
結論: OpenAIは2026年9月8日(米国時間)、画像生成モデル「ChatGPT Images 2.5」を公開しました。公式発表で確認できる数字は「画像生成の待ち時間をImages 2.0比で最大50%削減」で、ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティアに当日から展開されています。フライヤーや商品写真から作り始められるテンプレート、画像に直接コメントして部分だけ直す編集、手描きを下地にするSketchが加わりました。南紀の宿・飲食店にとっての実務上の意味は「完成品が自動で出る」ではなく、外注に出す前の試作を自分の手元で何回も回せるようになったことです。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県(特に南紀=田辺・白浜・新宮・みなべ・串本・那智勝浦・御坊)の宿泊施設・飲食店・小売・農水産の経営者と現場責任者、販促物の制作を外注している中小企業の担当者 読了後にできること: 今回の発表で確定している事実と未確定の部分を切り分けたうえで、自社の販促物のどれを内製に寄せ、どれを撮影・外注に残すかを業種別に判断し、9月中に社内ルールと試作の段取りまで決められる状態になる
「その写真、もう少し寄りで撮り直せませんか」——販促物の制作でよく交わされる一言です。
秋の連休に向けたチラシ、季節のメニュー差し替え、Instagramの投稿画像。作りたいものははっきりしているのに、写真の差し替えとレイアウトの往復で1週間が消えていく。観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から見ると、地方の小さな事業者が販促でつまずく原因は、アイデアが足りないことではありません。試作を1回するコストが高すぎて、1案目を通すしかなくなるという構造にあります。
今回の更新が効くのは、まさにその「試作1回あたりのコスト」の部分です。ただし、AIが作った画像をそのまま店頭に貼ってよいかというと、話は別です。飲食店のメニュー写真には景品表示法の論点があり、参照に使う素材には著作権の論点があり、生成画像には来歴メタデータの論点があります。
この記事では、OpenAIの公式発表で確認できた事実と数字を先に整理したうえで、宿泊・飲食・農水産/小売の3業種で内製と外注の境目がどこに動いたか、9月中に決めておくこと、そして入稿前に確認する4点を、そのまま使える8本のプロンプトと8項目のチェックリストとあわせてまとめます。手元に、直近で外注した販促物の見積書か請求書を1枚用意して読み進めてください。
目次
OpenAIが9月8日に公開した「Images 2.5」|発表で確認できた事実
最初に、一次情報で確認できた範囲だけを並べます。以下はすべてOpenAI「Introducing ChatGPT Images 2.5」の記載です(参照日: 2026-09-16)。
| 更新点 | OpenAIの発表内容 | 販促物での使いどころ |
|---|---|---|
| 生成の高速化 | 画像生成のレイテンシをImages 2.0比で最大50%削減 | 1案で決め打ちせず、3案・5案と並べて選べる |
| 編集の一貫性 | 参照写真の被写体をより保ちやすく、複数回の編集指示にも安定して従う | 同じ商品・同じ客室のまま、文言や季節だけ差し替える |
| テンプレート | フライヤーや商品写真など、よく使う画像フォーマットから作り始められる | 白紙から考えず、POP・チラシの下地を先に出す |
| コメント編集 | 画像上に直接コメントを置いて、その箇所に絞った編集ができる | 「ここの余白を詰める」を言葉でなく位置で伝える |
| Sketch | ChatGPT内で直接描いた絵を、最終画像の参照として使える | 頭の中のレイアウトを手描きして下地にする |

提供範囲も明確です。OpenAIは「Images 2.5はChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全ティアのユーザーに向けて、デスクトップ・モバイル・Webで本日より展開する」と記載しています。つまり、新しい契約や上位プランへの変更を前提にした機能ではありません。すでにChatGPTを使っている事業者は、追加費用の判断をしないまま画面側の変化として受け取る形になります。
規模感を示す数字も1つ公表されています。OpenAIによれば、ChatGPT ImagesとAPIのGPT-Imageモデルを合わせて、週に30億枚を超える画像が作られています。販促物の世界で「AIで画像を作る」が例外的な手段ではなくなっている、という前提の確認としては十分な数字です。
なお、生成した画像にはC2PAメタデータと不可視の電子透かしが使われ、OpenAIのツールで作られた画像であることを識別できるようにしている、とも明記されています。この点は後半の「入稿前に確認する4点」で実務に落とします。
現時点で公表されているのはここまでです。この先の機能追加や日本語UIでの表示時期について、公式発表に記載はありません。憶測で予定を前提にした段取りは組まないでください。
Images 2.0から何が変わったか|「速さ」より「編集が崩れないこと」
見出しの数字は50%の高速化ですが、販促物の実務でより効くのは編集の一貫性のほうです。
OpenAIは、Images 2.5について「参照写真の被写体をより保ちやすく、複数回にわたる編集指示にもより確実に従う」と説明しています。販促物づくりは、ほぼ例外なく複数回の往復で成り立っています。チラシの文言を直す、価格を直す、日付を直す、去年の写真を今年の日付に差し替える。このとき前のバージョンで気に入っていた部分まで一緒に変わってしまうのが、画像生成AIを実務に入れられなかった最大の理由でした。
コメント編集は、この往復を言葉の精度に頼らずに済ませる仕組みです。「右下の余白をもう少し詰めて」と文章で説明する代わりに、その位置に直接コメントを置いて指示します。指示の場所が特定されるぶん、関係ない部分が巻き込まれて変わる事故が減ります。
テンプレートも同じ文脈で理解すると使いどころが見えます。OpenAIはテンプレートを「フライヤーや商品写真のような、よく使われる画像フォーマットで作り始めやすくするもの」と説明しています。ゼロから構図を指示するのではなく、完成形に近い下地を先に出して、そこから引き算していく作り方です。白紙が一番怖い、という現場の感覚には合っています。
一方で、速さそのものにも意味はあります。待ち時間が半分になるということは、同じ30分で試せる案の数が増えるということです。販促物の質を決めるのは、たいてい1案目の出来ではなく、何案並べて比べたかです。ここは、宿のSNS運用で「伸びる投稿の型」を探すときと同じ構造で、旅館・宿のSNS集客事例|伸びる投稿の型と6ステップ【2026年8月】で整理した「当たりを引くまで数を出す」考え方がそのまま当てはまります。
料金と提供範囲|APIの2モデルと、発表に書かれていないこと
ChatGPTのアプリ側で使う分には、今回の発表に価格の話は出てきません。全ティアへの展開なので、追加課金の判断は発生しない形です。
開発者向けのAPIには、2つのモデルが追加されました。OpenAIの説明では、GPT-Image-2.5 Flareが「品質・編集・速度の同じ改善をもたらす」標準側、GPT-Image-2.5 Sunburstが「生成時間は長くなるが、細部の作り込みにさらに高い精度を提供する」精密側です。
価格はOpenAIのAPI料金ページに記載があり、参照日(2026-09-16)時点で両モデルとも100万トークンあたりテキスト入力5ドル、画像入力8ドル、画像出力30ドルです。ただし、1枚あたりの実額は画質設定によって変わるため、OpenAIは画像生成ガイド内の計算ツールで見積もるよう案内しています。この記事で「1枚何円」と断定しないのは、断定できる材料が公表されていないからです。
APIは、予約サイトの掲載画像を大量に一括生成したい、EC商品の画像を自動で作りたい、といった仕組み化の話です。宿1軒・店1軒で週に数枚の販促物を作る範囲なら、当面はChatGPTのアプリ側だけで足ります。API連携の検討は、内製の運用が回り始めてからで遅くありません。
なお、ChatGPT側の画像生成の利用回数の上限について、今回の発表ページに記載はありません(参照日: 2026-09-16)。プランごとの上限は、自社のアカウント画面と公式ヘルプで確認してください。また、報道では機能の一部がChatGPT Workのモードで未提供とされていますが、これは一次情報で確認できた記載ではないため、自社の画面に表示されるかどうかを実際に開いて確かめるのが確実です。
南紀の宿・飲食店・農水産のどこに効くか|外注との境目が動いた場所
ここからが本題です。今回の更新は業種を問わず全員に同じ量だけ効くわけではありません。効き方は「その販促物が、実物の正確な再現をどれだけ要求するか」で決まります。
| 業種 | 内製に寄せやすい制作物 | 撮影・外注に残すもの |
|---|---|---|
| 宿泊施設 | SNS投稿画像、季節バナー、館内掲示、プラン告知の下地 | 客室・料理・露天風呂の実写、公式サイトのメインビジュアル |
| 飲食店 | 店頭POP、黒板の下書き、SNS告知、テイクアウト案内 | メニューに載せる料理写真、店内の実写 |
| 農水産・直売所・小売 | ECの説明バナー、のぼり案、値札・産地表示の下地、贈答セットの構成図 | 商品そのものの物撮り、生産現場の実写 |

共通する線引きは1つです。お客様が「これが届く/これが出てくる」と受け取る画像は実写のまま、それ以外の伝達物は内製に寄せられる。この線を先に引いておかないと、後半で説明する景品表示法の論点に踏み込んでしまいます。
宿泊施設|投稿画像と館内掲示は内製、客室と料理は実写のまま
宿でいちばん手数が多いのは、客室や料理の写真そのものではなく、その周辺です。連休の空室告知、冬のクエの時期の告知、チェックイン時間変更のお知らせ、館内の多言語掲示。どれも既存の実写を使い回しながら、文言と季節だけを差し替える作業です。
ここは編集の一貫性が効く領域です。去年作ったバナーの構図を保ったまま、日付と文言だけ差し替える。従来は元データを持っている制作会社に頼むしかなかった作業が、手元の画像1枚から始められます。
一方で、OTAや公式サイトに載せる客室・料理・風呂の写真は実写のままにしてください。予約の判断材料そのものだからです。宿のAI活用の全体像はChatGPTを旅館・民宿で使う15の方法|コピペで使えるプロンプト集【2026年8月】で場面ごとに整理しています。
あなたは小さな宿の販促担当です。手元にある実写1枚を下地に、SNS用の告知画像の構成案を3案、表形式(案/主役にする要素/入れる文言/文字を置く位置)で出してください。
【材料】
・宿名と所在地: (例: 白浜の海沿いの民宿)
・使う実写の内容: (例: 露天風呂から見た夕日・横位置)
・告知したいこと: (例: 11月の平日に空室あり)
・入れたい文言: (例: 平日限定・2名様より)
・避けたいこと: (例: 実際にない設備を写り込ませる)
画像は【材料】の実写に写っているものだけを使い、設備・景色・料理を足さないでください。【材料】にない事実は書かず、推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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飲食店|店頭POPと黒板は内製、料理写真は撮り直す
飲食店で内製に寄せやすいのは、店頭POP・黒板・テイクアウト案内・SNSの告知です。これらは「情報の伝達」が仕事なので、写真の正確さより読みやすさとレイアウトが効きます。テンプレートから下地を出し、コメント編集で文字位置を詰める、という使い方が素直にはまります。
逆に、メニューに載せる料理写真は内製の対象から外してください。ここは後述する景品表示法の優良誤認が正面から関わる領域で、AIで「おいしそうに整える」ことが最も危ない使い方になります。撮り直しに手間をかけるべきは、むしろこちらです。
あなたは飲食店の店頭POPを作るデザイナーです。以下の材料から、A4縦の店頭POPの構成案を3案、表形式(案/いちばん大きく出す言葉/2番目に出す情報/色の方向性/写真を置くか否か)で出してください。
【材料】
・店の種類と場所: (例: 那智勝浦の海鮮定食屋)
・打ち出したい商品と価格: (例: 生まぐろ定食 1,800円)
・提供できる期間: (例: 9月20日〜10月10日)
・お客様の層: (例: 平日は地元、休日は観光客)
・使える実写: (例: 昨日撮った盛り付けの写真1枚/ない)
価格・期間・内容は【材料】の数字をそのまま使い、割引や特典を勝手に足さないでください。【材料】にない事実は書かず、推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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農水産・直売所・小売|説明バナーとのぼりは内製、物撮りは残す
みなべの梅、串本の水産品、御坊の農産物。産直やECで売る事業者にとって、商品画像は売上に直結します。ここでも線引きは同じで、商品そのものの写真は物撮りのまま、商品を説明する図や帯は内製です。
内容量の比較図、贈答セットの中身の構成図、産地と時期を示す帯、のぼりのデザイン案。こうした「説明のための画像」は、これまで外注の最小ロットに届かず、結局手書きの紙で済ませていた領域です。ここが内製に入ってくると、季節ごとの作り直しが現実的になります。
あなたは産直ECの販促担当です。以下の材料から、商品ページ上部に置く説明バナーの構成案を3案、表形式(案/最初に伝える情報/2番目/図で示すもの/文字数の目安)で出してください。
【材料】
・商品名と産地: (例: 南高梅・みなべ町産)
・規格と内容量: (例: 2Lサイズ 1kg)
・時期: (例: 6月収穫・通年出荷)
・他と違う点: (例: 樹上完熟のみを手選別)
・使える実写: (例: 収穫直後の実の写真1枚)
等級・認証・受賞歴・産地は【材料】に書かれたものだけを使い、足さないでください。【材料】にない事実は書かず、推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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9月中に決めること|素材の棚卸しと、使ってよい画像の線引き
機能が来た日から使えるからこそ、順番を決めずに触り始めると、あとで作り直しになります。9月中に片付けておく5つを、そのまま使えるプロンプトとあわせて並べます。

1. 手持ちの写真素材を棚卸しする
内製の出発点は、生成ではなく在庫確認です。自社で撮った写真、制作会社に撮ってもらった写真、観光協会から借りた写真、フリー素材。この4つは権利の扱いが違います。撮影者との契約で二次利用の範囲が決まっている写真を、生成の参照に入れてよいかは別問題です。制作物の権利まわりの見方は和歌山の動画制作会社と費用|見積・権利・発注前30日計画で整理した考え方が、そのまま静止画にも当てはまります。
あなたは中小事業者の販促物の権利整理を手伝う担当者です。以下の材料から、手持ち画像の棚卸し表を作ってください。列は「素材名/撮影者・入手元/二次利用の可否が契約書で確認できるか/AIの参照に使ってよいか/確認先」です。
【材料】
・素材の一覧: (例: 客室写真20枚=2023年に制作会社が撮影、料理写真=自分のスマホ、外観=観光協会提供)
・手元にある契約書: (例: 制作会社との発注書のみ)
可否が判断できない素材は「未確認」と書き、勝手に「使える」と判断しないでください。推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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2. テンプレートから1枚だけ試作する
いきなり本番の販促物で試さないでください。最初の1枚は、締切のない告知で試します。テンプレートから下地を出し、どこまで自分の意図どおりに動くかを体感するのが目的です。
あなたは販促物の制作ディレクターです。私がChatGPTのテンプレート機能でフライヤーを作ります。以下の材料をもとに、テンプレートに入力する指示文を1本(200字以内)と、出てきた画像を評価するときの確認項目を5つ出してください。
【材料】
・作るもの: (例: 秋の連休の宿泊プラン告知フライヤー A4縦)
・入れる情報: (例: 期間、料金、予約先の電話番号)
・使う実写: (例: 客室の写真1枚)
・トーン: (例: 落ち着いた和風)
指示文には【材料】にない設備・景色・特典を入れないでください。推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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3. コメント編集で直す箇所を言葉にする
出てきた画像に全部やり直しを指示するのは、いちばん時間のかかる直し方です。直したい箇所を切り分けて、そこだけ指示します。この切り分けを先に紙に書き出しておくと、編集の往復が半分になります。
あなたは販促物のレビュー担当です。以下の材料から、画像のどこをどう直すかを箇条書きで最大8点にまとめてください。各項目は「場所/今どうなっているか/どう直すか」の3点セットで書いてください。
【材料】
・作った画像の説明: (例: A4縦のフライヤー。上半分が客室写真、下半分に文言)
・気になっている点: (例: 電話番号が小さい、余白が広すぎる、色が暗い)
・絶対に変えたくない部分: (例: 客室写真そのもの)
「全体的に」「なんとなく」という表現は使わず、必ず位置を特定して書いてください。推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
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4. 実物と照合してから入稿する
内製で最も抜けやすい工程です。生成した画像を、実物・実価格・実際の提供条件と1つずつ突き合わせます。飲食店なら実際の盛り付け、宿なら実際の客室、産直なら実際の規格です。
あなたは景品表示法に配慮した販促物の点検担当です。以下の材料から、入稿前の照合表を作ってください。列は「画像内の表現/実際はどうか/差があるか/差がある場合の直し方」です。
【材料】
・画像で伝えていること: (例: 器に盛られた刺身7点、海が見える窓)
・実際の提供内容: (例: 刺身5点、窓から見えるのは駐車場)
・価格と期間の表記: (例: 1,800円・9月20日〜10月10日)
「差がある」と判断した項目は、表現を弱める案ではなく、実際に合わせる案を書いてください。【材料】にない事実は書かず、推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
5. 社内ルールを紙1枚にする
複数人で触る職場では、ルールが先です。誰が作ってよいか、何を参照に入れてよいか、誰が最終確認をするか。この3つが決まっていないと、現場が良かれと思って実物と違う画像を作ってしまいます。
あなたは中小事業者の社内ルールづくりを手伝う担当者です。以下の材料から、AIで販促画像を作るときの社内ルールをA4用紙1枚分(10項目以内・各項目1文)で作ってください。
【材料】
・作る人: (例: 女将と若手スタッフ2名)
・最終確認する人: (例: 支配人)
・作ってよいもの: (例: SNS告知、館内掲示)
・作ってはいけないもの: (例: 客室写真、料理写真)
・使ってよい素材: (例: 自社で撮影した写真のみ)
法律の解釈を断定せず、判断に迷う場合は「確認してから出す」と書いてください。推測が必要な箇所は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
入稿の前に確認する4点|「AIで作った画像」でつまずきやすいところ
手が速くなったぶん、確認の工程が相対的に重くなります。順に見てください。
誤解1: AIで「おいしそうに」整えれば集客が上がる
❌ よくある間違い: 実際の盛り付けより具材を増やしたり、実際にない景色を窓の外に入れたりして、料理写真や客室写真を「盛る」。
⭕ 正しいアプローチ: 実物を撮り直す。整えてよいのは明るさや傾きといった撮影上の補正までで、内容そのものを変えない。
なぜ重要か: 消費者庁は「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(PDF)で、優良誤認表示にあたるかどうかは、実際のものと表示から受ける一般消費者の印象・認識との間に差が生じているか、その差が著しいかという観点から個別具体的に判断される、という考え方を示しています(参照日: 2026-09-16)。判断されるのは「AIを使ったかどうか」ではなく「実物との差」です。画像生成が速くなったということは、この差を作る作業も速くなったということでもあります。なお、具体的な事案が違反にあたるかどうかの判断は個別判断になりますので、迷う表示は所管の窓口や専門家に確認してください。

誤解2: ネットで見つけた写真を参照に入れてよい
❌ よくある間違い: 好きな雰囲気の他店の写真や、検索で出てきた画像を参照として貼り、「こんな感じで」と指示する。
⭕ 正しいアプローチ: 参照に入れるのは、自社で撮影した写真か、参照利用の可否を確認できている素材だけにする。
なぜ重要か: 文化審議会著作権分科会法制度小委員会が2024年3月にまとめた「AIと著作権に関する考え方について」(文化庁・PDF)は、生成AIと著作権の関係について現時点の考え方を整理した資料ですが、文書自体が法的拘束力を持つものではなく、個別の事案について確定的な法的評価を示すものでもないと明記しています(参照日: 2026-09-16)。つまり、グレーな素材を使った場合の結論は事前には確定しません。確定しないものを販促物の土台に据えないでください。手元の素材だけで作れる範囲に留めるのが、いちばん確実です。
誤解3: 生成した画像だと分からないようにすればよい
❌ よくある間違い: メタデータを消したり、生成した画像を「スタッフが撮影しました」と説明したりする。
⭕ 正しいアプローチ: 生成物を人が作ったものとして説明しない。来歴情報は残す前提で扱う。
なぜ重要か: OpenAIの利用規約(Terms of use)は、出力(Output)の権利は利用者に帰属するとしたうえで、出力を人間が作ったものだと偽って表示してはならないと定めています(参照日: 2026-09-16)。加えて、同じ規約は、サービスの性質上、出力が固有のものにならず他の利用者が似た出力を受け取る可能性があるとも記載しています。また、OpenAIのヘルプセンター「Provenance signals (Content Credentials, SynthID) in OpenAI-generated content」は、ChatGPT・Codex・APIで生成された画像にC2PAのContent CredentialsとSynthIDの両方の信号が含まれること、そのメタデータはアップロード・ダウンロード・編集・形式変換・共有の過程で剥がれることがあること、openai.com/verifyで確認できることを説明しています(参照日: 2026-09-16)。「消える場合がある」ことと「消してよい」ことは別です。
誤解4: 生成した画像をそのまま印刷所に入稿できる
❌ よくある間違い: 画面上できれいに見えたので、そのままチラシやのぼりの入稿データとして送る。
⭕ 正しいアプローチ: 印刷物は、画像を「素材」として扱い、文字組みは別のレイアウトソフトやテンプレートで乗せる。
なぜ重要か: 印刷には解像度・塗り足し・色の指定といった要件があり、画面表示用の画像がそのまま通るとは限らないからです。加えて、日本語の細かい文字や価格表記を生成画像の中に焼き込むと、修正のたびに画像ごと作り直しになります。文字は後から乗せる。この分け方にしておくと、価格改定や期間変更のたびに発生していた作り直しの費用と時間が、そもそも発生しなくなります。
ここまでの内容は、無料の範囲でも着手できます。それでも「試作は作れたが、印刷入稿と販促全体の設計まで手が回らない」という事業者が多いのも事実です。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます(宮古島・伊豆へも現地訪問で対応)。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは直近の販促物1点だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
販促画像を内製できている事業者・できていない事業者(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。直近3か月に作った販促物を思い浮かべながら、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ 手持ちの写真素材について、撮影者と二次利用の可否を一覧で答えられる
- □ 自社で「実写のまま出すもの」と「内製でよいもの」の線引きが決まっている
- □ 販促画像を作ってよい人と、最終確認をする人が決まっている
- □ 入稿前に、画像の表現と実際の提供内容を突き合わせる工程がある
- □ 料理写真・客室写真を生成で「盛って」いない
- □ 参照に入れているのは、自社で権利を確認できた素材だけである
- □ 生成した画像を、人が撮影したものとして説明していない
- □ 印刷物では、文字組みを画像に焼き込まず別に乗せている

特に見落とされやすいのが、上から1つ目の素材の棚卸しです。ここが空白のまま内製を始めると、速くなったぶんだけ確認できない画像が増えます。チェックが3つ未満でも問題はありません。この記事の5工程は、上から順に進めればチェックが1つずつ埋まる構成にしています。
よくある質問
Q. ChatGPT Images 2.5は無料プランでも使えますか?
OpenAIは「ChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全ティアのユーザーに展開する」と発表しており、ティアによる区別は記載されていません。ただし画像生成の利用回数の上限については発表ページに記載がないため、自社のアカウント画面と公式ヘルプで確認してください(参照日: 2026-09-16)。
Q. ChatGPTで作った画像は商用利用できますか?
OpenAIの利用規約は、出力(Output)の権利は利用者に帰属すると定めています。一方で、出力を人間が作ったものとして偽って表示しないことなどの条件があり、日本の法令(景品表示法・著作権法など)の適用は別に検討が必要です。規約は改定されるため、利用規約の最新版を自社で確認してから運用を決めてください。
Q. AI画像でチラシを作る場合、印刷までそのままいけますか?
画像を素材として使い、文字組みは別のレイアウト側で乗せる形が実務的です。印刷には解像度や塗り足しの要件があり、画面表示用の画像がそのまま入稿データとして通るとは限りません。価格や期間を画像に焼き込まないでおくと、改定のたびの作り直しも避けられます。
Q. 飲食店のメニュー写真をAIできれいにしてもいいですか?
内容そのものを変える加工は避けてください。消費者庁の考え方では、実際のものと表示から受ける印象との差が著しいかどうかで優良誤認表示の該当性が判断されます。明るさや傾きの補正と、具材を足す加工はまったく別の行為です。メニュー写真は撮り直すのが結局いちばん速い、という判断で構いません。
Q. AIで作った画像だと明記する義務はありますか?
日本の法令でAI生成画像一般に一律の表示義務を課す規定は、本記事の参照日(2026-09-16)時点では確認できていません。ただし、OpenAIの規約は出力を人が作ったものだと偽ることを禁じており、C2PAとSynthIDの来歴情報も付与されます。また、広告であることを隠す表示はステルスマーケティング規制(2023年10月1日施行)の対象です。「AIかどうか」より「広告であることと実物が正しく伝わるか」で設計してください。
Q. gpt-image-2.5-flareとsunburst、どちらを使えばいいですか?
OpenAIはFlareを標準側、Sunburstを「生成時間は長くなるが細部の作り込みに高い精度を出す」側と説明しています。両モデルの100万トークンあたりの料金は同額のため、判断軸は精度と生成時間です。なお、これはAPIを使った開発の話で、宿や店舗が週に数枚作る範囲ならChatGPTのアプリ側だけで足ります。
Q. 外注していたデザイナーやカメラマンとの関係はどうなりますか?
内製に寄せるのは告知・バナー・POPといった伝達物で、実物の写真と、ブランドの中心になるビジュアルは外部の専門家に残す、という分け方が現実的です。むしろ試作を手元で回せるぶん、依頼時の指示が具体的になり、往復が減ります。制作物の権利と納品条件の確認は従来どおり必要で、考え方は和歌山の動画制作会社と費用|見積・権利・発注前30日計画にまとめています。
Q. 社内で誰が担当すればいいですか?
作る人を1〜2名に絞り、最終確認を1名に固定してください。販促画像の事故は、技術ではなく「確認されないまま外に出る」ことで起きます。運用の落とし込みは、宿の場合和歌山の温泉旅館SNS集客|予約につなぐ30日運用ガイド【2026年】の30日の進め方に、この記事の5工程を差し込む形が組みやすいはずです。
2026年9月16日時点で確定していること・していないこと
確定していること: Images 2.5は2026年9月8日(米国時間)に公開され、画像生成の待ち時間はImages 2.0比で最大50%削減されました。ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティアに展開され、テンプレート・コメント編集・Sketchが加わりました。APIにはGPT-Image-2.5 FlareとSunburstが追加され、料金は両モデルとも100万トークンあたりテキスト入力5ドル・画像入力8ドル・画像出力30ドルです。生成画像にはC2PAメタデータと不可視の電子透かしが使われます。
確定していないこと: 画像1枚あたりの実額(画質設定で変動)、ChatGPT側の利用回数上限、今後の機能追加の時期。これらは公式発表に記載がないため、この記事では推測しません。
そのうえで、今日からの3つです。
- 今日やること: 直近で外注した販促物を1点手元に出し、その中で「実物の写真」と「伝達のための画像」を線引きする
- 今週中にやること: 手持ち素材の棚卸し表を作り、締切のない告知でテンプレートから1枚だけ試作する
- 今月中にやること: 入稿前の照合工程と、作る人・確認する人を決めた社内ルールをA4用紙1枚にまとめる
参考・出典
- OpenAI「Introducing ChatGPT Images 2.5」(2026年9月8日公開。最大50%のレイテンシ削減、テンプレート・コメント編集・Sketch、全ティアへの展開、週30億枚超、C2PAメタデータと不可視の電子透かし) https://openai.com/index/introducing-chatgpt-images-2-5/ (参照日: 2026-09-16)
- OpenAI「API Pricing」(gpt-image-2.5-flare/gpt-image-2.5-sunburst の100万トークンあたり単価) https://platform.openai.com/docs/pricing (参照日: 2026-09-16)
- OpenAI Help Center「Provenance signals (Content Credentials, SynthID) in OpenAI-generated content」 https://help.openai.com/en/articles/8912793-c2pa-in-chatgpt-images (参照日: 2026-09-16)
- OpenAI「Terms of use」(出力の権利の帰属、人間が作成したものと偽らないこと、出力が固有とは限らないこと) https://openai.com/policies/row-terms-of-use/ (参照日: 2026-09-16)
- 消費者庁「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(PDF) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/140328premiums_5.pdf (参照日: 2026-09-16)
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/ (参照日: 2026-09-16)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日・文化庁・PDF) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf (参照日: 2026-09-16)
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※本記事は公表済みの一次情報に基づく解説です。法令の適用や個別事案の判断については、所管の窓口や専門家にご確認ください。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。