
結論: 和歌山県の民営事業所数は4万5,309(令和3年経済センサス活動調査の確報、事業内容等不詳を除く)、従業者数は37万8,695人です。特徴は3つあります。従業者4人未満の事業所が62.8%で全国平均の56.2%を上回ること、個人経営が46.7%で全国の31.8%を大きく上回ること、1事業所当たりの従業者数が8.4人で全国の11.2人より小さいことです。和歌山では競合も取引先も客も「数人で回す小さな事業所」が標準で、全国平均の感覚で商品・価格・採用を設計すると外れます。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内(和歌山市・岩出市・紀の川市・橋本市・田辺市・白浜町・新宮市・串本町など)で宿泊・飲食・小売・建設・製造・士業を営み、「自分の商圏に客や競合が何軒あるか」「採用や承継の相手は何社いるか」を数字で言えるようにしたい経営者・後継者・現場担当の方 読了後にできること: 県の確報とe-Statから自分の市町村と業種の事業所数を10分で引き、競合の規模・法人向け商売の上限・採用と承継の相手を3つの数字に引き直し、事業計画書や補助金申請書の「地域の現状」欄を自分の言葉で書ける状態になる
「町内に同業が何軒あるか、実は数えたことがないんです。」
白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中で、こうした言葉を聞くことがあります。長年商売をしていれば、競合の顔も取引先の顔も分かっています。それでも「白浜町に事業所が何軒あって、そのうち何軒が飲食で、何軒が4人未満か」と聞かれると答えられません。感覚で分かっていることと、数字で言えることの間には差があり、その差は融資の面談、補助金の申請書、採用条件の設計、値付けの場面で表に出ます。
数字が無いのは、あなたが調べていないからではありません。和歌山県の事業所数は総務省・経済産業省の経済センサスで5年ごとに全数調査されていますが、結果は県の確報PDFとe-Statの統計表に分かれて置かれ、速報と確報、事業内容等不詳を含む数字と除く数字が混在します。インターネットで「和歌山県 事業所数」と検索しても、出てくるのは県のPDFと統計データベース、そして2022年の新聞記事だけで、「で、自分の商売にどう使うのか」までを書いた記事がありません。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、和歌山県の事業所数統計を一次情報の数値だけで整理し、自社の商圏・採用・承継の判断に引き直す7ステップと、そのままコピペで使える8本のプロンプト、統計を経営に使えている事業者といない事業者を分けるチェックリストを公開します。自分の市町村名と業種を1つ決めて、読み進めてください。
目次
まず結論|和歌山の事業所数統計を自社の商圏に引き直す7ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。統計を読む目的は、県経済を語ることではなく、自社の「競合の規模」「商圏の上限」「採用と承継の相手」を数字で決めることです。
| ステップ | やること | AIの役割 |
|---|---|---|
| 1. 数字を引く | 県の確報とe-Statで自分の市町村×業種の事業所数を出す | 統計表の該当行を表に整理する |
| 2. 競合の規模を知る | 従業者規模別の分布で「競合は何人の店か」を読む | 分布から競合像を文章にする |
| 3. 働き手の市場を見る | 産業別の従業者数で人を取り合う相手を知る | 採用で競合する業種を並べる |
| 4. 商圏の上限を出す | 市町村別の事業所数で法人向け商売の上限を試算する | 仮定を置いて上限を計算する |
| 5. 採用・外注を決める | 4人未満が6割の前提で雇用か外注かを決める | 業務ごとの線引き案を出す |
| 6. 承継リスクを棚卸し | 個人経営46.7%の前提で取引先の承継を確認する | 取引先リストを3区分する |
| 7. 更新日を記録する | 次の確報で数字を差し替える日を決める | 更新チェック表を作る |

ポイントは、ステップ1で「どの数字を使うか」を固定することです。本記事では、和歌山県調査統計課が2023年7月に公表した令和3年経済センサス活動調査 結果確報(和歌山県分)を基準にし、市町村別だけは事業内容等不詳を含む4万8,491を、産業別・規模別は不詳を除く4万5,309を使います。7ステップのうち1〜4を済ませれば、自社の競合の規模と商圏の上限が紙に書けて、融資と補助金の面談で「地域の現状」を自分の数字で話せる状態になります。ステップ5〜7は、その数字を採用・承継・翌年の更新につなぐ作業です。所要時間の目安は、ステップ1〜4が合計1〜2時間、5〜6が各30分、7は10分です。
経済センサスとは|「基礎調査」と「活動調査」の違いと和歌山県の主要数値
経済センサスとは、総務省と経済産業省が全国のすべての事業所・企業を対象に行う全数調査で、「事業所・企業の国勢調査」と呼ばれる基幹統計です。事業所の数、従業者の数、産業、経営組織、売上高などを市町村の町丁・大字単位まで集計します。
名前の似た2つの調査があり、ここを取り違えると数字が合いません。
- 経済センサス‐活動調査: 5年ごとに実施。売上高・費用などの経理事項まで調べる本調査。直近の確定値は令和3年(2021年6月1日現在)で、次回は令和8年(2026年6月1日現在)に実施中
- 経済センサス‐基礎調査: 活動調査の間の年に実施し、事業所の名簿情報を整える調査。直近は令和6年(2024年6月1日現在)で、速報集計が2025年5月30日に公表
- 速報と確報: 同じ調査でも速報と確報で数値が変わる。2022年7月の報道値(事業所数4万8,553)と2023年7月の確報(4万8,491)が違うのはこのため
- 不詳を含む・除く: 「事業内容等不詳」の事業所を含む数字(4万8,491)と除く数字(4万5,309)が併記される。産業別・規模別は除いた数字で集計される

そのうえで、和歌山県の主要数値は次の6項目で押さえられます(すべて令和3年活動調査の確報)。
- 事業所数: 4万5,309(事業内容等不詳を除く)。全国515万6,063の約0.9%
- 従業者数: 37万8,695人。1事業所当たり8.4人(全国11.2人)
- 規模: 従業者1〜4人が2万8,449事業所で62.8%(全国56.2%)。5〜9人17.7%(全国19.4%)、10〜19人10.5%(全国12.5%)
- 経営組織: 個人経営46.7%・法人52.7%(全国は個人経営31.8%・法人67.6%)
- 産業: 卸売業・小売業が1万1,385事業所(25.1%)で最多、次いで宿泊業・飲食サービス業5,221(11.5%)、医療・福祉4,361(9.6%)
- 市町村: 和歌山市1万7,913(36.9%)、田辺市4,730(9.8%)、海南市2,569(5.3%)の順
和歌山県の事業所の8割(80.5%)は従業者9人以下で、全国の75.6%より5ポイント近く高く、従業者20人以上の事業所は県内に約4,100(9.0%)しかありません。この1行が、以降のすべてのステップの前提です。
和歌山の事業所数統計を使う7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップの文例プロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。統計表の数字を自分で読み取り、プロンプトの( )に書き写してから送信してください。AIに数字を探させると、別の年の数字や速報値を混ぜてくることがあります。数字を取ってくるのはあなた、整理と文章化がAI、という分担を崩さないことが、このテーマでは最も重要です。
ステップ1: 自分の市町村と業種の数字を引く(県の確報とe-Stat)
最初に使うのは2つです。1つ目は県の確報PDFで、市町村別の事業所数・従業者数(表5)と産業大分類別の事業所数・従業者数(表2)が1ファイルに載っています。2つ目はe-Statの令和3年経済センサス活動調査・和歌山県の町丁・大字別統計表で、市町村より細かい町丁・大字単位の事業所数が取れます。白浜町の中で「湯崎」「堅田」に何軒あるか、まで分かります。
市町村別の主な数字は次のとおりです(事業内容等不詳を含む。構成比は県計4万8,491に対する割合)。
| 市町村 | 事業所数 | 構成比 | 従業者数 |
|---|---|---|---|
| 和歌山市 | 17,913 | 36.9% | 171,048人 |
| 田辺市 | 4,730 | 9.8% | 29,913人 |
| 海南市 | 2,569 | 5.3% | 20,545人 |
| 橋本市 | 2,477 | 5.1% | 18,748人 |
| 紀の川市 | 2,346 | 4.8% | 20,052人 |
| 新宮市 | 2,289 | 4.7% | 12,913人 |
| 岩出市 | 1,857 | 3.8% | 14,435人 |
| 御坊市 | 1,839 | 3.8% | 11,448人 |
| 有田市 | 1,529 | 3.2% | 10,123人 |
| 有田川町 | 1,426 | 2.9% | 9,347人 |
| 白浜町 | 1,081 | 2.2% | 9,441人 |
| 那智勝浦町 | 1,001 | 2.1% | 5,354人 |
| 串本町 | 939 | 1.9% | 4,705人 |
| かつらぎ町 | 784 | 1.6% | 6,162人 |
| 湯浅町 | 745 | 1.5% | 4,239人 |
| みなべ町 | 653 | 1.3% | 4,438人 |
| 上富田町 | 637 | 1.3% | 5,282人 |
| 高野町 | 352 | 0.7% | 2,081人 |
| すさみ町 | 250 | 0.5% | 1,195人 |
| 太地町 | 157 | 0.3% | 587人 |

和歌山市・海南市・紀の川市・岩出市の4市で県内事業所の50.9%(2万4,685)を占め、紀南の11市町村を合わせても24.6%(1万1,927)です。田辺市・白浜町・上富田町の3市町で6,448事業所、新宮市・那智勝浦町・串本町・太地町で4,386事業所と、紀南は2つの塊に分かれています。数字を引いたら、下のプロンプトで表にしてください。
あなたは地域統計の整理が得意なアドバイザーです。私が統計表から書き写した以下の数字を、事業計画書に貼れる形の表と3行の説明文にしてください。
【材料】
・私の事業所がある市町村と、その事業所数・従業者数: (例: 白浜町 1,081事業所・9,441人)
・隣接する市町村の事業所数: (例: 田辺市 4,730、上富田町 637)
・私の業種の県内事業所数と構成比: (例: 宿泊業,飲食サービス業 5,221・11.5%)
・出典: 和歌山県「令和3年経済センサス‐活動調査 結果確報(和歌山県分)」(2021年6月1日現在、2023年7月公表)
出力: ①市町村別の表 ②業種の位置づけを3行で ③出典の書き方。【材料】にない数字は作らず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、市町村別の表は事業内容等不詳を「含む」数字、産業別は「除く」数字という違いを、表の下に必ず1行で書くことです。この1行があるだけで、審査する側からの「数字が合わない」という指摘を防げます。
ステップ2: 規模の分布で「競合は何人の店か」を知る
県内の事業所を従業者規模で並べると、1〜4人が62.8%、5〜9人が17.7%、10〜19人が10.5%、20人以上が約9%です。全国は順に56.2%、19.4%、12.5%、約12%です。和歌山の競合は、10軒中6軒が家族や2〜3人で回している事業所で、従業者20人以上の事業所は10軒に1軒もありません。
この分布は、商品設計と価格に直結します。たとえば県内の事業所向けに会計ソフトの導入支援やホームページ制作を売るなら、「担当者が1人いる前提」の商品は10軒に1軒にしか刺さりません。逆に、宿や飲食店として競合を見るなら、同じ町の競合も数人で回しているため、予約対応・口コミ返信・SNS更新のどれかが手薄になっている可能性が高いと読めます。
あなたは小さな事業者の競合分析を手伝うアドバイザーです。以下の規模分布から、私の商売の競合の姿と、競合が手薄になりやすい業務を推定してください。
【材料】
・私の業種と市町村: (例: 白浜町の民宿)
・和歌山県の従業者規模別の構成比: 1〜4人62.8%、5〜9人17.7%、10〜19人10.5%、20人以上約9%(令和3年経済センサス活動調査・確報)
・全国の構成比: 1〜4人56.2%、5〜9人19.4%、10〜19人12.5%
・私の事業所の従業者数: (例: 3人)
出力: ①競合の典型的な姿を3行で ②競合が手薄になりやすい業務を3つ ③私が同じ規模で差をつけられる点を2つ。業種別の規模分布は【材料】にないため、県全体の分布を当てはめた「仮説」であると明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、規模別の分布は県全体の数字で、業種別・市町村別の規模分布は確報PDFには載っていないことです。業種別の規模まで必要なら、e-Statの統計表で「産業(中分類)×従業者規模」を引いてください。
ステップ3: 産業別の従業者数で「働き手の市場」を見る
事業所数と従業者数は、並べると違う景色が見えます。産業大分類別の主な数字は次のとおりです(事業内容等不詳を除く)。
| 産業 | 事業所数(構成比) | 従業者数(構成比) | 1事業所当たり |
|---|---|---|---|
| 卸売業,小売業 | 11,385(25.1%) | 77,638人(20.5%) | 6.8人 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 5,221(11.5%) | 33,631人(8.9%) | 6.4人 |
| 医療,福祉 | 4,361(9.6%) | 67,999人(18.0%) | 15.6人 |
| 建設業 | 4,235(9.3%) | 24,952人(6.6%) | 5.9人 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 4,107(9.1%) | 26,871人(7.1%) | 6.5人 |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 3,959(8.7%) | 14,645人(3.9%) | 3.7人 |
| 製造業 | 3,526(7.8%) | 60,800人(16.1%) | 17.2人 |
| 不動産業,物品賃貸業 | 2,787(6.2%) | 9,502人(2.5%) | 3.4人 |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 1,634(3.6%) | 8,472人(2.2%) | 5.2人 |
| 運輸業,郵便業 | 922(2.0%) | 20,916人(5.5%) | 22.7人 |
(1事業所当たりの人数は、確報の事業所数と従業者数から和歌山DX総合研究所が計算した参考値です)
事業所数では卸売・小売と宿泊・飲食で県内の36.6%を占めますが、従業者数では医療・福祉と製造業の2つで34.1%を占め、宿泊・飲食の従業者は8.9%にすぎません。つまり、宿や飲食店が人を採ろうとするとき、同じ町で人を集めている相手は同業ではなく、1事業所当たり15〜17人を雇う医療・福祉と製造業です。採用条件を「隣の宿」と比べているうちは、応募が来ない理由が見えません。和歌山県の業種別の求人の動きは、和歌山県の求人倍率2026|最新0.94倍の業種別の読み方と採用7ステップ【2026年9月】で月次の数字を追っています。
あなたは地方の小さな事業者の採用設計を手伝うアドバイザーです。以下の産業別の従業者数から、私が人を採る際に競合する業種と、条件で比べられる点を整理してください。
【材料】
・私の業種と市町村、募集したい職種: (例: 白浜町の民宿、調理補助パート)
・和歌山県の産業別従業者数: 医療,福祉67,999人(18.0%)、製造業60,800人(16.1%)、卸売業,小売業77,638人(20.5%)、宿泊業,飲食サービス業33,631人(8.9%)(令和3年経済センサス活動調査・確報)
・私の事業所がある市町村の従業者数: (例: 白浜町 9,441人)
・私が出せる条件: (時給・勤務時間・休日のうち決まっているもの)
出力: ①採用で競合する業種を3つと理由 ②条件で比べられやすい項目3つ ③同じ条件でも選ばれるために求人票に書くべき事実2つ。賃金相場は【材料】にないため数値を作らず、「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、従業者数は「その事業所で働く人」で「その市町村に住む人」ではないことです。和歌山市の17万1,048人には、岩出市や紀の川市から通う人も含まれます。
ステップ4: 商圏の事業所数で「法人向け商売の上限」を出す
ここで、あなたの商売の客が「事業所」なのか「消費者・観光客」なのかで、統計の使い方を分けます。

客が事業所なら、市町村別の事業所数がそのまま商圏の上限です。たとえば田辺市で事業所向けに弁当配達・清掃・会計ソフト導入支援を売るなら、上限は4,730事業所で、県平均の規模分布を当てはめると約2,970事業所が従業者4人未満という仮定になります。そのうち何割に届く商品かを決めれば、売上の上限が出ます。客が消費者・観光客なら、事業所数は競合の数として読み、客の数は和歌山県の観光客数と統計|3,392万人の内訳と調べ方7ステップ【2026年9月】で整理した観光客数や住民基本台帳の人口で見ます。法人向けの商売は「市町村の事業所数×届く割合×単価」で上限が決まり、和歌山市以外では上限が4,730以下の数字になるため、最初から複数の市町村か、消費者向けとの2本立てで設計する必要があります。
あなたは小さな事業者の売上試算を手伝うアドバイザーです。以下の材料から、法人向け商売の売上上限を3通りの仮定で計算してください。
【材料】
・売りたい商品・サービスと単価: (例: 月額3,000円の予約管理サポート)
・対象にする市町村と事業所数: (例: 田辺市4,730、白浜町1,081、上富田町637。令和3年経済センサス活動調査・確報、事業内容等不詳を含む)
・対象にする業種の県内構成比: (例: 宿泊業,飲食サービス業11.5%)
・届く割合の仮定: 低め・中間・高めの3通り(例: 1%・3%・5%)
出力: ①市町村ごとの対象事業所数(業種構成比を掛けた仮定値) ②3通りの年間売上上限 ③上限を上げるために広げる市町村の候補。市町村別の業種構成比は【材料】にないため、県全体の構成比を当てはめた「仮説」であると明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、業種別の構成比を市町村に掛けるのは仮定だということです。白浜町のような観光地では宿泊・飲食の割合が県平均の11.5%と大きく違う可能性があるため、その数字が必要ならe-Statで「市町村×産業中分類」を引いてください。
ステップ5: 4人未満が6割の前提で、採用か外注かを決める
従業者4人未満が62.8%という数字は、働き手の側から見ると「人は常に取り合い」という意味です。県内の事業所の6割が、1人辞めただけで営業に支障が出る規模で運営されています。和歌山県の求人倍率2026の記事で扱ったとおり、宿泊・飲食の新規求人は減っていても、人が採れているわけではありません。
採用で埋められる前提を捨て、「人を増やさなくても回る業務」と「人でなければ無理な業務」を先に分けることが、4人未満の事業所の現実的な設計です。予約の受付・口コミの返信・SNSの下書き・請求書の作成は外注やAIで回り、接客・調理・現場作業は人でなければ回りません。
あなたは数人で回す事業所の業務設計を手伝うアドバイザーです。以下の材料から、業務を「人を増やさず回す」「外注する」「人でなければ無理」の3つに分けてください。
【材料】
・業種と現在の従業者数: (例: 白浜町の民宿、家族3人)
・毎週発生する業務の一覧: (例: 予約受付、口コミ返信、SNS投稿、清掃、調理、請求書、仕入れ)
・採用の状況: (例: 半年募集して応募ゼロ)
・前提: 和歌山県の事業所の62.8%は従業者4人未満で、人の取り合いが前提
出力: ①3区分の表 ②「人を増やさず回す」業務に使える無料の道具を各1つ ③外注に出す場合の月額の上限の考え方。費用の相場は【材料】にないため数値を作らず、「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、外注先もまた4人未満の事業所であることが多い点です。県内で外注先を探す場合、相手の規模と繁忙期を確認し、1社に寄せない設計にしてください。県内でデジタル面の外部パートナーを選ぶ考え方は、和歌山のデジタル顧問・IT顧問|費用相場と契約前チェック8項目【2026年8月】で整理しています。
ステップ6: 個人経営46.7%の前提で、取引先の承継リスクを棚卸しする
県内の事業所の46.7%は個人経営で、全国の31.8%を15ポイント近く上回ります。個人経営の事業所は、経営者が引退すれば事業所そのものが無くなることが多く、法人のように「社長が代わって続く」形になりにくい構造です。
あなたの仕入先・外注先・大口の客のうち、個人経営の事業所がいくつあるかを数えてください。仕入先・外注先・大口の客を「法人」「個人経営・後継者あり」「個人経営・後継者未定」の3つに分け、3つ目に入る相手が売上か仕入の2割を超えていれば、代わりの相手を今年のうちに1つ持つのが目安です。取引先の承継の相談先は、和歌山の事業承継支援窓口2026|後継者不在率45.3%と経営者が動く7ステップ【2026年9月】にまとめています。
あなたは取引先の継続性を点検するアドバイザーです。以下の取引先リストを、承継リスクの観点で3区分に分けて、代わりの相手を探す優先順位をつけてください。
【材料】
・仕入先・外注先・大口の客の一覧: (名前は不要。業種・経営形態・経営者の年代・後継者の有無を分かる範囲で)
・各取引先が自社の売上または仕入に占める割合: (概算)
・前提: 和歌山県の事業所の46.7%は個人経営(令和3年経済センサス活動調査・確報)
出力: ①「法人」「個人経営・後継者あり」「個人経営・後継者未定」の3区分の表 ②3区分目で割合が大きい順の優先リスト ③代わりの相手を探すときに確認する項目3つ。経営者の年代や後継者の有無が不明なものは「要確認」とし、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、このリストに取引先の実名や個人情報を書いてAIに渡さないことです。業種と形態だけで十分に整理できます。
ステップ7: 次の公表で数字を差し替える日を決める
統計は更新されます。今、手元にある令和3年の数字は2021年6月1日時点で、すでに5年前です。更新の予定は次のとおりです。
- 令和6年経済センサス基礎調査: 2024年6月1日現在。速報集計は2025年5月30日に公表済み。ただし後述のとおり令和3年と単純比較できない
- 令和8年経済センサス活動調査: 2026年6月1日現在で実施中。経済産業省・総務省の調査キャンペーンサイトによると全国すべての事業所・企業が対象で、あなたの事業所にも調査票が届いているはずです
- 県分の確報: 令和3年調査は調査から約2年後の2023年7月に県の確報が出ました。令和8年調査の県分も同程度の時間がかかると見ておくのが現実的です
令和8年活動調査の結果が出るまでは令和3年の確報を基準にし、毎年6月に県の経済センサスのページを1回確認して、新しい確報が出たら本記事のステップ1〜4の数字だけを差し替える、という運用で十分です。確認先は和歌山県「経済センサスについて」と総務省統計局「令和3年経済センサス‐活動調査 調査の結果」の2か所です。
あなたは経営資料の更新管理を手伝うアドバイザーです。以下の材料から、統計数値の更新チェック表を作ってください。
【材料】
・今使っている数字とその出典・基準日: (例: 白浜町1,081事業所。和歌山県「令和3年経済センサス‐活動調査 結果確報」2021年6月1日現在)
・数字を使っている資料: (例: 事業計画書、補助金申請書の地域分析欄、採用の社内資料)
・次の公表予定: 令和8年経済センサス活動調査(2026年6月1日現在)。公表時期は未定
・確認先URL: 和歌山県「経済センサスについて」、総務省統計局の経済センサスのページ
出力: ①数字・出典・基準日・使っている資料・確認日の5列の表 ②年1回の確認手順を3行で ③新しい確報が出たときに差し替える順番。公表日は未定のため、日付を推測して書かず「未定」としてください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、速報が出た段階で数字を差し替えないことです。速報と確報は数値が変わるため、資料には確報が出るまで令和3年の数字を使い続け、「令和8年調査は確報待ち」と注記するほうが正確です。
業種別|宿泊・飲食・小売・建設・製造で見る表を変える
同じ統計でも、業種によって最初に見る表と、そこから出す数字が変わります。自分に近い行から着手してください。
| 業種 | 最初に見る表 | 出す数字と最初の一手 |
|---|---|---|
| 宿泊(民宿・旅館・一棟貸し) | 市町村別+町丁・大字別の事業所数 | 同じ町の宿泊・飲食の軒数=競合数。客の数は観光客数で別に見る |
| 飲食店 | 市町村別の事業所数と従業者数 | 昼の客になる「近隣の事業所の従業者数」を商圏として出す |
| 小売(食品・日用品・土産) | 産業別の事業所数(卸売・小売1万1,385) | 同業の減少を前提に、個人経営の競合の承継状況を見る |
| 建設・設備・製材 | 産業別(建設業4,235事業所・5.9人) | 元請の規模分布を知り、1社依存率を出す |
| 製造・農林水産加工 | 産業別の従業者数(製造業6万800人・17.2人) | 採用で競合する相手が同業の大手だと知り、条件の見せ方を変える |
| 士業・専門サービス | 市町村別の事業所数×個人経営46.7% | 顧問先候補の上限と、承継で動く案件の規模を試算する |
飲食店にとって、同じ町の事業所の従業者数は「平日の昼の客の上限」そのもので、たとえば田辺市なら2万9,913人、白浜町なら9,441人がその数字です。観光客に頼る夜と、地元の働き手に頼る昼で、見る統計が違います。宿泊業にとっての事業所数は競合の数で、白浜町の1,081事業所のうち宿泊・飲食が何軒かは、e-Statの町丁・大字別の表で湯崎・堅田といった地区ごとに引けます。
なお、泉州・南大阪から和歌山を見ると数字の桁が1つ違います。大阪府の民営事業所は令和3年で38万4,332と和歌山県の約8.5倍ですが、中小企業の割合は99.6%、小規模企業の割合は83.2%で、和歌山県の99.9%・87.6%より「小さい事業所の比率」は低くなります。南海電鉄や阪和自動車道で1時間圏の泉佐野市・岸和田市の事業者が和歌山市に出てくる場合、相手の1万7,913事業所の6割が4人未満という前提で商品と価格を組み直す必要があります。逆に和歌山の事業者が泉州に出る場合は、商圏の上限が一気に広がる代わりに、競合の規模も一回り大きくなります。
事業計画書や補助金申請書の「地域の現状」欄は、ここまでの数字で書けます。公募要領の内容や採択の可否は本記事では扱いません。申請を検討する際は、最新の公募要領をご確認ください。
あなたは事業計画書の作成を手伝うアドバイザーです。以下の統計数値だけを使って、事業計画書の「地域の現状と課題」欄の文案を300字以内で書いてください。
【材料】
・事業所の市町村と業種: (例: 白浜町の民宿)
・市町村の事業所数・従業者数: (例: 白浜町1,081事業所・9,441人)
・県の特徴: 従業者4人未満の事業所が62.8%(全国56.2%)、個人経営46.7%(全国31.8%)、1事業所当たり8.4人(全国11.2人)
・出典: 和歌山県「令和3年経済センサス‐活動調査 結果確報(和歌山県分)」(2021年6月1日現在)
・私の事業が解決したい課題: (例: 数人で回す宿の予約対応の負担)
出力: ①300字以内の文案 ②出典の表記 ③審査する側から聞かれそうな質問2つ。【材料】にない数字や将来予測は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
【要注意】和歌山の事業所数統計を読み違える4つの失敗パターン
手順どおりに数字を引いても、次の4つのどれかに当てはまると、出した数字が間違ったまま資料に残ります。4つに共通するのは、出典・基準日・集計範囲の3つを確認せずに数字だけを持ち出している点です。順に確認してください。
失敗1: 全国平均の「1事業所11.2人」の感覚で商品と採用を設計する
❌ よくある間違い: 全国向けの業務ソフトや採用ノウハウの「担当者を1人置く」「店長とスタッフ3人」という前提を、そのまま県内の商売に当てはめる。
⭕ 正しいアプローチ: 県の1事業所当たり8.4人、4人未満62.8%を前提にし、「経営者本人が全部やる」形で成立する商品と求人にする。
なぜ重要か: 県内の事業所の62.8%は従業者4人未満で、「担当者がいる前提」の商品や採用設計は、最初から10軒中6軒を対象外にしているからです。観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む中でも、「担当者を決めてください」と言った瞬間に話が止まる事業所は少なくなく、経営者本人が週1時間でできる形に落とし直したほうが続きます。
失敗2: 速報と確報、不詳を含む数字と除く数字を混ぜる
❌ よくある間違い: 「県内の事業所数は4万8,553」(2022年7月の速報報道)と「宿泊・飲食は11.5%」(確報・不詳を除く)を同じ表に並べ、合計が合わない資料を作る。
⭕ 正しいアプローチ: 市町村別は確報の「不詳を含む」4万8,491、産業別・規模別は確報の「不詳を除く」4万5,309と決め、表の下に基準を1行で書く。
なぜ重要か: 速報の4万8,553と確報の4万8,491、不詳を含む4万8,491と除く4万5,309は、どれも「和歌山県の事業所数」として検索に出てくるため、出典を書かない限り読む側は区別できないからです。審査や面談で「この数字の出典は」と聞かれて答えられないと、他の数字まで疑われます。
失敗3: 令和6年基礎調査の数字と令和3年を並べて「2割減った」と読む
❌ よくある間違い: 令和6年基礎調査の速報で全国の事業所数が令和3年より大きく減っているのを見て、「和歌山も事業所が2割以上消えた」と資料に書く。
⭕ 正しいアプローチ: 令和6年基礎調査は、浜銀総合研究所のレポート(2025年10月9日、遠藤裕基氏)が指摘するとおり「雇用者のいない個人経営の事業所」が調査対象から外れており、令和3年活動調査と厳密な比較ができない。時系列の比較は令和3年と、次の令和8年活動調査の確報で行う。
なぜ重要か: 同レポートによると全国の事業所数は2021年の515万6,063から2024年は372万6,874へ27.7%減と見えますが、対象範囲の違いを調整すると11.6%減で、見かけの減少の半分以上は調査方法の変更によるものだからです。個人経営が46.7%を占める和歌山県では、この影響が全国より大きく出ます。
失敗4: 事業所数を「客の数」と取り違える
❌ よくある間違い: 「白浜町には1,081事業所ある」を「白浜町に1,081の客がいる」と読み、消費者向けの商売の商圏として使う。
⭕ 正しいアプローチ: ステップ4の分岐のとおり、客が事業所なら商圏の上限、客が消費者・観光客なら競合の数として読む。宿泊・飲食の5,221事業所は、宿にとって競合でもあり、仕入先や提携先でもある。
なぜ重要か: 事業所数は「売る相手の数」にも「競う相手の数」にもなり、どちらで読むかを決めずに使うと、商圏を10倍に見積もる計算ミスがそのまま売上計画に残るからです。消費者向けの商圏は、観光客数と人口で別に出してください。
ここまでの内容は、県の確報とe-Statだけで、あなた1人でも進められます。それでも「数字を引く時間が取れない」「事業計画書や採用資料に落とす手が足りない」という段階でつまずくことはあります。株式会社Tip(※当コラムの運営元です)では、和歌山県内の事業者向けに対面DX・AI伴走支援(対面特化デジタル顧問)を月10万円(月1回の現地訪問+チャット相談無制限+実作業の巻き取り)で承っています。税別で、税区分等の詳細は無料ヒアリングでご案内します。無料ヒアリングは最大60分、提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎で、契約前提の営業はいたしません。ステップ1で引いた自分の市町村の数字だけ持ってきてください。
統計を経営に使えている事業者・使えていない事業者の違い(チェックリスト)
事業計画書や採用資料を開きながら、当てはまるものにチェックを入れてください。
- □ 自分の市町村の事業所数と従業者数を、出典と基準日つきで言える
- □ 自分の業種の県内事業所数と構成比を知っている
- □ 県内の事業所の62.8%が4人未満だと知ったうえで、商品と求人を設計している
- □ 客が「事業所」か「消費者・観光客」かで、使う統計を分けている
- □ 法人向け商売の上限を「市町村の事業所数×届く割合×単価」で出したことがある
- □ 取引先を「法人/個人経営・後継者あり/個人経営・後継者未定」の3つに分けている
- □ 速報・確報・不詳の含む除くの違いを、資料の注記に書いている
- □ 次の確報が出たときに差し替える資料と確認日を決めている

8項目のうち0〜2個ならステップ1の「自分の市町村の数字を引く」から始める段階で、3〜5個なら足りない項目を今月中に埋め、6〜8個なら年1回の更新を続けてください。特に見落とされやすいのが7番目です。数字を正しく引いていても、注記が無いと読む側には速報か確報か分からず、せっかくの数字が「根拠不明」に見えます。
和歌山の企業の99.9%が中小企業・87.6%が小規模|数字を持つ側に回る理由
「統計なんて大きな会社が使うもので、うちのような小さな事業所には関係ない」と感じるかもしれません。数字はむしろ逆のことを示しています。
まず、企業数の側です。中小企業庁が2023年12月13日に公表した中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)によると、和歌山県の企業数は3万1,836で、うち中小企業が3万1,817(99.9%)、小規模企業が2万7,879(87.6%)、大企業は19社です。全国は中小企業99.7%・小規模企業84.5%、大阪府は99.6%・83.2%です(割合は公表された企業数から和歌山DX総合研究所が計算)。中小企業基本法の定義では、小規模企業者は製造業その他で従業員20人以下、商業・サービス業で5人以下を指します。和歌山県で「統計の数字を使う側」になれる事業者は、定義上は県内のほぼすべてで、大企業の19社だけが例外です。
次に、報道の側です。紀伊民報は2022年7月7日の記事「従業者4人未満が6割 和歌山県内の事業所、全国最高」で、速報値をもとに従業者4人未満の事業所の割合(62.9%)と、4人未満の事業所で働く従業者の割合(15.2%、全国10.4%)がいずれも全国で最も高いと報じました。確報では4人未満の割合は62.8%に修正されましたが、「全国で最も小さな事業所の比率が高い県」という位置づけは変わっていません。和歌山県の事業所の構造は全国の中で最も「小さい側」に寄っており、全国向けのノウハウをそのまま使うと最も外れやすい県だということです。
そして、統計そのものの側です。令和8年経済センサス活動調査は2026年6月1日を基準日として実施され、あなたの事業所も回答した1件として次の数字に含まれます。令和6年基礎調査の速報は調査対象の変更で令和3年と比較できず、次に時系列で読める確定値は令和8年調査の確報まで出ません。それまでの間、令和3年の確報を正しく引き直して持っている事業者は、融資・補助金・採用の場面で「根拠のある数字」を出せる少数派に入れます。県内の倒産や休廃業の数字とあわせて読みたい方は、和歌山の企業倒産2026|件数推移・業種別傾向と資金繰り判断の7ステップ【2026年9月】で整理しています。
よくある質問
よく聞かれる8つの質問に、本文の数字だけで答えます。
Q. 和歌山県の事業所数は最新でいくつですか?
令和3年経済センサス活動調査の確報(2021年6月1日現在)で、民営事業所は4万5,309(事業内容等不詳を除く)、不詳を含めると4万8,491、従業者数は37万8,695人です。令和6年基礎調査の速報(2024年6月1日現在)は調査対象が変わったため比較に使えず、次の確定値は2026年6月1日を基準日とする令和8年活動調査の確報を待つことになります。
Q. 経済センサスで和歌山県の市町村別の数字はどこで見られますか?
和歌山県調査統計課の確報PDFの表5に30市町村の事業所数・従業者数が載っており、町丁・大字単位まで必要ならe-Statの「経営組織(5区分)別全事業所数及び従業者数-市区町村、町丁・大字」(2023年6月27日公開)で引けます。県のページにはExcel形式の統計表(R3統計表)もあり、業種×市町村の組み合わせはそちらが扱いやすいです。
Q. 和歌山県の企業数と中小企業の割合はどのくらいですか?
中小企業庁の集計(2021年6月時点)で企業数3万1,836、中小企業3万1,817で99.9%、小規模企業2万7,879で87.6%、大企業は19社です。全国の小規模企業の割合84.5%、大阪府の83.2%より高く、企業数で見ても和歌山は「小規模な企業の比率が高い県」です。
Q. 「事業所数」と「企業数」は何が違うのですか?
事業所は「場所」の単位、企業は「経営体」の単位で、1つの企業が県内に3店舗持てば事業所は3、企業は1と数えます。だから和歌山県の事業所数4万5,309と企業数3万1,836は一致しません。商圏や競合を数えるときは事業所数、取引先や承継を数えるときは企業数が向いています。
Q. 和歌山県の事業所数は減っていますか?
県の確報では、事業内容等不詳を除く事業所数は2016年の4万7,247から2021年の4万5,309へ1,938減り、従業者数は37万7,605人から37万8,695人へ1,090人増えました。ただし確報には調査方法の変更により時系列比較には留意が必要との注記があり、「減った」と断定せず参考値として扱うのが正確です。
Q. 宿泊業・飲食サービス業の事業所は県内にいくつありますか?
5,221事業所(構成比11.5%)、従業者は3万3,631人(8.9%)で、1事業所当たり6.4人です。2016年の参考値は5,688事業所・3万6,832人で、事業所数・従業者数とも減っていますが、こちらも調査方法の変更による留意が必要な比較です。
Q. 事業計画書や補助金の申請書に、この統計をそのまま書いていいですか?
書けますが、出典名・基準日・不詳を含むか除くかの3点を必ず添えてください。「和歌山県『令和3年経済センサス‐活動調査 結果確報(和歌山県分)』、2021年6月1日現在、事業内容等不詳を除く」の1行で十分です。公募要領の要件や採択の可否は本記事では扱わないため、最新の公募要領をご確認ください。創業時の資金計画で地域の数字が必要な方は、和歌山の創業融資|県・公庫・市町村の3層と相談7ステップ【2026年9月】とあわせて読んでください。
Q. 統計を読む時間がありません。最低限どれだけやればいいですか?
ステップ1の「自分の市町村の事業所数・従業者数」と、「4人未満62.8%・個人経営46.7%」の2つの県の特徴だけで十分です。この3つの数字を事業計画書と採用資料に出典つきで書くだけで、面談の質が変わります。残りのステップは、数字を使う場面が来たときに追加してください。
まとめ|今日から始める3つのアクション
- 今日やること(10分): 県の確報PDFを開き、自分の市町村の事業所数・従業者数と、自分の業種の県内事業所数・構成比を紙に書く
- 今週中にやること: ステップ2と4のプロンプトで、競合の規模と法人向け商売の上限を出し、客が「事業所」か「消費者・観光客」かを決める
- 今月中にやること: 取引先を承継リスクで3区分し、事業計画書と採用資料に出典・基準日つきで数字を書き、次の確報を確認する日を手帳に入れる
自分の市町村の数字と「4人未満62.8%」の2つが出典つきで紙に書けた時点で、和歌山県の事業所数統計はあなたの経営の道具になっています。まずは確報PDFの表5を開くところから始めてください。
次回予告: 統計で見た「人の取り合い」を採用の実務に落としたい方は、和歌山県の求人倍率2026|最新0.94倍の業種別の読み方と採用7ステップ【2026年9月】で扱っています。
参考・出典
すべて2026年10月14日に参照しました。
本文の数値はすべて参照日時点の公式統計および報道の記載で、構成比や1事業所当たりの人数のうち「和歌山DX総合研究所が計算」と記したものは公表値からの単純計算です。
和歌山県の事業所数・従業者数
- 和歌山県「令和3年経済センサス‐活動調査 結果確報(和歌山県分)」(和歌山県企画部企画政策局調査統計課、2023年7月。2021年6月1日現在。事業所数4万8,491/不詳を除く4万5,309、従業者数37万8,695人、規模別・経営組織別・産業別・市町村別の各表)
- 和歌山県「経済センサスについて」(確報の概要とExcel統計表の掲載ページ。令和3年分は2024年1月25日に正誤訂正)
- e-Stat「令和3年経済センサス‐活動調査 和歌山県 経営組織(5区分)別全事業所数及び従業者数-市区町村、町丁・大字」(2023年6月27日公開)
- 紀伊民報「従業者4人未満が6割 和歌山県内の事業所、全国最高」(2022年7月7日。速報値ベース)
全国・大阪府との比較
- 総務省統計局「令和3年経済センサス‐活動調査 調査の結果」/産業横断的集計 結果の概要(PDF)(全国515万6,063事業所、1〜4人56.2%、1事業所当たり11.2人、大阪府38万4,332事業所)
- 総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査(民営事業所)速報集計結果」(PDF)(2024年6月1日現在、2025年5月30日公表。令和3年活動調査と調査対象範囲が異なる旨の注記あり)
- 浜銀総合研究所「令和6年経済センサス基礎調査の問題点」(2025年10月9日、遠藤裕基氏。雇用者のいない個人経営の事業所の除外と、全国27.7%減・調整後11.6%減の指摘)
企業数・中小企業の定義・次回調査
- 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します」(2023年12月13日。都道府県別企業数PDFに和歌山県の中小企業3万1,817・小規模2万7,879・大企業19)
- 中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」
- 日本商工会議所「全国全ての事業者が対象、『令和8年経済センサス―活動調査』に協力を(総務省・経産省)」(2026年4月14日)/経済センサス‐活動調査キャンペーンサイト(基準日2026年6月1日)
あわせて読みたい
- 和歌山県の求人倍率2026|最新0.94倍の業種別の読み方と採用7ステップ【2026年9月】: ステップ3と5で見た「人の取り合い」を、月次の求人統計と採用の実務に落としています
- 和歌山の事業承継支援窓口2026|後継者不在率45.3%と経営者が動く7ステップ【2026年9月】: ステップ6の「個人経営46.7%」を、自社と取引先の承継の相談先まで具体化しています
著者: 河原将太(かわはら・しょうた) 株式会社Tip代表取締役社長。東京都立大学在学中に事業を始めて法人化し、上場企業を含む20社以上へコンサルティングを提供してきました。現在は白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から発信しています。株式会社Tip編集部が、公開情報・一次情報をもとに確認し、必要に応じて更新しています。
※本記事の統計は参照日時点の公式発表の記載です。地域区分(和歌山市周辺・紀北紀中・紀南)の合計、1事業所当たりの人数、大阪府の小規模企業割合は公表値からの単純計算で、公式の区分ではありません。市町村に県全体の規模分布や業種構成比を当てはめた試算は考え方を示した仮定です。補助金・融資の要件や採択・審査の可否は本記事では扱わず、保証しません。株式会社Tipの実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。