日公表。外国人労働者数257万1,037人、外国人を雇用する事業所数37万1,215所)(参照日: 2026-09-19)
- 出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」(2026年4月13日以降の交付停止措置)(参照日: 2026-09-19)
あわせて読みたい
- 和歌山で外国人を雇う手続き|届出7ステップと県内ハローワーク管轄表【2026年9月】: 協力確認書の外側にある、ハローワークへの届出と期限をまとめています
- 特定技能「外食業」受け入れ停止で何が変わるか|南紀の宿・飲食が今週打つ手【2026年9月】: 協力確認書を用意する前に確認したい、分野ごとの受け入れ可否を整理しています
※本記事は公表されている一次情報の範囲でまとめたものです。個別の在留資格の可否判断や分野該当性については、行政書士・弁護士などの専門家、または地方出入国在留管理局にご確認ください。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。