
結論: 旅館・宿のLINE公式アカウントは、月200通まで無料のプランのまま、開設→あいさつメッセージ→リッチメニュー→月2回の配信→チェックアウト時の登録案内という5つを整えれば、リピーターづくりの仕組みとして十分に機能します。鍵は配信の量やツールの高機能さではなく、泊まったお客様が「この連絡なら受け取りたい」と感じる中身にあります。
この記事の要点 対象読者: 旅館・民宿・ペンション・ゲストハウスを営むオーナーで、リピーターを増やしたい方、LINE公式アカウントを開設したものの放置してしまっている方 読了後にできること: 費用0円のままアカウントを開設し、この記事の文例をコピペして、あいさつメッセージ・リッチメニュー・配信計画・チェックアウト時の案内まで今日から整えられる状態になる
「また来ますね」——チェックアウトのとき、そう言ってくれたご夫婦がいたとします。
けれど半年後、そのご夫婦に旬の便りを送る手段は、あなたの手元に残っているでしょうか。住所を聞くのは大げさですし、ハガキのDMは手間も費用もかかるため、再訪は「向こうが思い出してくれるかどうか」の運任せになりがちです。
再訪のきっかけを渡すのに一番向いている場所は、お客様が毎日開くアプリの中です。総務省の調査によるとLINEの利用率は全年代で91.1%で、年配のお客様が多い宿でも心配のいらない水準に達しています。つまりあなたのお客様の9割は、すでに受け取る側の準備ができているということです。
問題は、宿の側の中身にあります。開設まではしたものの、あいさつ文が初期設定のまま、メニューも配信もなし——これでは友だちは増えず、増えても反応がありません。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、宿のLINE公式アカウントを立ち上げる5ステップと、AIを使わなくてもそのまま送れる文例8本、そして返信が来る宿・ブロックされる宿を分けるチェックリストを公開します。「最後に泊まってくれた常連さんの顔」を思い浮かべながら、読み進めてください。
目次
まず結論:宿のLINE公式アカウントを立ち上げる5ステップ(即効テンプレ)
最初に全体像です。5つのステップを順番に進めれば、費用0円のまま、リピーターと直接つながる仕組みが作れます。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 開設と基本設定 | アカウントを作り宿の基本情報を整える | 開設に使うメールアドレスを1つ決める |
| 2. あいさつメッセージ | 登録直後に届く自動の1通を宿の言葉にする | この記事の文例2をコピーして貼り替える |
| 3. リッチメニュー | トーク画面下の常設メニューを置く | 6つの枠に何を置くか紙に書き出す |
| 4. 配信設計 | 月2回・売り込み3割以下の型を決める | 年間の配信カレンダーを作る |
| 5. 登録の案内 | チェックアウト時の声かけとPOPを用意する | 声かけの一言を決める |

ポイントは順番です。多くの宿は開設した直後に「何を配信しよう」と考え始めますが、先に受け皿であるステップ2〜3を整えないと、せっかく登録してくれたお客様が最初の画面で離れてしまいます。
所要時間の目安は、普段からLINEをお使いの方でステップ1〜3が合わせて2〜3時間、ステップ4〜5が1時間ほどですが、スマホの操作に不安がある方は1日30分ずつ1週間に分けて進めても構いません。使うのはいつものスマホだけで、印刷物もコンビニのマルチコピー機で足ります。集客全体のどこにLINEを置くかは、民宿・ペンションの集客方法|予約を増やす7ステップとコピペ文例集【2026年8月】のステップ4で整理しています。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。
※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。
LINE公式アカウントとは|個人のLINE・メルマガとの違いと無料でできること
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINE上に開設できるビジネス用のアカウントで、友だち追加してくれたお客様への一斉配信と、1対1のチャットができる仕組みです。個人のLINEやメルマガとは、次の点が違います。
- 個人のLINEとの違い: 宿の名前で運用でき、家族やスタッフの誰でも同じ画面から返信できます
- メルマガとの違い: お客様が毎日開くアプリに届くので読まれやすく、登録も数秒で終わります
- OTA(じゃらん・楽天トラベルなどのオンライン予約サイト)のメッセージ機能との違い: 予約サイトを介さない自前の連絡網なので、手数料も掲載条件も関係なく関係が続きます

料金プランは3つあり、月額0円のコミュニケーションプラン(月200通)、月額5,000円・税別のライトプラン(月5,000通)、月額15,000円・税別のスタンダードプラン(月30,000通+追加配信可)に分かれます(2026年8月16日参照時点。最新の料金は公式サイトでご確認ください)。プランによる機能の差はなく、違うのは通数と追加配信の可否だけなので、無料プランでも次の6つはすべて使えます。
- 一斉配信: 友だち全員に同じ内容を送る機能(通数を消費します)
- 1対1チャット: 個別のやり取り(通数は消費しません)
- あいさつメッセージ: 友だち追加された瞬間に自動で届く1通(通数は消費しません)
- リッチメニュー: トーク画面下に常に出る画像ボタン
- クーポン・ショップカード: 次回使える特典券や、来館ごとにポイントがたまるカード
- 応答メッセージ・ステップ配信: よくある質問への自動返信と、登録後に順番に届く自動配信(応答メッセージは通数を消費せず、ステップ配信で実際に送られる分は通数に含まれます)
ここで大事なのが通数の数え方です。通数は「配信した友だちの数×吹き出しの数」で数えるため、友だち100人に吹き出し1つの配信を月2回送れば、100人×2回=200通で無料枠にぴったり収まります。注意したいのは1回の配信で吹き出しを3つ並べると1人あたり3通と数えられる点で、これを知らずに送ると無料枠は3分の1の速さで消えます。目安は「友だち100人前後なら月2回、200人なら月1回」で、この範囲を超えたら有料プランを検討すれば十分です。
宿のLINE公式アカウントを作る5ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップには「そのまま送れる文例」と、自分の宿に寄せたいときに使う「AIプロンプト」を両方載せました。文例だけコピーして固有名詞を書き換えれば、AIを一度も使わずに5ステップを完走できます。プロンプトを使う場合はChatGPTなどの対話型AIに貼り付け、( )の中を書き換えてください(始め方はChatGPTを旅館で使う方法で解説しています)。
ステップ1: アカウントを開設し、宿の基本情報を整える
開設はLINE公式アカウントの公式サイトから行い、開設そのものに費用はかかりません。手続きはスマホだけで完結します。
着手前に、多くの方がつまずく3つの不安を解消しておきます。「家族と使っている個人のLINEと混ざるのでは」という不安については、公式アカウントは個人アカウントとは別物として扱われ、あなたの友だちリストやトーク履歴が公開されることはありません。「自分の携帯番号がお客様に見えるのでは」という不安についても、お客様に表示されるのは登録した宿の名称・写真・営業情報などに限られます。最後の「どのメールアドレスを使うか」は、家族やスタッフと分担するなら宿の代表アドレスで作っておくと引き継ぎが楽になります。
開設したら、プロフィール写真(宿の外観か主人の顔写真)、営業時間、住所、電話番号、予約窓口を先に埋めてください。プロフィールは、友だち追加を迷っている人が必ず見る場所です。さらに審査を通過した「認証済アカウント」になると認証バッジが付き、LINEアプリ内の検索結果にも表示されます。申請自体に費用はかかりません(2026年8月時点)ので、基本情報を整えたら申請しておきましょう。
文例1: プロフィール紹介文(そのまま使える例)
白浜の海沿いにある客室6室の民宿です。朝の市場で仕入れた地魚の夕食と、夕日が見える露天風呂が自慢です。このLINEでは、旬の便りと平日の空き状況をお送りします。ご予約・ご質問は、このトークに一言いただくだけで結構です。 (ステータスメッセージ: 地魚と夕日の宿・空室はLINEで)
あなたは小さな宿の紹介文づくりが得意なライターです。以下の材料から、LINE公式アカウントのプロフィール用紹介文を100字以内で、ステータスメッセージ(一言紹介)を20字以内で作ってください。
【材料】
・宿名と地名: (例: 白浜の民宿〇〇)
・宿の自慢: (例: 地魚の夕食、夕日が見える露天風呂)
・このLINEでできること: (例: 空室の問い合わせ、旬のお知らせの受け取り)
【材料】にない設備・サービスは書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、個人アカウントとの混同です。あなた個人のLINEでお客様とつながる方法は手軽に見えますが、後で必ず行き詰まります(詳しくは失敗パターン4で解説します)。
ステップ2: あいさつメッセージを宿の言葉に差し替える
あいさつメッセージとは、友だち追加された瞬間に自動で届く1通のことです。初期設定のままにしがちな部分ですが、通数にカウントされない、いわば無料の接客チャンスにあたります。「誰からのLINEか」「何が届くか」「頻度と、いつでも解除できること」の3点を伝えると、その後のブロックの起こりにくさが変わります。
文例2: あいさつメッセージ(そのまま使える例)
ご登録ありがとうございます。白浜の民宿〇〇の主人です。このLINEでは、ご縁のあったお客様だけに、旬の食材の便りと平日の空き状況をお送りします(月2回ほど・配信停止はいつでもできます)。ご予約やご質問は、このトークに一言いただくだけで結構です。次にお越しの際は、食前酒を1杯お付けします。
あなたは家族経営の宿の主人です。以下のひな形を【材料】で書き換え、LINE公式アカウントのあいさつメッセージを200字以内で作ってください。
ひな形: 「ご登録ありがとうございます。〇〇(宿名)の主人です。このLINEでは、ご縁のあったお客様だけに△△(旬の食材・平日の空きなど)をお送りします(月2回ほど・配信停止はいつでもできます)。ご予約やご質問は、このトークに一言いただくだけで結構です。」
【材料】
・宿名: (例: 白浜の民宿〇〇)
・案内したい内容: (例: 旬の便り・平日の空き情報)
・登録特典: (例: 次回の食前酒1杯。用意しているものだけ)
用意していない特典は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
文面ができたら、必ず自分で友だち追加して受け取ってみてください。スマホの画面で読んだときの印象は、管理画面で見るのと驚くほど違います。あわせて応答メッセージ(自動返信)を設定しておけば、深夜の問い合わせにも「明朝ご連絡します」と自動で返せます。
ステップ3: リッチメニューで「小さな公式サイト」を作る
リッチメニューとは、トーク画面の下部に常に表示される画像ボタンのメニューのことです。宿のLINEの使い勝手はここでほぼ決まります。配信が月2回でも、リッチメニューは友だちがトークを開くたびに目に入るからです。公式サイトを持たない宿なら、この6枠が実質的な公式サイトの役割を果たします。
文例3: リッチメニュー6枠(そのまま使える構成)
| 枠 | 表示する言葉 | 押すと起きること |
|---|---|---|
| 左上 | ご予約 | 宿の電話番号に発信 |
| 中央上 | 空室のお問い合わせ | 「〇月〇日の空きを教えてください」の定型文が入力される |
| 右上 | アクセス | 地図アプリの宿の位置を開く |
| 左下 | お食事・お風呂 | 料理と風呂の写真+説明のメッセージが届く |
| 中央下 | よくある質問 | 送迎・子連れ・チェックイン時刻の回答が届く |
| 右下 | 友だち限定特典 | クーポン(次回の食前酒1杯など)を表示 |
画像が作れない、で止まらないために。リッチメニューには画像が1枚必要ですが、デザインソフトは要りません。2026年8月時点の管理画面(LINE Official Account Manager/スマホの「LINE公式アカウント」アプリ)には、テンプレートから枠割りを選び、そのまま背景色と文字を入れて画像を作れる簡易ツールが用意されています。手順は「リッチメニューを作成→テンプレート(6分割など)を選ぶ→画像を作成→枠ごとに文字を入れて保存→各枠に押したときの動作を設定」の5つだけです(画面の名称や配置は変わることがあるため、実際の案内表示に従ってください)。
それでも手が止まるなら、6分割ではなく2分割や4分割のテンプレートを選び、文字だけ入れて済ませてください。「ご予約」「空室のお問い合わせ」の2枠だけでも、無いよりはるかに使われます。
あなたは宿泊施設のLINE公式アカウント設計者です。以下の材料から、リッチメニュー6枠の構成案を「枠の名前/押すと起きること/優先度」の表で2案作ってください。
【材料】
・宿のタイプと客室数: (例: 温泉旅館8室)
・予約の受け方: (電話/LINEチャット/公式サイト/OTAのうち、あるものだけ)
・お客様からよくある質問: (例: 送迎はあるか、子連れ可か)
・見せたい魅力: (例: 貸切風呂、地魚の会席)
条件: 1案は予約重視、もう1案は再訪のお客様重視にする。【材料】にない設備・サービスは入れず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、枠を埋めること自体を目的にしないことです。「押したのに何も起きない」ボタンが1つあるだけで、全体の信頼が下がります。
ステップ4: 配信は「月2回・売り込み3割以下」で設計する
配信で最初に決めるべきは内容ではなく頻度と比率です。おすすめは月2回まで、売り込み(空室・プラン案内)は全体の3割以下に抑えること。残りの7割は、旬の食材、女将の近況、地域の見どころといった「読んで気持ちのいい便り」にします。ブロックの主な理由としては「配信が多すぎる」「毎回売り込みばかり」の2つが挙げられることが多いためです。

文例4: 季節の便り(そのまま使える例)
こんにちは、白浜の民宿〇〇です。桜鯛がおいしい季節になりました。今年は海の水温が上がるのが早く、市場に並ぶ魚がひと足先に春の顔をしています。4月は平日を中心に空きがございます。このLINEに一言いただければ、空き状況をすぐお調べします。
あなたは家族経営の宿の主人です。以下のひな形を【材料】で書き換え、季節の便りの一斉配信文を200字以内で作ってください(一斉配信のためお客様の名前は入れません)。
ひな形: 「こんにちは、〇〇(宿名)です。△△(例: 桜鯛)がおいしい季節になりました。(宿や地域の近況を1〜2文)。□月は平日を中心に空きがございます。このLINEに一言いただければ、空き状況をすぐお調べします。」
【材料】
・宿名:
・季節の話題: (今の時期に本当にあるもの)
・空きがある時期:
【材料】にない食材・時期は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
文例5: 平日の空室案内(そのまま使える例)
平日の夕方、露天風呂には私たち以外の物音がありません。海の音だけが聞こえる時間は、週末には手に入らないものです。11月の火曜・水曜に空きがございます。このLINEからのご予約で、食前酒を1杯お付けします。
あなたは家族経営の宿の主人です。以下の材料から、平日の空室を案内する配信文を150字前後で作ってください。値引きの連呼ではなく「平日だから味わえる過ごし方」を主役にしてください。
【材料】
・宿名:
・空いている日程:
・平日ならではの魅力: (例: 貸切状態の露天風呂、静かな海)
・直販特典: (例: 食前酒1杯。用意しているものだけ)
条件: 冒頭の1文は売り込みでなく情景から始める。【材料】にない特典は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
配信を「その都度考える仕事」から「カレンダーどおりに送る作業」に変えると、続けることが一気に楽になります。年間分を一度作って紙に印刷し、事務所の壁に貼っておきましょう。
文例6: 年間配信カレンダー(そのまま使える冒頭3か月分)
1月前半: 新年のご挨拶と冬の海の様子(便り)/1月後半: 寒い時期の旬の食材のご案内(便り) 2月前半: 閑散期の平日プランのご案内(売り込み)/2月後半: 春の予約開始のお知らせ(便り) 3月前半: 桜と春の食材の便り(便り)/3月後半: 4月平日の空室のご案内(売り込み)
あなたは宿の販促カレンダーの設計者です。以下の材料から、月2回×12か月分の年間配信カレンダーを「月/配信テーマ/売り込みか便りか」の表で作ってください。売り込みは全24回のうち7回以内に抑えてください。
【材料】
・宿の場所と季節の魅力: (例: 白浜・冬はクエ鍋、夏は海水浴)
・繁忙期と閑散期: (例: 繁忙期8月・閑散期1〜2月)
・毎年ある地域行事: (わかる範囲で)
【材料】にない行事・食材は入れず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
なお、配信のネタづくりはSNSの発信と兼用できます。SNSが「まだ泊まったことのない人に宿の空気を伝える場」なら、LINEは「泊まったことのある人に再訪のきっかけを渡す場」なので、同じ写真と話題を使い分けてください(SNS側の伸ばし方は旅館・宿のSNS集客の実例で解説しています)。
ステップ5: チェックアウトの30秒に登録の案内を集中させる
友だち集めで最も効率がいいのは、広告でもキャンペーンでもなく、目の前にいるお客様への声かけです。滞在に満足した直後のチェックアウトは登録をお願いしやすい瞬間にあたるので、ここに「スタッフの一言+卓上POP+その場の特典」の3点を集中させてください。特典はワンドリンク券や湯上がりのアイスなど原価の小さいもので十分で、クーポン機能を使えば紙の券を刷る必要もありません。ショップカード機能と組み合わせれば「3回目のご宿泊で貸切風呂を無料に」といった仕掛けも無料で作れます。特典の原価の考え方はOTA手数料と直販比率の上げ方で深掘りしています。
文例7: チェックアウト時の声かけ(そのまま使える例)
初めてのお客様へ: 「よろしければ、宿のLINEにご登録いただけますか。旬の便りと平日の空きだけ、月に2回ほどお送りしています。」 常連のお客様へ: 「よろしければ、次のご予約はこのLINEから一言いただければすぐお取りします。食前酒を1杯お付けしますので。」
あなたは宿の接客トレーナーです。以下の材料から、チェックアウト時にスタッフがLINE登録を案内する声かけスクリプトを2種類(①常連のお客様向け ②初めてのお客様向け)、各60字以内の話し言葉で作ってください。
【材料】
・宿名:
・LINEで届くもの: (例: 旬の便り・平日の空き情報)
・登録特典: (例: 次回の食前酒1杯。用意しているものだけ)
条件: 「よろしければ」から始める控えめな口調にする。用意していない特典は語らせず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
文例8: 卓上POPの文面(そのまま使える例)
【旬の便りをお届けしています】 白浜の民宿〇〇のLINEです。市場に並んだ魚のこと、平日の空きのことを、月に2回ほどお送りします。 ご登録の方に、次回の食前酒を1杯。QRコードはこの下にあります。
あなたは宿の掲示物づくりが得意なコピーライターです。以下の材料から、フロントと客室に置くLINE登録案内POPの文面を80字以内で作ってください。見出し・本文・ひとことの3行構成にしてください。
【材料】
・宿名:
・LINEで届くもの:
・登録特典: (用意しているものだけ)
・QRコードの位置: (例: この下にあります)
条件: 「割引」を見出しにしない。【材料】にない特典は書かず、事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
QRコードを紙にする手順は3つです。まず管理画面(またはスマホアプリ)の「友だち追加」の項目からQRコードの画像を保存します。次に上の文面をスマホのメモ帳やWordで打ち、その下にQRコードの画像を貼り付けて1枚のファイルにします。最後にコンビニのマルチコピー機で写真プリントまたはネットプリントとして印刷すれば完成です。声かけは全員に完璧にやろうとせず、「会話が弾んだお客様にだけ」から始めると続きます。
宿タイプ別のLINE活用例
同じLINEでも、宿のタイプによって「最初の配信ネタ」と「リッチメニューで目立たせる枠」は変わります。自分の宿に近い行から着手してください。
| 宿タイプ | 最初の配信ネタ | リッチメニューで目立たせる枠 |
|---|---|---|
| 民宿(食事自慢型) | 今朝の仕入れ・旬の献立の便り | ご予約(電話発信)・今月のお料理 |
| ペンション | 周辺の季節の見どころ・朝食風景 | 空室のお問い合わせ・アクセス |
| 温泉旅館 | 平日のゆったり滞在の提案 | 記念日プラン・貸切風呂の案内 |
| ゲストハウス | イベント・交流会の告知 | アクセス・よくある質問 |

家族で回す民宿なら、配信は「今日の仕入れ」の一点に絞るのが最も続きます。市場で買った魚をその場で1枚撮り、「今朝はこれが入りました」と月2回送るだけで、献立紹介にも近況報告にもなるからです。写真1枚と一行で成立します。
共通するのは、配信もメニューも「宿がお客様に一番覚えていてほしいこと」に絞ることです。何を残すか迷ったときは、過去の口コミで褒められている点を数えてください。食事の記述が多ければ食を、景色や建物の記述が多ければ季節を軸にすると、宿の記憶と配信の内容が一致します。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。
※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。
【要注意】宿のLINEが失敗する4つのパターン
5ステップを実行しても、次の4つのどれかに当てはまると成果が出ません。順に確認してください。
失敗1: 開設しただけで「登録する理由」を用意していない
❌ よくある間違い: アカウントを作り、QRコードをフロントに置いただけで、誰にも案内せず「友だちが増えない」と悩む。
⭕ 正しいアプローチ: ステップ5の3点セット(声かけ・POP・特典)を必ず用意する。お客様から見れば理由のないQRコードは読み取る動機がなく、逆に一言添えるだけで読み取る動機が生まれます。
なぜ重要か: LINEの成果は「友だちの数×関係の濃さ」で決まり、入口を飛ばすと掛け算の片方がゼロのままだからです。客室数の少ない宿でも、月10人の登録が1年続けば120人になり、無料枠をちょうど使い切る規模の名簿ができあがります。
失敗2: 売り込み配信を続けてブロックされる
❌ よくある間違い: 空室が出るたびに「空きあります」「割引します」を配信し、数か月でブロックが積み上がる。
⭕ 正しいアプローチ: 月2回・売り込み3割以下の型を守り、配信の冒頭は季節の話題から始める。SNSの企画・運用の現場でも、宣伝そのものの投稿より「その場所の空気が伝わる投稿」のほうが反応を集めます。
なぜ重要か: ブロックは解除されにくく、一度失った接点はほぼ戻らないからです。宿のLINEは友だち数百人の小さな名簿だからこそ、1件のブロックの重みが大手より大きくなります。
失敗3: 200通の無料枠を全員一斉配信だけで使い切る
❌ よくある間違い: 何でも全員に一斉配信し、しかも1回に吹き出しを3つ並べて無料枠を3倍の速さで消費し、「LINEはお金がかかる」とやめてしまう。
⭕ 正しいアプローチ: 全員への一斉配信は月2回・吹き出し1つの便りに限定し、個別の連絡は1対1のチャットで行う。チャット・あいさつメッセージ・応答メッセージは通数にカウントされないため、常連への個別のお誘いは実質無制限です。
なぜ重要か: 無料枠の200通は「友だち100人×月2回×吹き出し1つ」でちょうど収まる設計だからです。カウントされる配信とされないチャットを使い分ければ、費用0円のまま、むしろ関係の濃い連絡を増やせます。
失敗4: 主人の個人LINEでお客様とつながってしまう
❌ よくある間違い: 手軽だからと個人のLINEを教え、予約も質問も主人のスマホだけに届く状態になる。
⭕ 正しいアプローチ: 窓口は公式アカウントに一本化し、家族やスタッフの誰でも同じ画面から返信できる体制にする。
なぜ重要か: 個人LINEは主人が体調を崩した瞬間に宿の予約窓口ごと止まるうえ、一斉配信もメニューも使えず、名簿としても引き継げないからです。お客様の側にとっても、宿の名前で届くほうが安心できます。
ここまでの内容は、すべて無料の道具だけで完結できます。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。
※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。
返信が来る宿・ブロックされる宿の違い(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。自分の宿のLINEを開きながら、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ あいさつメッセージが初期設定のままではなく、宿の言葉になっている
- □ リッチメニューに予約・問い合わせのボタンがある
- □ 配信は月2回以内・吹き出し1つと決めて守っている
- □ 配信の最初の1文が売り込みではなく季節の話題で始まっている
- □ チェックアウト時に口頭でLINEを案内している
- □ 登録特典(原価の小さいもので可)を用意している
- □ 個別チャットの返信を24時間以内に返せている
- □ 月に1回、友だち数とブロック数を確認している

特に見落とされやすいのが、最後の「月1回の確認」です。友だち数・ブロック数・チャットの件数は管理画面で無料で見られます。数字を見る習慣があるだけで、配信の直し方が「勘」から「根拠」に変わります。
宿のお客様の9割はLINEを使っている|宿側の中身づくりはこれから
「うちのお客様は年配の方が多いから、LINEは合わないのでは」と感じるかもしれません。データは逆を示しています。
まず利用者側です。総務省の「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、LINEの利用率は全年代で91.1%、年代別でも10代から60代まで9割を超え、70代でも71.8%に達します(60代の数値は偶然、全年代平均と同じ91.1%です)。さらにLINEヤフー社は2026年1月、LINEの国内月間利用者数が2025年12月末時点で1億ユーザーを突破したと発表しました。「お客様がLINEを使っていないから届かない」という心配は、ほぼ成立しない環境になっています。
次に市場です。観光庁の宿泊旅行統計調査(2025年・年間値の確定値)によると、2025年の延べ宿泊者数は6億6,111万人泊と比較可能な統計の中で最も多く、一方で客室稼働率の全国平均は61.6%にとどまります。泊まる人は増えているのに約4割の部屋が空いており、「一度泊まった人にもう一度選んでもらう力」の差が、そのまま稼働率の差になる構図です。
実在の例では、三重県鳥羽市の旅館「季さら別邸 刻(TOKI)」が、LINE公式アカウントを電話やWebサイト以外の予約手段として運用しています。さらにLINEコール(友だちからの無料通話)を客室の内線電話代わりに使い、アメニティの依頼や食事の要望を受け付けているとのことです(LINEヤフー社のコラムで紹介された2020年時点の運用例)。客室に内線電話を新設すれば工事を伴いますが、お客様が使い慣れたアプリをそのまま使えば、スタッフはスマホやiPadでどこからでも対応できます。約4割の部屋が空く市場で、追加の設備投資なしに接点を増やせるという点が要点です。
一方で、あいさつ文からリッチメニュー、配信カレンダーまで整え切っている小さな宿は、まだ多くはないと考えられます。利用者側の準備は9割できていて、宿側の中身づくりはこれから。先に整えた宿が、そのまま「思い出してもらえる宿」になれるタイミングです。
よくある質問
Q. 旅館のLINE公式アカウントは、無料でどこまで使えますか?
この記事の5ステップは、すべて無料の範囲でできます。月額0円のコミュニケーションプランで月200通まで配信でき、あいさつメッセージ・リッチメニュー・1対1チャット・応答メッセージ・クーポン・ショップカードは通数を消費しないからです。友だち100人なら、吹き出し1つの配信を月2回でちょうど収まります。
Q. 宿の予約をLINEで受けても大丈夫ですか?
大丈夫です。チャットで日程と人数を聞き、電話や予約台帳で確定する運用なら特別なシステムは要りません。ただし3点だけ守ってください。1つ目は、LINEで予約を受けたらその場でOTA側の空室カレンダーを閉じること(ダブルブッキング防止)。2つ目は、各OTAの規約で禁止されている場合があるため、OTAの掲載ページやメッセージ内ではLINEへ誘導しないこと。3つ目は、旅館業法で宿泊者名簿の備付けが義務づけられているため、名簿への記載は従来どおり行うことです。
Q. 宿のリッチメニューには、何を置けばいいですか?
基本は「ご予約・空室のお問い合わせ・アクセス・お食事やお風呂の案内・よくある質問・友だち限定特典」の6枠で、迷ったら電話やフロントでよく聞かれる質問の上位から置いてください。リンク先が用意できない枠は無理に埋めず、2枠や4枠のテンプレートから始めて構いません。
Q. 旅館のリピーターの作り方として、LINEの他にやるべきことはありますか?
土台として、Googleビジネスプロフィールの整備・口コミへの全件返信・直販特典の3つを並行させると、LINEも効きやすくなります。口コミで宿を知った人がGoogleで宿名を調べ、館内のPOPでLINEに登録する、という流れがつながるからです。全体の手順は民宿・ペンションの集客方法に整理しています。
Q. 宿泊業でLINE公式アカウントを使うのに、有料の拡張ツールは必要ですか?
小さな宿なら、まず不要と考えて差し支えありません。この記事の5ステップは標準機能だけで完結し、月額のかかる拡張ツールが力を発揮するのは友だちが数千人規模になってからだからです。無料の範囲で1年運用し、無料枠が足りなくなったら上位プラン、それでも手が回らなければ拡張ツール、という順番が失敗しにくいでしょう。
Q. 友だちがなかなか増えません。どうすればいいですか?
まず、登録の案内をチェックアウト時の声かけに集中させてください。QRコードを置くだけでは読み取る理由が伝わらないため、「旬の便りをお送りしています」と一言添えるだけで動機が生まれます。月10人でも1年で120人になるので、数を焦るより、確実に泊まってくれた方だけの濃い名簿を作るほうが宿の商売には合っています。
Q. お客様と個人のLINEでやり取りしてはいけませんか?
おすすめしません。個人LINEは主人のスマホに依存するため引き継ぎも分担もできず、一斉配信やリッチメニューも使えないからです。すでに個人LINEでつながっている常連さんには、「宿の公式LINEを作りました」と案内して少しずつ移ってもらいましょう。
Q. 文章を考えるのが苦手です。配信を続けられるか不安です。
この記事の文例8本は、宿名と季節の言葉を入れ替えるだけでそのまま送れる形にしてあります。年間配信カレンダーを一度作って壁に貼れば、毎月の作業は「その月の文例を開いて今の季節の言葉に直す」だけです。自分の宿らしい文章にしたくなったら、各文例の下のプロンプトをAIに貼り付けてください(使い方はChatGPTを旅館で使う方法にまとめています)。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: LINE公式アカウントを無料で開設し、あいさつメッセージを文例2に差し替える
- 今週中にやること: リッチメニューをテンプレートから作り、文例7・8でチェックアウト時の声かけとPOPを用意する
- 今月中にやること: 文例6の形で年間配信カレンダーを作り、最初の「季節の便り」を配信する
5つすべてを一日でやる必要はありません。あいさつメッセージとリッチメニューさえ整えば、あとは月2回の便りを続けるだけです。半年後、あなたの手元には「連絡できるお客様の名簿」という、OTAには決して残らないものが積み上がっています。
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参考・出典
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」(月額料金・無料メッセージ通数・通数のカウント方法・カウント対象外の機能) https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan/ (参照日: 2026-08-16)
- LINEヤフー株式会社 プレスリリース「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026年1月29日発表・2025年12月末時点) https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/020058/ (参照日: 2026-08-16)
- 総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月27日公表。LINE利用率: 全年代91.1%・60代91.1%・70代71.8%) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000125.html / 報告書本文 https://www.soumu.go.jp/main_content/001017160.pdf (参照日: 2026-08-16)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年・年間値(確定値。延べ宿泊者数6億6,111万人泊・客室稼働率61.6%) https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00090.html (参照日: 2026-08-16)
- LINEヤフー for Business コラム「ECサイトから旅館まで! 顧客のニーズや営業スタイルに合わせて利用できるLINEコール」(季さら別邸 刻の事例・2020年12月16日公開) https://www.lycbiz.com/jp/column/line-official-account/technique/20201216/ (参照日: 2026-08-16)
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの『認証済アカウント』とは?」(認証バッジ・LINEアプリ内検索での表示) https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/verified-account/ (参照日: 2026-08-16)
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※本記事の料金・機能・画面表示に関する記載は2026年8月16日時点の公式サイトの情報に基づきます。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。